田 植 7       101句

蕗の葉にいわしを配る田植かな   一茶

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大田植なかばは隣村なりし 河前隆三 馬醉木 201507
田植終ふ辻に酒器持つ道祖神 大森三保子 馬醉木 201508
安達太良の倒影淡き田植かな 鈴木漱玉 馬醉木 201508
耶蘇島の田植ひそけき安息日 城台洋子 馬醉木 201508
遠山の晴れて一村田植終ふ 大石喜美子 雨月 201508
忌を修し日の暮るるまで田植かな 山内なつみ 万象 201508
泥んこもゐる学童の田植かな 大橋弘子 末黒野 201509
田植終ふ車窓七曜はじまりぬ 水田壽子 雨月 201509
尾根雲や田植機だけが動きをり 井浦美佐子 201510
苗を挿すたび胸ぬらす深田植 深川淑枝 201510
田植ゑ機は田に止めしまま昼餉時 瀬島洒望 やぶれ傘 201510
田植機の音の中なる夏の蝶 廣畑育子 六花 201510
代々の苦労を田植機に托す 山下美典 ホトトギス 201511
田植終へ平らとなりし里の景 山下美典 ホトトギス 201511
田植機の去りてさみどり色の風 布川直幸 201604
雪中田植蓑笠つけて子もまざり 奥山テル子 万象 201605
下総や植田の光また光 町山公孝 201607
田を植ゑてさざなみのゆくばかりかな 根橋宏次 やぶれ傘 201607
田を植ゑし水郷を守る観世音 水谷文謝子 雨月 201607
白山の水をたたへて田植ゑかな 池田光子 風土 201607
お田植祭終はれば社がらんどう 宮井知英 201607
昨夜よりの雨のあがりし田植かな 樋口みのぶ 201607
田植され葉先の揺るる越後かな 森理和 あを 201607
車椅子の兄見守りぬ田植かな 三木千代 201608
姥捨ての夫へ植ゑ上ぐ棚田かな 甕秀麿 201608
田植機の畦ぎりぎりに隣る田へ 甕秀麿 201608
青空に足踏み入れて田植かな 平田はつみ 馬醉木 201608
田植機や植ゑ欠くままに一直線 上家正勝 末黒野 201608
田を植うる手許に雲の映りをり 内海保子 万象 201608
田植機の植ゑ損じたる苗の浮く 佐津のぼる 六花 201608
田を植ゑて水に日輪宿しけり 水谷文謝子 雨月 201608
村の影映し植田の水走る 水谷文謝子 雨月 201608
田植機のたちまち絣織り上ぐる 楠原幹子 201608
田植ゑまだ終わらぬ喪家半夏生 野沢しの武 風土 201609
田を植ゑて碧落鏡の消えにけり 伊藤紫水 風土 201609
たたなはる山ふところの田植かな 斉藤マキ子 末黒野 201609
田植機を洗ひ早苗饗始まりぬ 宮井知英 201609
天水田まじる棚田の田植かな 田中とし江 201609
田を植ゑて峰の稜線あらはるる 栗原京子 201609
終の田は没日待たせて植ゑられし 熊川暁子 201609
田を植ゑてふるさとの風若返る 岸洋子 201610
辻堂を遠慮づかひに田植の餉 和田照海 京鹿子 201610
曾良の忌の輪中長島田植ゑどき 内海良太 青嶺 201612
田植待つ蝦夷の大地の果てしなく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
かさね着をして出てゆきぬ田植荒れ 中川句寿夫 ここのもん 201705
髪刈って田植すみたる顔で会う 中川句寿夫 ここのもん 201705
返事まだ決めかねてゐて田が植わる 中川句寿夫 ここのもん 201705
妻なしの田植布子の踏み洗ひ 中川句寿夫 ここのもん 201705
余り水走る一村田植どき 下平しづ子 雨月 201706
晩節の田植疲れの抜けきらず 下平しづ子 雨月 201706
阪東太郎の水引き始む田植かな 石橋邦子 春燈 201707
田植終ふ吾も一国の城主たり 森岡正作 201708
連休の果てて田植も終りけり 田中臥石 末黒野 201708
田植足袋脛ふくらまし干されたる 鎌田光恵 201708
植ゑられて列の曲りしお田植祭 高野昌代 201709
ひとところ泥のつめたき田植かな 中根美保 風土 201709
田植機のひびく泥田や老一人 菅野日出子 末黒野 201709
田も畑も忙しくなり田植あと 下平しづ子 雨月 201709
順々にととのつてゆく田植かな 秋津令 201709
秩父嶺にかかる笠雲田植どき 和田幸江 春燈 201709
小溝にも水ゆたかなる田植かな 永井惠子 春燈 201709
田植機の余韻ひたひた村灯る 山中志津子 京鹿子 201710
少しくたびれて御田植の余り苗 樺山翠 雨月 201710
シルエットめく田植機の往き来かな 菅谷たけし 201807
五月連休田植やうやく終りけり 田中臥石 末黒野 201808
田に入りてより田植機の音はづむ 谷村祐治 雨月 201809
御田植の近づき幣の靡きゐる 吉村幸子 雨月 201809
麦刈と田植の忙し下野路 田中たつを 雨月 201809
田植機のあとの田を視る老農夫 田中たつを 雨月 201809
田植機の水脈ゆるゆると広ごれり 中島昌子 201809
泥靴の駐在おはす田植時 夏生一暁 馬醉木 201809
田植機を洗ひ子の足洗ひけり 藤井彰二 馬醉木 201809
産土の隠沼祓ひ田植水 和田照海 京鹿子 201809
一服の田植肴や頬に風 伊吹之博 京鹿子 201809
田植時村のどこかに水の音 吉田万喜子 雨月 201810
田植機の田へゆるゆると着水す 稲岡みち子 雨月 201810
追炊の焦げ目の旨き田植かな 山田健太 風土 201811
石ひとつ除けし流れや田植時 児玉充代 201812
惑星の水揺らしをり田植唄 栗原京子 201902
子供等の田植江戸の世近付けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
ひとり来て田植仕度の始まりぬ 能村研三 201906
田植機の水の余白を残しゆく 平田はつみ 馬醉木 201908
棚田植う子連れの加勢よく動き 壺井久子 馬醉木 201908
千枚田植ゑてととのふ村の郭 壺井久子 馬醉木 201908
田植機の日を躍らせて折り返す 能村研三 201908
田植機の優者のごとき鉄の指 五十畑悦雄 201908
早苗束投げて峡の田植ゑすすむ 小林和子 201908
連休は喪に服しをり田植急 田中臥石 末黒野 201908
吸物に浮かぶ花の麩田植終ふ 太田チヱ子 末黒野 201908
小さき手が父母の肩揉む田植の夜 有松洋子 201909
田植うるもろもろの生きものの園 柴田靖子 201909
筑波嶺を遠く田植機音軽し 斉藤マキ子 末黒野 201909
田植笠赤児は籠に遊びをり 池谷鹿次 末黒野 201909
一粒の籾の命の田植かな 菊谷潔 六花 201909
一点にひかり集まり山田植う 篠田純子 あを 201909
一村を水攻めにして田植果つ 石黒興平 末黒野 201910
寸分も狂はず田植機苗を挿す 南うみを 風土 202007
連休は田植真昼の海ひびく 田中臥石 末黒野 202008
田植機の入り来夕日の冠木門 田中臥石 末黒野 202008
田植機を操る傘寿心意気 小笠原妙子 202009
クーファンの吾子に乳やる田植かな 田中美恵子 202009
父守るや長子田植機試運転 小原芙美子 風土 202011
おばこから雪中田植に来いといふ 山田六甲 六花 202102
田植歌エンジン音に変りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
御田植に御座す日の神土の神 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
御田植や住吉さんは閉ざされて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
田植機は大童農夫は嬉々と 長崎桂子 あを 202106
田植時鵟ゆるりと飛びにけり 須賀敏子 あを 202107
水の香に潮の香混じる田植ゑかな 谷田明日香 風土 202107
泥まみれになりて体験田植かな 江草礼 春燈 202108
窓開けて仏間に届く田植歌 田嶋洋子 春燈 202108
田植機の婿に声掛け通りけり 田中臥石 末黒野 202108
一望の阿蘇の遠景大田植 石橋みどり 202109
エンジンの音唸らせて大田植 石橋みどり 202109
夕の日へ腰を畳みて田植かな 間島あきら 風土 202109
学生の田植に帰省するといふ 岩岡中正 ホトトギス 202111
映りたる山の頂踏む田植 中村襄介 ホトトギス 202111
いつの間に消えたるものに田植唄 岩岡中正 ホトトギス 202111
妹の田植も今年限りなり 須賀敏子 あを 202207
田植いまさかりや畦に海ひびく 田中臥石 やぶれ傘 202207
さざなみに光が躍る田植え明け 高畑太朗 202209
相客は田植ゑ済んだと露天風呂 瀬島洒望 やぶれ傘 202209
跡目継ぐ三男坊が田植機に 瀬島洒望 やぶれ傘 202209
田植終へ風の生まるる夕べかな 能美昌二郎 202209
富士山へ向き筑波へ返す田植かな 川崎登美子 202209
鉄塔が水面に並ぶ田植あと 竹内文夫 やぶれ傘 202210
児童等の棚田で田植ゑ雲白し 貫井照子 やぶれ傘 202210
水しぶきあげ田植機の泥落とす 笠井令子 202210
田植の子手をひらひらと足を抜く 森田節子 風土 202210
御田植の復活汗の止めどなく 山口民子 202211
夕づつや田植機土をこぼしゆく 深川淑枝 202302
田植機のはや出勤やご満悦 長崎桂子 あを 202305
田植→1

 

2023年6月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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