佐保姫      188句

佐保姫の筆かとぞみるつくづくし雪かきわくる春のけしきは    藤原為家

作品
作者
掲載誌
掲載年月
佐保姫のかがやく如き師と遇へり 三浦勲 199907
佐保姫のプラント・ハンター手招きす 森ひさ子 船団 199912
佐保姫の息の触れたる岬かな 城孝子 火星 200005
佐保姫の裂帛蛇にうち當る 中原道夫 銀化 200005
佐保姫が非常階段おりてくる 大山文子 火星 200006
佐保姫と同じ日向の藁火かな 山尾玉藻 火星 200104
必要な棘もあります佐保姫に 丸山佳子 京鹿子 200104
佐保姫のまどろみ東京湾に船 山野みどり 銀化 200104
佐保姫の木の間うつろふ気配あり 森景ともね 船団 200105
佐保姫の宙に触れ合ふ竹なりし 木野本加寿江 火星 200107
佐保姫の衣擦れの音朝の雨 あたぎ和 船団 200107
この池のぐるり佐保姫ばかりかな 高橋将夫 200204
佐保姫の鼠蹊に油差さうかと 山崎未可 銀化 200204
佐保姫の香りしてくる奧宮に 丸山佳子 京鹿子 200206
蚤の市佐保姫が来てをりにけり 高橋将夫 200207
佐保姫と流れ橋など渡りける 小林玲子 ぐろっけ 200208
佐保姫が降りてくるやも車寄せ 能村研三 200303
佐保姫のはんなりひつじ雲ふはり 川崎光一郎 京鹿子 200304
佐保姫の衣靡かす湖の風 橋口寛子 遠嶺 200305
佐保姫のそろりそろりと信濃かな 鈴木節子 200305
佐保姫のホームページを開きたる 高橋将夫 200306
佐保姫と曼荼羅両図の間にゐて 大森美恵 風土 200306
衣装選びに佐保姫の遅れたる 加藤浩三 200307
佐保姫をおもへば太初の宙が見ゆ 山元志津香 西の峰 200401
佐保姫の乗る雲ならむやはやはと 林翔 200403
佐保姫やベストセラーの日本地図 上中邦子 帆船 200404
佐保姫にみどりの襷贈りけり 風間史子 200405
佐保姫に鹿垣の戸開いてをり 城孝子 火星 200405
佐保姫に琵琶湖周遊券二枚 池田冨美 帆船 200406
佐保姫もひらひら銀座四丁目 小松崎緑 対岸 200406
佐保姫にたてまつりたる桧の御殿 河合佳代子 栴檀 200407
佐保姫は皇子に袖ふるべく来たり 山元志津香 八千草 200409
暮れどきの風佐保姫の吐息かと 朝妻力 雲の峰 200504
佐保姫とゆび切り二度め館のすみ 丸山佳子 京鹿子 200504
佐保姫の先触れ荒武者春一番 木村茂登子 あを 200504
佐保姫の衣裳尽しし野山かな 吉澤利治 遠嶺 200505
佐保姫の声は鈴振るごとくかな 岡崎桂子 対岸 200505
佐保姫を孕みし火山青く聳つ 淵脇護 河鹿 200505
母祝ふ佐保姫からの届け物 片山茂子 遠嶺 200506
佐保姫に声かけらるる渡し守 延広禎一 200506
佐保姫やつまんでゐたる醤油豆 大島翠木 200506
神山に佐保姫のこゑをちこちに 近藤きくえ 200506
佐保姫の台めきたる凪の湖 岡本崇 200506
佐保姫や晴耕雨読くりかへし 角直指 京鹿子 200507
佐保姫が近寄つてくる河原の火 高橋将夫 星の渦 200507
佐保姫のホームページを開きたる 高橋将夫 星の渦 200507
佐保姫やしまなみ海道包み込み 渡辺玄子 酸漿 200603
大手門くぐり佐保姫すすみゆく 大串章 百鳥 200604
みささぎに参る佐保姫裏手より 綱徳女 春燈 200606
佐保姫の目覚めの遅き雑木山 峯桜子 遠嶺 200606
颯爽と佐保姫来たる交差点 桑原泰子 八千草 200608
佐保姫の佐保山四つ葉のクローバー 中山純子 万象 200705
佐保姫の下に鴎の集ひけり 近藤幸三郎 風土 200705
佐保姫に抱かれ大津皇子眠る 山路紀子 風土 200706
地の果てに佐保姫あるを知らざりき 大塚初江 200706
佐保姫の北国に着く便りかな 森山のりこ あを 200706
佐保姫からピンク封筒に十七枚 丸山佳子 京鹿子 200707
佐保姫も児づれ賑しきバーベキユー 丸山佳子 京鹿子 200708
佐保姫の手鏡ほどの山上湖 杉本光 200709
佐保姫に松の切株匂ひ立つ 森田節子 風土 200801
佐保姫の乗り捨てし雲奥秩父 須田紅三郎 200804

 祝『絹の波』

佐保姫のさきぶれとして絹の波

楠原幹子 200805
握るなら佐保姫の手と孫の手と 高橋将夫 200805
しろたへの佐保姫在す雲の奥 東良子 遠嶺 200806
佐保姫の帯をはらりと黄八丈 高橋将夫 200806
オリーブの丘に佐保姫さやさやと 近藤きくえ 200806
佐保姫の丹精成りし吉備野かな 白神知恵子 春燈 200806
佐保姫と越える暗がり峠かな 高橋将夫 200807
見て聞いて欲しい物なし佐保姫待つ 丸山佳子 京鹿子 200903
佐保姫の香りしてゐる緋の小橋 丸山佳子 京鹿子 200904
佐保姫や時計のバンド緋色にす 奥村こちび 炎環 200905
佐保姫のハミング交へ小川かな 近藤きくえ 200905
両国に佐保姫の輿来てをりぬ 山口ひろよ 200905
佐保姫の簪の揺れ花きぶし 横井博行 万象 200905
佐保姫の海風ならむ朝ぼらけ 佐久間由子 200905
佐保姫のご気性さすがこの夕映え 丸山佳子 京鹿子 200905
佐保姫に吹く潮風の水浅黄 片桐てい女 春燈 200905
佐保姫のいざなふ安房や真砂女の忌 鈴木鳳来 春燈 200905
佐保姫のうつらうつらとひと日かな 宮崎左智子 200906
佐保姫の出でし手鏡裏返す 栗栖恵通子 200906
佐保姫のこゑに目覚むる誕生日 井村和子 万象 200906
佐保姫の決めし一山より芽吹く 掛井広通 200906
吟行のひとり佐保姫かもしれぬ 内田美紗 船団 200906
佐保姫を捜しに橋を渡りけり 竹下昌子 200907
佐保姫の乗り捨てゆきしふらここか 守屋井蛙 酸漿 200908
佐保姫の領布ともまがふ虹二重 小林共代 風土 200911
佐保姫の降りたるところ角田山 須賀敏子 あを 201005
佐保姫が途中下車してゐる無人駅 鴨下昭 201006
佐保姫の心地透明エレベーター 清水佑実子 201006
佐保姫のふれゆく風の山河かな 谷口芳江 201006
佐保姫と古都に啜りし茶粥かな 池内結 ろんど 201006
佐保姫の送りし風やあをによし 宮田香 201007
見たこともなき佐保姫の道草振り 池端英子 ろんど 201007
佐保姫が今ドラマ化の城跡に 小澤菜美 201104
佐保姫の先駆けとなる白い雲 鈴鹿仁 京鹿子 201104
佐保姫の袖のひと振り貝匂ふ 山崎靖子 201105
野末まで晴れ佐保姫の領布めく雲 豊田都峰 京鹿子 201105
佐保姫の言の葉奏づ軒雫 池内結 ろんど 201105
佐保姫と同行の旅トスカーナ 宮田香 201106
佐保姫の移り香残る密寺かな 高橋将夫 201106
佐保姫を迎ふ埴輪の笑顔かな 中島昌子 201106
佐保姫の打掛け羽織るほどの雪 森屋慶基 風土 201106
佐保姫の揃へてゆきし木靴かな 相良牧人 201107
佐保姫も来て満開の佐保堤 上辻蒼人 風土 201107
佐保姫や使ひこなして男仮名 木戸渥子 京鹿子 201107
佐保姫の輿かも黄金色の雲 田所節子 201204
佐保姫や黄の花々を先触れに 堤京子 馬醉木 201205
佐保姫の蹴出しにつきし鳥の羽 近藤紀子 201206
十三日金曜佐保姫同道にて寧し 千田百里 201206
佐保姫に惹かれゆきしか句友死す 松村晋 ぐろっけ 201206
佐保姫のけはいの里や鶏の声 宇野慂子 万象 201206
佐保姫の迷ひし森やたぢろげり 安田一郎 京鹿子 201206
佐保姫の仏頂面かなこの蕾 池端英子 ろんど 201206
佐保姫を待つさざなみの淡海かな 西川保子 春燈 201304
佐保姫の身支度遅し古都住まひ 高谷栄一 201305
佐保姫と夢の浮橋渡るかな 高橋将夫 201306
佐保姫をつまづかせゐる等高線 鈴鹿けい子 京鹿子 201306
佐保姫の去りし山里水まつり 宮崎左智子 201307
佐保姫の歩み促す野のひかり 日下部亞こ ろんど 201402
東京に雪佐保姫の手遊びか 田所節子 201404
綿菓子に幼な佐保姫駄々こねし 山田六甲 六花 201405
佐保姫へ一日切符買ひにけり 田中文治 火星 201406
佐保姫のこゑはこだまとなりにけり 川村文英 ろんど 201407
佐保姫の二度寝したまふ今朝の冷え 有松洋子 緑光 201411
佐保姫の動けば山河青みけり 布川直幸 201503
佐保姫やいただきにあと二歩三歩 布川直幸 201503
佐保姫の囁き千里広がりぬ 岩下芳子 201504
佐保姫のおいで待ちゐる不精猫 宮崎左智子 201504
佐保姫へいま早駕籠を差し向けむ 小林久子 201504
佐保姫の蓬髪めける魚網干す 竹内弘子 あを 201504
佐保姫の目覚め待ちをる山も野も 渡辺容子 春燈 201505
佐保姫をためらはせたる漏斗雲 高橋道子 201505
佐保姫を四囲に玉子を買ひに行く 大島英昭 やぶれ傘 201505
佐保姫の領巾賜りし広野かな 岩下芳子 201506
佐保姫の袖の一振り疾風荒れ 石崎浄 風土 201506
佐保姫の遅れて着きし渋谷駅 足立良雄 201506
佐保姫の許しを得たる大欠伸 寺田すず江 明日葉 201505
佐保姫の爪弾きかなづ瀬戸の橋 白神知恵子 女坂 201508
佐保姫の何に拗ねしか春の雪 田所節子 201605
佐保姫の早々と来し花屋かな 中島昌子 201605
佐保姫が来ておとなしい東尋坊 高橋将夫 201606
佐保姫の昨夜に零せし青い花 山口ひろよ 201607
佐保姫や碁笥を抱へてうろうろす 中島陽華 201607
佐保姫の恋路の闇や春時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
佐保姫へ渚の鳥のピアニシモ 塩貝朱千 京鹿子 201705
佐保姫の百人町の露路にまで 原田しずえ 万象 201705
フリスビー佐保姫は裾ひるがへし 上谷昌憲 201706
不機嫌な佐保姫なりしフリスビー 上谷昌憲 201706
佐保姫にさへも渡せぬ命なり 高橋将夫 201706
佐保姫の百人入る窟かな 三井所美智子 201706
佐保姫や句会帰りの山の嶺 滝沢いみ子 末黒野 201708
佐保姫の眠りし棺かもしれぬ 横田敬子 201708
佐保姫に見られたいから金縷梅黄 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
ちかごろは佐保姫も飲むハルシオン 千坂希妙 船団 201802
佐保姫がビーナスとなる日和かな 高橋将夫 201805
佐保姫が羽織る緑の訪問着 高橋将夫 201805
自転車のうしろ佐保姫乗せて来る 能美昌二郎 201805
佐保姫と南の国に待ち合はす 礒貝尚孝 201805
おおこれは佐保姫さまの落とし物 たかはしすなお 201806
佐保姫が来ているらしい富士の嶺 治部少輔 201902
佐保姫のどつと乗り込む東上便 鈴鹿呂仁 京鹿子 201905
病癒え佐保姫と野を歩きたし 佐津のぼる 六花 201905
佐保姫の眠り起こしぬ谷の川 鈴木友子 末黒野 201905
佐保姫を追つかけてゐるパパラッチ 高橋将夫 201906
木にふれるそんなある日を佐保姫と 藪ノ内君代 船団 201906
佐保姫の息か項にかかりしは 天谷翔子 201909
佐保姫の予約お一人青丹よし 鈴鹿呂仁 京鹿子 202003
佐保姫の目覚めを急かす軒雫 土屋啓 馬醉木 202004
佐保姫の筆遊びして雲淡し 石本百合子 馬醉木 202005
佐保姫や失って知る常の日を 須賀敏子 あを 202006
佐保姫の吐息桃色ふっと風 火箱ひろ 202007
佐保姫のいますや遠き朱雀門 善野行 六花 202007
佐保姫もふと微睡まん昼下がり 谷田貝順子 202104
佐保姫の繰る歌枕歌ことば 矢崎すみ子 202105
古利根や佐保姫の乗る渡し舟 塙誠一郎 202105
総帆を展ぐや佐保姫の御成り 小林陽子 202105
佐保姫を掠つて風の今宵かな 和田満水 202105
佐保姫の鉾杉の錆解きに来る 牛島晃江 202105
佐保姫がボレロのリズムでやつて来る 寺林伸夫 202105
佐保姫の降臨鳥らさんざめく 渡辺節子 202105
佐保姫の後ろ姿や生駒山 平野多聞 202106
佐保姫の羽衣ふはり野に山に 吉村涼子 202106
佐保姫の乗り捨て輿か雲ひとつ 中山惠子 202107
佐保姫の虜となりて野に浸る 森岡正作 202204
佐保姫や甘樫丘に雲ひとつ 安田優歌 京鹿子 202207
佐保姫の目覚めて山のささめけり 池乗恵美子 末黒野 202208

 

2023年3月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。