師 走 6          115句

金屏に夢見て遊ぶ師走かな  支考

十二月 霜月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
演目は忠臣蔵の師走かな 小巻若菜 やぶれ傘 201804
母のもの屑と捨てたる師走かな 秋山信行 やぶれ傘 201804
氷上に天使も魔物も住む師走 山中志津子 京鹿子 201804
知らぬ間に足早となる師走かな 大橋晄 雨月 201804
喪に服す師走の外の忽忙に 藤浦昭代 ホトトギス 201805
うつかりと師走の街に乗り入れる 山田佳乃 ホトトギス 201805
廃業の無聊の日々や街師走 三宅久美子 ホトトギス 201805
頭痛薬買ひ足しに出る街師走 服部早苗 201806
引き際の粋な酒客や街師走 石川賢吾 201811
師走朔日俎の音かたきかな 能村研三 201901
古裂を買ひに師走の京四條 田中藤穂 あを 201902
嬉しくてさびし師走の今頃は 定梶じょう あを 201902
墨東や師走華やぐ中村座 堤京子 馬醉木 201902
読みさしの続きを想ふ師走かな はしもと風里 201903
師走の顔にパタパタとパフはたく 辻水音 201903
ここも列あそこも列の師走かな 松村光典 やぶれ傘 201903
風止みぬ師走半ばの青き月 小川玉泉 末黒野 201903
商店街へ吸ひこまれゆく師走かな 五十嵐富士子 末黒野 201903
鳩と鴉の罪の軽重街師走 正谷民夫 末黒野 201903
引出しに丸薬転ぶ師走かな 松山三千江 春燈 201903
義士祭や赤穂の師走極まれり 和田絢子 春燈 201903
暗がりは小走りとなる師走かな 奥田茶々 風土 201903
角灯の揺るる華僑の街師走 栗山恵子 雨月 201903
ルミナリエ点り神戸に師走来る 堀井英子 雨月 201903
み仏を拭ひ申して寺師走 堀井英子 雨月 201903
街師走動く歩道を足早に 石黒興平 末黒野 201903
街師走半月空に煌とあり 佐川三枝子 201903
髪乱し師走の夜を駆け抜ける 中西厚子 201903
直角に生垣刈られ師走なり 中谷富子 201903
ビルの窓師走を閉めてしまひけり 竹中一花 201903
番鳩師走の日ざしやはらかに 藤原明美 201903
犬の目が疑つてゐる師走かな 直江裕子 京鹿子 201904
カレンダー小脇にかかへゐる師走 野口希代志 やぶれ傘 201904
師走病むとはもどかしきことならむ 木村享史 ホトトギス 201906
稿債に追はるる師走近づけて 稲畑汀子 ホトトギス 201911
刻々の過ぎゆくものにある師走 稲畑汀子 ホトトギス 201912
病むといふ不義理を重ねたる師走 稲畑汀子 ホトトギス 201912
全快とまでは行かねど師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 201912
年老いしことを忘れてゐし師走 稲畑汀子 ホトトギス 201912
師走風仁王阿吽の塵払ふ 永石清湖 馬醉木 201912
払暁にひと雨ありし師走凪 能村研三 202001
余生なほすこし華やぐ師走の灯 北川孝子 京鹿子 202001
人込みの海へ漕ぎ出す師走かな 田中信行 202002
どの傘も師走の雨を来し雫 森なほ子 あを 202002
京師走貫主揮毫の令の文字 塩村瑞子 雨月 202002
師走早や歓喜の歌の第九聞く 田村すゝむ 風土 202002
信号に足踏み長し町師走 中原吟子 雨月 202002
撫で肩の男のそびら京師走 鈴鹿呂仁 京鹿子 202002
すれ違ふだけの人なり師走来て 菊池和子 京鹿子 202003
神鈴の音のでこぼこや師走なり 岩田洋子 202003
街師走こけらおとしのスタジアムヘ 川村欽子 雨月 202003
存分に生きて師走や三千夫師忌 田中臥石 末黒野 202003
そそくさとうどんほほばる師走かな 臼居澄子 末黒野 202003
友二人生死分ちて師走来ぬ 田中臥石 末黒野 202003
師走はやメモに追ひ掛けられをりぬ 密門令子 雨月 202003
コーヒーのヒの字点滅する師走 小山よる やぶれ傘 202003
師走にも桜吹雪の円舞曲(ロンド)かな 田中信行 202003
師走とは思へぬ速さ年毎に 大内幸子 六花 202003
あれやこれスマホに放り込む師走 波戸辺のばら 202003
見つからぬ言葉師走の電子辞書 山中志津子 京鹿子 202003
回転灯の赤ばかり増え街師走 森清堯 末黒野 202004
あきんどの町に師走といふ速度 和田華凛 ホトトギス 202004
誰彼の揃ひしことも師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 202012
なほ二つ待つてゐる旅師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 202012
南国の旅に師走の心解く 稲畑汀子 ホトトギス 202012
旅師走桜島にも名残あり 稲畑汀子 ホトトギス 202012
ふり返る旅路師走もはや半ば 稲畑汀子 ホトトギス 202012
師走とは思へぬ歩幅旅心 稲畑汀子 ホトトギス 202012
淡々とすることをして師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 202012
病む友も怪我せし友も師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 202012
欠席は師走の怪我と聞き及ぶ 稲畑汀子 ホトトギス 202012
予定組む三つの会といふ師走 稲畑汀子 ホトトギス 202012
この後になほ予定ある師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 202012
旅一つ残して師走なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 202012
ガード下師走の匂ひ籠もりをる 中西厚子 202102
探してゐる本の見つかる師走かな 吉澤恵美子 春燈 202103
街師走監視カメラの視野の中 卜部黎子 春燈 202103
カレンダー剥ぐや事なく師走来る 菅野日出子 末黒野 202103
歩けなくなる膝痛や師走来る 田中臥石 末黒野 202103
歓喜の歌聴きつつ籠もる師走かな 五十嵐貴子 末黒野 202103
宅配の息急く道の師走かな 佐藤勝代 末黒野 202103
こんなにも晴れて師走の朝の月 善野行 六花 202103
小三治を聞いて師走の街へ出る 青谷小枝 やぶれ傘 202103
竹箒師走の理髪店前に 渡邊孝彦 やぶれ傘 202103
句座に急く右脳左脳の師走かな 片岡愛子 京鹿子 202104
二十分待つなら歩く師走かな 森竹治郎 末黒野 202104
砂時計捨てて師走となりにけり 中田みなみ 202105
今日よりは師走の心持ち歩く 稲畑汀子 ホトトギス 202112
心して迎ふ師走となりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 202112
いつもとは違ふ師走でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202112
師走とて心の添はぬ二三日 稲畑汀子 ホトトギス 202112
実感のなき日々師走なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 202112
師走とは思へぬ陽気有難く 稲畑汀子 ホトトギス 202112
毎年よ心のままに過ぐ師走 稲畑汀子 ホトトギス 202112
緊張も生きてゆく道師走来る 稲畑汀子 ホトトギス 202112
師走とは思へぬ日々を常の如 稲畑汀子 ホトトギス 202112
ふり返ることなく過ぎし師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 202112
師走締む松百年の現在地 村田あを衣 京鹿子 202112
翡翠の止まりし杭や町師走 須賀敏子 あを 202202
われもまた師走の歩幅日本橋 篠田純子 あを 202202
師走夫の命日慎みと回顧 長崎桂子 あを 202202
第六波早晩来るらし師走 石田康明 春燈 202202
アメ横の威勢良き声師走かな 小林紫乃 春燈 202202
朱雀門人を飲み込む師走かな 辻泰子 春燈 202202
八十年前の師走の日に似たり 竪山道助 風土 202202
永らへて足手纏ひとなる師走 菅野日出子 末黒野 202203
健診を終へて師走の蕎麦すする 木村純子 末黒野 202203
雑音や師走に浴びる風呂の湯気 伊藤希眸 京鹿子 202203
なゐ揺れて朝の目覚めや師走来る 梅原ひろし 京鹿子 202203
何やかや急かされてゐる師走かな 本田保 春燈 202204
走り去る師走落葉のチャールストン 菊池和子 京鹿子 202204
オーケストラに合唱響き師走の夜 北野節子 末黒野 202205
夕暮れの景色ひと息師走かな 吉宇田麻衣 202206
雨音に師走の街の動き初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
雨音に師走のリズム聴く円居 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
師走→ 1

 

2022年12月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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