沙羅の花 3     131句

見て覚え見て覚え今日沙羅の花    後藤夜半

沙羅の花  夏椿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
つつましく一輪咲かす沙羅の花 池田光子 200708
昨夜の雨沙羅の初花はぐくめり 松崎鉄之介 200708
咲くよりも落花の多し沙羅の花 松崎鉄之介 200708
沙羅の花落ちて赤子の拳ほど 宮津昭彦 200708
沙羅落花波紋様の白砂に 近藤きくえ 200709
沙羅の花昨夜の静かな心引く 禰寝瓶史 京鹿子 200709
死後のこるもの味噌甕と沙羅の花 神蔵器 風土 200709
沙羅落花一日のけじめ潔し 横田初美 春燈 200709
沙羅の花白し一日づつ終り 水谷芳子 雨月 200709
沙羅咲ける君の忌近き哀しみに 落合由季女 雨月 200709
御僧は八十路に在し沙羅真白 樺山翠 雨月 200709
惟みてありなば沙羅の花に会ふ 石垣幸子 雨月 200709
沙羅咲きて麻沙子師へ思慕かぎりなし 味村志津子 雨月 200709
沙羅落花拾へば絖の光あり 味村志津子 雨月 200709
沙羅の花勤行粛と始まりぬ 久永つう 六花 200709
沙羅掃くに尼僧の箒音たてず 和田照子 200710
敦忌の沙羅の落花をてのひらに 西岡啓子 春燈 200710
のどごしを水饅頭や沙羅の花 代田青鳥 風土 200710
今日寝ねて明日目覚むる沙羅の花 代田青鳥 風土 200710
沙羅咲いて神奈川警察本部前 下山田美江 風土 200710
母の忌の数珠新しや沙羅の花 今井忍 ぐろっけ 200710
沙羅の花こぼれて雨の旅となる 飯田角子 酸漿 200710
友を訪ふ常の道なり沙羅の花 永見嘉敏 酸漿 200710
一院の踏み場もあらず沙羅落花 内山芳子 雨月 200710
行宮や沙羅の落花の音にのみ 内山芳子 雨月 200710
四方に盈つ光や沙羅の咲く大樹 内山芳子 雨月 200710
凛然と白の極みの沙羅の花 水野節子 雨月 200710
沙羅散るやひがな水音の東山 樺山翠 雨月 200710
沙羅真白君が転生かとぞ見え 山田夏子 雨月 200710
沙羅咲いて坂のほとりの一寓居 山田夏子 雨月 200710
麻沙子忌の沙羅の落花を惜しみけり 細川コマヱ 雨月 200710
沙羅の花古刹伝説多く秘め 角直指 京鹿子 200711
沙羅の花鴉が戒名消しに来る 宇都宮滴水 京鹿子 200806
錆色を地に還しつつ沙羅落花 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807
沙羅の花散り初めしより一会かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807
十指なほ動く幸せ沙羅の花 衣川砂生 馬醉木 200808
三弦にひたりて茶の湯沙羅の花 伊藤憲子 200808
まなざしや高きより降る沙羅の花 布川直幸 200808
沙羅咲いて零るる花の潔し 和田政子 200808
雨の朝一番花の沙羅散れり 松崎鉄之介 200808
十日間雨の日も撮る沙羅の花 松崎鉄之介 200808
沙羅の花薄墨の書に風を入れ 佐山苑子 遠嶺 200809
突然の知らせに沙羅の花咲いて 小林奈穂 200809
沙羅の花無定住なるきのうけふ 豊田都峰 京鹿子 200809
亡き夫へ自問自答や沙羅落花 綿谷美那 雨月 200809
蘂の黄も賞づるべきもの沙羅の花 宮津昭彦 200809
花沙羅の二本しんかんたる真昼 大島翠木 200810
敦盛を心に沙羅の花惜しむ 森竹昭夫 遠嶺 200810
一日の長さかばかり沙羅の花 葦原葭切 春燈 200810
身の声に耳を澄ますや沙羅の花 市川律子 炎環 200810
万蕾の沙羅今朝咲きしこれの二花 杉山瑞恵 雨月 200810
沙羅の花こよなく愛し姉逝きぬ 笠井敦子 200811
観音の存す堂なり沙羅の花 國保八江 やぶれ傘 200811
存分に濡れてひとしほ沙羅の花 上原榮子 京鹿子 200901
同胞の終となりたる沙羅の花 遠藤和彦 彩雲 200901
沙羅の花夢のごとしと語り終ふ 岡田満壽美 夢のごとしと 200904
沙羅咲けと咲けと囃せるこごみ鳥 小澤克己 遠嶺 200908
さきがけて沙羅一輪の朝かな 東芳子 酸漿 200908
沙羅咲くや白のさみしさゆづらざる 伊藤敬子 200908
美術館玻璃のへだてる沙羅の風 上田義子 200908
沙羅咲くや空のかなたに山の城 上田義子 200908
沙羅咲くや大日堂の鐘の音 青木政江 酸漿 200909
摩耶山の沙羅の咲き満つ磴上る 塩見治郎 雨月 200910
沙羅匂ふ古刹の茶菓のほの甘し 中根健 200910
象の耳沙羅の咲く音落ちる音 直江裕子 京鹿子 201001
寺の沙羅こぼる障害手帳へも 品川鈴子 ぐろっけ 201006
かすれ虹慕ひて零る沙羅の花 品川鈴子 ぐろっけ 201006
沙羅散りて石の布袋が身じろげり 品川鈴子 ぐろっけ 201006
席入りにあたかも沙羅の花ぽとり 品川鈴子 ぐろっけ 201006
沙羅の花君はすつかり石見通 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007
白髮を亡母より享けて沙羅の花 野沢しの武 風土 201008
ハヤブサの燃えつくあした沙羅の花 鈴木阿久 201008
登四郎忌近づく雨の沙羅の花 上谷昌憲 201008
沙羅見むと早朝に訪ふ尼の寺 内山芳子 雨月 201008
朝開きまさらのま白沙羅の花 内山芳子 雨月 201008
声明の声のうねりや沙羅の花 田中浅子 201009
三姫に想ひ馳せたり沙羅の花 能勢栄子 201009
ねぎらひの言葉を選りぬ沙羅の雨 西村博子 馬醉木 201009
沙羅の風通ふ堂宇や地獄絵図 薮脇晴美 馬醉木 201009
喪籠もこもりの日となりゐたり沙羅の花 石脇みはる 201009
目の前の沙羅が散りけり涅槃像 谷村幸子 201009
石庭に落ちて匂へり沙羅の花 山田春生 万象 201009
犬逝きて一人の留守居沙羅の花 飛高隆夫 万象 201009
雨上がる未来を託す沙羅の花 鴨下昭 201009
沙羅の花平家の愁ひ乗せて咲く 池田光子 201009
沙羅の花散りて栄衰世の習ひ 鈴木阿久 201009
胸深くたたむ言葉や沙羅の花 都丸美陽子 春燈 201009
沙羅咲くや国際看護大学校 下山田美江 風土 201009
沙羅の花仏足石に降りしきり 大橋晄 雨月 201009
一刹の清浄深む沙羅咲いて 窪田佳津子 雨月 201009
夢見の沙羅仰ぎ来られぬ師を思ふ 窪田佳津子 雨月 201009
句碑の文字真白や沙羅の花の色 和田崎増美 雨月 201009
沙羅咲いて句碑の歳月惟みる 和田崎増美 雨月 201009
兄の忌の経を唱ふる沙羅の花 井関祥子 酸奬 201009
園深き静かさにあり沙羅の花 岩上定子 酸奬 201009
沙羅落花白の気品を失はず 北川キヨ子 201010
要石までの飛石沙羅の花 中村恭子 201010
沙羅咲いて苔にきれいな水たまり 戸栗末廣 火星 201010
沙羅双樹あまた宝珠の莟かな 田伏博子 ろんど 201010
沙羅双樹真白き花の散る刹那 降幡加津 ろんど 201010
額に受く一滴沙羅の花雫 金森教子 雨月 201010
三十三観音浄土沙羅咲きて 栗山恵子 雨月 201010
咲きつづく蕾を多に沙羅の花 和田崎増美 雨月 201010
寂光の山気に香り沙羅の花 塩見治郎 雨月 201010
清廉に生きむと仰ぐ沙羅の花 横山昭子 雨月 201010
沙羅散りていつしか夢路とはなりぬ 河内桜人 京鹿子 201011
忘れ得ぬ夫の面影沙羅の花 薫芳 酸奬 201011
沙羅白し日向日影と分つなく 辰巳あした 雨月 201011
沙羅散るも白の衿持を失はず 林日圓 京鹿子 201104
首を振る張子のべこや沙羅の花 宮崎紗伎 春燈 201507
二所帯で仲よく住むや沙羅の花 村上倫子 201507
沙羅ひらき透明な朝来りけり 熊岡俊子 雨月 201507
今朝落ちし沙羅の涙をてのひらに 塩貝朱千 京鹿子 201508
沙羅落花だれも知らない路地の贅 和田政子 201508
山法師散りたるあとを沙羅の花 鈴木阿久 201508
踏み入るをためらふ沙羅の花の下 前田美恵子 201509
沙羅咲くや坂東太郎静もれる 溝越教子 春燈 201509
沙羅咲いて野崎に小さき石仏 樺山翠 雨月 201509
今朝開く沙羅の一花の白さかな 金森教子 雨月 201509
夜の土の湿りに落ちて沙羅の花 大崎紀夫 虻の昼 201510
落ちてなほしづかに変はる沙羅の花 大坪あきら 万象 201510
沙羅の花数へゐる間にひとつ落つ 天谷翔子 201510
晩年はいつ沙羅の花散りにけり 山田正子 201510
沙羅咲いてほとりの清らおのづから 杉山瑞恵 雨月 201510
佇めば散り急ぐなり沙羅の花 齋藤晴夫 春燈 201510
豆腐屋のラッパ聞こえぬ沙羅の花 奥田茶々 風土 201511
七百年の古刹一本沙羅の花 石井秀一 風土 201511
言ふまじき言葉のみこむ沙羅の花 川田好子 風土 201511
読み返すことも供養や沙羅の花 鈴木庸子 風土 201511
忘れもの承ります沙羅の花 津波古江津 船団 201602
沙羅の花→ 4      

 

2021年7月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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