リ ラ 2    173句

耳ともしねむるあかんぼリラの花   高島茂   冬日

ライラック  リラ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
散策の道変へてみるリラの風 細江久美子 春燈 200609
リラ冷の午後を律儀に花時計 青野れい子 200609
旅愁にも似てリラ冷の街灯る 青野れい子 200609
リラ冷えや湖北に二艘丸木舟 橋添やよひ 風土 200701
髪長き乙女の輪舞リラの花 山下佳子 200703
リラ冷やビルに埋もれて時計台 伊藤宇太子 200706
リラ咲いてリラの門とふ名画あり 大橋晄 雨月 200706
身のまはり少し片附けリラの冷え 鎌倉喜久恵 あを 200706
リラ冷えや旅の匂ひをそのままに 池田光子 200707
リラの花神は意地悪かと思ふ 藤田素子 火星 200707
リラ冷や神さぶ星の立つてきし 近藤喜子 200707
四合院の旧将軍府リラ匂ふ 松崎鉄之介 200707
すんなりと割り勘リラの花盛り 梶浦玲良子 六花 200707
真白なリラの芳香門跡寺 磯野しをり 雨月 200707
あきらめにあらねどもリラ咲き満てる 阿部悦子 酸漿 200707
夕星は月に抱かれてリラの花 上原重一 200708
公園の二百種のリラ噎せ返る 三戸千佐子 200708
リラ冷や祝婚の鐘野をわたり 千手和子 馬醉木 200710
リラ冷やトルソー闇の中に座し 藤井寿江子 馬醉木 200710
牧童の撞く晩鐘やリラ咲ける 天田牽牛子 馬醉木 200801
大正の洋間にリラの濃く匂ふ 寺本妙子 200802
はかどらぬ旅の支度やリラの冷 古田晴子 200806
リラ冷やお酒落な母の周忌来る 山本喜朗 雨月 200806
還暦にリラの風ある朝かな 片岡久美子 200807
写真展リラ冷えにゆく丸の内 小黒加支 酸漿 200808
リラ冷えの島に再び白髪のアン 品川鈴子 ぐろっけ 200808
リラ冷えの街に赴任の荷を解けり 高橋スミ子 万象 200809
リラ咲いて札幌はなほ若き街 今井千鶴子 ホトトギス 200810
リラの香の満ち満つ書斎なりしかな 大橋敦子 雨月 200905
リラ香る僧院の庭整へり 相沢有理子 風土 200906
リラ匂ふ連休明けの独りぼち 中川すみ子 200907
起き臥しに痛む総身リラ咲くに 相沢有理子 風土 200907
リラ咲ける窓辺ゆピアノ洩れ来る 樺山翠 雨月 200907
リラ冷えの母の幌馬車遠ざかる 大西順子 ろんど 200907
リラ冷えや煎じ薬が滾り出す 吉村摂護 200908
オペラ果てしたかぶりに歩すリラの径 稲次登美子 雨月 200908
散るリラの風に添ひくる匂かな 堤内久美子 六花 200908
リラ咲いて札幌を歩す人多し 嶋田一歩 ホトトギス 200909
リラ咲いてベンチ空くことなかりけり 嶋田一歩 ホトトギス 200909
リラ咲いていつか来た道家増えゐ 嶋田一歩 ホトトギス 200909
リラ冷や薬手帳を持ち歩き 頓所友枝 201006
リラ冷や運河づたひの煉瓦塀 小田明美 春燈 201006
リラ冷や振子時計のレトロな間 小澤菜美 201007
リラ並木地下へ潜りし映画館 代田青鳥 風土 201007
ふわふわの昼のオムレツリラの花 福島悠紀 ぐろっけ 201007
晩翠の終の棲家やリラ咲ける 田下宮子 201008
最短の国道なりしリラの花 野沢光代 ぐろっけ 201008
リラ怜えをしばし忘るる友の庭 池部久子 酸漿 201008
賑はへる異国の酒場パブやリラの夜 坂本哲弘 山ざくら 201009
リラ咲くと聞けばそぞろに旅心 内藤呈念 ホトトギス 201009
騎馬戦のをんな大将リラ匂ふ 三崎千恵子 ろんど 201009
リラ冷や夫の遺せし旅日記 刈米育子 201103
萌え遅きリラや閉ざせる修道院 木山白洋 馬醉木 201105
ことことと鳥が音立てリラの花 柴田佐知子 201105
故郷のある幸言はれリラの花 五十嵐章子 201107
リラ咲いて最果ての地に着任す 鈴木とおる 風土 201107
リラの花異国エステで眉描く 中村吟子 ぐろっけ 201107
潮風と神戸の街とリラの花 八幡操 ぐろっけ 201107
闇に光る針なき時計リラの冷 伊藤憲子 201108
リラ匂ふドガの踊子出番待ち 山中志津子 京鹿子 201108
リラの花ワッフル旨き喫茶店 中田寿子 ぐろっけ 201108
善意の輪広がつてゆくリラの花 前田美恵子 201108
リラの花少女が道にサキソフォン 門伝史会 風土 201110
リラ冷えの街は坂から海の見ゆ 有賀昌子 やぶれ傘 201110
リラ冷や辰雄旧居の終の部屋 コ田千鶴子 花の翼 201111
尖塔の影を重ねてリラ咲けり コ田千鶴子 花の翼 201111
看病は娘にしかずリラの昼 鷹崎由未子 花野 201112
憂愁のゴリラの背中秋小寒 荒木稔 ぐろっけ 201202
昭和また運ばれてくるリラの冷え 鴨下昭 201205
海の音外人墓地はリラ盛り 田中藤穂 あを 201205
リラの花しづしづ進む尼僧達 中島玉五郎 201206
リラ冷や神戸の丘の異人館 辻井ミナミ 末黒野 201206
しなやかな気韻を残しリラの風 片岡久美子 201207
外つ国を訪ひたる記憶リラの花 和田郁子 201207
ステッキのよく似合ふ街リラ咲けり 代田青鳥 風土 201207
リラの香のかへらざる旅ありにけり 滝澤千枝 春燈 201207
リラ咲きて港の見ゆる天主堂 柴田良二 雨月 201207
はるか来て真っ只中のリラの街 粟倉昌子 201208
リラ匂ふベンチに憩ふ午後三時 粟倉昌子 201208
リラ冷の屋台賑はふ大通り 粟倉昌子 201208
リラの香の深まる夕べ北の街 粟倉昌子 201208
リラ冷えや煉瓦舖装の坂の道 石黒興平 末黒野 201208
リラの風切つて鞭打つ女騎手 小田嶋野笛 末黒野 201208
リラ冷や跪坐して拝す聖母像 池内結 ろんど 201208
フルートを吹く子に匂ふリラの花 國保八江 やぶれ傘 201209
奥深き漢方薬局リラの花 金田けいし ろんど 201209
リラ咲くと聞きふるさとを恋ふ女 安原葉 ホトトギス 201210
リラの花藤村の詩を声にして 大内佐奈枝 万象 201302
リラの花零れて日暮れ早めけり 佐山五稜 風土 201305
リラ冷や魁夷の白馬首たれて 植田桂子 馬醉木 201306
リラ冷や母に供へし揚豆腐 亀田やす子 ははのこゑ 201306
思ひ出のひと齣止めてリラの花 藤本秀機 201307
リラの香や朝に夕べに物思ふ 半田稜 ろんど 201309
リラの花また間に合はぬ帰郷かな 五十嵐章子 201401
リラ冷えの恋風となりにけるかも 鷺山珀眉 京鹿子 201401
フィアンセを連れて長子やリラの花 正谷民夫 末黒野 201404
リラ冷えや薬局にまだオブラート 富川明子 201405
抽斗に異国の銀貨リラの冷え 阪本哲弘 201406
リラ冷てふ言の葉ありぬ風の道 川崎雅子 春燈 201406
御用達のジャムを紅茶にリラの雨 落合絹代 雨月 201407
リラ冷えやフランス人形口を開く 佐野つたえ 風土 201407
リラの花電話工事のながながと 安藤久美子 やぶれ傘 201407
母留守の部屋に入れたるリラの風 村上留美子 火星 201407
リラ咲きて歌劇百周年の街 丸尾和子 雨月 201407
リラ冷や額に日差しのモネのリラ 落介絹代 風土 201407
リラ冷や絵硝子にある物語 能村研三 201408
リラの花淡き紫ふと恩師 水谷直子 京鹿子 201408
リラの香や行くも戻るも同じ道 杉本綾 201408
リラ冷えや観光馬車の闊歩せり 上家弘子 ろんど 201408
リラ冷や足になじまぬハイヒール 大川ゆかり 201408
チエロの音は慕情にも似てリラの夜 塩貝朱千 京鹿子 201409
リラ盛る休み田に生るビルの街 布川孝子 京鹿子 201409
人影の見えぬ住まひやリラ香る 園部早智子 ろんど 201410
リラ冷えや異郷にあれば異邦人 えとう樹里 201410
リラ冷の日の大会と記憶せん 安原葉 ホトトギス 201410
窓側が好きリラの香の風入れて 堤京子 馬醉木 201505
リラ冷や港の見ゆる丘の径 辻井ミナミ 末黒野 201508
絵タイルや漫ろ歩きにリラの冷 辻井ミナミ 末黒野 201508
香を解き思ひ出ほどきリラの花 河野美奇 ホトトギス 201509
リラ冷えの街にぽつりと夕灯 田中信行 201509
散会のあとリラ冷のひとり旅 安原葉 ホトトギス 201510
深彫の天女の微笑リラの冷え 片山煕子 京鹿子 201601
国境を幾つ越えてもリラの花 渡辺節子 201602
白き蝶リラの花房より生るる 那須禮子 春燈 201606
肩先のリラの花冷え墨を磨る 上野紫泉 京鹿子 201606
リラ冷や節子の焔さめずゐて コ田千鶴子 馬醉木 201607
リラの香や北の街路樹海へ尽き 山本雅子 馬醉木 201607
リラ冷えや煉瓦舖道の青海波 石黒興平 末黒野 201607
リラ冷やキャンパス広き農学部 大森三保子 馬醉木 201608
亡母恋しリラの花咲く庭に立ち 長谷川友子 春燈 201608
リラ冷えの街吹き抜くる風甘し 横路尚子 末黒野 201608
乳色の湯に浸かりゐるリラの冷え 升田ヤス子 六花 201608
美術館搬入口のリラ芽吹く 内海保子 万象 201610
リラ咲いて鎧戸ひらく修道院 岩崎眉乃 万象 201610
フランスに行きたしリラの香るとき 田代貞香 201707
ボンジュールムッシューと言へばリラの花 高橋将夫 201707
リラ冷えや窓かうかうと警察署 石黒興平 末黒野 201709
札幌やリラの花咲く頃ならか 志方章子 六花 201709
リラ冷えの空独り立つ時計台 鈴鹿呂仁 京鹿子 201803
日を返す螺旋階段リラの花 井上石動 あを 201807
リラ冷ゆマネの筆なる肖像画 高野昌代 201808
諦めてしまへば自在リラの花 柴田佐知子 201809
雨の日を図書館に居てリラの花 東英幸 船団 201812
甘き夢つづき見たきよリラの冷え 犬塚李里子 201905
又偲ぶ旅路よリラに心寄せ 稲畑汀子 ホトトギス 201905
ふと淋したとヘリラ咲く旅なれど 稲畑汀子 ホトトギス 201905
誰彼の消息聞くもリラの旅 稲畑汀子 ホトトギス 201905
リラの花キッチンカーの昼休み 安藤久美子 やぶれ傘 201907
リラの香に庭は一気にときめきぬ 櫛橋直子 雨月 201907
リラ香る刀自はハイカラ好みにて 山田夏子 雨月 201907
膝痛の講演聴きぬリラの花 堀江久子 末黒野 201908
リラ冷えの淡き門灯小糠雨 石黒興平 末黒野 201908
リラ冷や仕舞ふエプロンまた付けて 大内幸子 六花 201908
リラ咲くや神に召されし日の早き 岩月優美子 202005
珈琲にミルクの渦やリラの雨 松井季湖 202006
さよならと読めるくちびるリラの花 あさなが捷 202007
リラ咲くや散策ルート変へてより 山下健治 京鹿子 202008
リラ冷えの日のこと大木伐った日は 小川弘子 202011
月曜はリラの雨降るわたし時間 井上菜摘子 京鹿子 202105
リラ冷えの札幌にゐて愛しき日 牛島晃江 202106
リラの花手紙書きをる風の夜 木村瑞枝 やぶれ傘 202108
リラ冷もまたなつかしき旅の街 安原葉 ホトトギス 202111
リラ冷えの街は重たき扉を開く 鈴鹿呂仁 京鹿子 202203
リラの雨風車のまはる丘にかな 中村洋子 風土 202207
リラの花北への旅の募りたり 田中春江 やぶれ傘 202207
再会をリラの花咲く道に待ち 毛利直子 やぶれ傘 202207
リラ冷や戻れぬ過去へもどりたし 久米憲子 春燈 202207
信州の川の中州のリラの花 佐藤稲子 やぶれ傘 202208
リラ冷や函館は坂多き街 井上宮子 春燈 202208
廃坑の町の廃校リラの花 小田嶋野笛 末黒野 202208
リラ冷えの日なり坂また坂の道 北原沙織 202209
マスクとりリラの香りを確かむる 野口希代志 やぶれ傘 202210
リラ咲いてここを故郷と決めにけり 小坂尚子 202210
リラ →1

 

2023年5月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。