蝋梅 ・ 唐梅 1     200句

臘梅  蝋梅・唐梅

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蝋梅も霜をまとひて年迎ふ 阿部ひろし 酸漿 200002
蝋梅の寒の風雨に香を放つ 阿部ひろし 酸漿 200002
蝋梅に雨凛々とひびき降る 阿部ひろし 酸漿 200004
蝋梅のうすらび集め艶めけり 小松誠一 200104
月光の蝋梅匂ふ裏小路 伊藤一枝 酸漿 200104
蝋梅に恥らふ乙女重ねけり 綱野茂子 酸漿 200105
蝋梅の蝋涙留め眼冷ゆ 伊丹さち子 馬醉木 200203
蝋梅にさす日燦燦寒に入る 阿部ひろし 酸漿 200203
咲き満ちし蝋梅に日のあふるるよ 大山妙子 酸漿 200203
蝋梅や松姫しのぶ茶筅塚 阿部悦子 酸漿 200203
蝋梅の香りに引かれ野良仕度 小浦遊月 酸漿 200205
凍えつつ咲く蝋梅の香なりけり 阿部ひろし 酸漿 200301
蝋梅の香の沈みくる文机 當麻幸子 雲の峰 200302

 小俣美恵さん逝く

蝋梅に笑顔かさねし人のあり

阿部ひろし 酸漿 200302
蝋梅や手もと明るき経机 飯塚ゑ子 火星 200303
事始蝋梅一花開き初む 大山妙子 酸漿 200303
蝋梅の香や蒼天に五重塔 上田繁 遠嶺 200304
蝋梅のほのと香りて風邪の癒ゆ 関戸国子 酸漿 200304
蝋梅の香のたちこめし茶筅塚 網野茂子 酸漿 200304
蝋梅の静かに香る寺苑かな 飯島尚子 酸漿 200304
蝋梅を過ぎくる風に吹かれをり 宮本道子 酸漿 200304
蝋梅の香の漂へる六地蔵 菊地英雄 酸漿 200304
蝋梅の香の中につと入れり 大山妙子 酸漿 200304
蝋梅の植木畑は麓まで 森津三郎 京鹿子 200306
蝋梅や再建成りし境内に 二瓶洋子 六花 200307
唐梅は香を放つシャンデリア 瀧中温子 200312
蝋梅に今年も三日よき日さす 阿部ひろし 酸漿 200402
盃に蝋梅浮かべ香を酌めり 渕江千代 酸漿 200402
蝋梅に光を返す由比ヶ浜 阿部ひろし 酸漿 200402
蝋梅のひかり一句に添はせたし 大串章 百鳥 200403
蝋梅に雪積む友の一周忌 田中きよ子 酸漿 200404
蝋梅のおのがひかりの花明り 石原光徳 酸漿 200404
蝋梅や七分毎のケーブルカー 清水令子 帆船 200405
蝋梅の朝日に溶けてゆくごとし 島崎勇作 酸漿 200405
満開の蝋梅朝の日を散らす 鈴木幾子 酸漿 200503
蝋梅や霰混じりの雨に遭ふ 島崎勇作 酸漿 200504
蝋梅のほのかに匂ふ日ざしあり 東芳子 酸漿 200504
蝋梅の香の床しさよ御用邸 阿部ひろし 酸漿 200602
蝋梅の咲きつぐ香なり今日も聞く 阿部ひろし 酸漿 200603
蝋梅と気付きし人に手折りやる 阿部ひろし 酸漿 200603
蝋梅の蕾ゆたかに大旦 広瀬敏子 酸漿 200603
蝋梅のほのと咲き初む佳日かな 伊藤豊美 遠嶺 200604
蝋梅の花とて友の寄りゆけり 鈴木幾子 酸漿 200604
風立ちて蝋梅の香を散らしけり 林佳枝 酸漿 200604
蝋梅の伸べし枝みな花をもつ 足立武久 酸漿 200604
蝋梅の香の漂へり御用邸 木村迪子 酸漿 200604
蝋梅に日ざしの透けて澄みにけり 石平周蛙 対岸 200604
息そそとはしり唐梅きぞの雨 吉弘恭子 あを 200604
先がけて素心蝋梅香りけり 小林幸子 酸漿 200605
蝋梅の香の豊かなり沼津垣 島崎久美子 酸漿 200605
文机に蝋梅一朶誕生日 品川鈴子 ぐろっけ 200702
蝋梅の光咲かせてをりにけり ことり 六甲 200703
元日の蝋梅に日のしづかなり 阿部ひろし 酸漿 200703
二日の日蝋梅に射し淡しとも 阿部ひろし 酸漿 200703
蝋梅にはや五日てふ日の射せり 阿部ひろし 酸漿 200703
羊日の日に蝋梅のゆたかなり 阿部ひろし 酸漿 200703
蝋梅にまた燦々の五日の日 阿部ひろし 酸漿 200703
蝋梅も葉も黄金なり香り立つ 竹内志げ子 酸漿 200703
唐梅の一花はさみし句帳かな 高尾幸子 遠嶺 200704
蝋梅やももいろの寿衣縫うてをり 中島陽華 200704
蝋梅や園静かなる哲学堂 浅野恵美子 酸漿 200704
会釈して蝋梅の道譲り合ふ 大房帝子 酸漿 200705
蝋梅にさす日燦々寒に入る 阿部ひろし 二の杉 200710
蝋梅の元日の日をかかげをり 阿部ひろし 酸漿 200802
蝋梅の匂ひほどよき高さより 和田政子 200804
まぎれなき唐梅の香の宮なれや 中原吟子 雨月 200804
蝋梅を仰ぎ昼月見てゐたり 阪上多恵子 雨月 200804
蝋梅の香る師の家仰ぎけり 檀原さち子 酸漿 200804
蝋梅の色も滴る雨あがり 山村修 酸漿 200804
蝋梅の空き地の夜を匂ふかな 藤井美晴 やぶれ傘 200805
蝋梅をおさらい展の器にも 奥田妙子 ぐろっけ 200805
築百年蝋梅の咲く馬車の道 川合まさお ぐろっけ 200805
蝋梅の明るくしたる勝手口 八田與四郎 酸漿 200805
蝋梅の日暮れし路地に匂ひ濃し 大山妙子 酸漿 200805
蝋梅の花待つ黄葉つくしけり 阿部ひろし 酸漿 200901
蝋梅の池畔の宙に浮び咲く 阿部ひろし 酸漿 200902
蝋梅の香り何処よ露天市 小澤菜美 200903
ほつこりと蝋梅の香の刻流る 飯田ひでを 200903
蝋梅や管制塔の影の濃し 三角千栄子 炎環 200903
後家住まひ閉ぢ蝋梅の溢れたる 品川鈴子 ぐろっけ 200903
蝋梅の蕾息づく十二月 青木陽子 酸漿 200903
蝋梅を生けし香に包まるる 坂本幸子 酸漿 200903
蝋梅のつなぐ家ある散歩かな 石川元子 酸漿 200903
蝋梅を啄む鳥の香を散らす 池田いつ子 酸漿 200903
蝋梅の上に真青の空のあり 井口初江 酸漿 200903
蝋梅の届け置かるる門の口 岩上定子 酸漿 200903
蝋梅の香りに五感奪はるる 佐藤健伍 200904
散歩道蝋梅地図の出来にけり 猿橋二三雄 ぐろっけ 200904
蝋梅を見つつ香りをたのしめり 大野ツネ子 酸漿 200904
蝋梅を離れても香の届きけり 小林れい 酸漿 200904
素通りのできぬ蝋梅一樹あり 青木陽子 酸漿 200904
蝋梅のほとりに夫を誘ひけり 東芳子 酸漿 200904
蝋梅の香一枝の土産かな 池田いつ子 酸漿 200904
いただきし蝋梅も生け年迎ふ 石井邦子 酸漿 200904
蝋梅の年の始を香りけり 中緒和子 酸漿 200904
蝋梅の咲きし所を妻に告ぐ 小野木雁 酸漿 200904
蝋梅に寄り陶酔の眼閉づ 松野睦子 遠嶺 200905
透ける黄となりて蝋梅果てにけり 丹生をだまき 春燈 200905
蝋梅の咲きて匂へる一二輪 鈴木幾子 酸漿 200905
蝋梅や土乾きゐる蔵の前 根橋宏次 やぶれ傘 200905
雨の粒膨れ蝋梅重たげな 有賀昌子 やぶれ傘 200905
足助屋敷咲く蝋梅が庭かざり 阿部ひろし 酸漿 200907
黒蝋梅古代の人の忘れ花 佐藤いづみ ろんど 200908
蝋梅の香が言はせたり好きですと 岸本幸 ろんど 201001
蝋梅の元日の日に燦と咲く 阿部ひろし 酸奬 201002
蝋梅の一輪咲けり十二月 島崎勇作 酸奬 201002
蝋梅の春待つ色や多摩御陵 井口初江 酸漿 201003
初咲の庭の蝋梅卓飾る 池田いつ子 酸漿 201003
突風の蝋梅の葉を散らしけり 池田いつ子 酸漿 201003
寒き中蝋梅のよく咲く夕 池田いつ子 酸漿 201003
草双紙唐梅に日のまはりきて 佐藤喜孝 あを 201003
蝋梅や光あつめし丘に立つ 今井松子 遠嶺 201004
蝋梅の精彩に酔ふ海嶽寺 佐藤健伍 201004
蝋梅の香の懐しき朝ぼらけ 中川悦子 酸漿 201004
蝋梅の日かげながらも香を放つ 小島三恵 酸漿 201004
蝋梅の染み込む胸の明るさよ 古川忠利 ろんど 201005
蝋梅の香の強ければ唐思ふ 金子清孝 ぐろっけ 201005
蝋梅のまとふ光を写しけり 浅野恵美子 酸漿 201005
風ほのとあり蝋梅の香を聞けり 飯田角子 酸漿 201005
蠟梅の花咲くまでの黄葉かな 阿部ひろし 酸漿 201101
蠟梅の蕾豊かに冬に人る 内藤美重子 酸漿 201101
顔寄せて蠟梅の香を確かむる 家塚洋子 酸漿 201103
日溜や蠟梅の香のほのかなる 小松渓水 酸漿 201103
蝋梅を見に行くだけの海嶽寺 佐藤健伍 201104
手囲ひに蠟梅の香をたのしめり 東芳子 酸漿 201104
蝋蠟を生けし部屋より香の流る 舛田初惠 酸漿 201104
素心蠟梅気嫌良き日の花盛り 西山美枝子 酸漿 201104
蠟梅やコート姿の似合ふ人 家塚洋子 酸漿 201104
蠟梅を生けて香を確かむる 渡辺裕子 酸漿 201104
梅の木に並ぶ蠟梅豊かなり 大山妙子 酸漿 201105
蠟梅の花をおほひし牡丹雪 池田いつ子 酸漿 201105
蠟梅や作務僧笊を抱へ行く 渡邉孝彦 やぶれ傘 201106
当麻曼荼羅蝋梅の香の中に 熊川暁子 201106
蝋梅は彼方ですよと手を翳す 須賀敏子 あを 201203
蝋梅や波風立たぬ余生欲る 田原陽子 201204
るす守る蝋梅の香よ陽に乱れ 岡山敦子 京鹿子 201206
蝋梅の香に誘はれて話咲く 田島昭久 かさね 201207
蝋梅の花をつついて鳥となる 山田六甲 六花 201303
蝋梅や猛犬の札門柱に 廣瀬雅男 やぶれ傘 201303
蝋梅の香に目覚むるわが余生 和田政子 201304
蝋梅の透く空の碧湖の蒼 塩貝朱千 京鹿子 201304
蝋梅や仏足石の豆拾ふ 栗原恵美 万象 201305
蝋梅の香はかそけくも春立ちぬ 菊谷潔 六花 201305
蝋梅の芯に火種のあるごとく 山田正子 201305
唐梅の透きとほる黄をかさねつつ 近藤紀子 201305
蝋梅は日向日蔭を知つてゐる 大坪景章 万象 201306
色のなき世へ唐梅は色を伸ぶ 蔦三郎 ホトトギス 201307
蝋梅や乾きし土の端めくれ 根橋宏次 やぶれ傘 201403
蝋梅やレトロ着物の蚤の市 宮田香 201404
蝋梅や胡桃のパンの焼きあがり 須賀敏子 あを 201404
蝋梅を透く武蔵野の深空かな 齋藤晴夫 春燈 201404
蝋梅の咲きて天使の誕生す 金田けいし ろんど 201405
蝋梅の枝に恋々たる冬日 竹内弘子 あを 201405
蝋梅の密に咲きたり醤油蔵 福島せいぎ 万象 201405
蝋梅や引き揚げ船の話聞く 岡山敦子 京鹿子 201405
蝋梅の金継仕様仕上りぬ 金田けいし ろんど 201406
蝋梅の香を活けし床尉と姥 川ア利子 璦別冊 201408
蝋梅の満開の香を満たす寺 佐藤健伍 201405
蝋梅の光の中の誕生日 衣斐ちづ子 201410
蝋梅の匂へるひと日ふつつかに 山尾玉藻 火星 201501
蝋梅を突き抜けてゐる光かな 篠田純子 あを 201502
蝋梅の枝に恋々たる冬日 竹内弘子 あを 201502
蝋梅の百本の香や新名所 須賀敏子 あを 201503
蝋梅を潜りて庫裡へ声かくる 今井妙子 雨月 201503
蝋梅や外してもらふ喪の真珠 井浦美佐子 201504
蝋梅や古民家与兵衛の昼灯 高橋泰子 201504
ひと抱への唐梅あふれ大茶壺 石川かおり 201504
蝋梅や古民家に干す紺絣 黒滝志麻子 末黒野 201505
蝋梅や車窓俄に匂ひたつ 吉田克美 ろんど 201505
蝋梅の誘眠の香を目の当たり 柳本渓光 ろんど 201505
蝋梅や小悪魔となり溶かまほし 松本文一郎 六花 201505
蝋梅を渡され一人になりにけり 田尻勝子 六花 201505
みほとけの思惟に蝋梅匂ひけり 水野節子 雨月 201506
蝋梅の香り和菓子の味がして 辻村拓夫 船団 201508
蝋梅の老木唱歌の顕彰碑 大山夏子 201508
蝋梅の揩スけた香の路地へ出づ 井上石動 あを 201603
空薫の花蝋梅の一枝かな 田尻勝子 六花 201604
唐梅の黄も誘ふや勅使門 杉原ツタ子 201605
蝋梅の鋏の音にこぼれけり 岸洋子 201606
蝋梅に透く薄ら日や七七忌 荒井ハルエ 春燈 201612
蝋梅は農家の母屋すぐ先に 渡邊孝彦 やぶれ傘 201703
蝋梅や魂魄の影うすく置き 有松洋子 201704
蝋梅や日差しの中の飴細工 中田禎子 201705
蝋梅や紡錘の実を突出して 赤座典子 あを 201707
塀越しに蝋梅が見え塔が見え 安藤久美子 やぶれ傘 201803
蝋梅の花に日差しと風少し 廣瀬雅男 やぶれ傘 201803
蝋梅に髪の先まで冷え切つて はしもと風里 201803
蝋梅の花の雫やよその庭 植木戴子 201804
蝋梅の角を曲がりて不動堂 秋山信行 やぶれ傘 201805
抜け道を蝋梅の香の通せんぼ 渡辺やや 風土 201805
蝋梅や母の齢を今日越して 渡辺やや 風土 201805
追ひついて歩く蝋梅の日向まで 岸洋子 201806
蝋梅咲く千里寺さまの父子句碑 野上あつ子 雨月 201901
蝋梅の粛と咲き出す明りかな 中川のぼる 201902
蝋梅の香り立つ日の午後は風 安藤久美子 やぶれ傘 201903
蝋梅が匂ふよバスが揺るるたび 根橋宏次 やぶれ傘 201903
蝋梅の香りを住宅地図に足す 山中志津子 京鹿子 201905
蝋梅の黄の花弁に香のにじみ 安部和子 雨月 201905
蝋梅の句座に流れる良き香り 大橋晄 雨月 202002
蝋梅や宝登山行の乗合馬車 田中藤穂 あを 202003
蝋梅の向うまさをな空がある 廣瀬雅男 やぶれ傘 202003
蝋梅・唐梅 →2      

 

2022年1月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。