下 萌 3     125句

下萌やふなべり洗ふ繩箒   永井龍男   ザ・俳句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
下萌を歩めば弾むいのちかな 安藤利恵 春燈 201002
下萌ゆる大地これより風を呼ぶ 稲畑汀子 ホトトギス 201003
下萌えて大地に詩の満ちにけり 竹下陶子 ホトトギス 201003
下萌や古草なぶる風の中 ことり 六花 201003
喜寿傘寿無事に過ぎけり下萌ゆる 塩路五郎 201004
岩あれば岩のりこえて下萌ゆる 鷹羽狩行 201004
空海の掘りしてふ井戸下萌ゆる 大西八洲雄 万象 201004
発掘の須恵器に焦げ目下萌ゆる 佐々木よし子 201004
下萌の風の痛さよ海照つて 加藤みき 201004
日和雨赤い長靴下萌に 芝宮須磨子 あを 201004
下萌のひろびろとふる雨のあり 中杉隆世 ホトトギス 201005
下萌や野の耳たぶを見つけたり 近藤喜子 201005
下萌や老犬なれど確かな歩 小山徳夫 遠嶺 201005
故郷なし下萌に座し結飯食ぶ 大西八洲雄 万象 201005
下萌や水抜かれたる池を見に 杉浦典子 火星 201005
下萌や部活十周して終る 冨山俊雄 春燈 201005
下萌やきりんが覗く乳母車 矢口笑子 春燈 201005
スキップといへど五十路や下萌ゆる 川崎真樹子 春燈 201005
蹄鉄を付け替ふポニー下萌ゆる 城戸緑 末黒野 201005
下萌や引込線の鉄路錆ぶ 石黒興平 末黒野 201005
相模ノ国国分寺址下萌ゆる 塩田博久 風土 201005
脇宮は石を神とし下萌ゆる 安武晨子 201005
下萌の色つけてゐる杖の先 熊川暁子 201006
杖先の下萌ゆ生気試歩一歩 仙石君子 雨月 201006
下萌の溺れてしまひさうな雨 湯川雅 ホトトギス 201007
下萌や神の計画とは不思議 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008
建仁寺八百年の下萌ゆる 宮崎正 ホトトギス 201008
下萌の広ごりてをり雨上がり 志方章子 六花 201008
人生れ人逝き地球下萌ゆる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
下萌ゆる大地に気持立て直す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
下萌や虚子の懐とは広し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
下萌の一歩を踏みて通夜の灯へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
待たされてゐるを楽しみ下萌に 稲畑汀子 ホトトギス 201102
下萌に至福の雨となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201102
下萌に裳裾触れゆく聖母像 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
下萌や川面にうつる飛行船 近藤きくえ 201104
遠嶺のひくさに下萌しばし敷く 豊田都峰 京鹿子 201104
まっ先に光捉へて下萌ゆる 金森信子 雨月 201104
下萌に横座りする人とゐる 千田敬 201104
背筋まづ伸ばす体操下萌ゆる 細川洋子 201104
下萌や軍鶏一歩づつ胸反らし 宮川みね子 風土 201105
手を添へてやさしき言葉下萌ゆる 近藤きくえ 201105
南朝の風吹く史跡下萌ゆる 林和子 201105
下萌や鼻緒のきつき日和下駄 鈴木鳳来 春燈 201105
下萌や小便小僧仁王立ち 荒木甫 201105
下萌やぬくぬく太き犬の糞 荒木甫 201105
下萌や砂丘に埋もる折れ檣 田中臥石 末黒野 201105
下萌の気配に目覚むわが身かな 四條進 201105
下萌や互ひに助け合ふこころ 細川洋子 201105
下萌や農夫は煙草くゆらする 廣畑忠明 火星 201105
下萌えの中の何かを引く鴉 きくちきみえ やぶれ傘 201105
下萌に少し間のあり野を歩く 青木陽子 酸漿 201105
下萌や子ら走りては転びては 大橋晄 雨月 201105
カナダ館ありし跡地の下萌ゆる 大橋晄 雨月 201105
下萌の大地確む杖の先 堀井英子 雨月 201105
抱き上げて知る子の重さ下萌ゆる 田中清子 雨月 201105
下萌や掌のやはらかき母と行く 柳生千枝子 火星 201106
仮設村作る下萌え蹴散らして 松嶋一洋 201106
下萌えの空気あつめて深呼吸 池田光子 201106
壕跡の太き走り根下萌ゆる 川西栄江 末黒野 201106
下萌や未知との遭遇また一つ 夏目満子 酸漿 201106
下萌や鳩は幼に付きまとひ 網野茂子 酸漿 201106
丈伸す我影の有り下萌ゆる 内藤美重子 酸漿 201106
口笛は青い山脈下萌ゆる 山田春好 201107
下萌に犬は足より鼻が先 稲畑廣太郎 ホトトギス 201202
下萌の丘の一座に得る遠嶺 豊田都峰 京鹿子 201203
下萌や深む契りの赤い橋 鈴鹿仁 京鹿子 201203
下萌や弛めて歩く犬の紐 杉本裕子 末黒野句集 201203
下萌えや脈打つ生命野に山に 宮地静雄 末黒野句集 201203
下萌に踵弾ませ歩みゆき 安藤虎酔 かさね 201204
下萌の日ごと広がる土手の道 後藤克彦 かさね 201204
下萌やともににぎはう子等の声 菊池崇之 かさね 201204
下萌を愛でつつ急ぐ通い道 菊池崇之 かさね 201204
未来行てふ復興電車下萌ゆる 鈴木照子 201205
古都結ぶ木津の山里下萌ゆる 山口キミコ 201205
下萌や踏めば足裏に地の息吹き 藤岡紫水 京鹿子 201205
下萌の荒れ野斜めに過ぎりけり 山本無蓋 201205
下萌や歩幅大きく測量士 佐々木よし子 201205
下萌や指一本の電子辞書 奥田茶々 風土 201205
木々の影あはく地にあり下萌ゆる 廣瀬雅男 やぶれ傘 201205
下萌えや日々に狭まるわが小庭 橋本修平 かさね 201206
下萌に太極拳の四肢泳ぐ 矢野百合子 201206
下萌の地熱伝はる胸の奥 大島翠木 201206
下萌を蹴りつつ帰るランドセル 稲岡長 ホトトギス 201206
放牧の乳房豊かに下萌ゆる 藤岡紫水 京鹿子 201206
猫二匹影のころがり下萌ゆる 岡山敦子 京鹿子 201206
下萌ゆる園内広き枳殻邸 安原葉 ホトトギス 201207
雪掻いて現れし堤の下萌ゆる 稲岡長 ホトトギス 201207
下萌や魚がもの言ふ魚籠の中 柴田佐知子 201207
下萌にどっかと据る寺号石 宮原悦子 雨月 201207
山の地図なぞる指先下萌ゆる 石井美智子 風土 201211
下萌の土手に弾める雀どち 辻知代子 201304
正造の生家の標下萌ゆる 大坪景章 万象 201304
畦みちのふたすぢみすぢ下萌ゆる 豊田都峰 京鹿子 201304
下萌やつがひの目白来てゐたる 宮川みね子 風土 201305
町割の古りし看板下萌ゆる 生田恵美子 風土 201305
下萌を踏んでいのちの柔らかし 熊川暁子 201305
下萌に砂糖車の大石臼 呉屋菜々 万象 201305
下萌にひそと猫道開通す 三橋早仙 ぐろっけ 201305
下萌ゆるひしと抱きしむわが齢 神戸京子 ろんど 201305
下萌えやがんじがらめの子ら思ふ 池田光子 201305
下萌や賽銭箱の錠大き 松本三千夫 末黒野 201305
下萌や歩の沈みては弾みては 大橋晄 雨月 201305
下萌の転びし跡はこの辺り 小林正史 201306
下萌の一歩一歩に力得て 水谷靖 雨月 201306
退院の荷を下萌に立ち話 水野範子 ぐろっけ 201307
下萌や二ヶ月先のこと思ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201402
下萌の土手に犬鳩鴉子等 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
下萌ゆるとは空の蒼水の青 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
歩くことできる幸せ下萌ゆる 松嶋一洋 201403
下萌ゆる嵯峨野あるきの一万歩 伊東和子 201404
細胞の初期化ここにも下萌ゆる 鈴木照子 201404
軒裏の水かげろふや下萌ゆる 林いづみ 風土 201405
下萌ゆる火の見は風の交差点 高村令子 風土 201405
下萌や馬丁真赤なシャツを着て 落合晃 201405
下萌や水辺に憩ふ夫婦亀 西岡啓子 春燈 201405
下萌や吾もひとつの発光体 井口淳子 201405
下萌のそこだけ色のやはらかし 前田美恵子 201405
重心を後ろに移し下萌ゆる 成田美代 201406
下萌や走る一団若からず 平野みち代 201406
下萌や逆立ちの足空へ伸び 前田忍 火星 201406
下萌や雪一寸を突き抜けて 小松敏郎 万象 201407
下萌えをゆく太陽をうしろ盾 山崎靖子 201405
下萌の小屋に仔牛の生まれけり 近昌夫 春燈 201412
業平の塩焼く跡や下萌ゆる 岡本尚子 風土 201501
下萌→ 4      

 

2021年2月13日 作成

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