桜 鯛 2     167句

春雷や暗き廚の桜鯛    水原秋桜子

桜鯛  

作品
作者
掲載誌
掲載年月
祝ぎ心去らぬ旬日桜鯛 稲畑汀子 ホトトギス 200604
桜鯛のかぶと煮孫にうとまるる 田中英子 200605
桜鯛金魚蝨ちよう一粒を付けて来し 天野きく江 200605
朝市の瞳澄みたる桜鯛 阪本哲弘 200606
尾鰭跳ね値札を飛ばす桜鯛 木内美保子 六花 200606
浜風のまだ冷たしや桜鯛 本多俊子 200606
桜鯛青玄海をはねて出し 柴田佐知子 200607
退職の夫を待ちゐる桜鯛 三井孝子 六花 200607
花束と帰宅せし夫桜鯛 三井孝子 六花 200607
桜鯛のオードブルなりほの甘く 東綵子 河鹿 200608
鞆の津に大伴旅人桜鯛 安永圭子 風土 200608
櫻鯛を捌く鱗や万華鏡 延広禎一 200608
捌かれて尚ある威厳桜鯛 永井雪狼 200707
糶声は人の世のこと桜鯛 岩垣子鹿 ホトトギス 200707
骨つよき櫻鯛食べ傘寿越す 大西八洲雄 万象 200707
漆盆剥げかけ喜寿の櫻鯛 中島陽華 200707
好日や百魚の中の桜鯛 岩下芳子 200707
峡の宿俎皿に桜鯛 須賀遊子 200707
くれなゐの魚鱗跳ね跳ぶ桜鯛 岡有志 ぐろっけ 200708
目詰まりの笊より桜鯛の鰭 山田六甲 六花 200803
ピシパシと鱗剥ぎ取る桜鯛 中島玉五郎 200805
阿波泊ふた夜の膳の桜鯛 貞吉直子 馬醉木 200806
店の灯をあつめて宵の桜鯛 平野伸子 馬醉木 200806
彩雲に夢を乗せたる櫻鯛 原島ふじ子 遠嶺 200806
桜鯛釣らんと荒磯へ日参せり 室伏やすし 200806
桜鯛の飛び散る鱗花弁めく 稲崎秋治 200806
桜鯛のころ半身は昆布締に 今井弘雄 春燈 200806
桜鯛檜一枚板の卓 山本喜朗 雨月 200806
桜鯛網に躍るを神饌と決む 南光翠峰 馬醉木 200807
桜鯛はねて祝ひの座を揺らす 馬田信子 200807
桜鯛尾の跳ねざまもめでたけれ 田中清子 雨月 200807
桜鯛搏ちあひて潮染めにけり 藤原たかを 馬醉木 200808
塩を振る夕餉用意の桜鯛 杉本綾 200808
大皿に櫻鯛置き描き始む 村田文一 遠嶺 200808
星の渦に天瓊矛よ桜鯛 中田禎子 200808
桜鯛歯並するどく皿に乗る 松村光典 やぶれ傘 200808
星の渦に天瓊矛よ桜鯛 中田禎子 白猪 200901
櫻鯛とうとうたらりとうたらり 竹内悦子 200906
祝婚や織部の皿の櫻鯛 下山育子 炎環 200906
淡路より直送のこの桜鯛 井上昭太郎 春燈 200906
糶といふ浮世の外の桜鯛 岩垣子鹿 ホトトギス 200907
長姉とて先づ桜鯛くづしけり 田原陽子 200907
櫻鯛なんとなく気をつかはれて 折橋綾子 200907
皮剥かれなほ紅を持つ櫻鯛 加藤みき 200907
櫻鯛骨の髄まで真なり 竹中一花 200907
煌めきて生簀離るる桜鯛 小阪律子 ぐろっけ 200908
棟上がる日ぞ桜鯛一尾提げ 有吉桜雲 200909
海神の文くはへきし桜鯛 柴田佐知子 200909
海の色脱ぎて揚がりし桜鯛 あさなが捷 201003
りょうられて青き星飛ぶ桜鯛 山田六甲 六花 201005
桜鯛淡路流なる厚作り 赤座典子 あを 201005
眼を張りて釣り上げられし桜鯛 小林朱夏 201006
桜鯛海の七色ほしいまま 吉澤恵美子 春燈 201007
桜鯛鱗飛ばしてややくすむ 柴田佐知子 201007
音たてて鱗そがるる桜鯛 服部早苗 201007
釣り上げて島より高き桜鯛 柴田志津子 201007
玄海の藍より生まれ桜鯛 あさなが捷 201008
風を読み潮読む漁師桜鯛 吉村摂護 201008
輪郭のまこと正しき桜鯛 柴田佐知子 201105
大いなる鱗飛ばしぬ桜鯛 柴田佐知子 201105
桜鯛いざや庖丁研ぎ出さむ コ田千鶴子 馬醉木 201106
大橋に当る朝日や桜鯛 中田禎子 201106
補陀落や一本釣りの桜鯛 岩下芳子 201106
七色に鱗光りて桜鯛 近藤豊子 雨月 201106
地震の海知り尽したる桜鯛 服部早苗 201107
桜鯛粋なブルーのアイシャドー 北村淳子 ろんど 201107
鞆の津に揚がりてこその桜鯛 碇天牛 雨月 201107
八寸に業腹な奴桜鯛 瀬川公馨 201107
手作りの針に釣らるる桜鯛 谷岡尚美 201107
桜鯛真砂女の海は朝ぐもり 木下ふみ子 馬醉木 201108
乙姫の領巾の沖なる桜鯛 和田照海 京鹿子 201108
地震見舞とて故郷より桜鯛 今井千鶴子 ホトトギス 201109
黒潮の横波三里桜鯛 松下八重美 夢見の鐘 201203
島国に生れし幸せ桜鯛 水原春郎 馬醉木 201204
総身に光まとへる桜鯛 あさなが捷 201205
激流の果ては海原桜鯛 中田禎子 201205
嫁ぐ子に料理伝ふる桜鯛 竹内悦子 201206
しまなみの甘酢あんかけ桜鯛 高谷栄一 201206
のんどはや宝楽焼の桜鯛 延広禎一 201206
トロ箱に朝日が躍る桜鯛 遠藤真砂明 201206
包丁は関の逸品桜鯛 北尾章郎 201207
待ち呉るる故郷の膳に桜鯛 落合絹代 風土 201207
食ひ初めの皿をはみ出す桜鯛 加藤峰子 201207
くらき眼の氷に映る桜鯛 坂口夫佐子 火星 201207
食してはみやげに一尾桜鯛 松本恒子 ぐろっけ 201207
神饌のしかと反りたる桜鯛 碇天牛 雨月 201207
神殿を照らしてゐたる桜鯛 柴田佐知子 201210
暗き眼の氷に映る桜鯛 坂口夫佐子 火星 201301
竜宮の玉の色なり桜鯛 小林朱夏 201302
御七夜の赤子にとどく桜鯛 原友子 201302
櫻鯛晝をもすこし暗うして 佐藤喜孝 あを 201303
笹敷きて勢ひ添へたる桜鯛 中田みなみ 201304
権禰宜のかかげ行きけり桜鯛 山尾玉藻 火星 201305
トロ箱に目玉活き活き桜鯛 伊東和子 201306
桜鯛どんと一尾の門出かな 吉田宏之 201306
散財は致し方なし桜鯛 宮崎高根 201306
桜鯛焦げ加減良き化粧塩 川村亘子 末黒野 201306
旅先の昼の一献さくら鯛 藤本秀機 201306
荷になつて鯖の道ゆく櫻鯛 竹中一花 201306
研ぎ減りの出刃もてさばく桜鯛 史あかり ぐろっけ 201307
桜鯛跳ねて大皿飛び出せる 伊藤純子 201307
まだ海の夢をみてゐる桜鯛 伊藤白潮 201403
をりからの雪やはしりの桜鯛 田中貞雄 末黒野 201404
すべらかに障子開きぬ桜鯛 山尾玉藻 火星 201404
桜鯛命いただきますと手を合せ 木村茂登子 あを 201406
優勝の大関両手に桜鯛 山本喜朗 雨月 201406
引売りの誉むる眼の張り桜鯛 岩上行雄 末黒野 201407
生きすぎとは口だけのことさくら鯛 茂木なつ 春燈 201407
妻恋の旅人の浜や桜鯛 和田照海 京鹿子 201408
網元がよしと頷く桜鯛 小林朱夏 201408
鉤打ちて鰭真開きに桜鯛 和田照海 京鹿子 201408
船板を滅法打ちにさくら鯛 和田照海 京鹿子 201408
桜鯛刺身嫌ひも今日だけは 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
祝ぎ心もて桜鯛糶られゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
潮待ちの鞆の旅籠の桜鯛 鈴木鳳来 故山 201505
神饌やまだ濡れてゐる桜鯛 本多俊子 201505
鎮座する兜煮となり桜鯛 谷岡尚美 201506
桜鯛釣りの船出づ暁の闇 園田惠子 末黒野 201506
俎板に銀鱗とばし桜鯛 園田惠子 末黒野 201506
割烹着のデビュー桜鯛捌く 濱上こういち 201506
本日はお日柄もよく桜鯛 松本司 201506
満開の海より寄する桜鯛 柳川晋 201507
粧ひて卒寿の膳に桜鯛 中道愛子 201507
祓はれてなほ跳ねやまぬ桜鯛 石本秋翠 馬醉木 201507
御饌に盛る野のもの田のもの桜鯛 字都宮敦子 201508
桜鯛糶の終りの水を撒く 笹村政子 六花 201508
砂浜に潮引きし跡さくら鯛 大崎紀夫 虻の昼 201510
船宿の明けの賑はひ桜鯛 園田惠子 末黒野 201604
黒潮を出て東京へ桜鯛 柴田佐知子 201605
桜鯛炎のやうに釣られけり 七種年男 201606
桜鯛尾鰭正しき化粧塩 城台洋子 馬醉木 201606
打つ塩の白さも馳走桜鯛 堀田順子 馬醉木 201606
桜鯛大俎で運ばるる 吉田葎 201607
竜宮の華やぎにあり桜鯛 角野良生 201608
桜鯛湯気もろともに盛り分くる 石黒興平 末黒野 201608
三尾盛り策いつぱいの桜鯛 赤堀洋子 万象 201609
朝五時に峡へ届きし桜鯛 辻口八重子 ホトトギス 201610
ガスコンロ新しくして桜鯛 七郎衛門吉保 あを 201705
包丁のたちまちくもり桜鯛 笹村政子 六花 201706
久しぶりの客をもてなす桜鯛 井上静子 201706
桜鯛鳴門泊りの盃かさね 佐藤貞子 雨月 201707
浜直送米寿の夫に桜鯛 大村かし子 万象 201707
尾を反らせ船霊さまへ桜鯛 大内佐奈枝 万象 201707
米寿とて集ふやわれに桜鯛 佐藤玲子 春燈 201708
どこまでも泳ぐ目をして桜鯛 柴田佐知子 201709
桜鯛選び抜かれて神饌に 柴田佐知子 201709
大皿に兜ならべて桜鯛 那須淳男 馬醉木 201804
桜鯛声はみ出して糶られゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
桜鯛鳴門の渦に磨かれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
桜鯛汁と鱠に鬼平忌 大久保志遼 201805
魚店の濁声ひびく桜鯛 浅田光代 風土 201806
網を干す夕爾の里や桜鯛 吉川隆 春燈 201807
舟寄せて糶り落としたり桜鯛 井千鶴子 ホトトギス 201809
生ひ立ちは竜宮ならむ桜鯛 角野良生 201809
桜鯛釣れさうな竿捌きかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
我家今日悲しきときの桜鯛 稲畑汀子 ホトトギス 201904
朝市のさあ持つてけと桜鯛 東正則 末黒野 201905
絵皿からはみ出してをり桜鯛 前田美恵子 201905
けふよりは君もドクター桜鯛 近藤真啓 春燈 201906
桜鯛鰭パリと立つ祝膳 あさなが捷 201907
「海が躍る」と蜑の一言桜鯛 浜福恵 風土 201907
桜鯛はたと眼の合いお食い初め 渡部恭子 201907
目も腸も食べ尽したり桜鯛 新井八重子 末黒野 201907
海に散る花みな桜鯛となる 須藤常央 ホトトギス 201911
海峡に揉まれたる色桜鯛 須藤常央 ホトトギス 201911
あら汁は島のもてなし桜鯛 須藤常央 ホトトギス 201911
塩壺はその辺にあり櫻鯛 竹内悦子 喜悦 202002
二、三匹受け口もいて桜鯛 辻響子 202006
桜鯛来たり鯛飯潮汁 武田未有 202006
半身づつ喰ふ塩焼の桜鯛 安藤久美子 やぶれ傘 202007
魚の目に切れ長はなし桜鯛 永井惠子 京鹿子 202008
食ひ初めのひ孫の前の桜鯛 千原叡子 ホトトギス 202009
桜鯛歯並びまでも美しき 曽根富久恵 202010
届きたる今宵のための桜鯛 稲畑汀子 ホトトギス 202104
歯ならびのよきもの選ぶ桜鯛 六車佳奈 風土 202107
桜鯛尾を掴み上げ競られけり 石橋幾代 202108
あざやかにさばく釣果の桜鯛 佐藤千恵 京鹿子 202207
桜鯛一度だけ跳ね昼の糶 笹村政子 六花 202207
桜鯛撥ぬる鱗もさくら色 角野良生 202302
桜鯛→ 1

2023年4月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。