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ほうほうと老がはげます耕馬かな   朴魯植   ホトトギス

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春耕や畝黒々と真直なる 三川美代子 201105
春耕や土ゆつくりと動き出す 小山繁子 春燈 201105
耕人の声やはらかく戻りけり 海老根武夫 201105
時差のある旅もせずゐて耕せり 辻直美 201105
春耕の土くれ匂ふ畑のあり 東芳子 酸漿 201105
春耕の田にせきれいの餌をさがす 井関祥子 酸漿 201105
父恋ふ一打母恋ふ一打耕せり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
耕の音たしかなる伏目かな 乗光雅子 雨月 201105
日まみれの一耕人でありにけり 水谷靖 雨月 201105
春耕や季節のふたつの先をよみ 松岡和子 201106
鹿出没されど春耕ひたすらに 杉本綾 201106
尽くるまで人は耕すこの世かな 宮野照子 馬醉木 201106
春耕の土をあやして終りけり 小林朱夏 201106
耕人を得て田畑の蘇へる 来海雅子 201106
耕せば心にも風通るなり 高橋将夫 201106
耕せる眠れる土のほのぬくし 川崎良平 雨月 201106
遠景に見ゆ春耕が伸ばす腰 年森恭子 ぐろっけ 201106
耕して匂ふ大地となりにけり 内藤三男 ぐろっけ 201106
耕せば広くなりたる段畑 三浦カヨ子 酸漿 201106
春耕の人影遠くなりゆきぬ 早崎泰江 あを 201106
千年を耕して来て津波また 稲岡長 ホトトギス 201107
耕のはかどつてゐるとも見えず 三村純也 ホトトギス 201107
通り雨気にもかけずに耕せる 三村純也 ホトトギス 201107
耕せる土に音なく滲むる雨 菅野蒔子 末黒野 201107
前頭葉耕してゐる草むしり 細川洋子 201107
耕せる土に余生を癒さるる 内藤三男 ぐろっけ 201107
耕すや横向きに乗るトラクター 石坂比呂子 ろんど 201107
春耕のはじめの一打天を掻く 笹村政子 六花 201107
耕運機憩ひの時は吾子乗せて 木山白洋 馬醉木 201108
耕せる一打の鍬の軽さかな 内藤三男 ぐろっけ 201108
津波避けられぬ大地よ耕せる 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
かけがへのなき命もて耕せり 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
耕や出でくる石を抛りつゝ だいじみどり 201203
捨て難き段々畑耕せる 藤本秀機 201204
父の年越えて畑を耕せり 辻紅葉 かさね 201204
春耕や老爺操つるトラクター 嵐弥生 末黒野 201204
耕人を遠く農の血さわぎをり 原和三 末黒野 201204
文弱の我が十指もて耕せる 水谷文謝子 雨月 201204
段畑に耕人の声雲間より 阪本哲弘 201205
春耕の一人をまたも神隠し 高倉和子 201205
反骨の力まかせに耕せり 鴨下昭 201205
春耕の筋目きつちりはぐれ雲 上原重一 201205
放射能ありて淋しき春の耕 佐藤健伍 201205
春耕の烏と三メートルの距離 犬塚芳子 201205
伊吹嶺の無垢なる光耕せる 水谷文謝子 雨月 201205
春耕や産土神の息づかひ 松木ひろ ろんど 201205
一番星残し耕人帰り来る 上田健三 万象選集 201205
エンジン音して耕人の遠のけり 遠山みち子 201205
春耕か茂吉生家を男出づ 小林愛子 辻楽師 201206
春耕の農婦かがみて尻ばかり 細川知子 ぐろっけ 201206
春耕に田守老いたり鍬立てて 松本恒子 ぐろっけ 201206
耕の高きにあらず印南野は 深澤鱶 火星 201206
春耕や媼ひとりの段畑 辻井ミナミ 末黒野 201206
春耕の足跡残しゆきにけり 白石正躬 やぶれ傘 201206
新しき鍬の切れ味春耕す 久世孝雄 やぶれ傘 201206
耕の真つ只中へ郵便車 古川千鶴 かさね 201207
耕人のつもりの卵かけ御飯 石田きよし 201207
太陽を白毫として耕せり 大島翠木 201207
耕の日を負ひ嶺々の風を負ひ 水谷靖 雨月 201207
自適とは十坪の畑を耕しぬ 戸栗末廣 201208
夢に出る春耕父のうしろ鋤き 古川忠利 ろんど 201208
谷底を耕してゐる息白し 浜口高子 火星 201303
眼下なる耕せし田の紫に 山田六甲 六花 201303
春耕や土に雨しむ日暮来て 武藤嘉子 201303
春耕の畝に鴉の句読点 村上倫子 201304
縦横に田を耕してありにけり 山田六甲 六花 201304
耕せる音城山に上り来る 山田六甲 六花 201304
日輪へ耕せる顔進みゆく 山田六甲 六花 201304
耕人へ親しげに寄る夕鴉 塩路隆子 201305
春耕や後退りする山の影 藤井君江 馬醉木 201305
風にまだ芯ある畑耕せり 田所節子 201305
春耕す作付計画練りながら 青野安佐子 201305
春耕やまづは田神に無事を請ひ 高木健吉 雨月 201305
春耕の畝とも畑とも見えず 杉本綾 201306
猪豚となりて春耕原発地 物江康平 春燈 201306
せせらぎは一日おしやべり耕人に 大畑善昭 201306
春耕の前に買ひ足す油粕 鈴木石花 風土 201306
太陽を背中に置いて耕せり 岩木茂 風土 201306
春耕の土生きてをる日の光 岩下芳子 201306
耕しの花壇脈打つ午後となる 加藤峰子 201306
黒々とふくるる思ひ耕せり 齋藤厚子 201306
耕人の一鍬ごとの退りかな 安斎久英 末黒野 201306
春耕のこの一畝になに蒔かん 久世孝雄 やぶれ傘 201306
耕作を継がぬ畑に菜花咲く 須賀敏子 あを 201306
教頭がひとり耕す学習田 石橋萬里 ぐろっけ 201307
陶の村耕す畑も陶の色 瀧春一 花石榴 201312
子守る子に折返しては耕せる 山田六甲 六花 201403
耕して紅梅の木を離れけり 山田六甲 六花 201403
つま先を谷底へ向け耕せる 山田六甲 六花 201404
耕人の視野ひろびろと印旛沼 安立公彦 春燈 201404
耕しやつち色に土をどり出て 山田六甲 六花 201404
耕しの大きな岩をめぐりけり 山田六甲 六花 201404
長靴を履き耕人となりにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201405
春耕や祖母在りし日の鍬の音 中村紀美子 春燈 201405
春耕やいづくかに聞く水の音 藤生不二男 六花 201405
耕して黒々と山富むごとし 柴田佐知子 201405
大きな手畑ある限り耕せり 秋友昌子 雨月 201406
春の土耕してをる寿限無かな 雨村敏子 201406
黙もくと翁耕す土黒し 新堀満寿美 末黒野 201406
幣差してひとり春耕始めけり 大坪景章 万象 201406
腰構へよく春耕の鍬一打 山口誠 馬醉木 201406
耕人の一瞥受けし嵯峨詣 西村節子 火星 201406
耕運機ねむき地虫を陽に曝す 塩貝朱千 京鹿子 201406
耕を余しし父の釣り支度 大山文子 火星 201406
耕の傘寿の鍬を自祝して 植村よし子 雨月 201406
耕のあらかた済める近江の田 大橋晄 雨月 201406
耕して晩節汚すこともなく 山本喜朗 雨月 201406
耕して大地ゆるりと動きけり 下平しづ子 雨月 201406
耕してしづかに余生満たしけり 柴崎英子 201406
ゆるみたる土深々と耕せり 久世孝雄 やぶれ傘 201406
雉子歩く大地を人は耕せり 鈴木初音 201407
春耕の土より息吹もらひけり 武藤嘉子 201407
耕人の昔話や生駒山 庄司久美子 201407
耕の土の角なりすぐ乾く 城孝子 火星 201407
耕しの老爺や仰ぐ空模様 吉田きみえ 末黒野 201407
耕しの鍬を休めず遠会釈 佐津のぼる 六花 201407
酒屋より春耕帰りの男かな 古川忠利 ろんど 201408
耕人の伸ばして腰の伸びきらず 湯川雅 ホトトギス 201408
山並の裾まで黄土耕せり 江見悦子 万象 201410
影折りつ斜への畑を耕せり 奥井あき 201405
耕人のしばらく風を見てゐたり 神山 節子 201501
耕 →6      

 

2021年3月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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