酔芙蓉 2       106

酔芙蓉日を経てつのる喪のこころ    朝倉和江   ザ・俳句

酔芙蓉  芙蓉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝の雨上つてをりし酔芙蓉 稲畑汀子 ホトトギス 201508
咲き進む色に出にけり酔芙蓉 稲畑汀子 ホトトギス 201508
朝の雨上つてをりし酔芙蓉 稲畑汀子 ホトトギス 201508
酒断ちの地蔵の脇の酔芙蓉 八木健 八木健俳句集 201509
終焉の色を尽くして酔芙蓉 佐藤淑子 雨月 201510
面影はピンクのブラウス酔芙蓉 深川敏子 春燈 201510
ゆふづつの淡きをかづき酔芙蓉 白井友梨 馬醉木 201511
真つ白にけふが始まる酔芙蓉 平田はつみ 馬醉木 201511
強風に消されし言葉酔芙蓉 岸上道也 京鹿子 201511
独り身に有余の至福酔芙蓉 安永圭子 風土 201511
幻のやうないち日酔芙蓉 犬塚李里子 201511
酔芙蓉夕日の朱ヶを誘へり 安立公彦 春燈 201512
弓道の的の横なる酔芙蓉 前田美恵子 201512
振り向けば手を振る母が酔芙蓉 小林朱夏 201512
咲き急ぎ散り急ぎたる酔芙蓉 押田裕見子 201512
夕去りのショパンの調べ酔芙蓉 郷和顔 末黒野 201512
酔芙蓉チヤイムに下校うながされ 佐津のぼる 六花 201512
酔芙蓉パンツも似合うよく似合う 林田麻裕 201512
ひとたびは白を極めて酔芙蓉 今橋眞理子 ホトトギス 201601
酔芙蓉電話の声に心揺れ 元橋孝之 京鹿子 201601
色少なき古刹の庫裡に酔芙蓉 井八重子 末黒野 201601
酔芙蓉酔に遅速のありにけり 隅田恵子 雨月 201603
酔芙蓉禁酒の誓ひ破らずに 稲畑汀子 ホトトギス 201608
昼酒に酔うてさうらふ酔芙蓉 栗山恵子 雨月 201610
つつしみの紅より昏るる酔芙蓉 吉田政江 201611
紅ほのと夕べ誘ふ酔芙蓉 岡淑子 雨月 201611
酔芙蓉風の行手に君の影 犬塚李里子 201611
少女から女への道酔芙蓉 江島照美 201611
酔芙蓉砂が崩れてゆくやうに 上野紫泉 京鹿子 201611
六地蔵暮れて素面の酔芙蓉 山本無蓋 201611
夕暮の空にとけこむ酔芙蓉 佐藤まさ子 春燈 201611
半開きの庫裏のガラス戸酔芙蓉 丑久保勲 やぶれ傘 201611
紅深くたたむ夜更けや酔芙蓉 黒滝志麻子 末黒野 201611
酔芙蓉前言易易とひるがへす 松井志津子 201612
自らの色に酔ひたる酔芙蓉 高橋将夫 201612
いきなりの雀飛び出す酔芙蓉 竹内悦子 201612
一日の風染めわけて酔芙蓉 吉田順子 201612
橋寺のひと日見届く酔芙蓉 植田秀子 京鹿子 201612
酔芙蓉紙の音して咲きほこる 加藤峰子 201612
恋しさのつのる一日や酔芙蓉 宮崎洋 春燈 201612
白鳳の仏の前の酔芙蓉 平林ひろこ 船団 201612
月光へ八重の花閉ぢ酔芙蓉 小川玉泉 末黒野 201612
酔芙蓉迷う入り口裏表 つじあきこ 201612
夜明け前まだ真つ白き酔芙蓉 秋川泉 あを 201610
蒼天に真白なりけり酔芙蓉 中田禎子 201701
酔芙蓉夕べの風をもてあそぶ 犬塚芳子 201701
酔芙蓉白きままにて夜を迎ふ 馬屋原純子 馬醉木 201701
矍鑠たる卒寿越す友酔芙蓉 鈴木石花 風土 201701
酔芙蓉咲き継ぐ妻の十年忌 田村すゝむ 風土 201701
雨の日は酔ひの回らぬ酔芙蓉 齋藤晴夫 春燈 201701
老人に余力ありけり酔芙蓉 板橋昭子 201701
安息日祭壇に咲く酔芙蓉 荒井千佐代 201707
くらがりに秘密を拾ふ酔芙蓉 篠田純子 あを 201709
明けに着く一番札所酔芙蓉 田中佐知子 風土 201710
極楽の余り風呼ぶ酔芙蓉 竹中一花 201711
きのふとは違ふ風受く酔芙蓉 犬塚李里 201711
じんわりと紅差して来し酔芙蓉 今井妙子 雨月 201711
訪ぬれば酔芙蓉はや薄紅に 秋川泉 あを 201711
影持たず薄紅の酔芙蓉 江見悦子 万象 201712
街道の石倉カフエ酔芙蓉 長田厚子 末黒野 201712
夕づきて艶めく風や酔芙蓉 大西由美子 春燈 201712
酔芙蓉天界を恋ふ色となり 阪倉孝子 201712
師の香り抱く遺品や酔芙蓉 中嶋陽子 風土 201712
語らひの行つたり来たり酔芙蓉 赤堀美恵子 風土 201712
酔芙蓉厨の朝の目路染めて 水田壽子 雨月 201801
葉に力戻る夕べや酔芙蓉 千原叡子 ホトトギス 201802
酔芙蓉よふも酔はぬも共に揺れ 石川倜子 馬醉木 201802
窓越しに夕餉整ひ酔芙蓉 中田みなみ 201801
酔芙蓉とて朝の間の過ぎ易く 稲畑汀子 ホトトギス 201808
落日に少し間のあり酔芙蓉 山本漾子 雨月 201811
肩ふれぬ距離のさびしき酔芙蓉 鷹崎由未子 春燈 201811
余生また熱き続編酔芙蓉 藤田美耶子 201812
酔芙蓉音無き雨に紅を増し 下村たつゑ 201812
昼酒に酔芙蓉より先に酔ふ 橋本くに彦 ホトトギス 201901
月島の路地の入口酔芙蓉 野口希代志 やぶれ傘 201902
酔芙蓉吾もこの世の酔い深め 大山夏子 201905
夜明け前じくじじくじと酔芙蓉 甲斐いちびん 船団 201906
酔芙蓉煉瓦造りの喫茶店 山田天 雨月 201909
午後に入り桃色きざす酔芙蓉 小川玉泉 末黒野 201910
おだやかに日暮れてきたり酔芙蓉 大谷満智子 春燈 201911
水色を手離さぬ空酔芙蓉 松本三千夫 末黒野 201911
酔芙蓉川の夕風やはらかき 森清堯 末黒野 201911
再読の芙蓉の人や酔芙蓉 及川照子 末黒野 201911
酔芙蓉禁酒の日日を粛粛と 松本鷹根 京鹿子 201911
階段はビルの右端酔芙蓉 瀬島洒望 やぶれ傘 201911
酔芙蓉の終の一花と酔うており 大山夏子 201912
酔芙蓉ひとの匂ひの風が来る 寺田すず江 201912
酔芙蓉花の果つれば地に戻る 永井惠子 春燈 201912
酔芙蓉すぼみてけふを抱きけり 宮崎洋 春燈 201912
閑静な住宅街の酔芙蓉 村田武 やぶれ傘 201912
武家屋敷過ぐや真昼の酔芙蓉 荒井千佐代 201912
酔芙蓉捕へられたる虫のあり 藤田美耶子 202001
酔芙蓉ほろ酔ひごろをつゆ知らず 藤原照子 202001
霧笛橋はや夕影の酔芙蓉 岡野里子 末黒野 202001
酔芙蓉開くや戦ぎやまざりし 安部和子 雨月 202001
教会の窓晴々と酔芙蓉 安部和子 雨月 202001
酔芙蓉午後より糸雨のつづきをり 加藤静江 末黒野 202002
あの角で男消えたり酔芙蓉 長沼佐智 船団 202003
起きぬけの時計は碇醉芙蓉 佐藤喜孝 あを 202009
酔芙蓉路辺にスピードガンを組む 間島あきら 風土 202010
何もせず酔芙蓉はやうす紅に 田中藤穂 あを 202011
海見ゆる丘や紅さす酔芙蓉 岡田史女 末黒野 202012
また来るとふ後姿や酔芙蓉 上家正勝 末黒野 202012
見守りの刻は色付く酔芙蓉 三井所美智子 202101
丈五ほど高さも高き酔芙蓉 村田武 やぶれ傘 202101
古びたる塀にまたがる酔芙蓉 黒澤次郎 やぶれ傘 202101
酔芙蓉→1

 

2021年8月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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2021年8月23日