下 萌 1    150句

下萌えて土中に楽のおこりたる    星野立子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
下萌に集められある欠け羅漢 山本瓜塔 円虹 199806
下萌ゆる丘に明日香の日の出浴ぶ 松崎鉄之介 199806
毬となる園児の声や下萌ゆる 新開一哉 円虹 199808
アスファルト割れし都心や下萌ゆる 稲畑廣太郎 ホトトギス 199902
全快の杖下萌の地に下ろす 小川匠太郎 199902
踏み出して道遠からず下萌ゆる 稲畑汀子 ホトトギス 199902
下萌ゆる百面相の羅漢どち 木下節子 俳句通信 199904
人知れぬ看取りの往来下萌ゆる 長谷川千枝子 199904
下萌を早い早いと言いながら 董振華 海程 199905
下萌に人形の死もちらと見ゆ 林朋子 船団 199906
下萌や半分透けた切手入れ 渡部ひとみ 船団 199906
土だけの城趾に佇てり下萌ゆる 岩田育左右 遠嶺 199906
下萌の圧迫感に追はれゐる 三井孝子 六花 199909
下萌を誘ひ出したる日和とも 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
都心には都心の色や下萌ゆる 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
下萌や埋めもどしゐる遺跡群 宮崎山景 俳句通信 200004
下萌に俳磚の壁増えてゐし 山田弘子 円虹 200005
下萌の音の満ちをり名塩和紙 杉浦典子 火星 200005
下萌のやうやく丈をもちそめし 鷹羽狩行 200005
下萌ゆる小さき蕾をそっと抱き 三橋早苗 ぐろっけ 200005
早稲田大学角帽店や下萌ゆる 高橋邦夫 風土 200005
椀船をつなぎし河口下萌ゆる 長井ヒサ子 春耕 200005
ふと昏き海となりつつ下萌ゆる 中杉隆世 ホトトギス 200006
わが影をふはりと乗せて下萌ゆる 眞木礼子 ホトトギス 200006
下萌えや捨水消ゆるまで流れ 今瀬剛一 200006
下萌に空の混雑鳥の道 後藤洋子 ホトトギス 200006
下萌に百葉箱の脚沈め 白石峰子 ホトトギス 200006
下萌の点より面となる光 眞木礼子 ホトトギス 200006
下萌の野に測量の棒立てり 石田乃也 ホトトギス 200006
下萌のやはらかき色撫でて見る 中村鎮雄 ホトトギス 200006
下萌もサラブレッドも牧のいろ 水見壽男 ホトトギス 200006
下萌や旧友婿となりし姓 相沢正明 ホトトギス 200006
下萌や光まみれの二人の歩 林良子 ホトトギス 200006
下萌や梱包の石寺に着く 田中佐知子 風土 200006
下萌や山河に抱かる妻の里 相沢正明 ホトトギス 200006
下萌や手応へありしワンショット 石田乃也 ホトトギス 200006
下萌や生家ますます遠きもの 相沢正明 ホトトギス 200006
下萌や鉄棒に日を蹴り上げて 林良子 ホトトギス 200006
下萌や天平ロマン掘り起す 林加寸美 ホトトギス 200006
下萌や埋め戻されし一遺跡 眞木礼子 ホトトギス 200006
下萌ゆる畦へ畑は満を持す 林直入 ホトトギス 200006
下萌ゆる砂丘とおもひつつ来たる 中杉隆世 ホトトギス 200006
下萌を行き下萌をかへりけり 中杉隆世 ホトトギス 200006
虚子の句碑手古奈の句碑に下萌ゆる 中村鎮雄 ホトトギス 200006
厚底の靴下萌に憚らず 白石峰子 ホトトギス 200006
土手といふものの斜めに下萌ゆる 柴原保佳 ホトトギス 200006
予告篇長き下萌なりしかな 林直入 ホトトギス 200006
雷封じの井戸の石蓋下萌ゆる 田中佐知子 風土 200006
下萌えに坐し潮騒を聞きゐたり 吉原一暁 200007
下萌の丘を斜めに雲の影 神山喜美代 遠嶺 200007
下萌えに顎乗せゴールデンリトリバー俺 立岩利夫 海程 200008
旬日もなき開館や下萌ゆる 稲畑汀子 ホトトギス 200102
列品のはじまる館や下萌ゆる 稲畑汀子 ホトトギス 200102
日も風も下萌いろや酒匂川 阿部ひろし 酸漿 200103
下萌の大地の句碑や非文亡し 大橋敦子 雨月 200104
記紀よりの鉄気の湯元下萌ゆる 品川鈴子 ぐろっけ 200104
手児奈恋ふ水の中にも下萌す 神蔵器 風土 200104
飛び石は遊びの歩幅下萌ゆる 品川鈴子 船出 200104
ルネサンス説く美術館下萌ゆる 百瀬虚吹 風土 200105
下萌や成すといふより成る一事 長山あや 円虹 200105
下萌ややうやく丈をもちそめし 鷹羽狩行 十三星 200105
下萌を避けてジグザグ歩きの子 福島松子 ぐろっけ 200105
校塔に刻む時計や下萌ゆる 高橋照子 雨月 200105
子はいつも遊び名人下萌ゆる 三井公子 酸漿 200105
はねてくる児を受けとめて下萌ゆる 新開一哉 円虹 200106
下萌の畦行くしんがり車椅子 岡田芳子 ぐろっけ 200106
下萌や遠嶺へ一歩踏み出せり 渡辺智佳 遠嶺 200106
下萌や古墳調査の青テント 前阪洋子 俳句通信 200106
下萌や風車ゆつくり動きだす 曷川克 遠嶺 200106
晴れた日は逢へさうな気が下萌ゆる 川口襄 遠嶺 200106
すいと脚伸びし少女ら下萌ゆる 今井千鶴子 ホトトギス 200107
下萌に煙突の煤こぼし去る 田中武彦 六花 200107
下萌や苑の手入れの人と会ふ 家塚洋子 酸漿 200107
下萌や鳩と話をしてゐる子 柳未央 いろり 200107
下萌えの小径に散らす碑百首歌 金子里美 船団 200108
下萌や風にいたづらごころあり 柴田いさを 船団 200108
下萌えて馬蹄の傷の深きかな 大橋敦子 雨月 200204
下萌や巨石の高さ目で測る 志水芳秀 雲の峰 200204
下萌や見落しさうな終焉碑 谷野由紀子 雲の峰 200204
炊き立てのご飯味噌汁下萌ゆる 森理和 あを 200204
廃山のしづまり返り下萌ゆる 大橋敦子 雨月 200204
老境の韋駄天走り下萌ゆる 大沼眞 200204
下萌に肩の力の抜けてゐし 土井田晩聖 銀化 200205
下萌や和解の兆しやうやくに 村戸裕子 円虹 200205
血を吸ひし石鏃ならむ下萌ゆる 泉田秋硯 200205
神々の天降りし大地下萌ゆる 村生翠 雨月 200205
駅迄は歩く他なし下萌ゆる 岡本直子 雨月 200206
下萌や顔綻びて道祖神 鈴木多枝子 あを 200206
下萌や子守媼が畦に立つ 小林れい 酸漿 200206
下萌や紙工場の始動時 醍醐季世女 200206
下萌や術後二日の歩のたしか 島田尚子 馬醉木 200206
下萌や道まつすぐに遠嶺指す 与川やよい 遠嶺 200206
下萌や薄桃色の鳩の足 加藤あけみ 円虹 200206
下萌や郵便受けのふくらめり 小阪喜美子 遠嶺 200206
口下手のこぼす一言下萌ゆる 大谷ゆかり ぐろっけ 200206
雑草の雑で下萌え野はひかる 松本鷹根 京鹿子 200206
下萌や死して安らふ十字墓 岩岡中正 ホトトギス 200207
下萌に置くエアコンの室外機 楠木薫子 200208
下萌に跼み小さき命見る 滝川あい子 雨月 200208
下萌えて大川端の色となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
下萌や座して微睡む羊どち 中里カヨ 酸漿 200302
下萌を踏みて行先ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200302
下萌や池に傾く大芝生 安陪青人 雨月 200303
下萌ゆる心に置きぬ志 稲畑汀子 ホトトギス 200303
ヘルパーのほどほど美人下萌ゆる 後藤志づ あを 200304
下萌に要らぬ智恵など授けをる 佐藤多恵子 銀化 200304
下萌の畦伸びてきて牛の声 大串章 百鳥 200304
日翳りて下萌色を深くせり 三代川次郎 雲の峰 200304
SLは昭和の重さ下萌ゆる 池田充子 銀化 200305
下萌にいふこときかぬ小犬かな 鈴木石花 風土 200305
下萌の畦測量の杭赤し 板倉幸子 築港 200305
下萌や引越の荷を積み上げて 杉山みゆき 百鳥 200305
下萌や赤子をあやすランドセル 影山わこ 百鳥 200305
下萌ゆる一の行場に霊気満ち 森脇恵香 雲の峰 200305
背負籠の朱の肩当てや下萌ゆる 浜中雅子 遠嶺 200305
下萌の畦来て長き立話 鎌田亮 200306
下萌や城址に石の井戸の蓋 大森美恵 風土 200306
下萌や青雲の志も萎えにける 田中峰雪 雨月 200306
下萌や野外授業のはづむ声 檀原さち子 酸漿 200306
下萌やいさかひのあと繕はず 大森美恵 風土 200306
下萌やコロポックルの靴の跡 祐森彌香 遠嶺 200306
下萌ゆる野を突走る狩猟犬 池田倶子 雨月 200306
昨夜の雨踏めば滲みて下萌ゆる 隅田恵子 雨月 200306
下萌や叱りくれたる人は亡し 今井千鶴子 ホトトギス 200307
木洩れ日に記憶のかけら下萌ゆる 松本きみ枝 遠嶺 200307
下萌や一町ごとの石塔婆 池田光子 風土 200311
横穴の今城古墳下萌ゆる 一ノ瀬千恵 築港 200404
下萌の湿る大地の靴の跡 山田天 雨月 200404
下萌や算段ごとの四つ三つ 豊田都峰 京鹿子 200404
下萌ゆる仲間はみんな笑ひ性 重藤慶 築港 200404
干拓の名残の水路下萌ゆる 山本昭夫 雲の峰 200404
浮島の揺らぎも見せず下萌ゆる 浅川正 雲の峰 200404
下萌や海の空港一機たつ 平居澪子 六花 200405
下萌や至る所に鹿の糞 長田秋男 酸漿 200405
下萌や象の玩具を子の曳ける 杉本美智江 雨月 200405
下萌や土蜘蛛の塚尋ね当つ 門伝史会 風土 200405
下萌やスリップ発車せし証拠 泉田秋硯 200405
昨夜生れし仔馬が歩く下萌ゆる 河口仁志 200405
鳶に餌を投げ上ぐ乙女下萌ゆる 長谷川久吉 200405
波寄せて返す堤の下萌ゆる 長崎桂子 あを 200405
下萌に湿りて石の御神体 鳴海清美 六花 200406
下萌に人のこころに今日の雨 長山あや ホトトギス 200406
気象台へ登る山道下萌ゆる 川瀬迪子 200406
水の上にも下萌えの及びけり 小野さとし 対岸 200406
未だ今年売れぬ更地や下萌ゆる 岡本直子 雨月 200406
走り来し犬下萌を嗅いでゐる 栢森定男 風よ 200407
下萌の川辺を歩く茂吉の忌 滝沢伊代次 万象 200502
下萌や大気うるほす朝の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200502
下萌や大川少し微笑みぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200502
下萌に真つ赤な車きて停まる 岡崎和子 200503
下萌 →2      

2021年2月11日 作成

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