臘 梅 3    114句

臘梅のかをりやひとの家につかれ   橋本多佳子   ザ・俳句

臘梅 蝋梅・唐梅

作 品
作 者
掲載誌
掲載年月
臘梅を折らばやとおもふ素老人 八田木枯 七座 200801
改築の足場の上に臘梅咲く 松崎鉄之介 200803
臘梅に淡き光背あるごとし 柳生千枝子 火星 200803
木太く挿され臘梅匂ひけり 長沼紫紅 200803
臘梅のにごりなき色見せにけり 長沼紫紅 200803
一鉢にして臘梅のよく匂ふ 長沼紫紅 200803
臘梅を嗅ぐ痩身の透けるまで 中島あきら 200803
横向くも下向くも臘梅明り 池田冨美 200803
臘梅やイカロスは翼失ひぬ 関根洋子 風土 200804
脇路や臘梅の香のこぼれをり 葉田忠男 春燈 200804
臘梅や農の厠の窓近く 後藤大 春燈 200804
羊羹と臘梅のある景色かな 中貞子 200804
掌につつむ臘梅溶けてしまひけり 中田禎子 200804
臘梅の咲きて明るき岬の径 大畠政子 雨月 200804
臘梅の香るや金色観世音 落合絹代 雨月 200804
臘梅へまはれば日和さだまれり 豊田都峰 京鹿子 200804
子等帰り床の臘梅匂ひけり 牧野睦子 200804
満開といへど臘梅影もたず 上谷昌憲 200804
臘梅の咲く酒蔵の車寄せ 瀬島洒望 やぶれ傘 200804
臘梅のてんでに伸びし枝にかな 丑久保勲 やぶれ傘 200804
臘梅のかをりのなかで魚板打つ 館容子 200805
臘梅の話車中に広ごりぬ 道給一恵 遠嶺 200805
臘梅や渡り廊下に軋みある 井上静子 200805
臘梅の色極まりてこぼれけり 岩下芳子 200805
臘梅にいろを移して昼の月 疋田巴麻 京鹿子 200805
臘梅林抜け来し人とすれ違ふ 勝野薫 ぐろっけ 200805
臘梅の香が何処より吉田山 岩崎憲二 京鹿子 200807
臘梅や悔いなきまでに意地通す 竹内悦子 200903
臘梅の影を置きたる牛の像 吉田晴子 200903
臘梅をゆらして小鳥四五羽かな 荒井和昭 200903
臘梅の蕾かぞふる忌日かな 杉浦典子 火星 200903
臥す母が臘梅の香に首もたぐ 山本耀子 火星 200903
臘梅の香りにしばし身をかがむ 森山のりこ あを 200903
臘梅の一枝席をあたたむる 菊谷潔 六花 200903
臘梅や茶室につづく石畳 豊谷ゆき江 春燈 200904
臘梅や空を狭めて香り立つ 鈴木阿久 200904
明るきはただ臘梅の黄と香り 鈴木阿久 200904
臘梅の香へ耳鳴りをみちづれに 大島翠木 200904
月読みの光を来ませ臘梅の 大島翠木 200904
臘梅の蜜すふ小鳥四五羽かな 荒井和昭 200904
なにがし亭の臘梅の走り咲 風間史子 200904
臘梅にひかれ弱脚歩きだす 内山よしこ ぐろっけ 200904
臘梅や城趾七谷径通ふ 小林和子 風土 200904
読み耽る遣句集臘梅香り立ち 上田明子 雨月 200904
臘梅を光素通りして行きぬ 山田天 雨月 200904
披講さなか臘梅の香の漂へり 服部珠子 雨月 200904
臘梅や試飲の酒をふくみゐて 白数康弘 火星 200904
北の友臘梅未だ見ぬといふ 須賀敏子 あを 200904
目つむりて臘梅に聞く明日かな 安永圭子 風土 200905
臘梅や足音もなく行乞僧 浜口高子 火星 200905
臘梅の一枝抱ふる夜の電車 浜口高子 火星 200905
臘梅や吐息のごとき昼の月 館容子 200906
人去りし臘梅の香となりにけり 上崎暮潮 ホトトギス 200907
臘梅の臘の溶けゆく鏡晴 菅谷たけし 200101
臘梅の咲き初むばかりもたらさる 久保晴子 雨月 200804
つくばひの辺り臘梅咲き満つる 稲次登美子 雨月 200804
臘梅の帆をあげてゆくこころざし 沼田巴字 京鹿子 201001
臘梅の夜は月光をまとひ立つ 根岸善雄 馬醉木 201002
浮き咲ける臘梅仰ぐばかりなる ことり 六花 201002
臘梅に透きとほりゆく空の果 ことり 六花 201002
臘梅を一枝添へてお重箱 森理和 あを 201002
臘梅や好奇心こそ余生なり 須賀敏子 あを 201002
臘梅を切るに蕾の百落す 久保田雪枝 雨月 201003
切り花の臘梅花舗に匂ひけり 石川政男 201003
晩酌の盃に臘梅遊ばせて 安本恵子 201004
臘梅のひかり零るる菓子処 片岡久美子 201004
臘梅やこころ灯して山くだる 吉野のぶ子 遠嶺 201004
臘梅や汀女の声がテレビより 内藤静 風土 201004
旅終へて臘梅のよき香りかな 工藤はるみ 風土 201004
臘梅の夜道を誘ふ香なりけり 秋場貞枝 春燈 201004
縄跳びや臘梅に風華やぐも 宮崎紗伎 春燈 201004
臘梅や肌刺す風の蔵の街 黒滝志麻子 末黒野 201004
臘梅の影を重ぬる寺苑かな 森清尭 末黒野 201004
臘梅や満開の香に包まれて 筒井八重子 六花 201004
臘梅の香をこぼしつつ花ざかり 小寺ふく子 六花 201004
臘梅の黄の透く昨夜の雨雫 小澤淳子 201004
臘梅や余白の躍る書道展 和田照子 201005
臘梅の朽つる寺より匂ひくる 江島照美 201005
臘梅の日に融けまじと日を透す 石黒興平 末黒野 201005
臘梅のかほりて闇のひろがりぬ 古川敦子 末黒野 201005
門入るや臘梅の香を溢れさせ 松林順子 雨月 201005
一歩づつ臘梅の香のたしかなり 瀬戸悠 風土 201005
臈たけし臘梅今を咲き満てり 加藤兵士郎 201005
日を受けてより臘梅の雨雫 矢野百合子 201006
臘梅や旧家を守る翁眉 竹内慶子 春燈 201006
臘梅に期せず揃ひて歩がとまる 植田雅代 ぐろっけ 201006
旅予定増え臘梅の門出入り 稲畑汀子 ホトトギス 201102
旅疲れ消え臘梅の香を纏ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201102
臘梅の傾ぶき咲ける鯉田かな 山尾玉藻 火星 201102
臘梅に見馴れぬ鳥のけふも寄る 森理和 あを 201102
臘梅と同じ日向にゐる忌日 杉浦典子 火星 201103
素心臘梅活けぶりのまた美しく 大橋晄 雨月 201103
白壁に臘梅写す日向かな 田尻勝子 六花 201103
臘梅の香りに目覚め母思ふ 續木文子 あを 201103
臘梅や母が白寿を迎へたる 坂根宏子 201104
臘梅のまだ薫せぬ蕾かな 稲岡長 ホトトギス 201104
臘梅の黄のひと粒のひかりかな 村上絢子 馬醉木 201104
手にうけて臘梅を透く光の斑 齋藤晴夫 春燈 201104
臘梅の香れる庭のよき狭さ 鈴木阿久 201104
臘梅や我が呟きもひろがるや 鈴木阿久 201104
臘梅や喜春城趾が春を待つ 田中みのる 火星 201104
臘梅の香をたもとほるいろせかな 土居通子 ろんど 201104
臘梅の限りなき香を放ちをり 大橋晄 雨月 201104
臘梅透け無量のひかりこぼしけり 水谷芳子 雨月 201104
臘梅の薄緑して咲き初むる 近藤豊子 雨月 201104
臘梅のはじめをはりのうやむやと 佐藤喜孝 あを 201104
臘梅に始まる庭の花絵巻 中本吉信 201105
臘梅や轍の縁(へり)の土乾き 根橋宏次 やぶれ傘 201105
臘梅の金の遍照まのあたり 鳳蛮華 201106
臘梅の香に呼ばれをり昼の月 柳生千枝子 火星 201106
臘梅や峡を放れぬ斧こだま 久保東海司 201107
臘梅の日表といふ騒ぎかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
臘梅の香の風道の出来上る 稲畑汀子 ホトトギス 201201
臘梅を活けし妻の手夜も匂ふ 山田春生 万象 201201
臘梅→ 4      

 

2021年1月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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