猫 柳(ねこやなぎ・猫やなぎ) 3     136句

猫柳大利根ゆるぎなく流れ    渡辺潔

作品
作者
掲載誌
掲載年月
君の過去流せし川や猫柳 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
川幅に風の囁き猫柳 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
猫やなぎ媼に話しかけらるる 大島英昭 やぶれ傘 200804
淡けれど日ざしたしかに猫柳 阿部ひろし 酸漿 200804
あけぼのの風をひかりに猫柳 廣瀬雅男 やぶれ傘 200804
跳べさうで跳べぬ野の川猫柳 塩路隆子 200805
堰越ゆる水ふくらめり猫柳 山本康夫 200805
福禄寿はイケメンなりし猫柳 井上静子 200805
故郷の雪はぬくかり猫柳 谷村幸子 200805
呼鈴の二度鳴りにけり猫柳 星井千恵子 遠嶺 200806
濡れ色のままで暮れ待つ猫柳 松田都青 京鹿子 200806
絵手紙の文字の味合ひ猫柳 半田卓郎 遠嶺 200807
鰓張りて魚の釣らるる猫柳 樋口みのぶ 200808
猫柳今日水音の高きこと 稲畑汀子 ホトトギス 200902
獅子ほどの犬曳く乙女猫柳 有田蟻太 200905
跳べさうで跳べぬ小流れ猫柳 村上絢子 馬酔木 200905
摂津をちこち猫柳皮を脱ぐ 石脇みはる 200905
三輪山のとほく見えゐる猫柳 中山純子 万象 200905
猫柳雀は雀いろに飛ぶ 柴田久子 風土 200905
猫柳一夜に増しぬ水の嵩 金井裕子 風土 200905
かはたれは空より明ける猫柳 廣瀬雅男 やぶれ傘 200905
猫柳高層マンション雲の中 阿部泰子 春燈 200905
水の上風滑り来し猫柳 西谷良樹 春燈 200905
ねこやなぎ瀬音高鳴り育まる 羽賀恭子 200905
ねこやなぎ一光年とは近すぎる 佐藤喜孝 あを 200905
猫柳銀の雫を纏ひけり 石川かおり 200906
猫柳遥かな音を近寄する 根岸善行 風土 200906
せせらぎに耳傾けて猫柳 府川昭子 春燈 200906
川沿に鳥の遊べり猫柳 池田いつ子 酸漿 200906
小仏の瀬音豊かや猫柳 石井邦子 酸漿 200906
苞脱いで輝き増せり猫柳 篠原普美子 酸漿 200906
空舟の渡しの戻る猫柳 根橋宏次 やぶれ傘 200906
少年の声にほぐるる猫柳 山田弘子 ホトトギス 200907
水に影落として光る猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 201002
猫柳水面をすべり来し風に 稲畑汀子 ホトトギス 201002
明るさを集め水辺の猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 201002
水音につかず離れず猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 201002
皆触れてみる活けてある猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 201002
白嶺を遠くし低くしねこやなぎ 豊田都峰 土の唄 201002
ふるさとの野川にいまも猫柳 中川すみ子 201004
猫柳日ごと日しづく太らせて 豊田都峰 京鹿子 201004
水面には日の粒はねて猫柳 豊田都峰 京鹿子 201004
外遊びするも親連れ猫柳 布川直幸 201004
ねこやなぎ光は水に散乱し 大畑善昭 201004
ねこやなぎ野の灯心のごとくなり 豊田都峰 京鹿子 201004
ねこやなぎ遠嶺とただ今交信中 豊田都峰 京鹿子 201004
猫やなぎ触るれば温み返しけり 綱川恵子 万象 201005
客もなく折り返すバス猫柳 池田加寿子 201005
ルパシカの古りし写真や猫柳 遠山みち子 201005
日のさして皮ぬぎすてし猫柳 谷村幸子 201005
猫柳水辺に若きこゑ上がる 曷川克 遠嶺 201005
露留めて光る木となる猫柳 丹生をだまき 京鹿子 201005
言の葉に身の丈越せり猫柳 岡田愛子 京鹿子 201005
みづうみに朝日耀ふ猫柳 中川悦子 酸漿 201005
水辺には遠き我が庭猫柳 青木陽子 酸漿 201005
ねこやなぎ戌亥の風をよろこべり 小形さとる 201005
夕明り艶増しにけり猫やなぎ 塚原洋子 201006
木の杭に水かげろふや猫柳 國保八江 やぶれ傘 201006
でんでん太鼓に執す童や猫柳 西谷良樹 春燈 201006
猫柳工事現場となり消ゆる 生田喬也 201006
小流の水ささやけり猫柳 岡田麻枝 酸漿 201006
ねこやなぎ産毛に風の湿りゐて 近藤きくえ 201006
参道の猫柳も梅もろう細工 東秋茄子 京鹿子 201007
つんつんと光を受けて猫柳 秋葉貞子 やぶれ傘 201007
烈風にひかり椀がるる猫柳 児玉寛幸 馬醉木 201012
猫柳雨に躍りて日に沈み 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
明るさをそこより広げ猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 201102
猫柳そこより早き流れかな 稲畑汀子 ホトトギス 201102
猫柳いつも早足ばかりにて 加藤みき 201104
妹の数へて五人猫柳 井上信子 201104
水いまだ硬き熊野や猫柳 葺石鈴代 馬醉木 201105
ゴンドラは陸の上なり猫柳 中島陽華 201105
猫柳橋渡らねば菓子買へず 大西八洲雄 万象 201105
猫柳川面に水漬き蒿雀来る 木村コウ 酸漿 201105
地方紙にくるまれ売らる猫柳 平居澪子 六花 201105
猫柳汐入川のふくれくる 田中春子 雨月 201105
陽光を集めて眩し猫柳 田中清子 雨月 201105
畦伝ひ水音伝ひ猫柳 廣瀬義一 雨月 201105
せせらぎの光ぎん色猫柳 片岡久美子 201106
猫柳呆けて池の濁りをり 岡田史女 末黒野 201106
逆光に産毛きらめく猫柳 坂上香菜 201204
橋杭によどむ流れや猫柳 鈴木良戈 201204
きめ粗き河口の風や猫柳 市川玲子 馬醉木 201205
ねこぞりて光斜めに猫柳 岡野ひろ子 201205
利根川の水面きらきら猫柳 渡辺安酔 201205
せせらぎの誘ひに映えて猫柳 藤岡紫水 京鹿子 201205
銀色に雨銀色に猫柳 樺山翠 雨月 201205
川幅のせまきにゆるる猫柳 川下明子 雨月 201205
猫柳ふるさとはなほ雪深し 松浦陵保 万象選集 201205
永劫のいまいまの日を猫柳 大畑善昭 201205
猫柳流れはひかり返しけり 大嶋洋子 春燈 201206
尋ねゆく土塀の先のねこやなぎ 古林田鶴子 ぐろっけ 201206
猫柳光を伸ばす水の面 山口庸子 ぐろっけ 201206
猫柳ねむり足りたる眼のひかり 柳生千枝子 火星 201206
一雨は利休鼠か猫柳 藤岡紫水 京鹿子 201206
初めよりいぶし銀とは猫柳 金子野生 京鹿子 201206
ほぐれては風を呼びたる猫柳 森清堯 末黒野 201206
川よりも光まぶしき猫柳 阿久澤利男 やぶれ傘 201206
猫柳彼の眼まぶしかりし頃 柳生千枝子 火星 201207
枝々の日差のまぶし猫柳 大橋弘子 末黒野 201207
一村の日のうらうらと猫柳 佐藤淑子 雨月 201209
はやばやと惚けるもあり猫柳 佐藤淑子 雨月 201209
猫柳表情変る芦屋川 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
猫柳風が遊んでゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
猫柳水辺は風が寄りたがる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
波の瀬の光にひかる猫柳 岡野ひろ子 201304
猫柳抱ふる乙女の黒き髪 川井素山 かさね 201305
嫁が来て山里明るき猫柳 松井登与子 京鹿子 201305
猫柳風の緊張ほぐしゆく 松井登与子 京鹿子 201305
水甕にひかりあつめて猫柳 箕輪カオル 201305
逆光にして猫柳かぶきをり 中島讃良 ろんど 201305
ひと筋のひかりにすがる猫柳 神戸京子 ろんど 201305
やはらかき言葉ゆきかふ猫柳 村上絢子 馬醉木 201306
猫柳水の光を放ちをり 大内和憲 火星 201306
猫柳明日あるつもり箸を擱く 丸井巴水 京鹿子 201306
猫柳水面のきらを掬ひたる 岡井マスミ 末黒野 201306
本流へ躍り込む川猫柳 亀卦川菊枝 末黒野 201306
猫柳客の視線をとらへたる 稲畑汀子 ホトトギス 201402
どこまでも視線つなぎて猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 201402
やうやくに光を得つつ猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 201402
猫柳ほほけ初めたる枝の先 稲畑汀子 ホトトギス 201402
その小花神の色なり猫柳 神田恵琳 春燈 201403
かさ増せる信濃小流れねこやなぎ 井上石動 あを 201403
掌に包めばぬくし猫柳 笹村政子 六花 201404
門川の洗ひ場寂れ猫柳 西村渾 201405
風がわらふよ猫柳ひかるとき 千田百里 201405
ひとときを憩ふ水辺や猫柳 長田厚子 末黒野 201406
水音の高し中洲の猫柳 杉本裕子 末黒野 201406
逆光の窓の櫂先猫柳 中山皓雪 201406
俳人の門札小さく猫柳 山本喜朗 雨月 201406
猫柳嗅いでは幼なの時を嗅ぐ 石坂比呂子 ろんど 201406
統廃合遠のく学路猫柳 鎌田慶子 ろんど 201406
閃きは記さねば忘る猫柳 田岡千章 201407
遠くより見つつ来し川猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 201502
水音に包まれてゆく猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 201502
太陽の豊かな川辺猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 201502
猫柳 →4      

 

2021年2月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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