桜 鯛 1     100句

桜鯛子鯛も口を結びたる    川崎展宏

桜鯛  

作品
作者
掲載誌
掲載年月
れうるこころに爪弾き桜鯛
鷹羽狩行
199904
桜鯛すこし笑つて見えにけり
早乙女健
199904
瀬戸内のことに明石の桜鯛
鷹羽狩行
199905
一と網にどつと跳ねたる桜鯛
皆川盤水
春耕
199905
腰骨で締める前掛桜鯛
柿沼盟子
風土
199906
ワインリストは片仮名ばかり桜鯛
藤田守啓
船団
199909
目の下をめのこで測り桜鯛
鷹羽狩行
200004
血のり美し桜鯛料りし刃
山仲英子
200004
分銅を跳ねさせて売る桜鯛
山田美恵子
火星
200005
庖丁の銘透くほどや桜鯛
小菅暢子
200005
さくら鯛橋のうら側見る暮し
宇都宮滴水
京鹿子
200006
軽量についと泣きたる桜鯛
松本康司
銀化
200007
晩年の五感ゆるりと桜鯛
丸山佳子
京鹿子
200008
一腑なき人とつつける桜鯛
塩路隆子
精鋭選集
200008
うちうちの祝ひに跳ねて桜鯛
井上比呂夫
200010
辛抱の揺れる左右にさくら鯛
廣嶋美惠子
船団
200010
桜鯛空気の中で窒息す
泉田秋硯
月に逢ふ
200103
粒揃ふ歯ありて古稀の桜鯛
品川鈴子
船出
200104
灯の急に明るむ桜鯛の出て
鷹羽狩行
200105
桜鯛けはしく水を使ひをり
山尾玉藻
火星
200105
豊漁にをどる日射や桜鯛
高橋好温
馬酔木
200106
桜鯛の骨より堅しホテルマン
丸山佳子
京鹿子
200106
さる家の墓の前なる桜鯛
堀義志郎
火星
200107
地鎮祭神饌の桜鯛跳ねてゐる
永野秀峰
ぐろっけ
200107
桜鯛明石の門浪濃くなれば
海輪久子
円虹
200205
宮詣り塩加減よき桜鯛
酒井ひろ子
200205
潔く兜を割りてさくら鯛
中原道夫
銀化
200205
ペリカンが運んで来たる桜鯛
三嶋隆英
馬醉木
200206
青笹に尺の身を反る桜鯛
鈴木良戈
200206
二の皿を月日の通り桜鯛
中野京子
200206
籠に跳ね朝の糶待つ桜鯛
小山香月
酸漿
200206
夫ありし下田の海や桜鯛
佐田昭子
ぐろっけ
200206
桜鯛もて誕生日祝がれたり
和田一
雨月
200207
糶台に跳ぬる光ぞ桜鯛
和田一
雨月
200207
誕生日祝ふ灯のなか桜鯛
伊藤トキノ
200208
桜鯛翁のうたふ祝ひ唄
平田倫子
百鳥
200208
まな板を水で流して桜鯛
青池亘
百鳥
200208
絞らるる網の飛沫きて桜鯛
丸川越司
円虹
200208
桜鯛漁夫の口調に知る釣果
大沼眞
200208
引明けに桜鯛船出す湊
水島夜雨
京鹿子
200208
待望の次長となりし桜鯛
片渕清子
ぐろっけ
200208
こまやかに塩ふる夜の桜鯛
小澤克己
克己句集
200209
髮あらふときのくらがり櫻鯛
佐藤喜孝
あを
200304
桜鯛竜宮城を出で来しか
阪口美枝子
雨月
200304
飛ぶ鱗花びらのごと桜鯛
阪口美枝子
雨月
200304
特上の桜鯛もて夫定年
加藤峰子
200305
櫻鯛うす影法師立ち止る
中田禎子
200305
さくら鯛頭落せど眼つむらず
中原道夫
銀化
200305
桜鯛百畳の間を進みけり
柴田佐知子
200305
桜鯛の予約して来し瀬戸の旅
田中倫代
ぐろっけ
200305
竜宮を迷ひ出でしや桜鯛
村松夏魚
200306
新調の竿で釣らんと桜鯛
高田幸枝
200306
桜鯛おむすび三つの祝膳
井上みち子
帆船
200306
得票の一票重し桜鯛
中村公代
雨月
200306
ひと風呂を浴びて相模の桜鯛
野中亮介
馬醉木
200307
桜鯛どちらが看取るなど言ひて
小田元
六花
200307
口中の海の明るき桜鯛
直江裕子
京鹿子
200307
桜鯛目を剥きて値に目を剥かる
大沼トシ子
200307
桜鯛出刃ためらはぬ引売女
西山美枝子
酸漿
200307
桜鯛手締め一気に決まりけり
平田倫子
百鳥
200307
大きさに少しのちがひ桜鯛
木下野生
200307
櫻鯛座布団の数足りなくて
加藤みき
200307
潮流を引つぱつてきし桜鯛
柴田佐知子
200308
桜鯛水ふんだんに流し糶る
一民江
馬醉木
200308
網目より光のしぶき桜鯛
吉田康雄
200308
魚籠を打つ大いなる音桜鯛
吉田康雄
200308
まだ鰭の動くを盛りて桜鯛
吉田康雄
200308
山国の刺身うすぎり桜鯛
二瓶洋子
六花
200308
新婦より父のはにかむ桜鯛
武司琴子
ぐろっけ
200308
懇親のメインテーブル桜鯛
武井玲子
八千草
200310
桜鯛翁のときの父訪はむ
岡井省二
省二句集
200312
大室と頭交はる櫻鯛
岡井省二
省二句集
200312

 「海門」二○○号を祝して

海門のにぎはしきまで桜鯛

鷹羽狩行
200403
其角忌や血抜きのしるき櫻鯛
伊丹さち子
馬醉木
200405
桜鯛跳ねて糶市活気づく
志水千代子
雲の峰
200406
次男来て孫の釣りしと桜鯛
鈴木白洋
雲の峰
200406
臥す母に小ぶりなれども桜鯛
山本輝明
馬醉木
200407
桜鯛利尻昆布で締めにけり
升田ヤス子
200407
真砂女亡き銀座の灯桜鯛
山崎悠二
帆船
200407
絢燗と潮を弾きてさくら鯛
泉田秋硯
200407
桜鯛秤狂はす潮しずく
杉本重雄
200407
澄みし目の頭描きをり桜鯛
迫田克子
河鹿
200407
桜鯛戦うごとく鱗剥ぐ
羽生きよみ
ぐろっけ
200407
桜鯛鱗掻くなり庭に出て
羽生きよみ
ぐろっけ
200407
歯並びの横顔めでぬ桜鯛
飯塚ゑ子
火星
200408
桜鯛水引のまま飾られし
あさなが捷
200411
兜立て身は白波の桜鯛
内藤ゑつ
ゑつ
200411
大皿に巴なしたる桜鯛
高村淳
200503
正客の前にすゑたる桜鯛
遠野萌
200504
盗み見て較べし釣果さくら鯛
泉田秋硯
黄色い風
200505
人垣に見て大いなる桜鯛
青山丈
200505
星の渦に天瓊矛あまのぬぼこよ桜鯛
中田禎子
200506
刃を入れて唇厚し桜鯛
篠田たもつ
対岸
200506
桜鯛魚拓に紅の染むごとし
服部早苗
200506
桜鯛量らるる眼の開いてをる
櫻井多恵
200506
田の神に豊作願ふ櫻鯛
豊田作二
遠嶺
200507
尾鰭振る卒壽の膳の櫻鯛
嶋木勝次郎
遠嶺
200507
えびすさま釣りたるやうな桜鯛
奈辺慶子
雨月
200507
桜鯛化粧塩され跳ねゐたり
奈辺慶子
雨月
200507
尾鰭までひかり全き桜鯛
柴田佐知子
200508
桜 鯛 2→      

 

2021年4月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。