猫柳(ねこやなぎ・猫やなぎ) 1     100句

猫柳四五歩離れて暮れてをり    高野素十

作品
作者
掲載誌
掲載年月
谿風の鳴る日鳴らぬ日猫柳 山田弘子 春節 199503
活けられて光の失せし猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 199902
光る距離ほど近づきて猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 199902
そのうちの消息知らず猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 199902
猫柳河原に恋の溢れをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 199902
猫柳水を鏡に呆け初む 皆川盤水 春耕 199904
猫柳吃水深き渡し船 三代川次郎 俳句通信 199904
水音に解け初めたる猫柳 木下節子 俳句通信 199904
瀬の音のとみにはづみぬ猫柳 山田京子 俳句通信 199905
猫柳川に大きな渡り石 鈴木歌子 春耕 199905
山砂のさらさら崩る猫柳 森高武 風土 199906
猫柳渡舟場みちを両側に 木下英一 春耕 199906
遺影より梯大き猫柳 米澤光子 火星 199906
しろがねの毛並そろへて猫柳 山川邦子 199907
ねこやなぎ選ばれて選ばれて光 河野志保 海程 199907
猫やなぎ今年も少年合唱団 佐渡美佐子 ヒッポ千番地 199908
猫やなぎ思ってもなき雨後の艶 能村登四郎 芒種 199911
魁けて活けられしこと猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 200002
楮晒せしあたりに生ふる猫柳 脇本千鶴子 200002
猫柳裂けて雪原ゆるぎそむ 土肥屯蕪里 俳句通信 200004
子を肩に猫柳しかない空ぞ 加藤かな文 200005
猫柳銀むらさきに呆けはじむ 大島竜子 200005
川舟に光りのしづく猫柳 穴澤光江 遠嶺 200005
木場堀でありしは昔猫柳 安陪青人 雨月 200005
猫柳渡し船いま出しところ 安陪青人 雨月 200005
陰映えて小鯛寄りくる猫柳 小山香月 酸漿 200006
猫柳小唄小路を通りたる 野澤あき 火星 200006
歯に衣つけず大勢猫柳 平田直樹 海程 200006
猫やなぎぎゅっと凝縮して朝刊 宮川としを 海程 200007
ねこやなぎ医学用語にかこまれて 宮崎斗士 海程 200007
水の音暖かさうに猫柳 河合笑子 あを 200102
水音は川幅を出ず猫柳 鷹羽狩行 200103
猫柳ことば得そめし日に似たり 岡井省二 200104
猫柳午後の日差しを集めをり 阿部紀子 俳句通信 200104
さざ波に野川の鼓動猫柳 宮下本平 200104
しろがねのかくやはらかき猫柳 鷹羽狩行 200105
ほとばしる水の音符や猫柳 山口清子 200105
猫のみな日の中にをり猫柳 阿部ひろし 酸漿 200105
水音の聞こえはじめし猫柳 足利徹 ぐろっけ 200105
猫柳「夜が明けたら」とくり返す 星野早苗 船団 200109
水音にタクト振るごと猫柳 稲畑廣太郎 ホトトギス 200202
猫柳右折記念文学館 稲畑廣太郎 ホトトギス 200202
猫柳明るき空の下りて来し 稲畑汀子 ホトトギス 200202
川に沿ひ橋を渡りぬ猫柳 稲畑汀子 ホトトギス 200202
裏道を見つけし不思議猫柳 矢上万里江 酸漿 200202
貯水池のこまかき波や猫柳 皆川盤水 春耕 200203
せせらぎはむかしの速さ猫柳 鷹羽狩行 200203
病む指で握るに温し猫柳 佐々木春子 200204
存分に海光あびし猫柳 辻のぶ子 雲の峰 200204
猫柳秘密喋つてしまひけり 辻のぶ子 雲の峰 200204
橋桁にふれてかがやく猫柳 堺紀美子 雲の峰 200204
猫柳犬連れし人歌ひゆく 岡山裕美 雲の峰 200204
猫柳海はまぶしき日を返す 荒川優子 春耕 200204
ままごとのごはんが光る猫柳 松村美智子 あを 200204
猫になる日まで小箱にねこやなぎ 平田倫子 百鳥 200204
漏洩のことに水音ねこやなぎ 中原道夫 銀化 200204
せせらぎはひかりを返し猫柳 田中清司 200205
さざ波の光を受けて猫柳 伊藤桐苑 200205
猫柳へ砂踏んで行く二人なり 伊藤多恵子 火星 200205
水分りの水鳴りやまず猫柳 守屋井蛙 酸漿 200205
猫柳そろそろ猫を脱ぐところ 大嶋康弘 銀化 200205
苞を割る根元焦げゐし猫柳 江原正子 春耕 200205
猫柳花瓶の中に根を出せり 久保木千代子 春耕 200205
猫やなぎ遅れし日記買ひにけり 岡本眸 200206
小流れの少しにごりし猫柳 阿部正枝 遠嶺 200206
猫柳より野の光発信す 橋本佐智 円虹 200206
せせらぎの風しなやかに猫柳 重高涌子 遠嶺 200207
中州まで石ころばかり猫柳 市川十二代 ぐろっけ 200302
青空や芽吹き確かに猫柳 篠崎荘市 酸漿 200303
猫柳土橋短き野川かな 芝尚子 あを 200303
朝の日に犇めく庭の猫柳 樋口多嬉子 雲の峰 200304
さて誰が鈴掛けに行く猫柳 山田六甲 六花 200304
猫柳気分次第の子の行司 鈴木輝子 遠嶺 200305
自転車の籠よりぬつと猫柳 白井墨絵 遠嶺 200305
猫柳湖国の人に心馳せ 山田弘子 円虹 200305
猫柳渡舟場跡と標すのみ 小西石蕗 円虹 200305
猫柳神に仏に生けられて 村越化石 200305
九頭竜の岸に中洲に猫柳 辻川錫子 築港 200305
猫柳バケツの中でほうけをり 竹内紫翠 築港 200305
川風に枝広げをり猫柳 三澤福泉 雲の峰 200305
大福の身持ちそろそろ猫柳 中原道夫 銀化 200305
枝かたく格式を知る猫柳 禰寝瓶史 京鹿子 200305
砲台の跡地のひそと猫柳 水田清子 200305
日のあたる道をえらべば猫柳 水田清子 200305
門ひらくニコライ堂の猫柳 浜口恵以子 風土 200306
猫柳包みはみ出し抱へけり 岡田有峰 築港 200306
ミャンマーの子供の話猫柳 江坂衣代 百鳥 200306
猫柳双手に抱きて犬が好き 塩貝朱千 京鹿子 200307
猫柳ほほけ操の乱るる世 園多佳女 雨月 200308
水郷のますぐなる道猫柳 伊藤律子 帆船 200402
日向大谷てふ部落名なり猫柳 伊藤いな栄 酸漿 200403
猫やなぎ見てふるさとへ帰ることに 堀内一郎 あを 200404
日と水と風たかぶらす猫柳 石川笙児 200404
猫柳瀬音の変はるところにも 志水千代子 雲の峰 200404
水郷をゆく櫓の音や猫柳 山本昭夫 雲の峰 200404
夕暮に何の水輪や猫柳 吉田順子 200404
せせらぎの風と光と猫柳 山崎ミチ子 帆船 200404
汀なりやさしく揺るる猫柳 河野政恵 酸漿 200404
水瓶座生れ春告ぐ猫柳 道具永吉 対岸 200404
ねこやなぎひかりて喜撰山まろし 豊田都峰 京鹿子 200404
猫柳→ 2      

 

2021年2月8日 作成

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