大晦日      154句

下婢間違て主婦間違て大晦日多忙    高浜虚子

大晦日 大年 大歳

作品
作者
掲載誌
掲載年月
神なくてそばにかまぼこ大晦日 児玉硝子 ヒッポ千番地 199905
大晦日柱がやつと建ち上り 山田六甲 六花 199912
大晦日シャンパンの栓弾け跳ぶ 尾上有紀子 船団 199912
もいちにち欲しともいへで大晦日 大橋敦子 雨月 200002
水甕に耳二つあり大晦日 竹内悦子 200003
どやどやと子が子を連れて大晦日 志水芳秀 雲の峰 200003
耳飾り片方残る大晦日 森川恵子 船団 200008
看護婦の足音大晦日は更くる 北中みやこ ぐろっけ 200104
大晦日万有引力の謎 佐伯のぶ子 船団 200105
天気図は雨ふるさとの大晦日 辻村拓夫 船団 200106
目尻にもハンドクリーム大晦日 山田六甲 六花 200202
サイレンの音を間遠に大晦日 戸沢文子 いろり 200202
大晦日気付けばしんと茜富士 早崎泰江 あを 200202
持ちきれぬ重き荷を持ち大晦日 鎌田俊雄 いろり 200203
大晦日離れ住む娘を想ひをり 大田かづみ いろり 200203
定年の来ない生涯大晦日 竹川美佐子 いろり 200203
どの家も明りともりて大晦日 福田みさを いろり 200203
大晦日明日を占ふ真顔かな 孝子フォン・ツェルセン 円虹 200204
大晦日ずるずる借りしままの本 市川伊團次 六花 200207
山国の炉火あかあかと大晦日 滝沢伊代次 万象 200212
公園に父と児がをり大晦日 野坂民子 馬醉木 200302
小康の父の髭剃る大晦日 房安栄子 築港 200303
庭を掃く師の姿あり大晦日 篠崎荘市 酸漿 200303
ぜんまいを巻く目覚ましや大晦日 柿沼盟子 風土 200304
買ひ足しのメモ置き忘れ大晦日 水谷ひさ江 六花 200312
メル友の俳句上達大晦日 山田六甲 六花 200401
舌のばす貝と私と大晦日 中村房枝 六花 200401
アユタヤの象の背に乗り大晦日 丸山照子 火星 200403
葱白く洗ひ上げたる大晦日 吉原理夫 対岸 200403
感慨も悔恨もなく大晦日 塩川雄三 築港 200403
仏壇に灯り点して大晦日 加納花子 築港 200403
住職と焚火を囲む大晦日 沖増修治 百鳥 200404
大晦日五年日記を閉ぢにけり 大角麻理子 百鳥 200404
掛軸のゆがみを直す大晦日 橘沙希 月の雫 200404
愛犬が五匹になつて大晦日 山田六甲 六花 200412
暗がりを鷺帰るかな大晦日 山田六甲 六花 200501
佳き言葉添へて別るる大晦日 川村政枝 築港 200502
どの家も窓に灯のある大晦日 鈴木美江 雲の峰 200502
雪雲の上は晴れなり大晦日 山田六甲 六花 200502
畑の雪踏みしめて立つ大晦日 長田秋男 酸漿 200503
大晦日値引きの声のぶつけ合ひ 足立武久 酸漿 200503
大晦日米櫃に米満たしけり 竹山みや子 築港 200503
あしたへと大晦日の雪を掻く 平野きぬ子 八千草 200507
ガラス戸の日本晴なる大晦日 東亜未 あを 200602
中継のコードの長し大晦日 中川英子 百鳥 200603
壁に耳家計簿しめる大晦日 伊藤希眸 京鹿子 200603
椅子の上に天井近し大晦日 杉浦典子 火星 200604
大晦日一番のりや美容室 兼子栄子 酸漿 200604
なにがなし一日過ぎけり大晦日 兼子栄子 酸漿 200604
滞在のホテルに馴れて大晦日 今井千鶴子 ホトトギス 200605
重ねたる一ト日一ト日や大晦日 滝沢伊代次 万象 200612
白粥に梅干おとして大晦日 吉弘恭子 あを 200701
掛軸を円相に替ふ大晦日 鈴木石花 風土 200703
大晦日目の前の家燃えてをり 島田千晶子 200703
掃除機に追ひ立てられて大晦日 松嶋一洋 200703
大晦日赤い日没見とどける 数長藤代 200704
死神に酒を勧めし大晦日 苑実耶 200705
心づくしのおせち届きし大晦日 西岡啓子 春燈 200803
大晦日一人住ひを招きけり 天野みゆき 風土 200803
荒れし手に保湿クリーム大晦日 朝熊精子 200804
魚捌く父の背広き大晦日 後藤晴子 万象 200804
大晦日うから集ひし墓の前 出木裕子 200804
大晦日しぼりと言へる年酒かな 大坪景章 万象 200901
強風に負けぬゴルフの大晦日 佐藤健伍 200903
好みたる蕪村の菜飯大晦日 石寒太 炎環 200903
死する星生るる星あり大晦日 原紀子 炎環 200903
明日といふ二〇〇九年大晦日 中村洋子 風土 200903
バースデーケーキふた息に消す大晦日 野澤あき 火星 200903
大晦日港は船を抱き込みて 柿本麗子 200903
錠剤のフィルム折り取り大晦日 田尻勝子 六花 200903
不義理決め茶房にひそむ大晦日 品川鈴子 ぐろっけ 200912
仕残せしことの数多や大晦日 長谷川史郊 馬醉木 201003
スフィンクスに似たる雲ゆく大晦日 上原重一 201003
満月を揚げて不況の大晦日 伊藤一枝 酸漿 201003
仕残しの事の多さよ大晦日 松野豊治 酸漿 201003
大晦日金魚の水を替へる夫 早崎泰江 あを 201003
濡れ縁に雪のつもりし大晦日 高倉恵美子 201004
大晦日橋を起点に川は下流 古川忠利 ろんど 201004
ぬばたまの黒髪へ雪大晦日 山田六甲 六花 201101
大阪に珍らの雪の大晦日 大橋敦子 雨月 201102
体重計乗るかのらぬか大晦日 吉弘恭子 あを 201102
大晦日猫に膝貸す呑気夫 宮崎左智子 201103
家中の時計を正す大晦日 金森信子 雨月 201103
啄木鳥や雪晴となる大晦日 長田秋男 酸漿 201103
大晦日匂ひゆたかな厨なり 山田悦子 酸漿 201103
狛犬も前垂れ替へて大晦日 宮脇百百子 201104
湯気の立つ厨に籠る大晦日 苑実耶 201104
大晦日晴れて建築中の塔 安藤久美子 やぶれ傘 201104
尾長鳥鳴くまで待てぬ大晦日 丸井巴水 京鹿子 201104
番台も富士も煙りて大晦日 加茂達彌 201105
大晦日顔いつぱいの蒸しタオル 武田紀久 やぶれ傘 201105
一休み爪整へる大晦日 赤座典子 あを 201201
一日が常と変はらぬ大晦日 郡山真帆 かさね 201202
五歩六歩畳を歩く大晦日 吉村摂護 201203
きりきりと束ぬる髪や大晦日 矢口笑子 春燈 201203
走り根の地を咬む力大晦日 加藤峰子 201203
大晦日ただ黙々と蕎麦を打つ 青木英林 かさね 201203
夜をこめて鮒の甘露煮大晦日 岡野ひろ子 201204
蟠り何もなかりし大晦日 政岡久子 ろんど 201204
一人居て家中ともす大晦日 田村愛子 万象 201204
介助浴室に跳ぶなり大晦日 北村香朗 京鹿子 201204
大晦日患者とともにそばをなす 北村香朗 京鹿子 201204
大晦日鉄橋きざむ貨車の音 三浦澄江 ぐろっけ 201204
大晦日日本一の大あくび 貝森光洋 六花 201204
ぱたぱたと日暮れへ向かふ大晦日 安藤久美子 やぶれ傘 201204
大晦日高倉健の映画に酔ひ 森理和 あを 201302
大晦日人形町の列に居り 森理和 あを 201302
パトカーの洗はれてゐる大晦日 吉田希望 201303
楽器置く楽屋の出口大晦日 瀬島洒望 やぶれ傘 201303
文ひとつ出しそびれたる大晦日 水谷芳子 雨月 201304
空つぽのバス弾みゆく大晦日 紅谷芙美江 万象 201304
店外の人のたむろや大晦日 熊切修 末黒野 201304
上質の蕎麦啜り合ふ大晦日 布川直幸 201312
冷凍のおせち届きぬ大晦日 早崎泰江 あを 201403
待ち人に黒豆届け大晦日 橋本靖子 201403
かすかにも薔薇のにほへり大晦日 中山純子 万象 201403
満天の星みてねむる大晦日 中山純子 万象 201403
透析の疲れの残る大晦日 中江月鈴子 201502
平安を羊に託す大晦日 長屋新之助 ろんど 201503
大晦日家族みんなで反省会 廣瀬将也 201503
大晦日OB戦の感にぶる 塩路遼 201503
篝火に鬼女の影さす大晦日 永峰久比古 馬醉木 201504
ジャズを聞きクラシック聞き大晦日 高橋照子 雨月 201504
捨てかぬる夫の湯呑みや大晦日 金山雅江 春燈 201602
大晦日訛る鴉のかへり来る 佐藤恭子 あを 201604
N響の第九を聴きて大晦日 塩見治郎 雨月 201604
妻にはビール供へ地酒の大晦日 中江月鈴子 201701
面倒が積つて坐る大晦日 熊川暁子 201703
訃が鳥のやうに飛び込み大晦日 大畑善昭 201703
大晦日一年分の長さあり 中西厚子 201704
髪結を出でし舞妓や大晦日 手島伸子 雨月 201704
をさな子の部屋中ぐるぐる大晦日 石森理和 あを 201703
大晦日らしき寒さとなりにけり 三村純也 ホトトギス 201705
見返しに良の一字や大晦日 永田万年青 六花 201803
人情も知恵も足りない大晦日 伊藤希眸 京鹿子 201804
一天の雲重たさう大晦日 森清堯 末黒野 201804
蕎麦打ちや赤き襷の大晦日 高橋泰子 末黒野 201804
思ひがけぬ物の届きし大晦日 清水美子 春燈 201903
カフェにひとり平成最後の大晦日 松村光典 やぶれ傘 201903
子らは子の昔を語り大晦日 青木朋子 201907
海老天のみ購ふ爺や大晦日 篠田大佳 あを 202002
大晦日蕎麦よりパスタ選ぶ子ら 森清堯 末黒野 202003
部屋中に日差しの届く大晦日 廣瀬雅男 やぶれ傘 202003
光陰のくびれの如き大晦日 ふなかわのりひと 202003
無事といふ無二の宝や大晦日 廣田幸子 末黒野 202004
追ひ込みのお節料理や大晦日 志方章子 六花 202004
大家族集まる家や大晦日 佐藤まさ子 春燈 202103
トラックが空荷で戻る大晦日 瀬島洒望 やぶれ傘 202103
鴉騒ぐ暁の満月大晦日 関喜久子 202104
補助輪がとれたと孫の大晦日 江口九星 202105
大晦日残る半日第九聴く 七郎衛門吉保 あを 202202
潮時の汐を見てゐる大晦日 山田六甲 六花 202202
蕎麦好きで蕎麦アレルギー大晦日 青柳雅子 春燈 202203
水面にも明かり揺れゐて大晦日 山田暢子 風土 202203
大晦日主婦の五体のゆれ通し 西村白杼 京鹿子 202203
思ひこみ先行くばかり大晦日 鈴木順子 京鹿子 202203
大晦日家族が集ふ窓明り 大日向幸江 あを 202203
渋滞の尾灯の列や大晦日 鈴木英雄 末黒野 202204

 

2022年12月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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