沙羅の花 2     99句

沙羅の花捨身の落花惜しみなし   石田波郷

沙羅の花  夏椿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
沙羅の花月が出でなば匂ふべし 宮津昭彦 200308
沙羅咲いて薩摩義士忌に薩摩人 杉丸君子 築港 200308
地蔵尊にまろまろ沙羅の蕾あぐ 高垣和恵 雨月 200308
沙羅の花母の小袖の藍深し 佐藤なか 遠嶺 200309
川風を軽く招きて沙羅の花 津田いちえ 遠嶺 200309
沙羅一花拾ふ逢瀬の雨の中 岩垣子鹿 円虹 200309
沙羅落花目礼の人去りしあと 岩垣子鹿 円虹 200309
投函の悔や安堵や沙羅の花 藤原照子 200309
朝霜の霽れ弥白き沙羅の花 宮原悦子 雨月 200309
沙羅はいま花曼陀羅と申すべし 宮原悦子 雨月 200309
沙羅落花浄土といはむ僧の墓 宮原悦子 雨月 200309
苔の上の白色白光沙羅落花 宮原悦子 雨月 200309
沙羅の雨花頭窓辺に写経かな 宮原悦子 雨月 200309
朝の日に妙なる白や沙羅の花 味村志津子 雨月 200309
地質学発祥の史碑沙羅の花 石川英利 百鳥 200309
ただ一輪けさ咲きし沙羅ながめけり 井関祥子 酸漿 200309
沙羅咲いていまは閉せる診療所 内藤順子 酸漿 200309
雨に咲き雨に散りゆく沙羅の花 和田喜智子 酸漿 200309
沙羅散るや妻の回忌の数ふやし 大塚裕司 200309
沙羅の供花高枝鋏伸ばしきり 木曽鈴子 ぐろっけ 200309
沙羅の花古都の水辺に灯のふゆる 環順子 遠嶺 200310
戯書の鴉がひろふ沙羅双樹 吉弘恭子 あを 200310
散るときのきて高きより沙羅散れる 梶島邦子 築港 200310
掌上の一花玉なす沙羅月夜 山陰石楠 200311
沙羅の花寺の娘のまだ嫁せず 村上沙央 200311
沙羅散つて浄土院昼ふかめたる 羽田岳水 馬醉木 200311
沙羅の花潔ぎよしとも寂しとも 中尾廣美 ぐろっけ 200311
沙羅咲いて幾度か聞く鵯の声 中里カヨ 酸漿 200403
沙羅の風てのひら程の産着干す 伊藤敬子 遠嶺 200406
沙羅の花身捨つるほどの恋せざり 片山タケ子 200408
妣に似し菩薩の笑まふ沙羅の花 平子公一 馬醉木 200408
漱石の門にて返へす沙羅の花 神蔵器 風土 200408
沙羅の花地蔵を洗ふ棕梠たはし 渡辺方子 万象 200409
雲垂れて沙羅の落花の惜しみなく 武田芳絵 草の花 200409
忌の庭に散華しきりや沙羅の花 林敬子 酸漿 200409
ことのほか早き退院沙羅の花 中川美代子 ぐろっけ 200409
仏門に入る子を撫で沙羅の花 木場田秀俊 200410
沙羅咲けば昨日を思ひ明日を思ふ 後藤比奈夫 ホトトギス 200410
小面に咲きしばかりの沙羅の花 谷村幸子 200410
義経の笛の古刹や沙羅の花 寺内佶 遠嶺 200410
無我といふ命をこぼし沙羅白し 山元志津香 八千草 200412
山峡の雨となりけり沙羅の花 黒澤千世 帆船 200507
浄心の旅いつまでも沙羅の花 小澤克己 遠嶺 200508
長廊を鈴音渡るや沙羅の花 米澤光子 火星 200508
沙羅咲けば沙羅の数だけ禪語降る 荻野千枝 京鹿子 200508
親鸞に明信尼在し沙羅咲いて 大橋麻沙子 雨月 200508
沙羅咲いて明窓浄机かなひたる 大橋麻沙子 雨月 200508
「名月記」以後に咲き出て沙羅の花 神蔵器 風土 200508
張り替ふる四本の弦や沙羅の雨 林裕子 風土 200509
寺の子の沙羅の落花を拾ひゐる 今井妙子 雨月 200509
沙羅の花玄関前の庭三坪 松崎鉄之介 200509
沙羅の花紺紙金泥に写経終ふ 望月久美子 200509
たましひを深山へ返す沙羅の花 森道子 京鹿子 200509
沙羅の花母の祈りは底知らず 森道子 京鹿子 200509
沙羅の花囲ひのありて近づけず 後藤洋子 ぐろっけ 200509
惜みなく散りゆく様や沙羅の花 増田久子 酸漿 200509
新しき老人ホーム沙羅の花 早崎泰江 あを 200509
噴火口ざつくり割れて沙羅の花 得田武市 河鹿 200510
沙羅落花夕映はまだ消えざるに 岡田和子 馬醉木 200510
沙羅散りて父の午睡の始まりぬ 坊城俊樹 ホトトギス 200510
住み替り死にかはりして沙羅の花 坊城俊樹 ホトトギス 200510
雨もよい二階より見る沙羅の花 中尾廣美 ぐろっけ 200510
うたかたとなりぬ旅の日沙羅の雨 荻野千枝 京鹿子 200510
沙羅の花見上ぐるひとの口の紅 森津三郎 京鹿子 200510
過ぎて行くひとの靴音沙羅の花 森津三郎 京鹿子 200510
ひそやかにあるじの出入り沙羅の花 中根美保 風土 200510
正座する国に生まれて沙羅の花 ことり 六花 200605
沙羅咲くや翼を持たぬ一と日花 松村多美 四葩 200606
沙羅の花ほほゑみながら落ちにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
会ふはずの人逝きしなり沙羅の花 早崎泰江 あを 200607
沙羅咲けり「鴎外遺言書」を胸に 神蔵器 風土 200608
沙羅の花音なく人の来たりけり 三井孝子 六花 200608
逝くな眞佐子麻沙子目覚めよ沙羅の花 大橋晄 雨月 200608
逝かしめしは吾が鈍にあり沙羅落花 大橋晄 雨月 200608
車寄せは馬車寄せの沙羅双樹かな 鈴木榮子 春燈 200609
去る家の沙羅の今年の花を見ず 岩佐譲治 四葩 200609
沙羅の花孔雀の声に歩み寄る 大島翠木 200609
沙羅一輪手桶に浮かべ迎へらる 谷村幸子 200609
仮の世の無常迅速沙羅の花 小澤克己 遠嶺 200609
鈍翁を偲ぶ茶会に沙羅の花 石井たを子 200609
地に還る夜こそ白き沙羅の花 八木柊一郎 ぐろっけ 200609
たましひの音とぞ落つる沙羅の花 田所洋子 雨月 200609
湧水の小径の先の沙羅の花 青木久子 遠嶺 200610
うとましき夢忘れけり沙羅の花 久米ゆたか 遠嶺 200610
天女かとも思ふ死顔沙羅の花 大橋敦子 雨月 200610
沙羅を愛でそれが訣れにならむとは 山田夏子 雨月 200610
沙羅の雨胸に喪の闇ひろごり来 乗光雅子 雨月 200610
沙羅の花落ちゆく日まで咲きにけり わかやぎすずめ 六花 200610
新たなる朝来て白き沙羅の花 東芳子 酸漿 200610
沙羅咲いて最澄御廟深閑と 石垣幸子 雨月 200611
最澄廟の名残の沙羅に長座せり 藤田誉子 雨月 200611
最澄の法灯永久に沙羅の花 加地芳女 雨月 200611
尼寺の雨は絹糸沙羅の花 秋場貞枝 春燈 200612
沙羅白しほとけにもある忿怒像 山元志津香 八千草 200612
朝市へ行つて来る間に沙羅咲けり 安原葉 ホトトギス 200701
心根を揺らす白さよ沙羅の花 中野英歩 八千草 200701
光さす苔に落ちけり沙羅の花 金月洋子 六花 200704
太宰忌の梵字こぼるる沙羅落花 水野恒彦 200707
てのひらに震へてをりぬ沙羅の花 ことり 六花 200707

沙羅の花3→

     

 

2021年7月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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