落 椿 4       170句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
約束を守り切つたり落椿 加藤みき 201405
落椿寺苑の暮色深めけり 北尾章郎 201405
落椿大樹は惜しみなく落とす 川村文英 ろんど 201405
生け垣へ二つのせおく落椿 山田六甲 六花 201405
飛び石に置きたるさまの落椿 石川かおり 201406
散り敷きて掃くには惜しき落椿 加藤北天 雨月 201406
写経へと潜る山門落椿 加藤北天 雨月 201406
手にのせてみづみづしきや落椿 西岡啓子 春燈 201406
落椿の美しき余生の羨し 小澤菜美 201406
落椿ひつそり眠る雑木林 戸田澄子 末黒野 201406
落椿通して児らの首飾 山田愛子 201406
躓きし石も縁や落椿 佐藤信子 春燈 201406
森閑と墓碑絢爛と落椿 上谷昌憲 201406
石臼の飾りにひとつ落椿 鈴木阿久 201406
ひめゆりの洞窟のぞく落椿 鈴木礼子 末黒野 201406
普羅の碑や自在に風の落椿 田中臥石 末黒野 201407
落椿しばらく吐息してゐたり 槐島修 万象 201407
落椿真つ赤ムンクの叫びとも 加藤峰子 201407
落椿幕開くまへの悲鳴かな 直江裕子 京鹿子 201407
十まりも数へればよし落椿 坂口夫佐子 火星 201407
苔あらば華華累累の落椿 有本南陵 ろんど 201407
落ちてなほ色きはまりぬ落椿 池田光子 201408
落椿手にしたるとき露こぼれ 田中佐知子 風土 201411
落椿あなたでしたかあの音は 吉武千束 太古のこゑ 201411
掌にぐずぐずしてる落椿 吉弘恭子 あを 201412
落椿掃く学僧のあをつむり 能勢俊子 馬醉木 201502
月光に触れて錆びゆく落椿 能勢俊子 馬醉木 201504
尼寺の苔やはらかや落椿 山田愛子 201504
落椿水面を終の褥とし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
図書館へ急ぐ土曜日落椿 須賀敏子 あを 201504
敷網のとぐろ積みなる落椿 岩木茂 風土 201505
ほころびし垣の縄目や落椿 廣瀬推男 やぶれ傘 201505
もう一日庭にとどめん落椿 宮本俊子 雨月 201506
落椿ならぶ地蔵の苔衣 岡本瑛子 京鹿子 201506
落椿安易に伝説になるな 種田果歩 201506
掃き寄せて朱の山をなす落椿 久世孝雄 やぶれ傘 201506
落椿彩に微かな遅速あり 溝越教子 春燈 201506
落椿双手に悼み心かな 滝澤千枝 春燈 201506
割り竹の袖垣に跳ね落椿 小川玉泉 末黒野 201506
落椿石段百段山の寺 遠山のり子 201506
蕊見せて寺を染めゐる落椿 矢野百合子 201506
音よりも色の重さの落椿 橋本くに彦 ホトトギス 201507
象山の宮のここだの落椿 千原叡子 ホトトギス 201507
落椿大地しつかと受け止める 中林晴雄 201507
園丁のリヤカーに満つ落椿 加藤峰子 201507
落椿一旬を紅失はず 安斎久英 末黒野 201507
日面の地蔵のつむり落椿 秋山文子 末黒野 201507
廃炉てふ朽ちてし止まぬ落椿 大坪景章 万象 201507
落椿溜めて海鳴りとどく岩 松田泰子 末黒野 201508
飛び石を渡つたやうに落椿 高島正比古 京鹿子 201508
落椿たちまち囲む水輪かな 佐津のぼる 六花 201508
月影の褥となりぬ落椿 宮崎洋 春燈 201512
少女来て落椿をば渡されし 津川かほる 風土 201512
落椿仰向けといふ気品かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
落椿三つ四つ拾ひ幹もとへ 鈴木阿久 201603
落椿カメラ目線でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
落椿楚々と忌日の彩りに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
拾はずにをれぬくれなゐ落椿 竹内タカミ 201604
落椿不意の別れのありしかな 秋山蔦 春燈 201604
絵となりぬ一樹に敷ける落椿 椿和枝 201604
落椿絵具を置きし如くなり 椿和枝 201604
そのまんま水を湛へし落椿 大坪景章 万象 201605
気配せし振り返りなば落椿 宮西修一 万象 201605
夕映や太郎冠者てふ落椿 田代民子 201605
落椿置き去りにして日の暮るる 山田正子 201605
挽臼を埋めて飛び石落椿 松本三千夫 末黒野 201605
落椿流るるままに旅をする 寺田すず江 201605
秀吉の逃げ込みし寺落椿 大橋晄 雨月 201605
落椿樹下にも花の咲くごとく 宮本俊子 雨月 201605
築山やぬくもりほのと落椿 森清信子 末黒野 201606
黒々と土輝きて落椿 稲垣佳子 末黒野 201606
一本の雌しべを残し落椿 山本素竹 ホトトギス 201607
知盛の塚くれなゐに落椿 森岡恵子 万象 201607
新らしき今を重ねて落椿 箕輪カオル 201607
朝な朝な拾ふ魂の緒落椿 山口ひろよ 201607
新らしき今を重ねて落椿 箕輪カオル 201607
仰向けにはた俯せに落椿 中里よし子 春燈 201607
引き際のかくありたしや落椿 太田チヱ子 末黒野 201607
野馬捕りの献額ありぬ落椿 原田達夫 201608
落椿普羅碑へ梛の風ばかり 田中臥石 末黒野 201608
せせらぎの澱みに浮ぶ落椿 藤波松山 京鹿子 201608
明日へと思ひをはせし落椿 佐藤恭子 あを 201609
落椿岬の風の衰へず 池谷鹿次 末黒野 201704
落椿篝の薪の隙にかな 升田ヤス子 六花 201704
屋根瓦にふたつづつ落椿かな 大森三保子 馬醉木 201704
落椿ひとつばなしの薮の中 鈴鹿仁 京鹿子 201705
実朝の濤に擲つ落椿 南うみを 風土 201705
地に還るまでの紅落椿 大石喜美子 雨月 201705
レコードの針置くように落椿 高野昌代 201705
唇に触れかくも冷き落椿 飛高隆夫 万象 201705
御幸の沓を聴さしか落椿 山田六甲 六花 201705
落椿寺の裏庭埋めつくす 堀田こう 雨月 201706
落椿一輪戴き遺髪塚 嶋崎豊子 雨月 201706
重たさに耐えてそれから落椿 須賀敏子 あを 201705
箒目の波を乱しで落椿 森清堯 末黒野 201706
女坂踏み場なきまで落椿 斉藤マキ子 末黒野 201706
てのひらに乗せて色増す落椿 延川五十昭 六花 201706
崩れぬといふ自負のあり落椿 田所節子 201706
幽明の見えかくれして落椿 水野恒彦 201706
身のなかに海鳴りたまる落椿 岡部玄治 201707
狼藉の限りなりけり落椿 原田達夫 201707
落椿まとめ祀られ道祖神 三井所美智子 201706
閑けさにかそけき音を落椿 齋藤晴夫 春燈 201707
掌をはみだす赤き落椿 曽根富久恵 201707
磨崖仏へ磴荒々し落椿 河原敬子 201708
落椿水に朽ちゆくまでの艶 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
三尊を少し離れて落椿 野中亮介 馬醉木 201804
落椿掃かずに置かむ見とれけり 溝渕弘志 六花 201805
小流れに身を清むかに落椿 塩貝朱千 京鹿子 201805
法難の地やくれなゐの落椿 尾崎みつ子 雨月 201806
落椿これより先に人家なく 能美昌二郎 201806
けふの色きのふの色や落椿 森清堯 末黒野 201806
赤き血の脈打つやうや落椿 森清信子 末黒野 201806
ほろほろとボンネットにも落椿 須賀敏子 あを 201806
落椿裏返るまま庭暮るる 平沢恵子 春燈 201807
汲み置きし水に水の香落椿 石田阿畏子 馬醉木 201807
奥津城へ続く石段落椿 瀬島洒望 やぶれ傘 201807
落椿掃かず踏まずと通りけり 和田絢子 春燈 201808
夕まぐれ緋の色沈む落椿 饗庭悳子 末黒野 201808
落椿並べてありぬ寺の縁 山田正子 201808
ころころと笑ったままの落椿 藤かおり 船団 201811
落椿お手玉のごと空に投げ 大日向幸江 あを 201903
石垣の紅一点の落椿 延川五十昭 六花 201904
水戸街道蘂踏まれたる落椿 石橋邦子 春燈 201905
落椿打ち返しゐる畠にも 永井惠子 春燈 201905
騙されて流れてみたし落椿 雨宮桂子 風土 201905
落椿また一つ風生まれ来る 森多歩 201905
落椿花の吐息のつもる土 高橋たか子 馬醉木 201906
飛石の日向日影や落椿 松橋利雄 春燈 201906
竹林の闇を作れる落椿 辻泰子 春燈 201906
うつつより夢に帰らん落椿 水野恒彦 201906
仏心はときに崩れて落椿 片山煕子 京鹿子 201906
落椿夕日に映ゆる坂の道 斉藤雅子 末黒野 201906
終章は苔の彩り落椿 福森順子 京鹿子 201907
落椿中の一つは器の句 田村すゝむ 風土 201908
落椿前田普羅碑を明るうす 田中臥石 末黒野 201908
落椿蕊に魂宿しつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
落椿水の扉を開けにけり 山田六甲 六花 202002
落椿水に抱かれ未来へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
天国を見てきたやうな落椿 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
落椿漬物石に女と一字 中野千代子 末黒野 202003
楊貴妃の容に白き落椿 岩月優美子 202004
山辺の道落椿落椿 森岡正作 202004
せせらぎの律を分けたる落椿 萩庭一幹 馬醉木 202005
落椿土の温みは母の愛 鷺山珀眉 京鹿子 202006
落椿壊れしままの長屋門 萩原渓人 やぶれ傘 202006
竹藪の淵にさざ波落椿 廣畑育子 六花 202006
落椿その上にまた落椿 広瀬済 やぶれ傘 202007
落椿また落椿雨しとど 荒川心星 202007
瘞血の庭一対の落椿 佐俣まさを 春燈 202007
蹲に添へし二色の落椿 増田裕司 やぶれ傘 202007
落椿花の重さを掌に受けて 加藤静江 末黒野 202008
ウィルスが地球を覆ふ落椿 吉田悦子 202010
隠れ里錆びゆくものに落椿 和田照海 京鹿子 202104
咲分けの地で際立てり落椿 荒井貞子 末黒野 202104
城山のかくれ小道の落椿 須賀敏子 あを 202104
落椿うつぶしといふ黙のあり 篠原幸子 春燈 202105
照り翳りして落椿おちつばき 浅田光代 風土 202105
拾ひたる真白き一つ落椿 大辻美知女 末黒野 202105
古納屋の分厚き梁や落椿 熊谷成子 202106
疑ふは人の世の常落椿 上野進 春燈 202106
ゆふやみに炎となりぬ落椿 宮崎洋 春燈 202106
行儀良く三つ並ぶや落椿 柿原よし子 春燈 202106
山門へ落椿踏む石の段 田中藤穂 あを 202106
落椿瀬に乗り空へ流れをり 村田あを衣 京鹿子 202106
城垣の石の目となり落椿 山田六甲 六花 202106
敷石の窪みになじみ落椿 森清堯 末黒野 202107
落椿はやく掃かねば燃えるかも 菊池和子 京鹿子 202107
落椿ケンケンパーに老い知らず 塚本郁子 京鹿子 202107
いつの間にか帽子の中に落椿 神山市実 やぶれ傘 202108
落椿→1

 

2022年4月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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