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水底の日暮見て来し鳰の首  福永耕二  踏歌

  かいつぶり

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鳰鳴きて潮入の池賑々し 網野茂子 酸漿 201005
鳰潜り水面の刻の止まりけり 古川敦子 末黒野 201005
鳰鳴きて潮入の池賑々し 網野茂子 酸漿 201005
潜く鳰潜き来し鳰冬立てり 城孝子 火星 201102
逆さ富士乱して鳰の潜きけり 清水美子 春燈 201103
鳰鳥の潜く葛飾すきごころ 上田玲子 201103
しろがねのさざ波立つる鳰の池 岡田史女 末黒野 201103
雨雲にのしかかられて鳰 根岸善行 風土 201103
池広し鳰は孤独の浮き沈み 田中清子 雨月 201103
雪暗の三日つづける鳰のこゑ 蘭定かず子 火星 201104
眠れずに昼見し鳰を数へけり 米山やすえ 末黒野 201104
舟だまり鳰一声にしづもれり 永見博子 酸漿 201105
見守りて居らねば鳰の消えさうな 安武晨子 201106
鳰いきやうやうと潜きけり 石脇みはる 201107
沈むあり浮かむあり鳰、もとの数 成瀬櫻桃子 春燈 201110
潜きてはまた潜きては鳰遠し 熊岡俊子 雨月 201111
去りがたな潜きし鳰の見えざれば 熊岡俊子 雨月 201111
夕光のほほをよぎりて鳰の湖 本多俊子 201112
水底に良きことありや鳰潜く 藤見佳楠子 201201
鳰息を合はせ音なく潜りをる 久保東海司 201201
鳰浮かぶ夕さざ波の小名木川 鈴木良戈 201202
さざ波の夕日に染まり鳰の笛 高橋和枝 201202
川面ゆく鳰と交はる銀河の尾 鴨下昭 201202
またたけば数の増えをり鳰 五十嵐勉 201203
日の光砕きて潜く鳰 伊藤百江 春燈 201203
鳰くぐる間も迷ひなし湖平ら 塩貝朱千 京鹿子 201203
一つより数へ直せり鳰潜き 小澤菜美 201204
現世の隅に鳴きゐし霞浦の鳰 鴨下昭 201204
雨の音雨だれの音鳰の声 長山あや ホトトギス 201205
惜しみなく潜つてみせる鳰 石田きよし 201205
昏れそむる風に乗り米る鳰の笛 和田崎増美 雨月 201205
風の鳰鳴おびやかす何もなし 久保東海司 201207
おぼろなる沼のいづこか鳰の声 内田郁代 万象 201208
朝の池うごかしてゐし鳰一羽 山尾玉藻 火星 201301
月の鳰になりたく鳰の潜きけり 城孝子 火星 201301
鳰のために明日は空けておく 風間史子 201302
遠富士の暮れ残りゐて鳰のこゑ 徳井節子 馬醉木 201303
鳰黒く影絵となりて水暮るる 赤羽陽子 春燈 201303
大琵琶に一声残し鳰潜く 古賀しぐれ ホトトギス 201305
余呉の湖歴史もろとも鳰潜る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
句碑沈め鳰の海てふ淋しさに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
山の端へ日の移ろへり鳰 岡田史女 末黒野 201402
隠沼の鳰にしぐれて來りけり 藤生不二男 六花 201403
抜き足の猫が通りぬ鳰の池 有本惠美子 ろんど 201403
味噌汁に絹の豆腐や鳰 竹内悦三 201403
鳰の首世は平静とまた潜る 荒木甫 201403
雪浴びの一対の鳰潜りづめ 久保東海司 201403
義仲寺を巡りて鳰の夕となる 碇天牛 雨月 201404
子を待つて波間に光る鳰 浜福恵 風土 201405
佇めば入日大きく鳰の池 廣畑育子 六花 201405
鳰潜りゆつくり育つ水輪かな 柿沼盟子 風土 201405
鳰鳥の淋しくなれば潜きけり 内海良太 万象 201405
みづうみに光たらざる鳰の恋 浅田光代 風土 201407
潜つては鳰の詩片かくはへ来る 有松洋子 緑光 201411
鳰の子に潜水艦のやうな鯉 岩田公次 ホトトギス 201412
日もすがら鳰の声ある湖北かな 熊岡俊子 雨月 201501
鳰かづくたび薄れゆく昼の月 山尾玉藻 火星 201501
ただよへる暮色に鳰のまた啼けり 熊岡俊子 雨月 201501
ほの白きものの一つに鳰のこゑ 間島あきら 風土 201501
鳰潜り潜りて水の国 岩下芳子 201502
輪になつて潜れば鳰に違ひなく 内藤静 風土 201502
鳰潜る余呉川の水くぼませて 佐藤貞子 雨月 201503
急流に鳰潜きさてどこに浮く 栗山恵子 雨月 201503
鳴かずんば目に留まらざり鳰 窪田佳津子 雨月 201503
潜きたる鳰の水輪と細波と 藤井美晴 やぶれ傘 201503
異界より弾き出されし鳰 柴田佐知子 201503
鳰遊ぶ光の影と鏡湖かな 杉原ツタ子 201503
来し方をさらりと鳰の潜きたり 水野恒彦 201503
失せしもの探しに鳰の潜るかな 植田初美 春燈 201503
礼者われの名付く鳰亭通りかな 千田百里 201503
鳰の群池に紅葉の色映し 筒井八重子 六花 201503
鳰一羽湖むらさきに暮れにけり 小林和世 201505
鳰浮きて己が立ち居を確かむる 小林和世 201505
母の背に昨日孵りし子鳰来る 横山昭子 雨月 201508
水尾広げ浮巣めぐりの鳰親子 手島伸子 雨月 201509
鳰の子の母の背中をまほらとし 佐藤貞子 雨月 201509
浮かび出る親に鳰の子鳴き寄りて 久保東海司 風鈴 201512
大野分去りて月置く鳰の湖 栗山恵子 雨月 201512
輪になつて潜れば鳰にちがひなく 内藤静 風土 201512
鳰浮くを待つや紅茶に砂時計 浅田光代 風土 201602
チャイム鳴る鳰の岸辺の幼稚園 生田作 風土 201602
夕照や湖面をまろぶ鳰の笛 佐藤保子 馬醉木 201603
鳰浮かぶ水は空より空のいろ 上谷昌憲 201603
親の枷とどかぬ辺り鳰浮かぶ 熊川暁子 201603
白鳥の空母潜水艦の鳰 石田きよし 201603
両岸にひとしく遠き鳰 小林共代 風土 201603
夕暮れて鳰の一羽と別れくる 本間せつ子 末黒野 201604
ちらとゐてちらちらと鳰日暮れけり 山田六甲 六花 201604
潜ぐる鳰追いたる鳰もそれつきり 牧はるか 末黒野 201605
泛び来し鳰の険しき面窶れ 岡本眸 201512
行く春や雨降り頻る鳰の湖 多方清子 雨月 201608
艫綱を鳰の親子がつつき合ふ 内海保子 万象 201610
顔ぢゆうに風吹いて来し鳰の湖 竹内悦子 201611
水中に虚空のありて鳰を呼ぶ 有松洋子 201702
雲ひとつ比良を逆さに鳰の昼 鈴鹿呂仁 京鹿子 201702
しなやかな手の目隠しや鳰の午後 鈴鹿呂仁 京鹿子 201702
残照の波のゆらぎや鳰潜く 尾野奈津子 春燈 201702
鳰潜く小さき水輪ひとつきり 小張志げ 春燈 201702
大池に人寄せてをる鳰 瀬川公馨 201703
鳰の湖末広がりに投網打つ 久保東海司 201703
近江なる鳰の番の疎水かな 杉原ツタ子 201703
ままならぬ省略鳰のまた潜る 村田あを衣 京鹿子 201703
陵の静寂や鳰の連れ鳴ける 谷村祐治 雨月 201703
鳰鳴いて水禍の池の満々と 谷村祐治 雨月 201703
目を凝らす鳰の潜りし池の面 川上恵子 雨月 201703
鳰の湖とほくに舟の影ふたつ 秋山信行 やぶれ傘 201703
さそはれてただ鳰を見たるのみ 天谷翔子 201704
顔出すは思はぬところ鳰 石黒興平 末黒野 201705
鳰の海比良八講が荒れ終ひ 竹村淳ー 201707
漣の風紋鳰の浮く間合ひ 細川洋子 201801
鳰の湖見に来て鴨を見てをりぬ 安居正浩 201802
鳰の湖末広がりに投網打つ 久保東海司 201802
川底へ鳰の吐き継ぐ水泡かな 玉田瑞穗 万象 201803
不揃ひに藁塚並べられ鳰のこゑ 渡邉孝彦 やぶれ傘 201901
浮く群と潜く群継ぐ鳰 加藤静江 末黒野 201903
鳰の巣や昼も冷たき余呉の湖 岡本尚子 風土 201909
鳰の湖水凸凹にとて暮るる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
鳰の子の底おそろしと又浮かぶ 大橋淳一 雨月 201912
鴨の来て鳰来て神の戻り来て 増成栗人 202001
水底の小さき城へと鳰の昼 安田優歌 京鹿子 202003
暮つ方潜る潜るや鳰 須賀敏子 あを 202004
鳰の大きくなつて浮かび来る 小島良子 202005
春光や水天一如鳰の湖 藤岡紫水 京鹿子 202006
鳰潜く山の手線といふ囲ひ 千田百里 202101
次々に水輪を残し鳰潜る 秋山文子 末黒野 202103
鳰の笛湖のゆふべを深うせり 坂入喜代枝 202103
三月の残れる鳰が浮いてゐる 藤井美晴 やぶれ傘 202105
鳰の巣や匿まつてゐる葦間舟 和田照海 京鹿子 202109
漣の風の詩へと鳰潜る 平松うさぎ 202201
淡海なるさざれさざ波鳰の笛 鈴木齊天 202202
鳰かづく互ひの水輪くづしては 南うみを 風土 202202
夕照の水脈曳く鳰の流れをり 門伝史会 風土 202203
鴨を遊ばせ鳰を遊ばせ水温む 増成粟人 202204
鳰の声に聞きほれ立ちどまる 坂本和穂 やぶれ傘 202206
軽鴨の子は軽鴨に鳰の子にほになる 森なほ子 あを 202208
鳰の子の浅き潜りや首細く 森なほ子 あを 202208
鳰→ 1

 

2022年12月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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