田 植 6       140句

やさしやな田を植るにも母の側   太祇

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ランドセル置き田植機に触れたがる 森岡正作 201007
亡き人に賜る田植日和かな 椿和枝 201007
雨しきり飛騨路の棚田田植待つ 小松渓水 酸漿 201007
暁闇の四囲に水鳴る田植季 藤谷紫映 馬醉木 201008
連休の田植手伝ひ終りけり 田中臥石 末黒野 201008
逆さ富士写して忍野の田植終ふ 大木清美子 201008
田を植ゑて富士の裾野へ線路あり 戸栗末廣 火星 201008
田を植ゑて水の匂ひの夕べ来る 大泉美千代 雨月 201008
田移りに田植機少し難渋し 中原敏雄 雨月 201008
一炊の夢のなか田を植ゑつくし 中村恭子 201008
田植機のためらひがちに進みをり 荒木甫 201008
苗賜ひ百姓心箱田植う 和智秀子 酸奬 201008
目ばかりの顔して田植の姉帰る 渡邉友七 あを 201008
田植どき舟屋に舟を眠らせて 塩路隆子 201009
田に映る比良を乱して早苗植う 中井登喜子 201009
影つなぎ結の田植や隠れ里 薮脇晴美 馬醉木 201009
方位たしかめて田植の第一歩 長田等 201009
田を植ゑて水路に足を並べけり 加山ひさ子 万象 201009
田植終へ村落むらしづかなり道祖神 加藤克 201009
影ひとつ怒濤の島の田を植うる 松永唯道 ホトトギス 201009
夕焼や植ゑ残りたる田一枚 向佐幸子 末黒野 201009
田植すむ知多丘陵の水張田 成田なな女 春燈 201009
もう少し植えたき田植機を洗ふ 佐藤山人 201009
寝て畳座りて畳田植果つ 高村令子 風土 201009
田植機に苗積まれたるままの昼 大島英昭 やぶれ傘 201009
田植終へ道前平野定まりぬ 武司琴子 ぐろっけ 201009
田植すみ風縦横に走りけり 宮平静子 雨月 201009
綱張りて老の田植の二人かな 伊藤公子 酸奬 201009
畦道に車の並ぶ田植時 和田道子 酸奬 201009
師の苗を今日バケツ田に植ゑにけり 大内恵 酸奬 201009
サングラスかけて田植の男かな 高倉恵美子 201010
田の神と濡れて生涯田を植ゑる 林のり代 京鹿子 201010
都市近郊次の田植ゑも週末か 高橋大三 ぐろっけ 201010
君の名は田植ゑみてゐる私に 丸山佳子 京鹿子 201107
畦を行く人影水に田植どき 早崎泰江 あを 201107
老ひとり棚田の田植楽しめり 北尾章郎 201108
ビルの間に男ひとりの田植かな 五十嵐勉 201108
「大鬼」の酒米田植ゑ山仰ぐ 岩木茂 風土 201108
万葉の景に入るごと田植かな 松岡三夫 201108
田植機の消しゆく影や阿蘇五岳 小野千枝子 万象 201108
田植機のあつけらかんと終りけり 齋藤厚子 201108
田植機を見送る鷺のいかり肩 菅野蒔子 末黒野 201108
波寄する際まで田植すみしかな 服部早苗 201109
大地震や隣家も田植出来ぬまま 大村かし子 万象 201109
お田植の時も陛下は笑み湛へ 丹生をだまき 京鹿子 201109
田植待つ一村閑と鎮もれる 伊藤由良 末黒野 201109
田植とてまづ手拭ひを首に巻く 土井三乙 風土 201109
合羽着て田植の朝を声高に 森屋慶基 風土 201109
産土の神のよろこぶ田植歌 柳橋繁子 201109
植ゑ終へし畷に田植機と憩ふ 椋本一子 雨月 201109
ひたすらに田植機を操り戦士めく 古井公代 ぐろっけ 201109
田植終へ二礼二拍手夕日なか 山本雅子 馬醉木 201110
犬も居て家族総出の田植かな 秋千晴 201110
棚田植う絣の尻の見ゆるのみ 秋千晴 201110
猫だけがひまよひまよと田植かな 秋千晴 201110
一人来て一人の田植見てをりぬ 佐土井智津子 ホトトギス 201111
早朝の田に田植機の参上す 松田明子 201111
学級名つけし棚田の田植かな 松下八重美 夢見の鐘 201203
街の景田植の景と変りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
疲れ落とすやうに田植機泥落とす 布川直幸 201205
田植機に泥いきいきと跳びつけり 布川直幸 201205
千枚田畦塗るかたへ田植せる 井村和子 風花 201206
街の景田植の景へ移る窓 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
八号車七番D席景田植 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
日帰りの旅田植前田植後 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
国中に「佐渡飛鳥の碑」田植どき 坂上香菜 201207
急峻な棚田に聞ゆ田植歌 岡野安雅 かさね 201207
泥の香のうれしき田植日和かな 原友子 201207
満願の西国巡礼田植季 池田加寿子 201208
田植どき農夫ひとりの影動く 伊藤和子 201208
夕景の日も月も入れ田植終ふ 辻直美 201208
田植機の坂下りて行く夜明け前 村上倫子 201208
週末や田植機使ふ若主人 山本久江 201208
五位のこゑ田植終へたるところかな 綿谷ただ志 馬醉木 201209
水滔々田植近づくみかの原 小森泰子 馬醉木 201209
鳥羽絵より出で来よ蛙田植終ふ 藤井明子 馬醉木 201209
武者の顔して田植機の戻り来る 宮井知英 201209
舞ひ続く間も粛々と御田植う 大橋晄 雨月 201209
田植踊三つ四つの子の手振りよき 奈辺慶子 雨月 201209
田植機の音立てて過ぐ猿田彦 山本耀子 火星 201209
まつすぐにますぐに田植せし筈が 渡たみ 馬醉木 201210
太柱に凭れ居眠る田植あと 水谷靖 雨月 201210
田植終ふおのれの影を引き上げて 水谷靖 雨月 201210
水神を迎へて峡の花田植 松田明子 201211
山間の田植も済んでをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201305
親鸞の眼玉を寺に田植かな 鳥居おさむ ろんど 201306
早乙女の田植唄などまぼろしか 池田光子 201307
出稼ぎの田植女そろへし昔あり 池田光子 201307
田植機の腕の確かさ夏つばめ 小池清司 かさね 201307
田植ゑ機の運転席に野球帽 瀬島洒望 やぶれ傘 201309
直線は神迎う道田植えする 鎌田悟朗 ろんど 201309
田植過ぎ日本海今朝紺碧に 河合とき 末黒野 201310
用水の流れ激しき田植かな 宮澤勇夫 末黒野 201310
法難の隠れ里とや田植ゑどき 内海保子 万象 201310
田植する棚田の夫婦無言なり 松本アイ ぐろっけ 201310
田植水溢れて道を閉ざしけり 高倉恵美子 201310
御田植の踊りに夕立来てゐたり 岩木茂 風土 201311
拝殿の千木高々と御田植 田中佐知子 風土 201311
簑笠と田植の団子も消えにけり 長憲一 201401
天空へ届く棚田や田植待ち 坂根宏子 野山の道 201404
手元にも雪降る雪中田植かな 工藤ミネ子 風土 201404
真向ひに塔や田植機折り返す 田村愛子 万象 201404
田植済み明日の結納待つばかり 小林朱夏 201405
近江路の田は今まさに田植どき 橋本靖子 201407
本田へいよよ田植の苗運び 渡辺安酔 201407
映りたる家くしやくしやに田を植うる 南うみを 風土 201407
田植機の神事のやうな歩みかな 清水佑実子 201407
田植ゑあと畦切つて水入れにけり 石原健二 やぶれ傘 201407
田を植ゑて水の光の美し村 大畑善昭 201407
水跳ねて田植定規の位置きまる 河前隆三 馬醉木 201408
田植機の出を待つ水田夕映ゆる 鈴木照子 201408
老ひとり磨崖佛背に田を植うる 田中藤穂 あを 201408
麓まで漣となる大田植 生田作 風土 201408
山里の風清すがし田植どき 中野久雄 末黒野 201408
抜けさうな青空の日の田植寒 高橋ひろ 万象 201408
共同の農具とり合ふ田植かな 栗原京子 201408
倒影の富士や田植を待つばかり 森清堯 末黒野 201408
田植終へふるまひ酒に賑はひぬ 武政礼子 雨月 201408
田植終ふ手鏡ほどの小さき田も 野原春醪 馬醉木 201408
田植機の若者一礼して通る 大木清美子 201408
田植機にお神酒呑ませてから仕舞う 貝森光洋 六花 201408
田を植えて遥かに城の見ゆるなり 浜福惠 風土 201408
エンジン音ただそれだけの田植かな 原田達夫 201408
直播きのあすへの仲間田植えする 鎌田悟朗 ろんど 201409
畦に佇つ昭和の風を呼ぶ田植 鴨下昭 201409
近江路や湖の際まで田を植うる 吉田万喜子 雨月 201409
新潟の米所嬉し田植すみ 東秋茄子 京鹿子 201409
海見おろす八町八反田植どき 秋岡美津子 201409
神の田へ一礼拝し御田植 中村洋子 風土 201409
田植機をくまなく洗ひ街へ去ぬ 富永小谷 馬醉木 201409
田を植ゑて送電線のおそろしき 戸栗末慶 201409
休日の長子ひとりの田植かな 山内碧 201410
田植水走り一村動きけり 下平しづ子 雨月 201410
田植まだ終らぬ喪家半夏生 野沢しの武 風土 201411
田を植ゑて義民の里のやすらへり 田中佐知子 風土 201411
白鷺も同じ抜き足田植に蹤く 堀内一郎 堀内一郎集 201412
田植機を牛のごとくに撫でてをり 小野 寿子 201501
田植水走る輪中のどの田にも 水谷文謝子 雨月 201501
つづく低温田植進捗一% 野沢しの武 風土 201501
小満や遅れてゐたる田植急ぐ 野沢しの武 風土 201501
田植 →7      

 

2021年6月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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