白 魚 3    109句

ふるひ寄せて白魚崩れんばかりなり   夏目漱石

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白魚網あぐるや水面虹立ちて 藤野力 馬醉木 200806
白魚にも姿よしあしありにけり 藤野力 馬醉木 200806
喉仏に触るる白魚のをどり喰ひ 藤野力 馬醉木 200806
灯ともして戻りは雪の白魚舟 藤野力 馬醉木 200806
白魚に見られたるかな喉仏 岡澤田鶴 200806
白魚舟湧くやうにゐてとんびかな 篠田純子 あを 200806
白魚の水ともならず売られけり 柴崎英子 絹の波 200806
白魚売り大・中・小と枡替ふる 中条さゆり 200806
白魚の生簀まで板しなはせて 中条さゆり 200806
水なのか白魚なのか水なのか 内藤呈念 ホトトギス 200807
白魚の包みかくさぬ命かな 内藤呈念 ホトトギス 200807
見物衆しびれを切らす白魚網 内藤呈念 ホトトギス 200807
黎明の光を掬ふ白魚網 川口襄 遠嶺 200808
白魚の酸素袋に値の付きし 秋千晴 200808
白魚の五臓六腑の硝子張り 宮崎すみ 神々の交信 200808
白魚の透けし命を点しけり 小泉貴弘 筑波の道 200811
白魚のお清汁もつく幕の内 稲畑汀子 ホトトギス 200902
白魚のやうな指もて雪まろげ 山田六甲 六花 200902
白魚も改札口を出にけり 猪爪皆子 200905
白魚の躍りを通す喉仏 阪本哲弘 200906
同郷の人との一会白魚鍋 小澤菜美 200906
白魚の天麩羅今日のメーンとて 坂根宏子 200906
白魚の影のもつるる四手網 渡たみ 馬醉木 200906
白魚のまなこの黒さ歎異抄 大島翠木 200906
白魚の一尾一尾がびびと跳ね 小山徳夫 遠嶺 200906
白魚の一気に呑みし漢かな 山野惣一郎 遠嶺 200906
白魚の水とばしつつ計らるる 柿沼盟子 風土 200906
一握の白魚に足るわが孤独 平野伸子 馬醉木 200907
白魚の水になりきりゐたるかな 大野崇文 200907
茹でられて白魚に影生まれけり 笹下蟷螂子 200907
白魚の別の白さよ澄まし汁 鷹羽狩行 201002
白魚の水より軽く汲まれけり 鷹羽狩行 201003
窓外は音なき雨や白魚汁 小野恵美子 馬醉木 201004
いきいきと呑み込まれたる白魚かな 野中亮介 馬醉木 201004
白魚火の頼りなげとも怪しとも 鈴木浩子 201004
料亭に白魚の札吊り出さる 山田六甲 六花 201004
一椀の白魚儚き生命かな 五十嵐勉 201005
志野皿に嵩のわづかな白魚和 コ田千鶴子 馬醉木 201005
水に透く白魚にして影持てる 泉田秋硯 201005
白魚といふより水でありにけり 近藤喜子 201005
対岸の山明けて来し白魚舟 大山文子 火星 201005
白魚のわれ来しゆゑに掬はるる 岡田愛子 京鹿子 201005
折からの月の出潮や白魚宿 浅野洋子 春燈 201005
紀伊の旅終りの朝の白魚飯 博多永楽 雨月 201005
椀の蓋とれば白魚湯気の立つ 渡辺暁 酸漿 201005
地のものは捕れぬと聞けり白魚鍋 米田正弘 201005
白魚の眼ばかり見えて水に選る 富田範保 201005
白魚をゆらしてあぐる四ッ手網 市橋敬子 201005
白魚や白き器に眼を散らし 木下和代 末黒野 201006
白魚にまず目のゆきて昼の膳 谷村幸子 201006
白魚の透きに嘘なし目にあはれ 中野英伴 春燈 201006
白魚のひとつひとつに翳ありし 岡和絵 火星 201006
白魚のすべて略して死ににけり 竪山道助 風土 201007
白魚をすする脳裏に拷問図 荒井千佐代 201007
枷解きて女同志の白魚鍋 小澤菜美 201103
小旗立て漁師一人の白魚舟 青木由芙 末黒野 201104
白魚網ひかりみじんにこぼし揚ぐ 豊田都峰 京鹿子 201104
白魚の金輪際のをどり食ひ 菅原末野 風土 201105
松江ならでは有難き白魚汁 泉田秋硯 201105
白魚の枡に眼のあふれけり 笹村政子 初鼓 201105
四つ手網白魚青く零れけり 松山直美 火星 201106
食膳の白魚談義で盛り上る 藤田京子 ぐろっけ 201106
かたまつて白魚に色生れけり 樋口英子 201107
兄の書に白魚の膳供へけり 林哲夫 ぐろっけ 201107
白魚のさみしく透けて骨見ゆる 大崎紀夫 やぶれ傘 201107
晩節てふことばありけり白魚汁 雨村敏子 201204
白魚のまこと小さき瞳と会ひぬ 安立公彦 春燈 201204
魚籠の中数多の白魚寄り目して 大日向幸江 あを 201205
漣の光ひろげて白魚しろお 三枝邦光 ぐろっけ 201205
紙鍋の紙に泡生る白魚かな 深澤鱶 火星 201205
白魚を吸ふくちびるのさびしけれ 戸栗末廣 火星 201205
白魚に国境国家なかりけり 田中涼平 201205
さざ波も月光も浴び白魚簗 市ヶ谷洋子 馬醉木 201205
喉越しに白魚の声聞き取れず 田島由江 万象選集 201205
澄まし汁白魚の目の黒きかな 松岡利秋 かさね 201206
白魚の目の跳ねている光かな 金田けいし 万華鏡 201206
白魚のピッサの匂ふ港町 大日向幸江 あを 201206
遠道もいとわず尋ね白魚買う 原口頌子 ろんど 201206
川自慢白魚自慢ひとしきり 河野美奇 ホトトギス 201207
川岸に仮設料理屋白魚漁 佐藤喜仙 かさね 201207
逞しき媼の仕切る白魚糶 林八重子 馬醉木 201207
白魚の小さき命小さな目 久保東海司 201207
白魚の透ける数とて読めざりし 稲畑汀子 ホトトギス 201302
白魚といふより水でありにけり 近藤喜子 ミネルヴァの梟 201303
白魚のはり付く枡の底叩く 柴田佐知子 201304
暁やけふ解禁の白魚舟 小川滋 やぶれ傘 201305
ちぎれ藻のまぢつてをりし白魚網 佐津のぼる 六花 201305
母の湖の藻をまとひたる白魚かな 近藤紀子 201305
白魚の朝日と共に掬はれし 田代貞枝 201305
白魚のあはれを摘む箸の先 古川千鶴 かさね 201305
早暁の白魚網を打てるかな 水谷靖 雨月 201306
躍り食ひてふ白魚のいのちかな 松本幹雄 馬醉木 201306
白魚の指にこぼるる椿川 福島せいぎ 万象 201306
白魚の命の重さ揚げられし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
白魚や五臓六腑のなきごとく 山元土十 ホトトギス 201402
白魚の命の重さ揚げられし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
なまぐさしとも白魚の卵とぢ 根橋宏次 やぶれ傘 201405
仄かなる影曳き白魚透けてをり 藤岡紫水 京鹿子 201405
白魚網揚げて夕日をしたたらす 穐好樹菟男 馬醉木 201405
白魚舟ひかりの中に人動く 中村洋子 風土 201405
白魚の数多の眼我を見る 須藤美智子 風土 201405
白魚の旨さに惹かれ深酒す 大堀賢二 201405
白魚のひとつひとつに影ありぬ 中村洋子 風土 201405
石投げて潮入川に白魚汲む 福島せいぎ 万象 201406
白魚の盛られてよりの色を生む 川上恵子 雨月 201406
白魚の泳ぐといふよりふるへをり 二宮一知 万象 201406
白魚の引き上げられし水の跡 田代貞枝 201406
紅椿白魚句碑を荘厳す 味村志津子 雨月 201406
天ぷらといふ鍋白魚の花開く 福氷尚子 ろんど 201406
かたまつて白魚色を生みにけり 熊川暁子 201407
白魚→ 4      

2021年2月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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