手 套       56句

手袋  手套

作品
作者
掲載誌
掲載年月
愛はた哀にじむ手套の捨てられず 水島夜雨 京鹿子 199904
悲しみのかたちに置かれ皮手套 鷹羽狩行 200001
頰に当つ母の手套や帰漁待つ 中村翠湖 馬醉木 200003
皮手套握手に情通はざる 有山紫於 雨月 200105
湖砂利にまぎれて赤き片手套 品川鈴子 ぐろっけ 200105
イニシャルの「K」が気になる手套かな 野口光江 遠嶺 200204
絹手套指細きころ恋のころ 山田弘子 円虹 200204
思はざる握手の強さ絹手套 植村よし子 雨月 200206
あをあをと星燃えてをる革手套 高橋さえ子 200206
世を少しへだててゐたり黒手套 豊田都峰 京鹿子 200212
手套して演奏前のピアニスト 荻野周子 雨月 200303
片方の手套垣根の曲り角 山田由利枝 雨月 200305
放心の車中にはづす黒手套 内山けい子 200305
革手套わが手になじみ皺ふかむ 櫨木優子 200404
コーヒーの湯気と残されゐる手套 藤井智恵子 百鳥 200404
懺悔室に寒九の手套忘れあり 安達実生子 馬醉木 200405
夢二展へレースの手套はめてゆく 岡本のぶ子 雨月 200406
離りゆく人へ振る手の手套脱ぐ 林翔 200501
攻め焚や炎の舌の手套なめ 小宮淳子 春燈 200512
決断を定め手套を脱ぎにけり 辻治子 四葩 200602
手招きの形に落ちゐて黒手套 大沢美智子 200603
白手套してマラソンの先に立つ 池田好 200605
枯山に来て黒手套深く嵌む 上林孝子 200605
身支度のしあげ手套に五指分つ 風間史子 200803
片手套失くした辺り良く通る 甲州千草 200804
辿り行く名画の道や革手套 津田礼乃 遠嶺 200806
黒手套にぎり面会室に入る 林いづみ 風土 200903
提げ袋探せど尼は片手套 品川鈴子 ぐろっけ 200912
邂逅の大き手套につつまれぬ 小野恵美子 馬醉木 201004
銜へ脱ぐ手套よ海の無人駅 小野恵美子 馬醉木 201103
クリームの匂ひとぢこむ皮手套 来海雅子 201103
つり革に指先余る手套かな 青木ちづる 201203
使ひ古りぴつたりと添ふ革手套 丹生をだまき 京鹿子 201204
小吉のみくじ手套にあたたむる 伊藤紀子 ろんど 201204
皮手套外せば戻る妻の顔 田嶋洋子 七線譜 201306
皮手套一円玉にあしらはれ 千田敬 201401
手套買ふバーゲンセールすいてをり 伊勢きみこ 火星 201403
つり革に指先余る手套かな 青木ちづる 201203
使ひ古りぴつたりと添ふ革手套 丹生をだまき 京鹿子 201204
小吉のみくじ手套にあたたむる 伊藤紀子 ろんど 201204
皮手套外せば戻る妻の顔 田嶋洋子 七線譜 201306
皮手套一円玉にあしらはれ 千田敬 201401
手套買ふバーゲンセールすいてをり 伊勢きみこ 火星 201403
ことわれぬワインに外す皮手套 鳥居美智子 ろんど 201501
指角力強かりし手の皮手套 鳥居美智子 ろんど 201503
皮手套落とししどろもどろかな 村田岳洋 ろんど 201505
遠き海夏手套に指されたる 木下夕爾 春燈 201508
手をつなぎしことなき夫の手套かな 伊藤百江 春燈 201604
片手套助け求めてゐるやうな 相良牧人 201604
片手套失ひてより速歩き 風間史子 201607
ポケットを叩いて探る革手套 兵藤惠 201803
辛うじてまだ現役の赤手套 井尻妙子 京鹿子 201805
まだまだと赤き手套を贈りけり 土井ゆう子 風土 202004
魂の抜けし手套が道の端に 押田裕見子 202107
放心のかたちに置かれ皮手套 細川洋子 202202
寄席跳ねて街のにぎはひ手套嵌む 鈴木崇 202210

 

2022年12月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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