さくらんぼ 2     137句

国家よりワタクシ大事さくらんぼ    攝津幸彦

さくらんぼ  桜桃  サクランボ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
さくらんぼ赤一色の童の画
阿部正枝
絵具箱
200304
桜桃の百顆に百の雨雫
朝妻力
雲の峯
200306
さくらんぼたわわに我も熟年へ
杉本光
200307
鉢植の捥ぐに躊躇のさくらんぼ
宮本俊子
雨月
200307
さくらんぼ兄の尻取り「ん」で終はり
高千夏子
200307
六色で足るクレヨンやさくらんぼ
水原春郎
馬醉木
200308
空揺れてゆれてをりたるさくらんぼ
岡部名保子
馬醉木
200308
大家族たりし日の椅子さくらんぼ
熊丸淑子
馬醉木
200308
園児等は二列に手と手さくらんぼ
上田繁
遠嶺
200308
爪染めてふるさと想ふさくらんぼ
津田いちえ
遠嶺
200308
故郷の便り一行さくらんぼ
望月由紀子
帆船
200308
一日照り一日は降りてさくらんぼ
村越化石
200308
食ぶるより眺めて楽しさくらんぼ
細原由起子
築港
200308
門口でみやげ話やさくらんぼ
内海はるか
200309
若き日を食らふが如しさくらんぼ
林翔
200309
桜桃捥ぐわれに青空殺到す
高橋邦夫
風土
200309
さくらんぼ女王在城の旗掲ぐ
遊橋恵美子
風土
200309
さくらんぼふふみてをのこをみなかな
西村しげ子
雨月
200309
さくらんぼ鈴振るやうに振って食ぶ
岡淑子
雨月
200309
従妹より笑顔の粒のさくらんぼ
村井久美子
200309
分校の最後の五人さくらんぼ
江坂衣代
百鳥
200309
ひと粒の園児のくれしさくらんぼ
海老原信男
築港
200309
みちのくや光をとまふさくらんぼ
石井邦子
酸漿
200309
月山の気を賜りぬさくらんぼ
杉本綾
200310
さくらんぼ摘む月山を遥拝し
藤田誉子
雨月
200310
減反を埋めつくしたるさくらんぼ
藤田誉子
雨月
200310
ぷりんぽろぽあらぱらぷれ桜桃
久保夢女
200312
さくらんぼ何時も何処でも二人づれ
島田玉枝
200312
バイエル閉ぢピアノを閉ぢてさくらんぼ
山元志津香
八千草
200312
目の前の眼鏡探してさくらんぼ
稲畑汀子
ホトトギス
200405
さくらんぼ山羊のまなこの籔睨み
大山里
200408
たわい無くくづるる嘘やさくらんぼ
乗鞍三彦
春燈
200409
さくらんぼ兄になる児のまめまめし
宮崎裕子
春燈
200409
真四角に笑顔の詰まるさくらんぼ
小泉三枝
春燈
200409
さくらんぼ粒を揃へて届きけり
村上勝正
春燈
200409
シロフォンのころがる音色さくらんぼ
小林リン
春燈
200409
丁寧語の二人が残りさくらんぼ
伊藤多恵子
火星
200409
盗まるるを待つ仏壇のさくらんぼ
神蔵器
風土
200408
ぴんと立つ軸よりつまむさくらんぼ
門伝史会
風土
200409
さくらんぼ種と蔕とは同じ数
鈴木えり子
百鳥
200409
マイセンの絵皿に似合ふさくらんぼ
志水芳秀
雲の峰
200408
歯当つればはちきれさうなさくらんぼ
宮永順子
雲の峰
200408
さくらんぼ長生きせよと友の言ふ
小澤規子
草の花
200409
さくらんぼさざめきながら量らるる
兼子栄子
酸漿
200409
さくらんぼつぶせば指の潰れけり
永田勇
六花
200408
さくらんぼ父母に供へつ食べ始め
安部里子
あを
200408
わがままもほどほどにせよさくらんぼ
佐藤博美
200409
箱詰の艶を揃へてさくらんぼ
西宮舞
200409
さくらんぼ妻にやさしき病ひ神
淵脇護
河鹿
200409
桜桃の種子吐いてより夜の深む
淵脇護
河鹿
200409
初孫に会ふ桜桃の熟るる町
及川茂登子
対岸
200408
抱きしむる無言の会話さくらんぼ
並木重助
酸漿
200411
席題はいまたべたでしょさくらんぼ
蔵本博美
ぐろっけ
200209
さくらんぼ程なる尼の守り犬
小林玲子
ぐろっけ
200209
悪知恵の踏台脚立さくらんぼ
足利ロ子
ぐろっけ
200302
京暮らし食はず嫌ひのさくらんぼ
品川鈴子
ぐろっけ
200305
さくらんぼ無用の長物ならぬ柄よ
品川鈴子
ぐろっけ
200305
退院に何はなくともさくらんぼ
品川鈴子
ぐろっけ
200305
長老の内祝なるさくらんぼ
品川鈴子
ぐろっけ
200308
書道展出でて茶房のさくらんぼ
宮村フトミ
ぐろっけ
200308
露天市十元払いさくらんぼ
上原口チヱ
ぐろっけ
200411
童話の園となる庭に垂るさくらんぼ
大橋敦子
雨月
200506
葬送の曲目決まりさくらんぼ
森山よね子
帆船
200507
幼にも確とプライドさくらんぼ
井内佳代子
遠嶺
200508
宝くじ外れてばかりさくらんぼ
芝尚子
あを
200507
さくらんぼ種は遠くへ飛ばしちやお
森理和
あを
200507
宵星やふつふつ熟るる桜桃
渡邉友七
あを
200507
幼子をからかふ祖母やさくらんぼ
菊地英雄
酸漿
200508
さくらんぼ電話はみ出す里言葉
鈴木栄子
酸漿
200508
まだ渋き実の色なれどさくらんぼ
加藤正子
酸漿
200508
さくらんぼふふみ一行詩を案ず
大橋敦子
雨月
200508
さくらんぼ食うべ切なき男かな
淵脇護
河鹿
200509
優しさの風の道筋さくらんぼ
川崎洋吉
遠嶺
200509
空港の並木に熟れしさくらんぼ
大西八洲雄
万象
200509
さくらんぼ明るい部屋に家族寄る
大西八洲雄
万象
200509
さくらんぼ初湯は使わないままに
片岡静子
200509
歯切れよき少女の返事さくらんぼ
長野純顕
対岸
200509
全身で笑ふ嬰児さくらんぼ
長野純顕
対岸
200509
恋ひとつみのる気配のさくらんぼ
淵脇護
河鹿
200510
ふくよかな子の耳ふたつさくらんぼ
花岡豊香
酸漿
200509
ひと粒で明るむ口中さくらんぼ
水井薫子
200510
両の掌に掴んでくれしさくらんぼ
谷本まさ子
万象
200510
右脳がわづかに働きさくらんぼ
野口敏夫
対岸
200510
さくらんぼ食ぶダンディーの君偲び
久保晴子
雨月
200510
もう一度名を聞き直しさくらんぼ
長田等
200511
さくらんぼ含みて姉妹似てきたる
山下升子
八千草
200512
たいくつな日や口元へさくらんぼ
太田佳代子
春燈
200604
月山は風のをどり場さくらんぼ
秋葉雅治
200607
種の数さくらんぼうを食べし数
大橋敦子
雨月
200607
洋食にチェリー和食にさくらんぼ
上谷昌憲
200608
さくらんぼ宝石箱に仕舞ひたし
宮沢治子
春燈
200608
部屋割りの籔引くに出るさくらんぼ
甲田雅子
200608
さくらんぼ犬の遺骨に供へけり
坂井和子
酸漿
200608
賜りしゼリーの包むさくらんぼ
寺島順子
雨月
200608
耳すこし見ゆるK髮さくらんぼ
佐藤喜孝
あを
200608
家庭からこぼれ落ちたるさくらんぼ
芝尚子
あを
200608
さくらんぼ記念日いつも雨がちで
藤田素子
火星
200609
さくらんぼ珠玉の如く並べらる
片山八重子
ぐろっけ
200609
来し姪に十粒持たせるさくらんぼ
羽生きよみ
ぐろっけ
200609
桜桃の一顆祖師さまより賜ばる
古田考鵬
雨月
200609
叶ふとは青磁の皿にさくらんぼ
古田考鵬
雨月
200609
懐かしき故郷の話さくらんぼ
大井彌雨
雨月
200609
さくらんぼ右顧左眄して塾嫌ひ
禰寝瓶史
京鹿子
200609
夜の卓に更けさくらんぼ赤くなる
塙告冬
ホトトギス
200610
妻女らの嘘の見えみえさくらんぼ
佐藤山人
200610
さくらんぼ山寺めざす杖借りる
大西八洲雄
万象
200610
枝を引き赤子に摘ますさくらんぼ
松原智津子
万象
200610
さくらんぼ志功の紅とおもひけり
西口鶴子
遠嶺
200610
さくらんぼ一粒ごとに病良き
山田夏子
雨月
200610
桜桃のざはめき思ふ箱の中
兼子栄子
酸漿
200611
さくらんぼ狩や山寺には寄らず
安原葉
ホトトギス
200701
配られしさくらんぼうの席に着く
稲畑汀子
ホトトギス
200706
石臼に桜桃の未熟なる
山田六甲
六花
200706
さくらんぼさくらんぼ笑みが自づから
滝沢伊代次
万象
200707
口中に種子をころがすさくらんぼ
上原重一
200707
よく笑ふ嬰のてのひらさくらんぼ
竹内悦子
200708
皿に茎並べておきぬさくらんぼ
四條進
200708
さくらんぼ林住期とは収穫期
高久清美
200708
殺戮の絶えざる星のさくらんぼ
小山田子鬼
200708
さくらんぼ祭りの如く送らるる
安部里子
あを
200708
ガラス器に水滴付きのさくらんぼ
布川直幸
200709
亡き子にも誕生日ありさくらんぼ
名取袿子
200709
五の段は難無く言へてさくらんぼ
森下康子
200709
脚細きグラスに沈むさくらんぼ
田村園子
200709
まづ一番にさくらんぼ洗ふこと
高田令子
200709
さくらんぼ食むとき青き空仰ぐ
曷川克
遠嶺
200709
乗り継ぎの十分間のさくらんぼ
柿沼盟子
風土
200709
朝届くみちのくの色さくらんぼ
平田紀美子
風土
200709
ぐづる子も目を輝かすさくらんぼ
竹尾志眞子
200709
さくらんぼさくらんぼうと呼び親し
出口賀律子
雨月
200709
何かにつけ膝にくる子やさくらんぼ
東野鈴子
雨月
200709
捥ぎ初めは父の決断さくらんぼ
小山田子鬼
200709
少女色して日本のさくらんぼ
安居正浩
200709
孫の世のことは分からずさくらんぼ
堀口希望
200709
さくらんぼ寄り添ふ二つ眩しかり
藤原はる美
200709
持ち寄りし土産はどれもさくらんぼ
天田美保子
酸漿
200709
さくらんぼ女の機微を揺らしけり
岸田爾子
200710
米寿祝ぐ親族うからの集ひさくらんぼ
有田蟻太
200710
「ルビーよ」と置くさくらんぼ薬指
石田玲子
200710
フルーツ酒が自慢の女将さくらんぼ
鈴木照子
200711
去年偲べとて配られしさくらんぼ
安原葉
ホトトギス
200711
右利きと左利きゐてさくらんぼ
樋口みのぶ
200711
さくらんぼいまさら恋の噂など
鎌田高暢
200712
さくらんぼつなぐ思ひ出語りつつ
稲畑汀子
ホトトギス
200806
指先に言葉の溜るさくらんぼ
堀内一郎
あを
200806
さくらんぼ3→      

 

2021年6月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。