白 魚 4    81句

ふるひ寄せて白魚崩れんばかりなり   夏目漱石

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白魚舟まづもてなしの躍り食ひ 遠藤逍遙子 風土 201505
白魚の水とならざる眼が泳ぐ 竪山道助 風土 201505
実朝の詠みたる海の白魚とふ 内藤静 風土 201505
白魚飯頬張つて地の人となる 本池美佐子 201505
源流は雲の中なり白魚川 柴田志津子 201505
白魚は美白の極みかもしれぬ 江島照美 201505
白魚や量りの甘き婆の笊 安井和恵 201505
白魚の目の溢れては科となり 福永尚子 ろんど 201505
白魚の涙の色をおどり喰ひ 岸上道也 京鹿子 201505
白魚や山河も透かす目に泪 高野昌代 201506
白魚やつるんつるんと嘘ばれる たかはしすなお 201506
強ひらるる白魚の味見旅の浜 西川みほ 末黒野 201506
集中の敢へなく切れて白魚飯 来海雅子 201507
節榑れの音なく白魚掬ひけり 伊藤希眸 京鹿子 201508
白魚とり四手の小屋に灯のともり 大崎紀夫 虻の昼 201510
白魚の目のちりぢりに椀の中 久保東海司 風鈴 201512
白魚の我在りといふ黒日かな 藤丸誠旨 春燈 201604
何千の目が寄って来る白魚丼 大日向幸江 あを 201604
光ごと掬ふ白魚の水しぶき 市ヶ谷洋子 馬醉木 201605
白魚食ぶ喉ごし灘のをとこ酒 錫木妙子 馬醉木 201605
白魚簗組みて山河の整ひぬ 永淵惠子 201605
酢の匂ふ碗の白魚躍り食ひ 田中臥石 末黒野 201606
卵綴ぢ白魚の目にたぢろぎぬ 城台洋子 馬醉木 201606
白魚を盛りこぼしたる一人の朝 井上信子 201607
白魚網揚げる雫の音絞り 山下美典 ホトトギス 201608
船宿の忙しき朝餉白魚汁 大島寛治 雨月 201705
白魚の双手に透くるいのちかな 荒井ハルエ 春燈 201705
白魚買ふがばりと掬ふ水の量 伊藤希眸 京鹿子 201706
朝市に荷揚げを急ぐ白魚舟 林八重子 馬醉木 201707
白魚のたましひ一寸宙にらむ 熊川暁子 201708
白魚も我も二つの目のありて 小林朱夏 201707
浦安や春の遠さの白魚鍋 水原秋櫻子 馬醉木 201802
白魚の双手に透くるいのちかな 荒井ハルエ 春燈 201803
白魚の千の目寄せて量らるる 森岡正作 201804
指に挟めば白魚に確と芯 川高郷之助 201805
川風に白魚網干し漁師去る 吉田万喜子 雨月 201806
胸までの長靴干して白魚川 柴田志津子 201806
海からの雨になりけり白魚鍋 山本則男 201807
透きとほる白魚に黒き眼かな 近藤紀子 201809
白魚の数の目を借り捜査網 片桐てい女 春燈 201905
白魚やはかなかりしはおのが恋 大谷満智子 春燈 201905
かばかりの白魚汲むに小半日 田辺満穂 201905
今し方汲みし白魚飴炊きに 田辺満穂 201905
白魚の尾鰭に力ありにけり 神野未友紀 201905
たけなはの円居の昼を白魚汁 溝内健乃 雨月 201905
白魚のためらひ箸の懺悔めき 藤井明子 馬醉木 201906
水皺のごと白魚の泳ぎをり 田所節子 201906
水のいろ雲の色とも白魚は 栗原公子 201906
白魚の群れの動きに水面揺れ 眞弓真翁 風土 201906
すきとほる白魚にも影らしきもの 夏生一暁 馬醉木 201907
白魚の嘘一つなき躰かな 仲里奈央 201909
繕へる竹のさみどり白魚簗 永淵惠子 201911
白魚の光の寿司を掌に 山浦紀子 春燈 202004
白魚の黒きはらわた動きをり 荒井千佐代 202005
白魚の影なきバケツ水さわぐ 中村重幸 202005
みづうみの吐息のやうな白魚舟 山中志津子 京鹿子 202006
白魚に無味といふ滋味ありにけり 湖東紀子 ホトトギス 202007
白魚の渾身の跳ねありにけり 山本則男 202010
料りたるより白魚となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202102
白魚の命を放つ綿実油 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
蓋取りて白魚に睨まれし椀 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
白魚に日差しの強き四つ手網 齊藤實 202104
はんなりと岸辺の茶店白魚膳 中村紀美子 春燈 202105
白魚の透けたる腹に醤油さす 小池一司 やぶれ傘 202105
白魚やのけぞり揚ぐる四つ手網 笹村政子 六花 202106
白魚へ歯牙持つ性をかなしめり 加賀荘介 202107
白魚のどれにも水の重さあり 秋谷美智子 202107
白魚のまなこ素直にありにけり 山本則男 202108
白魚を覗き込む子の虎刈りぞ 山田六甲 六花 202204
白魚の透ける命を頂きぬ 山下朝香 春燈 202206
四つ手網に光る白魚吉井川 眞田忠雄 やぶれ傘 202206
出来るなら白魚にしてと電話口 直江裕子 京鹿子 202207
白魚の枡で売らるるうすなさけ 高木晶子 京鹿子 202207
白魚の白の際立つ蒔絵椀 本郷桂子 ホトトギス 202207
白魚の跳ねて哀しき水零す 玉手のり子 ホトトギス 202207
白魚や言葉少なに躍り食ひ 森田明成空 202211
椀種の白魚の目に見透かされ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
白魚や水の機嫌に汲まれゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
影持たぬ白魚重き命かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
京老舗白魚椀を彩れり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
水動くより白魚の遡上かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
白魚 →1

2023年2月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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