新米・今年米 3     151句

行秋や五月に糶しことし米  几董

作品
作者
掲載誌
掲載年月
祖母の世は初めちよろちよろ今年米 杉良介 201010
国東の日の香はなてり今年米 阿部ひろし 酸漿 201010
二杯目の新米はしみじみと噛む ことり 六花 201010
一粒が眩しや友の今年米 伊藤憲子 201011
米穀店案内にはやも今年米 増田一代 201011
小粒なれど艶良き友の今年米 水原春郎 馬醉木 201011
新米の届きし笑顔今年また 池田光子 201011
新米が届き手紙が届きけり 中江月鈴子 201011
新米を炊きて和めり里の味 山本節子 201012
新米の積まるる度のタイヤ圧 甲州千草 201012
新米やお箸休めにおみおつけ 呉文宗 春燈 201012
新米を月へ供へて食うべけり 田中臥石 末黒野 201012
ふる里の新米抱へ届けらる 内山タエ 末黒野 201012
新米に朝の卵黄すきとほる 中村恭子 201012
新米は素十の里のこしひかり 高森弘 201012
常陸野の新米届く夜半醒めて 鴨下昭 201012
新米の二合御強に句碑自祝 品川鈴子 ぐろっけ 201012
一握の箱田新米の親しさよ 中里カヨ 酸漿 201012
箱田にて穫れし半合の今年米 井上幸子 酸漿 201012
新米を研ぎたる妻の生返事 濱上こういち 201101
とりあへず新米を積む上がり端 猪爪皆子 201101
深呼吸に終はる体操今年米 柿沼盟子 風土 201101
少年に活入れてから新米研ぐ 鴨下昭 201101
新米の飯をこぼして受話器とる 渡辺安酔 201101
紙袋のぴんと張つたる今年米 山本耀子 火星 201101
ふる里の新米貰ひ福もらふ 隅田恵子 雨月 201101
新米をさらさらと汲み寿 井田実代子 雨月 201101
研ぎはじむ手にさらさらと今年米 井田実代子 雨月 201101
新米の豊かに積まれ弥陀在す 島貫寿恵子 雨月 201101
新米を担ぐ一念老ゆるまで 水谷靖 雨月 201101
新米を指にさわさわ摺り切りし 和賀俊子 ぐろっけ 201101
父と子の櫃に足りたる今年米 松岡水学 ぐろっけ 201101
米びつへあける新米手をそへて きくちきみえ やぶれ傘 201101
到来の新米匂ふ塩むすび 青木政江 酸漿 201101
遺影にも告げる新米届きしを 辻口八重子 ホトトギス 201102
地鎮祭新米つつく大鴉 須藤初枝 万象 201102
炊立てに黄身の華やぐ今年米 小田嶋野笛 末黒野 201102
新米や銀飯ぎんしゃりと呼ぶ頃ありき 山口博通 ぐろっけ 201102
新米に手作蒟蒻そへてあり 渡邉紅華 酸漿 201102
新米の炊けしにほひの階下より 松本善一 やぶれ傘 201102
機関車のごとき音たて新米噴く 志方章子 六花 201105
はちきれさうな新米に手を突つ込みぬ 犬塚芳子 201107
滞在の新米送りありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201110
新米のかがやきの外に原発禍 布川直幸 201110
新米のぬくもりあるを貰ひけり 細野恵久 ぐろっけ 201110
新米のあきたこまちやセシウムなし 須賀敏子 あを 201110
新米のおにぎり香る口いっぱい 寺田光香 201111
産土の新米まづは療友へ 角谷美恵子 ぐろっけ 201111
今年米磨げる感触たのしめる 前川ユキ子 201112
ざつくざく拝みて磨げる今年米 土井くみ子 201112
父母の亡き故郷よりの今年米 小西和子 201112
新米の茶碗半分ありがたし 木下もと子 201112
一人一合新米の水加減 三木千代 201112
新米を掬ふ指よりこぼしつゝ 遠山みち子 201112
遠眼鏡またも新米こぼしては 角谷美恵子 ぐろっけ 201112
小包に越後新米枕ほど 野口喜久子 ぐろっけ 201112
新米や白寿に指の届きさう 林いづみ 風土 201112
言祝の色に実りし今年米 熊川暁子 201112
初到来福島産の今年米 赤座典子 あを 201112
本陣に残るつるべや今年米 池田加寿子 201201
口中に弾んで舞うて今年米 加藤みき 201201
炊き上げし新米の香を供へけり 小川玉泉 末黒野 201201
新米を捧ぐや姉の震災死 田中臥石 末黒野 201201
炊き上げて甘き匂ひの今年米 河合とき 末黒野 201201
婚の荷に忍ばせておく今年米 太田チエ子 末黒野 201201
どつさりと被災地よりの今年米 笠井敦子 201201
新米の餅のぬくもり山車見上ぐ 荒木甫 201201
一キロといへど新米参加賞 宇都宮敦子 201201
放射能の汚染新米モッタイナイ 中山皓雪 201201
新米にセシウムなどのあるまじく 椿和枝 201201
懇ろにねんごろに磨ぐ今年米 佐藤玲子 春燈 201201
弟も老いたり今年米届く 高倉恵美子 201201
新米の近江豊後と食べ比べ 白石善子 雨月 201201
飯櫃の木曽の木の香の今年米 塩見英子 雨月 201201
盛り飯は新米里の観世音 丸井巴水 京鹿子 201201
雑穀を混ぜし新米ほめらるる 藤田素子 火星 201201
新米を柔らかく炊く良き日かな 時田義勝 やぶれ傘 201201
新米も父には粥になりにけり 松田恭子 ホトトギス 201202
新米を高く盛りたるみあれ祭 大地真理 201202
炊き上がる新米しやもじを翻し 史あかり ぐろっけ 201202
風抜くる芭蕉稲荷に今年米 宮崎知恵美 万象 201202
新米を炊く間の在五が物語 吉田葎 201205
新米の稲穂もつけて越より来 北崎展江 くりから 201209
新米へ米櫃の糠落しけり だいじみどり 201210
新米を今も積まれて年貢蔵 伊藤憲子 201211
新米の湯気を結びて供へけり 徳田千鶴子 馬醉木 201211
新米や地域応援旅土産 赤座典子 あを 201211
頂に立つや新米塩にぎり 柳橋繁子 201211
新米を二升持ち寄る檀那寺 大西八洲雄 万象 201212
ともがらの汗の所産の新米とぐ 大橋晄 雨月 201212
新米の匂ひ持て来る里の風 若江千萱 雨月 201212
新米のおむすび父と子の浜辺 山田六甲 六花 201212
新米の値上げ今夏の暑かりし 田中藤穂 あを 201212
新米は全袋検査異常なし 渡辺安酔 201301
新米のわけても俳句仲間の作 池田澄子 船団 201301
新米とみその旨さや今朝の膳 米田文彦 かさね 201301
ほどけやすくて新米の塩むすび 中根美保 風土 201301
新米の袋に小さきのぞき窓 坂口夫佐子 火星 201301
新米の焦げ等分に頒ちけり 外山節子 末黒野 201301
新米たまふ福分けのまた福分けを 隅田恵子 雨月 201301
ぱんと張りたる新米の紙袋 根橋宏次 やぶれ傘 201301
塩少々振れば馳走や今年米 渡辺和夫 ろんど 201301
とぎ汁の白の透けゆく今年米 竹田ひろ子 ろんど 201301
腹帯を受け新米をおかはりす 紅谷芙美江 万象 201302
魚沼で新米求め安堵せり 明石文子 ぐろっけ 201302
新米の届き探すは母の本 中村吟子 ぐろっけ 201302
新米の重みを腰に運びけり 白石正躬 やぶれ傘 201302
恙なく五感でめでる今年米 吉田宏之 201302
戦後なる小袖と替へし今年米 臼村喜久代 万象 201302
新米を炊き祝はるる帰山かな 安原葉 ホトトギス 201303
抜かりしよ今日新米の水加減 今井千鶴子 ホトトギス 201303
これ以上なにを望むや今年米 内藤呈念 ホトトギス 201303
さつそくに炊きて新米なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201310
青田風偏差値上位の今年米 佐瀬晶子 ろんど 201310
炊き上げて新米立てりかがやけり 神蔵器 風土 201311
新米を先づ仏壇に供へけり 池田よし子 やぶれ傘 201312
日本の美味の一つや今年米 奈辺慶子 雨月 201312
酔芙蓉あげて新米戴きし 田中藤穂 あを 201312
また今年限りとも言ひ今年米 西畑敦子 火星 201312
今年米一言添へて届きけり 鴨下昭 201312
仏飯を常より高く今年米 神谷さうび 末黒野 201312
米櫃の入れ替へられて今年米 四條進 201312
新米のおにぎり水を控えすぎ 吉井潤 ぐろっけ 201312
新米や瑞穂国を称賛し 奈辺慶子 雨月 201312
新米を持ちて下宿へ子の帰る 杉浦典子 火星 201312
玄関へどさりと届く今年米 田村嘉章 ぐろっけ 201312
新米の今年限りと届きけり 石谷淳子 雨月 201401
新米を仏と我のために炊く 大橋晄 雨月 201401
今晩炊くこの新米は南部産 小野寺節子 風土 201401
飯盒に炊いて新米粒立てり 瀬戸悠 風土 201401
新米にどこか草の香ありにけり 望月晴美 201401
新米も赤子も重し有難し 辻美奈子 201401
新米を享く豊作とメモを添へ 大橋晄 雨月 201401
新米を届けに行くと留守電に 濱上こういち 201401
新米を櫃へ娘の手を借りて 松岡悠喜夫 ぐろっけ 201401
検査済のシールの確と今年米 太田チエ子 末黒野 201401
己が名を付けし新米送り呉れ 西千代恵 雨月 201401
御下問のありし新米かと思ふ 竹内弘子 あを 201401
敵ふものなき新米の塩むすび 石谷淳子 雨月 201401
新米の張紙誘う鮨のれん 鎌田慶子 ろんど 201402
艶やかや北海道の今年米 鈴木一恵 末黒野 201402
俳句誌を添えて届きぬ今年米 大西和子 ぐろっけ 201402
閻王に供へて今年米一斗 津野洋子 京鹿子 201402
新米と炊ぎ紅さす古代米 小川玉泉 末黒野 201402
新米の粒艶やかな朝餉かな 枝みや子 やぶれ傘 201402
贈らるる学校田の今年米 久世孝雄 やぶれ傘 201402
産土の新米炊けば艶めけり 長田厚子 末黒野 201402
新米にかけし玉子も光りけり 青木朋子 201403
名水で炊く父祖の地の今年米 松田明子 201404
新米にちりめん山椒それでよし 今井春生 201404
新米や指になじめる夫婦箸 森清信子 末黒野 201404
新米→4      

 

2021年10月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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