田 畑   55句

休耕  田畑

作品
作者
掲載誌
掲載年月
田畑にめりはり見えて春近し 久崎富美子 199901
十歩にて尽きる田畑に猪垣結ふ 安藤時子 200001
春耕や田畑の神のひとりごと 保坂加津夫 いろり 200004
春雪を田畑に置いてあがりけり 保坂加津夫 いろり 200004
ふたたびの郭公田畑澄みにけり 石田邦子 遠嶺 200009
人の手の係る田畑山笑ふ 十見達也 銀化 200206
四両で買ひし田畑夏炉守る 中條ひびき 百鳥 200211
日あたりの良き田畑なり春夕日 井関祥子 酸漿 200305
春の日や田畑に力蘇る 泰江安仁 百鳥 200305
秋収め田畑に笑顔ありにけり 長崎桂子 あを 200601
冬山や田畑継ぐ子の眉太し 西氏宣子 遠嶺 200605
ふかふかと踏む田畑に芽ぐむもの 長崎桂子 あを 200605
水澄むや田畑も土に先づ還る 瀧春一 瓦礫 200606
古里に残す田畑やつくづくし 大房帝子 酸漿 200607
守り継ぐ田畑は重し畦を焼く 山田弘子 ホトトギス 200707
田畑になりきつてをり夏雲雀 荒井和昭 200709
千の田鶴引きて名残の田畑かな 三輪温子 雨月 200806
山笑ふ田畑ひろがる駅家跡 川崎光一郎 京鹿子 200807
水天碑田畑豊かに水澄めり 池上昌子 春燈 200812
田畑守る一刻者の頬被 水谷靖 雨月 200903
寒の内田畑の色はビニール色 長崎桂子 あを 200903
春焚火はぜて田畑に人散らす 小山徳夫 遠嶺 200906
竜天に登り田畑の慈雨ひかる 中山純子 万象 200907
瑞饋神輿の存続願ひ田畑守る 久保田雪枝 雨月 201001
列車行く田畑はいつか春の色 坂根宏子 201005
霜晴れの田畑広ごり三輪の山 中島陽華 201101
耕人を得て田畑の蘇へる 来海雅子 201106
ぐらぐらと田畑がゆれて水漬く春 鴨下昭 201106
むらぢゆうの田畑は瓦礫朝つばめ 鴨下昭 201106
啓蟄の海にのまるる家田畑 中野京子 201106
紫雲英咲き始動の田畑はしゃぎけり 宮田香 201107
四月来ぬ雪をはなさぬ田畑かな 森屋慶基 風土 201107
春めくや田畑に人の笑ひ声 福本すみ子 201204
穀雨止み田畑の実りを祈るのみ 東秋茄子 京鹿子 201208
残骸となりし田畑や秋の雲 高倉和子 201210
茅花風近江の田畑撫でゆける 竹内悦子 201408
でで虫や田畑重荷となりて候 岡澤田鶴 201410
秋冷や田畑乾びる黄金色 長崎桂子 あを 201411
台風裏水の田畑を跨ぎけり 瀬川公馨 201412
ふるさとの田畑手離し今日芒種 大橋雅子 万象 201509
森を出て田畑を包み風光る 布川直幸 201604
開墾の田畑梳き来る青やませ 森屋慶基 風土 201609
人声の田畑の中の焚火より 磯野しをり 雨月 201702
産土の火山灰降る田畑神の留守 斉藤マキ子 末黒野 201703
田畑(でんぱた)なり田畑にあらず豊の秋 松山三千江 春燈 201801
わが村の田畑溝川薄氷 廣畑育子 六花 201805
此の辺り田畑は続くつばくらめ 長崎桂子 あを 201807
車窓には無人の田畑炎天下 神田惣介 京鹿子 201811
空広し見渡す田畑踏む枯葉 石森理和 あを 201901
田畑の平たくなりて冬に入る 曽根富久恵 201905
田畑失せ村社細々初詣 種田利子 春燈 202004
山笑ふ田畑宅地となつてをり 小林共代 風土 202105
喜雨降つて色の生れし田畑かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
空だけを映す田畑秋出水 森村江風 202111
冬枯や田畑の視野の広がれり 丹羽武正 京鹿子 202204

 

2022年6月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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