師 走 5          100句

市に入りてしばし心を師走かな    素堂

十二月 霜月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
そんな気になれず師走のなかにゐる 寺田すず江 明日葉 201505
いくつもの帽子を試着して師走 藤井なお子 船団 201505
今年もう師走の日日を余すのみ 稲畑汀子 ホトトギス 201511
決まりたる帰りの時間旅師走 稲畑汀子 ホトトギス 201512
柳川の堀を巡りてゐし師走 稲畑汀子 ホトトギス 201512
ともかく師走の心持ち寄りて 稲畑汀子 ホトトギス 201512
今日済めば師走一気に動き出す 稲畑汀子 ホトトギス 201512
祈りあり師走の心抱きつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201512
師走とはまだ実感のなきままに 稲畑汀子 ホトトギス 201512
はや次の年動き出す師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 201512
カレンダー抱へ営業マン師走 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
俸給の有りし日懐かし師走かな 大日向幸江 あを 201602
街騒を抜けて師走の人となる 山田天 雨月 201602
社家筋へ師走の路地の神さびる 鈴鹿呂仁 京鹿子 201602
天狼の青き光の師走かな 山下健治 春燈 201602
鴨塚に師走の刻のとどまりぬ 黒滝志麻子 末黒野 201603
沖縄いま師走の波の青清し 鴨下昭 201603
郵便受けにメモある名刺師走かな 鈴木庸子 風土 201603
師走かなメモひとつ消し二つ足す 渡辺やや 風土 201603
ミシン踏む師走の真夜の音として 成田美代 201603
楽書の雲ひとつ欲し師走晴 山ア靖子 201603
端渓のつやや師走の墨を磨る 雨村敏子 201603
シャシターを駅員の拭く師走かな 小山陽子 やぶれ傘 201603
木屋町を台車暴走して師走 辻水音 201603
空缶の転がりきたる師走かな 藤生不二男 六花 201603
師走かな草津足湯で戻るのも 赤松赤彦 六花 201603
ロボットか人か師走の御堂筋 山田夏子 雨月 201604
髪染めて師走の仕事すみにけり ふじの茜 201604
持てるだけ持つて師走のバスに乗る 吉田きみえ 末黒野 201604
明けやらぬ湖逆しまに師走富士 安斎久英 末黒野 201604
ロボットとしばしの会話街師走 前原マチ 末黒野 201604
南座に招きの上ぐる師走かむ 今村千年 末黒野 201604
孫の服買うて早脚師走路 神田惣介 京鹿子 201604
水面見て師走の心忘れつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201612
快晴にはじまる師走なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201612
馳け足で師走の日々を追ひかける 稲畑汀子 ホトトギス 201612
師走てふ遊び心のあるままに 稲畑汀子 ホトトギス 201612
よく猫に出会ふ師走の都心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
故郷へ肥後へ師走の旅忙し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
街師走今日も止まりし山手線 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
師走とは思へぬ日和旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201612
師走てふこととは別の用かかへ 稲畑汀子 ホトトギス 201612
雨上り師走の町の動き出す 稲畑汀子 ホトトギス 201612
稿債を一つ果して会師走 稲畑汀子 ホトトギス 201612
計画の通りに行かぬ師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 201612
すんなりと師走へ心入れ替ふる 稲畑汀子 ホトトギス 201612
朝の間の快晴師走はじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201612
はやばやと師走の会に参加せし 稲畑汀子 ホトトギス 201612
あれは師走小学生で震度七 長崎桂子 あを 201701
師走かなメモ一づ消し二つ足す 渡辺やや 風土 201701
居留地訪ふ人と別れて街師走 今井妙子 雨月 201702
師走の身はげます緑茶濃く熱く 田中藤穂 あを 201702
街騒の師走ごころを急きたつる 山田天 雨月 201702
蒸し上がる湯気逃げやすき師走かな 橋添やよひ 風土 201702
世間ばなし置いて師走の薬売 川村清子 馬醉木 201702
うるし屋の刷毛の反身も師走かな 菊地光子 201702
頑張らないために頑張る師走かな 須山登 201702
あと二つ師走の会を残すのみ 山田天 雨月 201702
光背も如来坐像も師走かな 杉原ツタ子 201703
肩並べ師走の街に出陣す 大島節子 201703
街灯に靴音すでに師走かな 山口ひろよ 201703
レストラン運河へ零す師走の灯 松本三千夫 末黒野 201703
髪染めて背筋きりりと街師走 紅露恵子 万象 201703
杉玉に風穴の開く師走かな 松原智津子 万象 201703
犬死して日向残れる師走かな 小林愛子 万象 201703
魚屋の土間を光らす師走かな 大島節子 201703
機上にて感謝のリスト師走かな 伊吹之博 京鹿子 201703
糶声の日ごとに増さり浦師走 堀田順子 馬醉木 201703
靴音の刻む二拍子師走来る 片岡さか江 末黒野 201704
両手の荷師走の重さと思ひけり 北川孝子 京鹿子 201704
快晴の師走空路に不安なし 安原葉 ホトトギス 201705
モカの名はtomorrow師走の雲は怪しげに 長沼佐智 船団 201707
又会へて師走心を寄せ合へる 稲畑汀子 ホトトギス 201712
ふり返る師走の旅となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201712
園師走ダックスフントてふ歩幅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
来年は本厄となる師走かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
変幻の天気も師走らしき首都 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
晴女雨を呼びたる師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 201712
渋滞を抜けて師走の街に入る 稲畑汀子 ホトトギス 201712
渋滞の雨に加へて師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 201712
運転の師走の街の混雑に 稲畑汀子 ホトトギス 201712
よべ俯瞰せし街の灯の消え師走 稲畑汀子 ホトトギス 201712
旅心消して家路につく師走 稲畑汀子 ホトトギス 201712
稿債の残つてをりし師走かな 稲畑汀子 ホトトギス 201712
会場に溢れ師走の会となる 稲畑汀子 ホトトギス 201712
ふと忘れゐしは師走でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201712
象の耳はたはた動き師走なり 雨村敏子 201802
見舞終へ一献欲しき師走空 松本鷹根 京鹿子 201802
神苑に師走を鎮め棲む真鯉 松本鷹根 京鹿子 201802
今日よりは師走と逸る主婦気質 河本由紀子 春燈 201802
山頂の足湯や志摩の師走旅 松本鷹根 京鹿子 201802
ゴールドの電飾に触れ風師走 山浦紀子 春燈 201803
讃ひの声つつぬけに路地師走 谷村祐治 雨月 201803
パソコンヘ向かふ医師の手師走めく 市川夏子 末黒野 201803
いくつもの笑顔に出合ふ師走かな 上家正勝 末黒野 201803
口裏を合せそこねし師走かな 村田あを衣 京鹿子 201803
横綱の暴力沙汰の師走かな 田中臥石 末黒野 201803
目鼻なきマネキン師走の飾り窓 川田好子 風土 201803
関鍛冶の鼻緒の痩せる師走かな 大森尚子 風土 201803
一枚の師走こよみの風せはし 西村白杼 京鹿子 201803
師走 →6

 

2020年12月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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