鳥さかる      82句

鳥交る鳥羽僧正が膝を打ち   和田魚里   機

鳥さかる  鳥つるむ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大庇ゆるび末寺の鳥交る 大沢みちの 青湖 199805
鳥交る大き団地の空穿ち 神蔵器 風土 199806
捨縄のほつれ放題鳥交る 前田陶代子 199901
鳥交る翳を抛って毬抛って 山中葛子 海程 199904
鳥交る大日堂の昼真中 皆川盤水 春耕 199905
無造作に視野広がりて鳥交る 熊谷みどり いろり 200006
青い鼻の道化師さつと鳥交る 松山律子 六花 200006
ひとひらの羽毛虚空に鳥交る 武井清子 200007
半島の付け根の町や鳥交る 小西昭夫 船団 200010
おみくじは大吉とあり鳥交る しおやきみこ 船団 200010
鳥交り髪にぽつんと糞落とす 堀すみ恵 200105
雑音の中の静けさ鳥さかる 江倉京子 あを 200105
向き合うて確かめ合うて鳥交る 山崎赤秋 春耕 200107
やじろ兵衛の舌はくれなゐ鳥交る 延広禎一 200107
鳥交る館に最後晩餐図 田口千恵子 200108
芭蕉庵に米のひさごや鳥交る 神蔵器 風土 200205
城山を渡る松籟鳥交る 山田弘子 円虹 200207
ここだけの話が洩れて鳥交る 角直指 京鹿子 200208
鳥交る青い眩暈を許しおく 木山杏理 京鹿子 200209
訪ねたる入江の碧さ鳥交る 小澤克己 遠嶺 200305
鳥交る明日を限りの遊園地 朝妻力 雲の峰 200305
鳥交る一立の光かな 森谷彰 銀化 200305
積み上げし薪の片減り鳥交る 浜口高子 火星 200306
鳥交るこの世に悲惨なきがごと 辻由紀 雨月 200307
鳥交るや砂鉄の踊る大磁石 延広禎一 200307
鳥交る陸の孤島にハイヒール 江坂衣代 百鳥 200308
ボランティア老の音声鳥交る 加藤峰子 200405
鳥交るまさをき空を撓はせて 神蔵器 風土 200405
鳥交る生産緑地一号地 塩田東水 帆船 200406
老人手帳いきいき使ひ鳥交る 高橋澄子 200406
層塔を転がり落ちて鳥交る 今瀬剛一 対岸 200407
読まぬ本書棚びつしり鳥交る 荒木ゆう子 帆船 200505
鳥交る石屋の土間のまくらがり 大山文子 火星 200506
鳥交る「地獄の門」をこぼれ落ち 服部早苗 200506
朝行の般若心経鳥交る 奥田弦鬼 風土 200506
校倉の宝蔵今に鳥交る 布施まさ子 風土 200507
森揺さ振りてゆさぶりて鳥交る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604
わが庭を周知の如く鳥交る 稲畑汀子 ホトトギス 200604
お隣の庭の結界鳥交る 稲畑汀子 ホトトギス 200604
鳥交る日向日陰の吐玉泉 浅田光喜 対岸 200604
鳥交む枝が見送る船路かな 野中亮介 馬醉木 200606
廃窯の煉瓦の裂け目鳥交る 太田絵津子 200606
パソコンを開く暗号鳥さかる 加藤峰子 200606
命綱を操る空師鳥交る 延広禎一 200705
鳥交るスイマー・ターンの水しぶき 浜口高子 火星 200706
弁天の在す巌や鳥交る 松山直美 火星 200707
鳥交る尋にて計る幹まはり 大曽根育代 遠嶺 200707
鳥交る上野西洋美術館 奥山絢子 風土 200801
切岸に水の一筋鳥交る 関根洋子 風土 200806
廃屋のテレビアンテナ鳥交る 澤辺たけし 万象 200808
その上は昼の月のみ鳥交る 貝森光洋 六花 200905
停泊のマストの先や鳥交る 加藤峰子 200906
鳥交る鬼の瓦のまなこかな 武田漣 炎環 200907
はすかいに神の石段鳥交る 本多俊子 201005
木洩日のくすくす笑ひ鳥交る 矢口笑子 春燈 201005
本山の甍の照りや鳥交る 小川玉泉 末黒野 201006
鳥交る長びく城の濠普請 浜福惠 風土 201105
奥深き熊野権現鳥交る 川越昭子 万象 201105
海女小屋の固き閂鳥交る 笹村政子 初鼓 201105
Gカウンター無人の町に鳥交る 山崎真義 201106
鳥交る真水注入つづきをり 鴨下昭 201106
曝されし東北の地に鳥交る 遠藤実 あを 201106
いろがみの裏みな白し鳥交む 竹内悦子 201205
聖堂の巌つき甍鳥交る 北崎展江 くりから 201209
神の戸を開けて生田ぞ鳥交る 延広禎一 201305
朝もやに勢ひのあり鳥交る 佐藤哲 万象 201405
鳥交る江ノ島少し動かして 神山節子 201406
神生みし島のどかなり鳥交る 原田達夫 201505
禁止事項数え上げては鳥交る たかはしすなお 201506
鳥交る悪人馬子の石舞台 山田春生 万象 201506
鳥交る高尾の山の酒饅頭 和田政子 201506
鳥交るぽかんと昼の月ありて 青谷小枝 やぶれ傘 201507
鳥交る湯島聖堂大屋根に 福島せいぎ 万象 201508
百選といふ里山や鳥交る 中村嵐楓子 春燈 201606
鳥交る大樹の下のおままごと 小形博子 201806
何事も全力投球鳥交る 松井季湖 201806
鳥交るはたきの痩せてきたりけり 三上程子 春燈 201906
開発を拒む城址や鳥交る 伊藤鴉 末黒野 202007
萌黄なる上枝の葉影鳥交る 高木邦雄 末黒野 202007
鳥交る雲の流れを堰止めて 根岸善行 風土 202107
穏やかなる苑の日差や鳥交る 菅野日出子 末黒野 202206
俎板に黒ずみし傷鳥交る 曽根富久恵 202302

 

2023年3月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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