入 梅     50句

入梅や蟹かけ歩大座敷    一茶

梅雨に入る  入梅

作品
作者
掲載誌
掲載年月
入梅の廰舎の地下に混む自転車
柳生千枝子
火星
200109
すうーつと翳り又晴れて入梅の絵図
石井雅子
海程
200110
入梅やひとりの煮炊きたのしまず
山田弘子
円虹
200209
入梅や木曾三川の生々し
深澤鱶
火星
200209
入梅やなほ嵩ばりて掛暦
鷹羽狩行
200307
入梅や背広の皺の深くあり
水谷ひさ江
六花
200507
入梅を待つ還暦の赤き傘
金川眞里子
百鳥
200509
入梅の序の口乍ら荒れ模様
奥村鷹尾
京鹿子
200710
入梅のやうな空あり風のあり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200805
入梅を拒む日のあり風のあり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200806
入梅や古きパソコン貰い受け
鷲見多依子
200808
入梅の瀬音高しや渡月橋
新実貞子
200809
入梅に単線といふ脆さかな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200906
入梅の報せは猫の毛づくろひ
倉持梨恵
200909
靴底にまづ入梅を覚えたる
山田弘子
ホトトギス
200911
入梅に色深めゆく館の庭
稲畑廣太郎
ホトトギス
201006
入梅に防水靴を準備して
高野綸
201009
中空に気球の浮かぶ入梅かな
藤原冬人
火星
201008
おほさかをけむらしゐたる入梅かな
今井妙子
雨月
201008
入梅や園児の傘に大人用
荻龍雲
201009
入梅の日と旅の日と重なりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201106
入梅は自然のなりゆき詮もなし 大橋敦子 雨月 201107
入梅といふといへどもこの陽気 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
入梅もあるさたまには人生も 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
入梅にかけがへのなき晴一と日 稻畑汀子 ホトトギス 201206
入梅やバリアフリーの見積書 笠井清佑 201208
入梅や加齢の脈の乱れける 笠井清佑 201208
入梅や地下でつながる百貨店 苑実耶 201209
如意棒をひと振りふりて入梅す 熊川暁子 201209
入梅や血をさらさらにするくすり 浅田光代 風土 201209
入梅や川の未だに静かなり 市川伊團次 六花 201209
津の國の堤の高き入梅かな 深澤鱶 火星 201209
入梅や箱階段の鐶の数 福本郁子 火星 201209
入梅のこころつまづきやすきかな 岩岡中正 ホトトギス 201211
入梅の関所の跡や蔦盛り 藤波松山 京鹿子 201310
フライパンにバター煙らす入梅かな 山尾玉藻 火星 201406
入梅の濁流大河音にぶき 宮田香 201409
入梅や飛び出すパンの狐色 安藤久美子 やぶれ傘 201510
入梅やこの頃仰ぐ空のなく 稲畑汀子 ホトトギス 201606
入梅といへる覚悟のやうなもの 稲畑汀子 ホトトギス 201606
入梅や木造駅舎の風見鶏 村高卯 201609
入梅の木々にむせけり関所跡 森清信子 末黒野 201609
朝まだき秋入梅の気を頬にうく 近藤紀子 201612
入梅と聞きて雨なき二三日 稲畑汀子 ホトトギス 201906
入梅や古新聞を束ねをり 時澤藍 201909
入梅の空気に香あり重さあり 市川夏子 末黒野 201909
入梅や麻婆豆腐の汗を拭き 石川憲二 六花 201909
入梅と思ふも報道なきままに 大橋晄 雨月 201909
入梅は明日か明日かと恐れけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202006
入梅と言ひまだといふ二三日 稲畑汀子 ホトトギス 202006
入梅やをんなの金槌釘ゆがむ 井上静子 202008
入梅に暈す遠嶺や比良比叡 松本鷹根 京鹿子 202107
入梅や疫病憂ひて鳩の鳴く 村田敦子 末黒野 202109
入梅いわし生姜たつぷり炊き上ぐる 大沢美智子 202208
波郷師を辿る入梅の南白亀川 田中臥石 末黒野 202209

 

2023年5月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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