秋水   90句

秋水やまた会ひ難き女ども   永田耕衣   吹毛集

秋の水  秋水

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
秋水を讃へて肩を寄せ合へり 小澤克己 遠嶺 199901  
岩裂きて秋水通る仮借なし 丸山海道 丸山海道全句集 199910  
腋甘くして秋水を覗き込む 浅井勝子 199911  
町を貫く秋水の勢に余りあり 能村登四郎 芒種 199911 津和野
独坐して秋水に臍ある如し 柳生正名 海程 200001  
角乗りのまづ秋水を含みけり 島田万紀子 馬醉木 200002  
秋水に全身映し身ごもりぬ 藤井勢津子 200002  
秋水の光をまとふ祝ぎの舞 内山和江 奧嶺 200010  
秋水の顔をくづして手を洗ふ 米澤光子 火星 200011  
秋水を布截つごとく鯉の鰭 菅谷たけし 200101  
鉄砲町秋水の縦一文字 能村登四郎 200108 島原
秋水に影うつし去る女かな 出口貴美子 雨月 200111  
錦帶橋きんたいの裏秋水の熟知せり 中原道夫 銀化 200112  
秋水のひとつ小便小僧かな 夏秋明子 火星 200112  
秋水にうるんでいたる写真かな 小田さやか 船団 200112  
秋水のめぐり落葉のめぐりけり 今瀬剛一 200201  
秋水の速さに散れる稚魚の群 浅野恵美子 酸漿 200201  
秋水に釣果僅かの鮒戻す 松田欽吾 雨月 200201  
秋水に入りしぶりゐる飾馬 岡山裕美 雲の峰 200201  
秋水を繞らせ七堂伽藍あり 小山徳夫 遠嶺 200201  
秋水を奢らせてゐる民話村 柴田朱美 京鹿子 200202  
秋水の石を巡りて離れけり 雨村敏子 200202  
何か居ぬかと秋水に目をこらす 朝妻力 雲の峰 200210 各地で海豹騒動
市たたむ秋水勢ひ良く流し 工藤ミネ子 風土 200211  
秋水を掬ぶ投網の影幾重 小野恵美子 馬醉木 200212  
秋水を掬して山の風まみれ 木内憲子 200212  
秋水の輝きに過去未来あり 大串章 百鳥 200311  
秋水に指が戸惑ふ無洗米 子安教子 200311  
大鯉と鳰秋水を分かちあひ 尾崎恭子 雨月 200311  
秋水の拾翠亭を囲みけり 山田六甲 六花 200311  
秋水を掬へば遠き日々透けて 佐藤ナオ子 遠嶺 200401  
山あいより秋水一糸ダムに入る 真木早苗 八千草 200408  
秋水の流れ大河に加はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200409  
秋水に映るは大き吾が鼻よ 滝沢伊代次 万象 200409  
秋水の厚みボートをただよはす 今瀬剛一 対岸 200409  
秋水を汲み遠岳に雲散らす 小澤克己 遠嶺 200411  
秋水や頭上を真青なる気流 近藤喜子 200411  
鼻見せしあと秋水の中へ河馬 朝妻力 雲の峰 200411  
友の碑へ秋水音を絶やさざる 林翔 200412  
秋水の縮緬つむぐ梓川 中里カヨ 酸漿 200412  
秋水を甕のめだかに足しにけり 戸栗末廣 火星 200412  
秋水に利酒の猪口すすぎけり 保科次ね子 百鳥 200412  
秋水に溶けたる秋のいろを見し 雨村敏子 200501  
秋水に命の影のかすかなり 松井洋子 ぐろっけ 200501  
秋水に膨らみ流す前の網 今瀬剛一 対岸 200501  
秋水の蛇口たのしき朝となる 福嶋千代子 200511  
秋水のさ走る音や大山寺 宮原悦子 雨月 200512  
秋水の音を無明の橋に聴く 宮原悦子 雨月 200512  
秋水のさざめいて湧く奈良井宿 柴田朱美 京鹿子 200512  
秋水に真赤な嘘を晒しおく 坂井法 200601  
刻々と流れし秋水に夕月夜 山田耕子 京鹿子 200601  
秋水となりて氷河のほどけをり 山本耀子 火星 200611  
秋水の流れを見入る橋の上 伊藤セキ 酸漿 200701  
秋水の音声響く地底かな 山中宏子 200702 秋芳洞
戻らざる日々よ秋水手に掴み 岡本眸 200708  
秋水に藍染の藍流れゆく 大畠政子 雨月 200711  
秋水に鯉もみ合へる波紋かな 山田六甲 六花 200711  
秋水に流されてゆく光かな ことり 六花 200711  
秋水に浮くものやがて沈むもの 岩月優美子 200801  
秋水とふ源泉に五指当てて 佐々木幸 200801  
秋水に白鷺の立つ静けさに 東野太美子 ホトトギス 200802  
秋水や心のぞかれをるごとし 濱地恵理子 200802  
川幅といふ秋水の三次元 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810  
一條の秋水走る身の暗渠 竹貫示虹 京鹿子 200810  
掌を溢れ落つ秋水を見詰めをり 北川英子 200811  
秋水に姿を重ね若き鹿 岡崎春菜 万象 200902  
飛騨川の黒き秋水動かざり 赤座典子 あを 200909  
秋水の迷路漕ぎゆくゴンドリエ 谷澤秀子 200911  
秋水や夕日織り込む草木染 林八重子 馬醉木 200912  
やはらかになる秋水に手を沈め 高田令子 200912  
秋水速し中洲の鷺を置き去りに 江木紀子 雨月 201001  
堰越ゆる秋水美しき狐川 伊藤敬子 201001  
秋水に沈めひとりの皿小鉢 半田順子 馬醉木 201002  
裸婦像の脇の秋水汲みにけり 谷村幸子 201002  
秋水に日の斑のあそぶ真昼かな 松田明子 201011  
秋水を打ちて色鯉それつきり 奥田順子 火星 201101  
秋水にすすぎ伏せ置く柄杓かな 出口賀律子 雨月 201101  
秋水のくぐる一枚岩の橋 松田明子 201101  
秋水を掬へば聞こゆ父の声 渡邊泰子 春燈 201112  
秋水に六字名号流れをる 近藤公子 201112  
秋水の一枚岩に広がりぬ 福島しげ子 ろんど 201201  
秋水の細きを集め水車かな 松本文一郎 六花 201203  
噴水の玉秋水にもどりけり 山田六甲 六花 201210  
噴水の玉秋水を走りけり 山田六甲 六花 201211  
噴水の玉秋水に戻りけり 山田六甲 六花 201211  
秋水に浸しし我の手の斑かな 高尾豊子 火星 201211  
秋水に漱ぎしあとの耳聡し 千田敬 201212  
鳩尾に秋水の音通夜帰り 渕上千津 201212  
秋水の流れやまざる橋の影 今井千鶴子 ホトトギス 201301  
川堰の繰る秋水の銀の糸 石川寿夫 ろんど 201301  

2013年9月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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