秋刀魚 4      64句

秋刀魚  さんま

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋刀魚焼く煙の洩るる暖簾かな 山田天 雨月 201711
折鶴を折ったその手で秋刀魚焼く 大日向幸江 あを 201711
秋刀魚焼く煙も馳走の夕餉かな 松田ひむれ 201712
秋刀魚二尾買って帰った赤い靴 たかはしすなお 201712
もの言はず終はる一日や秋刀魚焼く 渡辺美智子 末黒野 201712
今年のは小ぶりなんです初秋刀魚 和田紀夫 201712
はらわたの好き派嫌い派秋刀魚焼く 堀岡せつこ 201712
ひとり身の焼いた秋刀魚を選びけり 佐々木並 春燈 201712
抵抗の一票投じ秋刀魚買ふ 田中藤穂 あを 201712
秋刀魚焼く同棲三日目の厨 竪山道助 風土 201801
放浪記ところどころで秋刀魚焼く 山中志津子 京鹿子 201801
今夕は皿をはみ出す秋刀魚食ぶ 東秋茄子 京鹿子 201801
煙り出ず秋刀魚の香ぼやけけり 秋川泉 あを 201801
ちやぶ台に秋刀魚一尾メモひとつ 赤松赤彦 六花 201712
ぼうぼうと焼かれつぷりよき秋刀魚かな 山田正子 201802
清貧のホ句の生涯秋刀魚焼く 竹下陶子 ホトトギス 201809
腸もまっすぐである秋刀魚焼く 福岡貴子 船団 201809
銀色のきらきら撥ねて初秋刀魚 寺田すず江 201811
秋刀魚焼く混沌の世の煙かな 岩月優美子 201811
秋刀魚焼く潮騒めける音したり 住田千代子 野に遊ぶ 201811
豊漁のピカピカ光る秋刀魚買ふ 遠山悟史 京鹿子 201812
値上がりの秋刀魚落着く日照雨 田中臥石 末黒野 201812
七十路を自在に生きて秋刀魚食ふ 平野多聞 201812
水脈太く帰港の漁船初秋刀魚 西村渾 201812
軋轢と読みもむづかし秋刀魚焼く 赤座典子 あを 201812
指先に鱗はりつく初秋刀魚 那須淳男 馬醉木 201901
初物の秋刀魚意外にさっぱりと 大橋晄 雨月 201901
秋刀魚焼くはがね光りを曇らせて 荻巣純子 雨月 201901
凡庸に生きて今生秋刀魚焼く 宮本俊子 雨月 201901
まだ皿に秋刀魚の骨がのつてゐる 大崎紀夫 やぶれ傘 201901
秋刀魚食ぶ真ん中らしきところより きくちきみえ やぶれ傘 201901
突き出しは秋刀魚の煮付地酒飲む 藤井美晴 やぶれ傘 201901
まよはずに一刀選ぶ秋刀魚かな 三觜康子 風土 201901
秋刀魚食ぶ骨の容もさんまかな 安田優歌 京鹿子 201901
イタリアのマンマの手料理秋刀魚焼く 粟津さくら 201901
無頼とは縁なき暮らし秋刀魚焼く 波戸辺のばら 201901
一文字姿崩さぬ焼き秋刀魚 丸井巴水 京鹿子 201902
トロ箱の秋刀魚顔もて選びけり 木村純子 末黒野 201902
秋刀魚焼く目黒駅前烟らせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
殿様でなくて良かつた秋刀魚食ぶ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
はればれと秋刀魚を焼いてゐたりけり 根橋宏次 やぶれ傘 201911
学食の売切れ御免初さんま 中山惠子 201911
黒潮に欺かれたる秋刀魚漁 碇天牛 雨月 201911
臍の緒の筥に水晶秋刀魚食ぶ 竹内悦子 201912
痩せぎすのそれも小振りの秋刀魚焼く 岡田正義 雨月 201912
秋刀魚焼く薄き煙の懐かしき 大日向幸江 あを 202001
秋刀魚焼く竹箸のはや焦げ色に 大島寛治 雨月 202001
屈託の多き日よさて秋刀魚焼く 善野行 六花 202001
久々に長皿を出し初さんま 武藤節子 やぶれ傘 202002
道問へば秋刀魚の匂ふ駐在所 岩永みはる 追伸 202003
息災を謝して不漁の秋刀魚焼く 小木曽文明 雨月 202003
初さんま五十年目の妻と喰ふ 戸栗末廣 202005
成敗の太刀ともならでやせ秋刀魚 押田裕見子 202006
オホーツクより目黒へと秋刀魚飛ぶ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
老年の一日一日や秋刀魚焼く 沼田巴字 京鹿子 202009
荒海の抜き身光りの秋刀魚買ふ 能村研三 202011
秋刀魚焼く煙の中にしあわせを 吉宇田麻衣 202011
薄漁の秋刀魚置かれし後ろ籠 塙誠一郎 202012
界隈と言ひたき街や秋刀魚の香 河崎裕二 202012
接岸の吃水浅き秋刀魚船 中村重幸 202012
秋刀魚焼く猫の擦りよる脹ら脛 長尾タイ 末黒野 202012
ぼうぼうと秋刀魚を焼いて道半ば 森祐司 202101
熱つ熱−つの秋刀魚ほおばる余生かな 小澤えみ子 202112
二本買ふ初物秋刀魚小振りなり 木村純子 末黒野 202112
七輪を順番待ちの秋刀魚かな 荒井千佐代 202112
生協のメールに踊る「秋刀魚」の字 伊藤薫 やぶれ傘 202112
秋刀魚焼く今年の秋刀魚痩せてゐる 田中藤穂 あを 202112
秋刀魚焼く東京タワーの空の下 浜田はるみ 202201
店頭の小振りなれども初秋刀魚 杉山善信 末黒野 202201
秋刀魚焼くわが残生をけぶらせて 亀井福恵 京鹿子 202201
秋刀魚の目まだ荒波を見てゐるか 北城美佐 202201
痩せ秋刀魚北辺の海波高く 石川東児 202202
春夫の詩ほど苦くなし初秋刀魚 松本三千夫 薫風 202205
秋刀魚焼くだけの七輪買ひにけり 横田敬子 202205
値は問はず舌鼓なる秋刀魚かな 梅田武 末黒野 202212
夕餉時今年細身の秋刀魚焼く 佐藤まさ子 春燈 202301
目の合うて秋刀魚と決むる夕餉かな 松木ゆきえ 春燈 202301
初秋刀魚朝の市場に旗の立ち 渡辺富士子 末黒野 202302
秋刀魚→ 1

 

2023年9月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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