灯火(下)親し 2           105句

居むかひて妻も燈火に親しみぬ   富安風生   母子草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
親しむに灯火管制めくことも 伊藤白潮 200610
燈火親し書架に眠れる医書あまた 水原春郎 馬醉木 200611
子規の書の諧謔燈火親しめり 大橋晄 雨月 200611
灯火親し電子辞書にも親しみて 島崎勇作 酸漿 200611
燈火親し看取りの閑の紙とペン 福地初江 200611
燈下親し大歳時記にわが句あり 山本康夫 200612
灯火親し天正使節のレース衿 岡本敬子 万象 200612
燈火親し遺影の視線わが方に 山田夏子 雨月 200612
燈火親し箱階段に背を預け 竹内喜代子 雨月 200612
ホームレス街路に灯火親しめり 篠田純子 あを 200612
燈火親し女のための法律書 勝見玲子 200701
酔生夢死厭うて灯火親しめり 大谷茂 遠嶺 200701
灯火親し写経の顔を寄せ合ひて 山内なつみ 万象 200701
地球儀に闇あり灯火親しめる 中村碧泉 ぐろっけ 200701
昭和史に耽りて灯火親しめり 塩田博久 風土 200701
移転の荷積まれいよいよ灯下親し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200703
午後よりの灯下親しむ会二つ 稲畑汀子 ホトトギス 200709
山中にして灯火やや親しめり 鷹羽狩行 200709
龍子の世灯下親しく引き寄せし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
燈下親しドイッ行進曲かかる 岡有志 ぐろっけ 200712
燈火親し句を作ることしてひとり 福地初江 200712
灯火親し身ほとりに置く師の一句 稲嶺法子 遠嶺 200801
燈火親しかたはらに置く虫眼鏡 佐藤和子 万象 200801
灯火親し老眼鏡と育児本 大山妙子 酸漿 200801

 祝鈴木一睡様句集

みちのくの春秋灯下親しみて

稲畑汀子 ホトトギス 200808
酒といふ灯下親しき薬かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200809
ホテルには灯下親しむシャンデリア 稲畑汀子 ホトトギス 200810
灯火親し猫には立志伝とほく 須田紅三郎 200810
燈火会のすみて境内闇親し 狭川青史 馬醉木 200811
灯下親しといへど眼の荒使ひ 千田百里 200811
A5判横綴じ燈下親しめる 定梶じょう あを 200811
燈火親し父の栞の愛読書 水原春郎 馬醉木 200812
燈火親し子の婚ばなし再燃す 竹内悦子 200812
紙に挿すやうな結体灯火親し 小澤克己 遠嶺 200812
論ずればみな若若し灯下親し 鈴木勢津子 200812
灯火親しルーぺに探す辞書の文字 服部菰舟 雨月 200812
燈火親し忘れし文字に拘りて 宮野照子 馬醉木 200901
木の皮の絵はがき燈火親しめり 前川明子 200901
灯火親し戯れてゐる眉間雛 鴨下昭 200901
灯火親しむ救急の書の厚き 四條進 200901
結末を先読み灯火親しめり 吉川隆 春燈 200901
燈火親しむいつまでもワープロ派 久保田由布 ぐろっけ 200901
秋灯下辞書の重みの親しかり 大泉美千代 雨月 200901
燈下親し今はおほかた子の書を借り 瀧春一 深林 200901
忌日とて灯下親しむ心あり 稲畑汀子 ホトトギス 200909
燈下親し新しきもの古きもの 稲畑汀子 ホトトギス 200909
片付かぬ書斎に燈下親しまむ 稲畑汀子 ホトトギス 200909
だまし絵に親しみゐたる秋灯下 山田六甲 六花 200910
子の知恵に寄り添ひ灯火親しめり 三上程子 春燈 200911
灯火親し筑波二峰の裾に住み 鴨下昭 200911
行間に溢るる余情燈火親し 久保田雪枝 雨月 200911
再読の文庫本積み灯火親し 出口賀律子 雨月 200912
燈火親し遺句集に刻預けゐて 足立典子 雨月 200912
灯火親しミシュランガイド繙きて 田中芳夫 201001
書架に句誌揃へて灯下親しめり 三羽永治 遠嶺 201001
身籠りて聖書に燈火親しめり 後藤桂子 万象 201001
家じゆうの虫と灯火を親しめり 鈴木とおる 風土 201001
燈火親しみ再々読の周五郎 平居澪子 六花 201002
虚子も来よ謙信も来よ灯下親し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
灯下親しいつか一人になつてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201009
刻々の滞在灯下親しみて 稲畑汀子 ホトトギス 201010
灯下親し子は古本を買ひあさる 池田光子 201012
灯火親し初版の遠野物語 塩見治郎 雨月 201012
事ひとつ終へて灯火に親しめり 金山千鳥 酸漿 201012
灯火親しベストセラーを買ひ込みて 池本喜久恵 201101
燈火親し絵本も句集曼陀羅も 三谷道子 万象 201101
灯下親し活字の匂ふ新刊書 小山直子 末黒野 201102
轆轤場に灯火親しくひとりかな 木暮陶句郎 ホトトギス 201103
木遣てふ灯下親しきアルトかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108
天井に星床に星灯下親し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109
大会を語る灯下の親しさよ 稲畑汀子 ホトトギス 201109
灯下親し佳人に注がれたる地酒 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110
しみじみとふり返りつつ灯下親し 稲畑汀子 ホトトギス 201110
杞陽さん偲べば萩の灯下親し 稲畑汀子 ホトトギス 201110
灯下親し子は古本を買ひあさる 池田光子 201012
灯火親し初版の遠野物語 塩見治郎 雨月 201012
ごろごろと燈下親しみゐたりけり 山田六甲 六花 201110
燈火親し話いつしか父母のこと 水原春郎 馬醉木 201111
燈火親し表紙油彩の記念号 白澤よし子 馬醉木 201112
独り居に灯火親しむ幸を得て 安永圭子 風土 201112
灯火親し体調悪も幸いに 覚本秀子 ろんど 201112
つれづれに書棚の整理燈火親し 服部珠子 雨月 201112
燈下親し夫と読む書の異なるも 出口貴美子 雨月 201112
灯下親しむゆつくりとゆつたりと 山西商平 ホトトギス 201201
再読の句集に灯下親しめり 大橋伊佐子 末黒野 201201
灯火親しペン胼胝削る肥後守 亀澤淑子 万象 201201
灯火親し妻にはいまだ机なく 内藤三男 ぐろっけ 201201
灯下親し未知の言葉に又出合ふ 史あかり ぐろっけ 201201
夜半までも灯火親しと読み漁る 故井上弘堂 ホトトギス 201206
きつとある灯下親しく語る日も 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
風信帖ひろげて灯火親しみぬ 北崎展江 くりから 201209
おのおのに灯火親しむ二人かな 北崎展江 くりから 201209
燈火親し菓子屋横町より点る 大西八洲雄 万象 201212
燈火親し記紀の神々生き生きと 吉田葎 201212
中々にLED灯下親しめず 能村研三 201210
燈火親し菓子屋横町より点る 大西八洲雄 万象 201212
燈火親し記紀の神々生き生きと 吉田葎 201212
趣味越ゆは病ぞ燈火親しんで 山田六甲 六花 201310
五十六の遺品に灯下親しめり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
燈下親し窓に洗濯物の影 きくちきみえ やぶれ傘 201311
燈火親し上下巻なる歴史物 奈辺慶子 雨月 201312
灯下親し細字にルーペかざしをり 菅野日出子 末黒野 201312
灯下親し机の上の虫眼鏡 金森教子 雨月 201312
燈火親しベストセラーに憑かれたる 水田壽子 雨月 201312
灯火親し父の遺せし広辞林 蒲田豊彦 雨月 201401
灯火親し一ぺージ目はおこぜの絵 中島陽華 201401
灯火親し夫の映りしドアカメラ 山本久江 201401
拾ひ読む断腸亭日乗灯火親し 齋藤晴夫 春燈 201401
こころ句に灯火親しき書を開く 水谷文謝子 雨月 201401
燈下親しく到来の山の物 風間史子 201402
灯火親し→ 3      

2021年10月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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