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耕すやむかし右京の土の艶    太祇

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水に漬けて春耕の鍬たしかむる 保坂加津夫 自在抄 199600
一日の四隅を使ひ春の耕 小澤克己 遠嶺 199805
耕すに掘り出してや牛の角 岡井省二 199806
春耕や海たひらかに日を返し 石谷清武 馬醉木 199806
春耕の土に命の弾みたり 邑橋淑子 遠嶺 199809
耕せば土にめがありはらわたあり 奥田甲子男 海程 199810
耕すや学校田も神祀り 塩田博久 風土 199901
サンテステフ村の日差に耕せる 稲畑廣太郎 ホトトギス 199902
春耕の息継ぎに肉刺吹いてをり 樋口英子 朝桜 199904
土に親しむといふ言葉好き春耕す 笹本達夫 199905
耕のまづ下ろさるる渡し板 朝妻力 俳句通信 199905
耕牛や働きながら休む獣 大谷昌弘 海程 199906
眠り方忘れた耕牛吾が兄弟 大谷昌弘 海程 199906
耕や漢が地球割らむとす 宮澤さくら 遠嶺 199906
春耕や奔放なりし鳥の声 石田邦子 遠嶺 199907
谷をのぼる春耕のあり朝は水 塩野谷仁 海程 199907
耕すは石除くこと山の畑 竹内久子 京鹿子 199907
耕して空白の手帳に日付 吉田素糸 海程 199910
耕牛のおのが影捨つ泥づくり 丸山海道 海道全句集 199910
はじめての耕しの鍬尊べり 能村登四郎 芒種 199911
耕すや土をいたはる鍬さばき 能村登四郎 芒種 199911
耕や家庭菜園賑はひぬ 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
平家村霞の中を耕すか 笹倉さえみ 雨月 200001
春耕の前も後ろも小糠雨 小澤克己 遠嶺 200004
春耕や田畑の神のひとりごと 保坂加津夫 いろり 200004
亀石が出ぬかと深く耕しぬ 朝妻力 俳句通信 200004
うまさうな畑の土を耕せる 浜口恵以子 風土 200005
耕しの畦の紅白あられ餅 岡本高明 200005
耕しに十を宥めるしぐさあり 小菅暢子 200005
春耕す乳房が今日も張ってくる 保坂加津夫 いろり 200005
長命やすこやかにして春耕す 大平保子 いろり 200005
四五人の耕してゐる農学部 福井鳳水 円虹 200006
春耕や鍬土落すへらの音 野口年江 酸漿 200006
大仏の見ゆる地に住み耕せり 大西八洲雄 春耕 200006
ぽつり耕す人学校があり踏切あり 立岩利夫 海程 200006
耕して木吊り聖鐘守る媼 水岡芳子 馬醉木 200007
土浅き己が春耕顧みる 斉藤利雄 遠嶺 200007
春耕や無花果畑に藁敷いて 竹内悦子 200007
耕して山里はいま眠きいろ 大東二三枝 200007
耕せば畝ふつくらと艶戻す 三嶋八千穂 ぐろっけ 200007
耕や昼餉のあとのうす曇 真保喜代子 200101
耕して今年の生活始まりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200103
耕人としてブルゴーニュ城主かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200103
子を乗せて戻つて来たる耕転機 丁野弘 200103
ふり出しに戻る思ひに耕しぬ 千原叡子 円虹 200103
春耕やくぐもるこゑを浄めつつ 小澤克己 遠嶺 200103
観音の千手どの手が耕すや 鷹羽狩行 200104
耕しの一枚岩をめぐりけり ロツキイ 六花 200104
斑鳩の塔をそびらに耕せり 山口たけし 春耕 200104
耕人に一礼をして畦をゆく 萩谷幸子 雨月 200105
耕すや採算なんど考へず 久保田雪枝 雨月 200105
春耕や秩父の嶺の風やはし 米須あや子 遠嶺 200106
残り火を土もろともに耕しぬ 近藤きくえ 200106
海鳴りや耕しの人こつと消え 中村立身 百鳥 200106
耕して藪に夜風の音たまる 渡辺友七 あを 200106
耕人の蟷螂のごと鍬ふれり 渡辺友七 あを 200106
耕して棚田はどこも夕茜 鰍澤真佐子 春耕 200107
バス通る度に顔あげ耕せる 神崎律子 200107
耕人の動かざりけり麦青む 安原楢子 200107
家裏を空へ耕す峡深し 倭文ヒサ子 酸漿 200107
耕運機渡りて村のバス動く 北吉裕子 俳句通信 200107
耕すや鼠銜へて猫走る 村瀬初実 春耕 200107
耕して星に出会ひし風の音 川端実 遠嶺 200107
マンモスの化石出るまで耕せり 辻享子 シャガールの女 200108

 「耕」十五周年を祝して

耕人にかしづく朝の日も土も

鷹羽狩行 200108
新しき土の色見せ耕せる 能村登四郎 羽化 200110
耕しの後のひと雨自由席 墨谷ひろし 船団 200111
白雲のしきりに動く耕馬かな 安達しげを 船団 200111
耕せる本家と分家日をへだて 栢森定男 あを 200202
二十一世紀の日本耕せる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200203
日出づる国耕してをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200203
耕して日本の四季始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200203
日の中の春耕の畝濡れてゐし 宇田喜美栄 200204
耕すや国司の屋敷ありし跡 清わかば 雲の峰 200204
春耕の人遠くよりいつくしむ 山野みどり 銀化 200204
耕して柚子の黄高く残しけり 柳沢杏 酸漿 200204
春耕の畝整然としづごころ 井上三千女 200205
耕人の気骨カラスの気骨かな 黒田咲子 200205
春耕の土漁りくる大鴉 高野清風 雲の峰 200205
春耕す畦に肥料をまづ運び 中野菊子 春耕 200205
湯気上がる丹波の一隅耕せり 三井孝子 六花句集 200205
ワゴン車に鍵耕しの人となる 長谷川鉄夫 200205
日本一勤勉な農耕せる 泉田秋硯 200206
耕耘機の意外な迅さ爺乗せて 小澤菜美 200206
耕して野の水平を間近くす 松本鷹根 京鹿子 200206
耕して田のまだどこも濡れてゐず 磯田富久子 200206
耕しの老農に鳥集まれり 上田祥子 遠嶺 200206
鍬立てて春耕の香に身を浸す 中島あきら 200206
ちよと狭庭耕す余生なりしかな 黒川悦子 円虹 200206
迷ひたる道のこゝにも春耕す 福井鳳水 円虹 200206
耕やスコップの柄に上つぱり 丸山分水 200206
耕して島畑守れる修道女 高橋照子 雨月 200206
棚田耕人顔上げて瞬けり 青山丈 200206
耕して天に至れば蟇めく家 渡邉友七 あを 200206
山の名を村の名として耕せり 大城まつ子 200206
耕人の明日もそこにゐるやうな 中村智恵子 200206
春耕のひとりに風の殺到す 櫻井多恵 200206
春耕や畝づたひ寄る畑の人 丸山冬鳳 京鹿子 200207
耕して来し母の背の厨かな 大東由美子 火星 200207
耕→ 2      

 

2021年3月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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