2        133句

菜の花の岬を出でゝ蜆舟     川端茅舎

寒蜆  土用蜆

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蜆汁病みてやさしくなりし夫 木田千女 200406
蜆汁一膳飯屋にみすゞの詩 木田千女 200406
万葉の四時美恋歌蜆汁 安永圭子 風土 200406
亀鳴いて蜆鳴かんとしたりけり 今瀬剛一 対岸 200406
蜆掻く安東水軍砦跡 斎藤宣子 帆船 200407
一粒の息を吐きけり蜆貝 後閑達雄 対岸 200407
蜆売り濡れたる侭の川草履 安藤章雄 万象 200408
夏霧の晴れて一舟蜆掻く 泉田秋硯 200409
十三夜ならで墨田の蜆殼 八田木枯 夜さり 200409
芦の花首まで浸り蜆採る 岡村葉子 200412
いちはやく夜の訪れし蜆桶 若井新一 200412
二日酔の雄叫びの夫へ蜆汁 大塚初江 200504
蜆掻く人のうしろに浮寝鳥 朱宮史郎 六花 200504
蜆掻く湖へ孤独の唄聞かせ 泉田秋硯 200505
蜆汁一艇すでに沖にあり 有田蟻太 200505
蜆掻き風と流れに逆らはず 吉田飛龍子 春燈 200505
山陰や日の出と共に買ふ蜆 玄内栄 帆船 200505
からからと音たててゐる蜆汁 田辺哲子 帆船 200505
四行で終る学歴蜆汁 篠田純子 あを 200505
蜆汁まだ言ひ足らぬことのあり 赤羽正行 遠嶺 200507
蜆汁小粒揃ひとなりにけり 二瓶洋子 六花 200507
取りたての蜆酒蒸しぷりぷりと 馬場三枝子 200507
家訓なし遺産もなくて蜆汁 岡本久一 200508
古里の小川に蜆数ふほど 水野範子 ぐろっけ 200508
いつまでも夫は折れずに蜆汁 中村みち子 ぐろっけ 200508
業平の名前の蜆買ひにけり 腰高和代 春燈 200605
真蜆を洗ひてくらきたなごころ 柴田久子 風土 200605
米を磨ぐやうに蜆を洗ひけり 柴田久子 風土 200605
じやりじやりと音立て蜆頒け呉れし 有働亨 馬醉木 200606
晩節に適ふくらしを蜆汁 木下ふみ子 馬醉木 200606
シンプルイズベスト銚子の蜆汁 鈴木榮子 春燈 200606
泡ひとつ吐いて業平蜆かな 服部早苗 200606
蜆売り蜆のやうな目の凹み 田上昭夫 四葩 200606
宍道湖のあかときを待つ蜆舟 山本喜朗 雨月 200606
蜆舟点じ湖の灯消えにけり 山本喜朗 雨月 200606
野良疲れ母の病む日の蜆汁 田畑時男 河鹿 200607
ふるさとの味噌にこだはる蜆汁 白井友梨 馬醉木 200607
蜆舟ゆるる彼方や松江城 石山民谷 遠嶺 200607
蜆汁気負ふ自分をなだめをり 赤羽正行 遠嶺 200608
荒川の泥ごと掬ひ蜆採り 赤松郁代 万象 200608
夜回りを終へて朝駆け蜆汁 中嶋陽子 風土 200612
梁の太き天井蜆汁 滝沢伊代次 万象 200703
蜆売り濡れたる侭に川草履 安藤章雄 万象句集 200703
通り過ぐ靴音ばかり蜆汁 柳生千枝子 火星 200705
能登沖の波のけぶりや蜆汁 山田禮子 遠嶺 200706
身の奥の旅の疲れや蜆汁 市橋章子 ぐろっけ 200706
甲斐信濃かこめる湖に蜆とる 村松紅花 ホトトギス 200707
いたはられ過ぎしが寂し蜆汁 近藤てるよ 酸漿 200707
蜆汁洗ひ凌ひを話しをり 赤羽正行 遠嶺 200708
おきまりの出雲の宿の蜆汁 山田をがたま 京鹿子 200709
白南風の荒川のぼる蜆舟 大坪景章 万象 200711
星とんで鍋の蜆のつぶやける 定梶じょう あを 200801
口閉ぢし蜆の重さ小石ほど きくちきみえ やぶれ傘 200804
蜆汁晩年なんてもう言はぬ 田原陽子 200805
言ひ過ぎてすまぬが言へず蜆汁 石田きよし 200805
海猫を引き連れ帰る蜆舟 上野進 春燈 200805
蜆汁涙おとすなおとすなよ 田中藤穂 あを 200805
大津絵の掛かる小座敷蜆汁 竹内喜代子 雨月 200806
休肝日律儀に守り蜆汁 隅田享子 200807
憂きことの一つ片づき蜆汁 村田文一 遠嶺 200807
川底の音椀の中蜆汁 佐々木良玄 春燈 200807
朝靄を突き出でて来し蜆舟 松本文一郎 六花 200807
瀬田ものと呼びて蜆の粒揃ひ 山下美典 ホトトギス 200808
衛星の軌道にのりて蜆汁 府川房江 母の空 200808
つややかに手のひらにある蜆かな 松本蓉子 六花 200808
心地よく水に透けたる蜆かな 松本蓉子 六花 200808
一粒に蜆の重み確かなり 松本蓉子 六花 200808
宍道湖に風物と見し蜆舟 渡辺玄子 酸漿 200812
根の国の朝な夕なの蜆汁 渡辺玄子 酸漿 200812
もらひたる味噌のほどよし蜆汁 阿部ひろし 酸漿 200904
はり紙に入荷しました瀬田蜆 森永洋子 200905
蜆舟沖へ水尾曵き音を曳き 浜田南風 200905
ぬくぬくと胃の腑ににじむ蜆汁 木村茂登子 あを 200905
一つ一つ抓む楽しみ蜆汁 大橋晄 雨月 200905
ふるさとの蜆売らるる日本橋 山本喜朗 雨月 200905
瀬田の川むかし櫓を漕ぐ蜆舟 池田加寿子 200906
いさかひて口きかぬ日の蜆汁 吉田希望 200906
蜆汁宿の女将の長口上 杉本薬王子 風土 200906
他愛なきヤングの会話蜆汁 卯木尭子 春燈 200906
可も不可もなくて夫との蜆汁 丸尾和子 雨月 200906
蜆汁啜る音よき朝餉かな 赤司美智子 酸漿 200906
波立寺の和尚の捕りし蜆かな 佐藤健伍 200907
蜆掻く舟より長き竿をもて 有山八洲彦 200907
汽水湖の光の波へ蜆舟 阿久津勝利 万象 200907
懐旧の「だんだん蜆」十粒ほど 泉田秋硯 200908
蜆汁好つきやねん巨人は嫌ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
一人にも青色申告蜆汁 神蔵器 風土 201004
むらさきを内に籠めたる蜆汁 庵原典子 201005
蜆選る手に柔らかき日の光 伊藤文郎 201005
蜆漁すでに名残の東風つのる 博多永楽 雨月 201006
吐く砂に触れて睡れり蜆貝 古川忠利 ろんど 201006
出雲路の旅のはじめの蜆汁 青和子 201007
宍道湖の蜆や砂の美しく 服部早苗 201007
暁の大河をゆける蜆舟 水谷靖 雨月 201007
石山のむらさき澄める蜆汁 冨山俊雄 山居抄 201008
蜆桶厨に暗き海のあり 松本三千夫 末黒野 201008
つんつんと妻も啜るよ蜆汁 荒木甫 201008
はるか比良鼈甲色の蜆かな 延広禎一 201103
開かざる蜆二つや朝餉汁 五十嵐勉 201105
生き過ぎを嘆かれてをり蜆汁 山田暢子 風土 201105
世にそむき律儀に生きて蜆汁 中野英伴 春燈 201105
少年兵の湖の底なる蜆汁 鴨下昭 201105
蜆汁昼も灯ともる螢光灯 柳生千枝子 火星 201105
とんかつと相性の良き蜆汁 中田寿子 ぐろっけ 201105
ゆるき水脈曳きては瀬田の蜆舟 藤岡紫水 京鹿子 201106
らふそくを点け一椀の蜆汁 佐々木群 201106
子に頼む食糧備蓄蜆汁 小野口正江 末黒野 201106
ふるさとの夕焼湖に蜆舟 家塚洋子 酸漿 201106
奇数日の朝餉常なる蜆汁 鈴木石花 風土 201106
一本の蝋燭囲み蜆汁 田原陽子 201107
蜆掻く少年の舟傾きぬ 奥村真人 雨月 201107
荷にならぬ程の近江の蜆買ふ 石谷淳子 雨月 201201
蜆汁温めなほして旅帰り 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
波音の届かぬ二階蜆汁 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
しじみ売るさきのしぐれて浜通り 坪内稔典 船団 199912
湯気立てて銘々膳のしじみ汁 谷合青洋 酸漿 200205
山影の湖へかむさるしじみ舟 藤井昌治 200506
宍道湖へ夕日落ちゆくしじみ汁 馬場三枝子 200507
殻までも薬用効果しじみ貝 貝森光大 六花 200508
正座してお箸の稽古しじみ汁 津田礼乃 遠嶺 200706
しじみ殻わんぱくな音たてにけり 山元志津子 八千草 200708
ひとりとはこんな音にてしじみ汁 井上信子 200906
海風に耐ゆる屋並みやしじみ汁 劔持信夫 春燈 200906
十三湖のしじみふつくら朝の膳 中緒和子 酸漿 201001
しじみ飯おのれ語りの咄咄と 北川孝子 京鹿子 201006
しじみ汁社員食堂準備中 藤見佳楠子 201104
白き身の花開くごとししじみ汁 福本スミ子 201104
しじみ貝嘘はつかねど泥を吐く 貝森光洋 六花 201106
テレビではニュースの時間しじみ汁 きくちきみえ やぶれ傘 201107
蜆 →3      

 

2021年3月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。