沙羅の花 4     111句

沙羅の花耀くは風あるらしき    高木雨路   日の谺

沙羅の花  夏椿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
踏むまじき沙羅の落花の踏絵めく 荒井書子 馬醉木 201107
沙羅咲いて落つ一日のみじかさよ 竹貫示虹 京鹿子 201107
朝ごとに掃く姫沙羅の一夜咲き 菅谷たけし 201108
記念樹の沙羅の咲き初め娘の婚期 小西和子 201109
沙羅の花凡百の白随へて 高木曽精 春燈 201109
忌を修し天遥かなり沙羅双樹 和田照子 201109
苔の上に沙羅の花置く南禅寺 鈴木阿久 201109
麻沙子女史偲ばむ沙羅の咲き初むる 宮原悦子 雨月 201109
静謐の御方偲びて沙羅の樹下 宮原悦子 雨月 201109
写経なす紺紙金泥沙羅の雨 宮原悦子 雨月 201109
今日一日咲き極めしか沙羅落花 宮原悦子 雨月 201109
沙羅咲きて一日の果を惜むかな 近藤豊子 雨月 201109
降る雨に午後のあかるさ沙羅の花 大崎紀夫 やぶれ傘 201109
天水を貯ふ沙羅の落花かな 小林輝子 風土 201110
沙羅の花散りても白し芙美子の忌 戸田澄子 末黒野 201110
湿りたる音して落つる沙羅の花 鈴木礼子 末黒野 201110
生真面目な質は変わらず沙羅の花 福島松子 ぐろっけ 201110
生と死の境はゆかし沙羅の花 本多俊子 201110
沙羅双樹鳶が鷹を生んだやう 瀬川公馨 201110
眠くなるぽとりぽつりと沙羅落花 久世孝雄 やぶれ傘 201110
琴の音に耳遊ばせて沙羅の寺 和田一 雨月 201110
沙羅咲きて看取り足らざる思ひまた 武生喜玖乃 雨月 201110
沙羅の花空の濁りを受け入れず 石田野武男 万象 201110
沙羅の花散りしを暫し掃かでおく 大村峰子 万象 201111
鑑真の沙羅の一花や御廟前 雨宮桂子 風土 201111
立礼の席に一輪沙羅の花 有賀昌子 やぶれ傘 201112
棺閉づる槌音低し沙羅の花 橋本美代 やぶれ傘 201112
沙羅の花下枝の花に触れて落つ 細野恵久 ぐろっけ 201206
沙羅散るや三人冗語の石の上 神蔵器 風土 201207
惻々の受話機の友や沙羅の花 杉本綾 201208
芙美子には晩年のなし沙羅の咲く 神蔵器 風土 201208
沙羅の花落ちてふくらむ城址かな 大信田梢月 万象 201209
生き残ることも修羅なり沙羅の花 柴田朱美 京鹿子 201209
径らしき径消え沙羅の花こぼる 柴田朱美 京鹿子 201209
突然の雨にふるへる沙羅の花 柴田朱美 京鹿子 201209
沙羅の花柩おが触れてこぼれけり 柴田朱美 京鹿子 201209
これよりは女人禁制沙羅の花 藤井久仁子 ぐろっけ 201209
病み抜けて迷ふことなし沙羅の花 座古稔子 201210
落ちてなほ白を尽くせり沙羅の花 石黒興平 末黒野 201210
水面より雨の始まる沙羅の花 田村園子 201210
沙羅の花掃いて居酒屋灯りたる 久保村淑子 万象 201210
御僧と並びて沙羅の花を愛づ 宮平静子 雨月 201210
沙羅の花濡れたる雲の通ふかな 安田優歌 京鹿子 201301
七月十一日沙羅が花こぼし 野沢しの武 風土 201306
夕べには終の一花となりし沙羅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
浄土成す沙羅落花沙羅落花かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
逝きし人さがしてゐたり沙羅の花 山根征子 201310
親離れためらふ沙羅の花の雨 吉田克美 ろんど 201310
その上の遠流の地なり沙羅の花 長久保郁子 かさね 201310
朝なさな沙羅の落花を掃きにけり 石黒興平 末黒野 201310
くぐもれる梵鐘の音や沙羅の花 山崎稔子 末黒野 201310
競ひては散るために咲く沙羅双樹 高村令子 風土 201310
沙羅落花敦子句碑埋め応聖寺 手島伸子 雨月 201310
沙羅落花雨後の大地を蔽ひたる 手島伸子 雨月 201310
夫逝きて比翼の枝に沙羅咲きぬ 植村よし子 雨月 201310
沙羅の花香炭の尉静もれる 升田ヤス子 六花 201310
沙羅の花世俗を絶てる白なりし 山下美典 ホトトギス 201311
嫁ぐ子の笑顔忘れじ沙羅の花 中井弘一 201407
沙羅の花の気品自づと手を合はす 竹内悦子 201407
沙羅の花インドの釈迦を惟みて 竹内悦子 201407
沙羅の花三瓶の夜を深くして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201407
沙羅の花落ちて華やぐ大地かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201407
光陰といふ遥かなるもの沙羅の花 水野恒彦 201409
老いてゆく時こそ大事沙羅の花 川村文英 ろんど 201409
樹上樹下白光放つ沙羅の花 宮原悦子 雨月 201409
山気吐くかに白妙の沙羅の花 宮原悦子 雨月 201409
老いてゆく時こそ大事沙羅の花 川村文英 ろんど 201409
百年を生きるは難し沙羅の花 鈴木セツ 201409
鴎外の「ヰタ・セクスアリス」沙羅の花 神蔵器 風土 201409
沙羅咲きてあしたの静寂深めけり 宮原悦子 雨月 201409
繰り言は詮無きものよ沙羅の花 時澤藍 201409
草庵のすでに閉ざされ沙羅の花 武生喜玖乃 雨月 201410
回廊の手擦れの擬宝珠沙羅の花 石黒興平 末黒野 201410
沙羅咲くや独りに馴れて十五年 大橋伊佐子 末黒野 201410
沙羅咲きて思ひ出辿る軽井沢 増田一代 201410
沙羅咲いて四囲のひんやりして来たる 千田百里 201410
沙羅の花女流作家の覚悟かな 山田正子 201410
沙羅の花正義派にして優しかり 岩上行雄 末黒野 201411
首を振る張子のべこや沙羅の花 宮崎紗伎 春燈 201507
二所帯で仲よく住むや沙羅の花 村上倫子 201507
沙羅ひらき透明な朝来りけり 熊岡俊子 雨月 201507
今朝落ちし沙羅の涙をてのひらに 塩貝朱千 京鹿子 201508
沙羅落花だれも知らない路地の贅 和田政子 201508
山法師散りたるあとを沙羅の花 鈴木阿久 201508
踏み入るをためらふ沙羅の花の下 前田美恵子 201509
沙羅咲くや坂東太郎静もれる 溝越教子 春燈 201509
沙羅咲いて野崎に小さき石仏 樺山翠 雨月 201509
今朝開く沙羅の一花の白さかな 金森教子 雨月 201509
夜の土の湿りに落ちて沙羅の花 大崎紀夫 虻の昼 201510
落ちてなほしづかに変はる沙羅の花 大坪あきら 万象 201510
沙羅の花数へゐる間にひとつ落つ 天谷翔子 201510
晩年はいつ沙羅の花散りにけり 山田正子 201510
沙羅咲いてほとりの清らおのづから 杉山瑞恵 雨月 201510
佇めば散り急ぐなり沙羅の花 齋藤晴夫 春燈 201510
豆腐屋のラッパ聞こえぬ沙羅の花 奥田茶々 風土 201511
七百年の古刹一本沙羅の花 石井秀一 風土 201511
言ふまじき言葉のみこむ沙羅の花 川田好子 風土 201511
読み返すことも供養や沙羅の花 鈴木庸子 風土 201511
忘れもの承ります沙羅の花 津波古江津 船団 201602
沙羅の花この一天をいつまでも 吉田順子 201607
ほのぼのと夜を点るなり沙羅の花 中島芳郎 201609
被爆川沿ふ寺町に沙羅の花 谷陽右 馬醉木 201609
沙羅の花輝く日の出浴びにけり 海村礼子 春燈 201609
寺男自慢の沙羅の花咲けり 飛高隆夫 万象 201609
沙羅の花散る時光放ちけり 宮井知英 201609
花沙羅の影を残して消えゆきし 塩貝朱千 京鹿子 201609
風のこゑに天地人あり沙羅の花 中田禎子 201609
白といふ夢のはじまり沙羅の花 吉田順子 201609
沙羅の花枝を離れてより寧し 高木晶子 京鹿子 201610
沙羅の花忘れられたる百度石 高木晶子 京鹿子 201610
一炊の夢の花とも沙羅落花 尾崎みつ子 雨月 201610
沙羅の花→5      

 

2021年7月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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