韮の花    110句

  韮の花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
会ふたびに母はちぢこむ韮の花 秋山深雪 船団 199902
にぎやかに雀土浴び韮の花 島崎晃 遠嶺 199909
韮の花漱石旧居に馬丁小屋 田中藤穂 「水瓶座」 200002
夢の島純白に咲く韮の花 毛塚静枝 200007
庭の先韮の花咲く夜明なり 阿部ひろし 酸漿 200011
韮咲いて真っ直ぐ歩いているつもり 星野早苗 船団 200106
野良生えの丈をゆたかに韮の花 朝妻力 俳句通信 200108
韮の花咲けよと待つ日つづくなり 阿部ひろし 酸漿 200109
せせり蝶ばかり集めて韮の花 海上俊臣 酸漿 200110
韮の花畑に色を添えており 高樋洋子 いろり 200111
荒畑に簪咲きの韮の花 石渡芳枝 200112
「一日の野良の終はりぬ韮の花 小田道知 円虹 200201
韮の花揃って咲きし鶏の道 鈴木多枝子 あを 200207
韮の咲くさびしき小径つづきけり 宮原みさを 花月亭 200208
ねんごろに蝶移りゆく韮の花 金山千鳥 酸漿 200210
韮の花巡る天體ひとつ潰へ 中原道夫 銀化 200211
犬小屋に通ず裏庭韮の花 伊藤マサ子 ぐろっけ 200212
韮の花撮りしその日に刈られけり 松崎鉄之介 200212
古墳への一歩に濡るる韮の花 小林輝子 風土 200212
猫と住む男ひとりや韮の花 黒田咲子 200301
猫のにげみち人のにげみち韮の花 竹内弘子 あを 200307
待つとなく今年も咲けり韮の花 阿部ひろし 酸漿 200309
憎まれて世に憚れり韮の花 岬雪夫 200309
夕風に頭を揺らしけり韮の花 兼子栄子 酸漿 200310
週明けの些事とどこほる韮の花 生方ふよう 200310
韮の花惚けて立てり微笑仏 阿部ひろし 酸漿 200312
黄蝶来てリボンとなりぬ韮の花 大西まりゑ 酸漿 200401
春雨に花韮われもわれもと咲く 安部里子 あを 200405
おばあちやんには違ひなけれど韮の花 野澤あき 火星 200408
韮の花背丈そろへり川の土手 井関祥子 酸漿 200411
韮の花塗り替へしたる滑り台 大塚隼人 対岸 200411
山頂の祠に岩韮咲いてをり 渡辺美知子 200411
韮の花犬を起してしまひけり 小田玲子 百鳥 200502
純白の花韮の香の韮かなし 嶋田摩耶子 ホトトギス 200508
韮の花羽音宿して暮れにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200508
韮の花風一尺の高さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200508
ふるさとを思へば韮の花白し 長沼紫紅 200508
宙にあらば散開星団韮の花 井原美鳥 200510
僅かにも日暮早まる韮の花 伊藤一枝 酸漿 200511
木の上に鴉くろぐろ韮の花 早崎泰江 あを 200511
事務服を野良着に下す韮の花 島崎勇作 酸漿 200611
はなやぎて編集室の韮の花 長沼紫紅 200702
花韮の小さな花をこぼしけり 長沼紫紅 200702
花韮に芳香のあり投票す 竹内弘子 あを 200706
そこここに群がり咲けり韮の花 仙石君子 雨月 200707
韮の花母の日記に父のこと 加藤峰子 200710
黒塀やあたら浮世を韮の花 小形さとる 200712
家といふ影の揺れてる韮の花 木山杏理 京鹿子 200801
足許にゆふぐれながき韮の花 大野林火 ぐろっけ 200804
人去つて風残りけり韮の花 岸田稚魚 ぐろっけ 200804
花韮の狭庭踏み処のなかりけり 岸はじめ ぐろっけ 200807
花韮の何と明るき寺の庭 網野茂子 酸漿 200807
夕闇のがれ場癒せる韮の花 後藤眞由美 春燈 200808
ご先祖の墓近くして韮の花 岸本林立 雨月 200810
老いてなほ大器晩成韮の花 吉村摂護 200812
直越えの海のひろがり韮の花 中島陽華 200906
波失せし海のやつれや韮の花 柴田佐知子 垂直 200907
香を隠し可憐さ集ふ韮の花 長崎桂子 あを 200907
このあした咲きそろひをり韮の花 阿部ひろし 酸漿 200909
寄りゆきて見ればゆらげり韮の花 阿部ひろし 酸漿 200910
片隅の清かや韮の花ふたつ 田村葉 炎環 200911
韮の花天狗神社の裏庭に 國保八江 やぶれ傘 200912
咲きそろひ己を語る韮の花 柴田靖子 201007
つんつんと風に踊りて韮の花 城戸愛子 酸漿 201010
韮の花空にまあるき煙立つ 石脇みはる 201012
花韮や地震に崩れし石畳 菅野日出子 末黒野 201107
ほのかなり花韮点る夕の庭 坂上香菜 201107
あだ生えの韮の花咲く植木鉢 中川すみ子 201109
古墳への小流れの径韮の花 大橋晄 雨月 201111
住み馴れし町こそよけれ韮の花 大石よし子 雨月 201112
暮るるには間のある日影韮の花 西川春子 春燈 201112
韮の花室外機の下にひっそりと 長谷川としゑ ぐろっけ 201209
雀らはちよつと戦ひ韮の花 柴田佐知子 201209
兄嫁はいつも小走り韮の花 宮井知英 201211
韮の花農家の庭へ続きけり 丑久保勲 やぶれ傘 201301
年寄の知恵もいくらか韮の花 楠原幹子 201310
韮の花雨の狭庭に天目指す 川崎雅子 春燈 201311
咲きそろふ植ゑつぱなしの韮の花 だいじみどり 201311
韮の花摘みくれし手の匂ひかな 近藤紀子 201312
熱風にのる蝶沈む韮の花 瀧春一 花石榴 201312
返り咲く石段隅の韮の花 波田美智子 火星 201312
花韮やほつほつ真珠散らすごと 加藤峰子 201407
韮の花閉づる門扉のあはひより 秋山ユキ子 201407
古井戸を覆ふ金網韮の花 大島英昭 やぶれ傘 201411
韮の花人はこまごま気を遣ふ 後藤立夫 ホトトギス 201501
ここいらが市ざかひ韮の花咲いて 大島英昭 やぶれ傘 201511
塵芥うめし畑の韮の花 だいじみどり 201511
漆黒の輪島の筒の韮の花 大坪景章 万象 201512
農家への径を猫ゆく韮の花 丑久保勲 やぶれ傘 201601
霜のごと土手に群生韮の花 椿和枝 201601
暮れてなほ灯らぬ家や韮の花 馬屋原純子 馬酔木 201611
精神論言はずにをれぬ韮の花 荒井千佐代 201611
韮の花許すといふは難しき 荒井千佐代 201611
盛土のそこだけ赤き韮の花 前田美恵子 201707
錠前の錆ぶ姫宮や韮の花 秋山ユキ子 201707
花韮やダビデの星と詠まれたり 山口秀吉 万象 201707
花韮のせせらぎの辺に楚々とあり 善野行 六花 201708
何にでも「はい」と云ふ母韮の花 南うみを 風土 201709
韮の花をおひたしにして酒を汲む 泉一九 やぶれ傘 201710
花韮にやさしき風の生まれけり 安斎久英 末黒野 201711
かすかなる風を捉へて韮の花 窪みち子 201802
花韮を風が梳きゆく遠き恋 下村たつゑ 201810
韮咲いて段々畑の次男坊 たかはしすなお 201812
花韮やしばし頭を休ませむ 近藤真啓 春燈 201907
韮の花水音に沿ひゆける道 稲畑汀子 ホトトギス 201908
韮の花猫低うして通り抜く 鈴木愛子 201908
花韮のゆれる廃屋時止めて 酒井たかお 201909
花韮は花の香葉の香たがへ咲く 津川かほる 風土 202107
花韮の野面へ星を撒きにけり 宮元陽子 末黒野 202108
リフォームの終の住まひや韮の花 杉山弥生 末黒野 202111

 

2022年8月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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