威し銃     144句

威し銃放つてはじむ陸稻刈    佐藤念腹

鳥威  鳴子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
おどし銃かばん一つの旅人に 丸山佳子 京鹿子 199809
束稲山に星月のこし威銃 神蔵器 風土 199811
猪うどや遠流の島の威銃 能勢京子 船団 199812
威し銃ふるさとの土柔らかく 長沼紫紅 199902
渾天の青さいや増す威し銃 鷹羽狩行 199911
威銃ごとに屋号を聞き分けり 能村研三 199911
阿蘇山の谺となれり威銃 田中黎子 円虹 199912
千切れ飛ぶ能勢の峰雲威銃 高野清風 俳句通信 199912
観光バス降りいきなりの威銃 夏秋明子 火星 200001
威銃遠嶺は雲を溜めゐたり 高橋さえ子 200002
一転の瑕無き空へ威銃 松本恭昂 火星 200004
木曽駒へ今朝一番の威銃 柚口満 春耕 200010
威し銃打たれし方を探し見る 能村研三 200010
明らかに谺返しの威し銃 能村研三 200010
闇を衝きけふが始まる威銃 岩崎きゑ子 馬醉木 200011
威銃仕掛けてバイク戻り来る 朝妻力 俳句通信 200011
威し銃うつつに昭和か平成か 谷川季誌子 200011
威銃なども聴かない世となりて 保坂加津夫 いろり 200012
書写山が谺を返す威し銃 永野秀峰 ぐろっけ 200012
百幹の竹に吸はるる威銃 藤谷紫映 馬醉木 200101
一片の雲動かざり威し銃 田中英子 火星 200101
威銃無人の駅に谺して 松本米子 あを 200101
威し銃中州に鳶の終結す 大串章 百鳥 200110
無人駅降りたる胸へ威銃 佐久間俊子 200111
應(いら)へなき苛立ち少し威銃 中原道夫 銀化 200111
威銃時代はつかに動きそむ 中原道夫 銀化 200111
威銃明日流鏑馬の幟上ぐ 木村てる代 雲の峰 200112
暮るる田に未練がましき威銃 川村紫陽 200112
威し銃ぽろりと毛虫落ちにけり 大串章 百鳥 200112
威銃腹打ちてすぐ谺せり 清水伊代乃 酸漿 200112
威し銃まさかの三発性善説 荒川美邦 京鹿子 200201
威銃札所の空へつづけざま 池内けい吾 春耕 200201
威銃谷の夕暮ひきしめる 下村志津子 銀化 200210
借財や昼の日中の威し銃 小川匠太郎 200211
威し銃柿に朱色を点じたる 大串章 百鳥 200211
威し銃間合くるはず鳴りひびく 大串章 百鳥 200211
街道の独楽屋に威し銃聞こゆ 大串章 百鳥 200211
威し銃ひびき一村引き締まる 大串章 百鳥 200211
早朝に走る緊張威銃 白根純子 円虹 200211
退屈な昼を出し抜く威銃 白根純子 円虹 200211
気やすめをたつぷり仕掛け威銃 十見達也 銀化 200211
ぶだう狩の徒にもときどき威銃 堀内一郎 あを 200211
無冠なるわれに礼砲威し銃 島谷勲 200212
通夜戻る闇に響ける威銃 塩川雄三 築港 200212
天も地もゆさぶつてゐる威銃 塩川雄三 築港 200212
本線と支線合流威銃 山本敏子 帆船 200212
床の間に積まれし村史威銃 鈴木綾子 百鳥 200212
威銃鳥居は崖の上に立ち 田中敬子 百鳥 200212
無差別に天地を撃てる威銃 塩川雄三 築港 200301
三瓶野にひびき下界の威銃 桑田青虎 ホトトギス 200302
威銃警邏警官立止る 小澤友江 築港 200311
御岳の空の深さや威銃 丸山美奈子 馬醉木 200312
守拙さながらに間遠の威し銃 伊藤白潮 200410
ぶつかつて戻る魂威銃 今瀬剛一 対岸 200410
威し銃間遠にひびき糸干場 井村和子 万象 200411
威銃起きぬけの身を引き緊むる 清水ミツコ 200412
稲担ぐたしかに聞きし威し銃 林彌生 草の花 200412
禁猟の山にとどろく威銃 磯野しをり 雨月 200412
おのころに足踏み入るや威銃 戸栗末廣 火星 200412
故里の時の彼方へ威銃 山本浪子 風土 200501
威銃一揆の地より放ちけり 吉村一郎 百鳥 200501
威銃二上山が撃ち返しくる 立石萌木 雨月 200501
威銃に驚きてより気付くまで 今井千鶴子 ホトトギス 200503
倒木となりゆくあはひ威銃 服部早苗 200504
威銃平城山すこし退りけり 城孝子 火星 200511
威銃開き直りの鳥ばかり 能村研三 200511
不眠の吾を威すか暁の威し銃 能村研三 200511
臥しをりて豊年思ふ威銃 森澄雄 200512
おほどかや奈良の仏へ威銃 坂ようこ 200512
雲一つ愛宕に置きて威し銃 舩越美喜 京鹿子 200512
威銃まつくら闇を音走る 河本勇 築港 200512
飛鳥路に競うて鳴りし威銃 塩川滋也 築港 200512
弔ひにさなかも撃つて威銃 定梶じょう あを 200512
大地てふ半球体へ威し銃 細川洋子 200601
髭剃って地の滲みだす威し銃 貝森光大 六花 200601
神の水掬へばひびく威銃 杉浦典子 火星 200602
威銃いつも後ろに鳴りにけり 立石萌木 雨月 200604
威銃惑星ひとつ消されけり 小嶋洋子 200611
義家の塚を威して威し銃 内山芳子 雨月 200612
威銃雷の丘ゆさぶりぬ 石垣幸子 雨月 200612
威し銃丘の赤松聳えけり 定梶じょう あを 200612
威銃谺も峡を威すなり 永井雪狼 200701
戦友の句碑をながむに威し銃 松崎鉄之介 200701
威し銃聞えぬふりの雀ども 丁野弘 200710
爆竹も威銃にも慣れ峡の里 須藤トモ子 200712
暮れ俄なり威銃鳴り止みて 伊藤トキノ 200801
威し銃風一枚に田面押す 松本鷹根 京鹿子 200801
威し銃後ずさりする山の影 貝森光洋 六花 200801
みちのくの山彦となる威し銃 廣瀬雅男 やぶれ傘 200810
抜け道を聞きて迷へり威し銃 山中宏子 200812
威銃名もなき魚の藻草より 戸田和子 200812
後より撃たるる思ひ威し銃 沼田巴字 京鹿子 200812
威銃かへる谺を迎へ撃つ 川崎良平 雨月 200812
核の世に空砲なんぞ威銃 磯崎清 200901
威銃ほど一遥かなり師の一句 井上信子 200901
威銃天皇陵へとどろけり 神蔵器 風土 200901
化石層の掘削跡や威銃 川合まさお ぐろっけ 200901
威銃鳴つて一と日の始まれり 曽根満 万象 200902
おそろしき浅間のお山威し銃 水谷洋子 十進法 200911
杉山に杉の匂や威銃 伊東恵美子 馬醉木 200911
おどし銃や鞄一つの私に 丸山佳子 京鹿子 200911
威し銃歓声に似てあと空し 松本鷹根 京鹿子 200911
出穂揃ひ開田響動もすおどし銃 室伏みどり 雨月 200911
谺して朝より聞ゆ威銃 神田一瓢 雨月 200911
山峡に時間どほりの威銃 栗田れい子 万象 201001
ラジオ体操ときをり威し銃の音 根橋宏次 やぶれ傘 201001
瓦斯のもう充ち来るころか威銃 山田六甲 六花 201009
威し銃二百歩過ぎてまた一つ 村上沙央 201012
あをぞらの午後はうするる威銃 蘭定かず子 火星 201101
夕暮の風のうすらぐ威銃 田中文治 火星 201101
真昼間の空の緩びや威銃 水野加代 万象 201102
威銃いよいよ句碑の錆いろに 立石萌木 雨月 201107
すり鉢の底より放つ威銃おどしづつ 梶浦玲良子 六花 201201
威し銃城は空濠のこすのみ 小川滋 やぶれ傘 201201
時間差の谺返しや威銃 能村研三 201211
威銃高鳴る峡のがらんどう 森岡正作 201211
威銃真つ先に人驚かせ 川崎真樹子 春燈 201211
野の昼は傷つきやすく威銃 齋藤厚子 201212
威銃伊那七谷に谺しで 柴田良二 雨月 201301
音消えて空の戻りぬ威銃 菊川俊朗 201302
残響の風に乗りくる威し銃 塙誠一郎 201312
威銃一発筑豊夜が明ける 石橋萬里 ぐろっけ 201402
威銃遠慮会釈もなかりけり 吉村摂護 201404
威し銃四囲のこだまの幾響き 塩路隆子 201411
威銃百戸の村の弾けたり 田中佐知子 風土 201411
威し銃月夜の峡にこだませり 根岸善雄 馬醉木 201412
威銃一つ鳴りたるあとの黙 宇都宮敦子 201412
散策の歩を怯まする威銃 山本漾子 雨月 201412
隠し田のいざなひごころ威銃 和田照海 京鹿子 201501
山彦に急かされつぎの威銃 下平しづ子 雨月 201502
心せよ身より離るる威し銃 鴨下昭 201502
べらばうな音を放ちし威銃 竹下陶子 ホトトギス 201504
威銃村いちばんの空威張り 八木健 八木健俳句集 201509
余所者の一歩に峡の威銃 森岡正作 201511
威銃阿波に卑弥呼の住みしてふ 福島せいぎ 万象 201512
ぽんぽんと威し銃ぽんぽんとまた 大崎紀夫 やぶれ傘 201611
峡の朝高くひびきし威銃 廣畑育子 六花 201701
亀石のねむりを覚ます威銃 長谷川閑乙 馬醉木 201711
峡に入る旅の始めの威銃 森岡正作 201811
姿なき空に向かひて威銃 能美昌二郎 201811
父恋のふるさと遠し威銃 新海英二 春燈 201911
雨雲を追ひ払ひたる威銃 能美昌二郎 201912
もうひとつ遠くの方に威銃 根橋宏次 やぶれ傘 202111

2022年10月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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