涼 し 20    100句

涼しさや行燈消えて水の音    正岡子規

涼し  涼気

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一人おきの座席役者の所作涼し 沼崎千枝 末黒野 202104
船泊てに星の出揃ふ涼しさよ 柴田近江 202105

 悼千原叡子様

遺されし椿子館の灯涼し

稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
出席の出来し安堵の露涼し 稲畑汀子 ホトトギス 202107
露涼し椅子の配置も考へて 稲畑汀子 ホトトギス 202107
いつもより広き部屋とて露涼し 稲畑汀子 ホトトギス 202107
出席は元気の証露涼し 稲畑汀子 ホトトギス 202107
旅幾つあきらめしこと露涼し 稲畑汀子 ホトトギス 202107
取り戻す元気幾度露涼し 稲畑汀子 ホトトギス 202107
運転もしばらく休み露涼し 稲畑汀子 ホトトギス 202107
涼しけれ王子を乗せぬ白馬こそ 辻美奈子 202107
火をくぐりきし白磁壺涼しかり 平松うさぎ 202107
どの旅も語り尽せぬ涼しさに 稲畑汀子 ホトトギス 202108
石の上の亀その上の亀涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
別撮りの新郎新婦園涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
しづけさといふ涼しさの竹林 足立枝里 202108
嫌なこと一度に済ませ星涼し 高橋将夫 202108
夕涼し国恋ふ墓碑の月日かな 岩永はるみ 春燈 202108
姉妹涼しく助け合ひにけり 田嶋洋子 春燈 202108
涼しさの入歯入れての朝餉かな 井上正子 春燈 202108
月涼し布巾を干してひと日終ふ 向井芳子 春燈 202108
涼しさや歩めば詩歌の湧くほとり 斉藤みちよ 春燈 202108
子午線の大円上にゐて涼し 辻美奈子 202109
蔵店は老舗のくらみ涼しかり 高橋あさの 202109
回廊をゆく人影のあり涼し 有賀昌子 やぶれ傘 202109
一燈の涼しさに立つ警備員 丸井巴水 京鹿子 202109
涼しさや一筆箋の青インク 黒滝志麻子 末黒野 202109
ぶな盆樹の影の涼しき机上かな 田中春江 末黒野 202109
想ひ出の碧き箸置き膳涼し 岩崎藍 末黒野 202109
しつくりと馴染む庭下駄朝涼し 森川享 末黒野 202109
FMのジャズ流れをり星涼し 津野桂子 末黒野 202109
街涼し心やすらぐ友の居て 毛利直子 末黒野 202109
シーサーの鼻腔の白き秋涼し 今井肖子 ホトトギス 202109
鳩居堂香の匂ひの涼しかり 田中佐知子 風土 202109
少年の碁士の一手や涼しかり 橋添やよひ 風土 202109
柱頭はイオニア式よ館涼し 間島あきら 風土 202109
図書館てふ活字の森にゐて涼し 大沢美智子 202110
猪牙舟の艪軋む音よ夕涼し 平松うさぎ 202110
歳時記は智育のうつは星涼し 安藤しおん 202110
湯上りの肌の掴みし涼しさよ 澤田英紀 202110
力抜くことの涼しさ肘枕 江森悦子 202110
逡巡も不可思議も数星涼し 竪山道助 風土 202110
菩提樹の葉陰涼しき桂郎碑 岩木茂 風土 202110
一礼し仰ぐ千年杉涼し 中村洋子 風土 202110
観世音見上ぐる人の目の涼し 中村洋子 風土 202110
海原の涼しドレスの舞ふ甲板 伊藤希眸 京鹿子 202110
涼しさや昼の寿司屋の開店前 森なほ子 あを 202110
旅鞄置いて涼しき駅ピアノ 宮崎洋 春燈 202110
高きよりのぞむ漁火宵涼し 山下健治 春燈 202110
月涼し二人の影を見失ふ 小林紫乃 春燈 202110
はせを句碑辿り湖族の郷涼し 古賀しぐれ ホトトギス 202111
月涼し門限近きシンデレラ 酒井湧水 ホトトギス 202111
三瓶野へ涼しさへ踏み入りにけり 山西商平 ホトトギス 202111
久々の火の入るバイク秋涼し 河寄祐二 202111
くろぐろと山又山や星涼し 森清堯 末黒野 202111
青墨のにじみ涼しや隷書軸 石黒興平 末黒野 202111
テレビ見ぬ日の涼しさよ淋しさよ 小田嶋野笛 末黒野 202111
遺さるる松整へて涼しさよ 鈴木礼子 末黒野 202111
梢より零るる光月涼し 山崎稔子 末黒野 202111
二千歩を歩き切つたり夕涼し 山崎稔子 末黒野 202111
秋涼し髭を当たつて歩きに出 丑久保勲 やぶれ傘 202111
秋涼し群れ咲く花の小さきにも 安立公彦 春燈 202111
百年の家の灯涼し太柱 西本花音 春燈 202111
千年の木蔭に憩ふ蝉涼し 本郷公子 京鹿子 202111
星涼し窓に自粛と書いてみる 布川孝子 京鹿子 202111
月涼しひと日の怒りふと忘れ 瀬戸美文 202112
なつかしや虚子の字の門露涼し 安原葉 ホトトギス 202112
米寿翁涼しき顔でまだ生きて 木村享史 ホトトギス 202112
雲間より青を違へて星涼し 今橋眞理子 ホトトギス 202112
さそり座の尾の先までも星涼し 今橋眞理子 ホトトギス 202112
星涼しいつしか夜気につつまれて 今橋眞理子 ホトトギス 202112
沖に出て速さとなりし帆の涼し 上迫和海 ホトトギス 202112
ささやかな一人の自由旅涼し 安原葉 ホトトギス 202112
親子とは許し許され月涼し 和田華凛 ホトトギス 202112
月涼し遠き日の旅引き寄せて 今橋眞理子 ホトトギス 202112
遣り甲斐と思ふ仕事の汗涼し 水田むつみ ホトトギス 202112
姫路城の影あざやかに月涼し 山口地翠 春燈 202112
秋涼し笑める男の子の名はアトム 小沼ゑみ子 末黒野 202112
死後のこと記し涼しくなりにけり 石橋幾代 202112
月涼し手織木綿の見本帖 栗坪和子 202112
葉の先の光る一粒露涼し 神山市実 やぶれ傘 202112
虚子句碑に偲ぶ面影秋涼し 安原葉 ホトトギス 202201
月涼し女房が先に湯をつかふ 農野憲一郎 春燈 202201
月涼し衣桁に絵絣母在れば 岸本順子 京鹿子 202201
はらわたも涼しき月の首途かな 青木重行 薫風 202205
涼しさを鯉の眼で確かめる 松本鷹根 京鹿子 202207
鉄路行く八百キロの旅涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
静かなる五輪涼しく開幕す 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
二年振り出会ふ三瓶の露涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
月涼し雲間に星を従へて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
雲払ひつつ払ひつつ月涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
艦隊のやうに水尾引く鯉涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
風袋を引けば涼しき赤ん坊 辻美奈子 202207
明けてゆく高原の道露涼し 高橋宜治 やぶれ傘 202208
匕首かあらずきせるの涼しさよ 久保田万太郎 春燈 202208
影といふ見ゆる涼しさ見てをりぬ 小山繁子 春燈 202208
風涼し草木たのしく揺れてゐる 木村秋草子 春燈 202208
あらかたのことは終へたり月涼し 中貞子 202208
星涼し退院の目処たつと言ふ 田中佐知子 風土 202208
案内呉る高見沢氏の涼しかり 林いづみ 風土 202208
涼し→ 1

 

2022年8月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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22/08/23 2022年8月23日 2022年8月23日