春 愁 10     72句

けふも富士見えず春愁とは云はめ   西山葉子   暖流

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春愁や句会なければ句も出来ず 三村純也 ホトトギス 202008
春愁や箱に亡夫とのペア時計 池上昌子 京鹿子 202008
春愁ひ相撲を取れぬ金太郎 出利葉孝 202008
春愁を分かち合ふ日々まだつづく 山田閏子 ホトトギス 202008
春愁や砂きしませて渚まで 黒滝志麻子 末黒野 202008
もしかして私だけですか春愁 井尻妙子 京鹿子 202008
読み返すカミユのペスト春愁 平野無石 202009
宇治川に佇つ春愁を懐に 井尻妙子 京鹿子 202009
春愁を風に溶かして忘れ潮 石原孝人 京鹿子 202009
炎ゆれ仏頭にある春愁 中田禎子 202104
骰子を持てぬ神にも春愁 平野多聞 202105
春愁や語り掛くるも句碑の黙 和田絢子 春燈 202105
編み直す詩の一行春愁 岩崎藍 末黒野 202105
動かざる象にも春愁あるらしく 寺林伸夫 202105
どんよりと指の深爪春愁 武田未有 202105
悩み事ないというのが春愁 高橋将夫 202106
春愁のチェロ弾くチェロに耳寄せて 加賀荘介 202106
手を通す事無き着物春愁ひ 鈴木石花 風土 202106
春愁やガラス釧の気泡かな 田中佐知子 風土 202106
春愁笑うても出る涙かな 木村梨花 春燈 202106
春愁ふヤングケアラーの児と労苦 長崎桂子 あを 202106
探しもの人には言へず春愁ひ 直江裕子 京鹿子 202106
春愁ふ余暇のプランは黄信号 四辻進 京鹿子 202106
春愁を払ふ鏡の手入れより 千原葉子 ホトトギス 202107
相槌を打ちたるよりの春愁ぞ 太田慶子 春燈 202107
春愁や練習室の壁かがみ 能村研三 神鵜 202107
春愁や幾度となく拭く眼鏡 森清信子 末黒野 202107
屑籠のあふれやすしや春愁 斉藤マキ子 末黒野 202107
補聴器のつかむ雨音春愁 太田良一 末黒野 202107
春愁や消ゆるごとくに慣れてゆく 湯川雅 ホトトギス 202108
春愁や長く伸びたる剃り残し 森田明成 202108
みらい館出て春愁を裏返す 井尻妙子 京鹿子 202108
暮れ泥む哲学の道春愁 今村千年 末黒野 202108
見ゆるものすべて輝き春愁 湖東紀子 ホトトギス 202109
春愁や災ひ去る日何時ならん 河野昭彦 ホトトギス 202110
春愁やホ句先達の亡きを知る 河野昭彦 ホトトギス 202110
春愁の上野のカフェのマチスの絵 田邑利宏 202110
空缶を蹴る春愁の音させて 足立枝里 202110
番号で呼ぶ診察や春愁 大西乃子 202112
エンターキー押して春愁翔ばしけり 千田百里 202204
春愁を弾き飛ばせり「カーリング」 篠田純子 あを 202204
春愁や新聞ひろげ爪を切る 山田暢子 風土 202205
春愁を断つ決心や小海線 原口久恵 春燈 202206
春愁を溶かす独りのミルクティ 安田優歌 京鹿子 202207
三分の春愁つもる砂時計 小田嶋野笛 やぶれ傘 202207
春愁や寒暖の差に追ひつけず 毛利直子 やぶれ傘 202207
春愁を振りきる歩みの速さかな 太田佳代子 春燈 202207
春愁や独り忙しき砂時計 佐渡谷秀一 春燈 202207
春愁といふ曖昧を飼ひならす 亀井福恵 京鹿子 202208
春愁に勝る悲しみありて泣く 木村享史 ホトトギス 202209
春愁の思考混乱してアナログ 若泉真樹 202209
春愁やイヌワシの眼に虚空みる 楠本和弘 202209
父逝きし春愁の闇ひたひたと 高浜礼子 ホトトギス 202210
春愁や父の書斎の黙深し 高浜礼子 ホトトギス 202210
春愁を日本海まで捨てにゆく 相川健 202210
春愁や小貝を拾ふ須磨の浜 延川五十昭 六花 202305
春愁やつるりと無垢の茹で玉子 岡野里子 末黒野 202305
石投げて別るる海や春愁 太田良一 末黒野 202306
春愁や黄昏長き湖の色 池乗恵美子 末黒野 202306
寄せ書の隅の聖句や春愁 太田良一 末黒野 202307
春愁や電子時計は音立てず 小田嶋野笛 末黒野 202307
春愁や砂紋に残る靴の跡 長尾タイ 末黒野 202307
カップ置きふつと見る右手春愁 渡辺美智子 末黒野 202307
春愁や午後の茶店のカプチーノ 平木三恵子 末黒野 202308
春愁や昨日と同じ事をして 高浜礼子 ホトトギス 202309
春愁解く真空パック解くやうに 井尻妙子 京鹿子 202304
春愁解く真空パック解くやうに 井尻妙子 京鹿子 202304
蒼天の深みへ放つ春愁 塩貝朱千 京鹿子 202306
春愁や音をこぼさぬ砂時計 能村研三 202306
春愁ひ母の使ひし化粧水 坂本緑 202306
春愁と稲荷の小路抜けにけり 篠田純子 あを 202306
春愁や難波花月のかぶりつき 草場つくし 六花 202310
春愁 →1

 

2024年3月10日 作成

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