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ほんの少し家賃下りぬ蜆汁   渡辺水巴

寒蜆  土用蜆

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蜆掻く少年の舟傾きぬ 奥村真人 雨月 201107
荷にならぬ程の近江の蜆買ふ 石谷淳子 雨月 201201
蜆汁温めなほして旅帰り 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
波音の届かぬ二階蜆汁 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
宍道湖の夕日拝してしじみ汁 池亀惠子 末黒野句集 201203
猫舌に馴染める瀬田の蜆汁 竹内悦子 201205
蜆売り川の水ごと売りゆけり 椿和枝 201205
笊売りの旅につぶやく瀬田蜆 佐津のぼる 六花 201205
大淀に小舟出したる蜆採 岩下芳子 201206
志叶ひし今日の蜆汁 松本恒子 ぐろっけ 201206
昼月のかかる蜆を掻きにけり 柴田佐知子 201207
泣きはせぬ男やもめの蜆汁 森谷達三 春燈 201207
妹の猫に嫌はれ蜆汁 大山文子 火星 201208
兄妹に卓袱台まるし蜆汁 北崎展江 くりから 201209
咳の砂と化したる蜆桶 松本文一郎 六花 201212
酒を飲みたいから今日は蜆汁 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
白銀を指呼に蜆を掻く生活 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
八十路には薄味仕立蜆汁 稲畑汀子 ホトトギス 201303
旅立を控へし一日蜆汁 稲畑汀子 ホトトギス 201303
蜆桶汽水湖の砂残りけり 長久保郁子 かさね 201305
暮れがたの余白へ蜆水とばす 風間史子 201305
湖の底にこゑある蜆かな 岩下芳子 201305
ふる里の大き入日や蜆汁 川村清子 馬醉木 201306
用水のそこだけ蜆湧くところ 相良牧人 201306
さざ波の琵琶湖の青さ蜆採る 杉浦一子 万象 201306
一万歩あるけずじまひ蜆汁 松本三千夫 末黒野 201306
蜆掻く小舟遠見ゆ伊勢の海 水野節子 雨月 201306
清貧に安寧願ひ蜆汁 水野節子 雨月 201306
量り売る枡の蜆の黒びかり 水野節子 雨月 201306
汽水湖の土用蜆や朝の膳 生田高子 春燈 201311
眠剤の効くころ蜆舌を出す 吉田悌子 京鹿子 201401
旅話少し加はる蜆汁 稲畑汀子 ホトトギス 201403
傾けし小舟は蜆漁となる 稲畑汀子 ホトトギス 201403
愛想よきおばさんの声蜆買ふ 藤見佳楠子 201404
喉元を熱く通りぬ蜆汁 廣畑育子 六花 201405
些かの医療費還付蜆汁 阪本哲弘 201405
しじみ舟日の出る前に帰り来し 杉浦典子 火星 201405
母方は近江の商家蜆汁 大島寛治 雨月 201405
そこここに蜆こぼるる雑魚場かな 岩下芳子 201405
滑走の音の下なる蜆舟 高松由利子 火星 201405
人の世はややこしきもの蜆汁 菅原健一 201405
大門を出でて名物蜆めし 増田一代 201405
筑波嶺を水面にゆらし蜆舟 山崎刀水 春燈 201405
店頭の蜆水吹く湖日和 藤岡紫水 京鹿子 201406
いくたびか戦場の橋瀬田蜆 岡本一路 京鹿子 201406
隣客も石山詣で蜆飯 岡本一路 京鹿子 201406
多摩川に蜆戻りし瀬音かな 山本喜朗 雨月 201406
まぎれなく母郷や膳の蜆汁 足立典子 雨月 201408
生き方を変へる気もなし蜆汁 久保東海司 201408
大椀の運ばれきたる瀬田蜆 笹村政子 六花 201409
瀬田しじみ父郷母郷は西東 澤近栄子 京鹿子 201501
父と子の相似て無口蜆汁 市ヶ谷洋子 馬醉木 201505
夫婦して近江の生れ蜆汁 片山博介 春燈 201505
蜆汁国来国来と煮立ちけり 井上石動 あを 201505
出雲路や朝な夕なの蜆汁 杉浦一子 万象 201505
酔ひ醒めの湖畔の宿の蜆汁 山本喜朗 雨月 201505
伊勢小路に蜆売る声人寄せて 水野節子 雨月 201506
船津屋の窓の揖斐川蜆舟 水野節子 雨月 201506
蜆汁好き嫌ひなく児は育つ 森田節子 風土 201506
明け渡る湖に一景蜆舟 園田惠子 末黒野 201506
常の日の暮るる寧けさ蜆汁 一民江 馬醉木 201507
蜆汁効能言ひてすすめをり 河島坦 京鹿子 201507
帰宅して夕餉の一つ蜆汁 吉田きみえ 末黒野 201508
もてなしの出雲の蜆小粒なる 福島せいぎ 万象 201509
朝市や笊の蜆の水切られ 大崎紀夫 虻の昼 201510
口閉ぢし蜆の重さ小石ほど きくちえみこ 港の鴉 201510
大いなる神話の国の蜆汁 大矢恒彦 201605
分け合ひし一握もなき蜆かな 柴崎富子 春燈 201605
開かぬものひとつありけり蜆汁 きくちきみえ やぶれ傘 201605
貝弁当蜆小さくも味劣らず 大橋晄 雨月 201605
宍道湖の泊り果して蜆汁 碇天牛 雨月 201605
浜小屋のテーブル長し蜆汁 森清堯 末黒野 201606
真つ先に比良の暮れゆく蜆汁 山田春生 万象 201606
瀬田なれや忌明けの膳の蜆汁 大石よし子 雨月 201606
瀬田川の雨に竿立て蜆舟 長容川閑乙 馬醉木 201606
瀬田蜆洗へば沈む湖の砂 玉置かよ子 雨月 201608
片手漕ぎ漁師一人の蜆採り 落合由季女 雨月 201611
宍道湖の湖畔に生まれ蜆汁 山本喜朗 雨月 201705
蜆汁曜日を分かず暮しをり 森田明成 201705
しやりしやり洗ふぬばたまの黒蜆 細川洋子 201705
店頭や桶の蜆の口開くる 西村しげ子 雨月 201706
縄文の民の子孫ぞ蜆取 榎本秀治 201706
蜆汁帰るとこあるしあわせよ 田中美恵子 201707
蜆舟風をさまりて来し湖に 稲畑汀子 ホトトギス 201803
蜆汁好きと知られてしまひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201803
一椀やいま煮えばなの蜆汁 岩下芳子 201904
手のひらに包む温みや蜆汁 山浦紀子 春燈 201905
国引きの湖の蜆の艶やかに 小澤冗 201905
砂を吐き旬の蜆の黒びかり 西村しげ子 雨月 201905
蜆取り時鐘に戻る手漕舟 三輪温子 雨月 201905
裏口に蜆舟着く湖畔宿 森脇貞子 雨月 201905
おいそれと変はらぬ性根蜆汁 中村嵐楓子 春燈 201906
蜆舟点となりゆく暁けの湖 菊池和子 京鹿子 201906
盛りで売る出町柳の剥き蜆 奥田茶々 風土 201906
朝まだき鍋にうごめく蜆貝 秋山信行 やぶれ傘 201907
闘病といふほどでなし蜆汁 斉藤マキ子 末黒野 201907
真珠婚いろいろ混じる蜆汁 阿部さちよ 201908
二斤枡に天こ盛りなす蜆買ふ 小林輝子 風土 201908
石山の西国札所の蜆汁 山田佳子 202005
寡黙なるひと日なりけり蜆汁 栗原公子 202005
蜆 →4      

 

2022年3月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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