葱坊主 2    100句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
背で眠る子のやはらかき葱坊主 楠木薫子 200310
夕暮は地に溜りゆく葱坊主 楠木薫子 200310
葱坊主バスに乗る人降りる人 赤居好子 200312
夫逝きて泣場所がなし葱坊主 兼子栄子 酸漿 200403
雨一日風一日晴葱坊主 稲畑汀子 ホトトギス 200404
プランターの土乾きゐる葱坊主 簗田たかゑ 火星 200406
みな似たり寄つたりの丈葱坊主 伊藤トキノ 200406
葱坊主大胆にして細心に 高橋将夫 200406
葱坊主夏に入つて列乱れ 大串章 百鳥 200407
葱坊主いづれは荒るる畑ならむ 小林昌子 200407
葱坊主並列マーチ奏づべし 杉山瑞恵 雨月 200407
カタカナもきちんと書けよ葱坊主 堀百合子 200407
鳶の輪の移ろひ易し葱坊主 西屋敷峰水 河鹿 200407
カルデラの中の段畑葱坊主 陣野今日子 風土 200407
長身と長生きは夢葱坊主 戸田和子 200407
ランドセル鳴らして葱坊主日和 東條未英 200407
風はらむ郊外電車葱坊主 栢森定男 風よ 200407
葱坊主児童揃って登校す 栢森定男 風よ 200407
葱坊主点呼のやうに竝びけり 名取富子 帆船 200408
葱坊主みんなおたがひ水臭さそ 丸山佳子 京鹿子 200408
葱坊主大きな月を上げにけり 福井隆子 対岸 200408
方便の嘘を通せり葱坊主 渡辺嘉幸 帆船 200504
空の張り葱坊主にもこころざし 坂本俊子 200504
決断は二つに一つ葱坊主 曷川克 遠嶺 200506
葱坊主のひそひそ話村は市に 高木嘉久 200506
葱坊主宙に字を画く筆なりし 藤澤希宗子 ぐろっけ 200506
釈迦の掌をはみ出してをり葱坊主 神蔵器 風土 200506
葱坊主遺影抱く子の泣かれけり 定梶じょう あを 200506
骨だけのビニールハウス葱坊主 杉本綾 200507
父の事聞く戦友ともの遺児葱坊主 嶋木勝次郎 遠嶺 200507
昼からの大雨予報葱坊主 木下野生 200507
ひもすがらすましきつたる葱坊主 近藤公子 200507
桑畑の減る上州や葱坊主 木暮剛平 万象 200507
鯖街道程なく京や葱坊主 奥田弦鬼 風土 200507
葱坊主交換ノートしのばする 林裕子 風土 200507
縄電車の各駅停車葱坊主 能勢栄子 200508
雨降つて懈怠のときの葱坊主 水野恒彦 200508
集まりて人は散りゆき葱坊主 福井隆子 対岸 200508
葱坊主背筋伸ばして立ちつづく 森田久枝 築港 200508
いっこくな農夫健在葱坊主 久保田雪枝 雨月 200509
葱坊主てのひらほどの山の畑 守屋井蛙 酸漿 200511
これよりは単線に入り葱坊主 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604
悟りたる夢にて覚めし葱坊主 小澤克己 遠嶺 200604
天辺に青のふえゆく葱坊主 山田暢子 風土 200605
葱坊主けんかしてゐて逢ひたきや 山本歌子 ぐろっけ 200606
葱坊主地球は自転おこたらず 守屋井蛙 酸漿 200606
名乗るほどの者にござらぬ葱坊主 上薗櫨夫 河鹿 200607
馬塚にならびひと畝葱坊主 西畑敦子 火星 200607
葱坊主ほどに省略一行詩 笠井敦子 200607
膝深々曲ぐる体操葱坊主 伊澤政子 200607
持成しの主役となりし葱坊主 八木岡博江 酸漿 200607
追分に名代の蕎麦屋葱坊主 奥田弦鬼 風土 200607
葱坊主ラジオはジヤズを流しをり 尾堂Y 河鹿 200608
身構へのいらぬ齢や葱坊主 小林奈美 春燈 200608
葱坊主直なる背伸び少年期 岩木眞澄 ぐろっけ 200608
葱坊主活けられてをりガラス壜 斉藤裕子 あを 200608
葱坊主中途半端な時間空き 鈴木多枝子 あを 200608
錦など飾る気はなし葱坊主 長沼紫紅 200609
葱坊主光陰追うてゐたるかな 林いづみ 風土 200611
闘詩とは頭でっかち葱坊主 山元志津香 八千草 200611
葱坊主口笛高く下校の子 滝沢伊代次 万象 200704
一筋のあかりの中の葱坊主 加藤みき 200705
求道者らしき頭よ葱坊主 中島玉五郎 200705
葱坊主に触れたる音の乾きをり 廣畑育子 200705
けなしても褒めてもよその葱坊主 高橋将夫 200706
愚痴一つこぼすことなき葱坊主 高橋将夫 200706
葱坊主見てゐてつまみたくなりぬ 大山里 200706
手力男祀る坐社葱坊主 松崎鉄之介 200706
いさぎよく呆けて風の葱坊主 藤岡紫水 京鹿子 200707
山鴉なき合ふ畑の葱坊主 山口千代子 万象 200707
身の内に船酔ひ残る葱坊主 大山文子 火星 200707
葱坊主山程捨てて行くをとこ 天野きく江 200707
海へ沿ふ鬼太郎電車葱坊主 椿光代 風土 200707
旧街道は昔尾根道葱坊主 平田紀美子 風土 200707
葱坊主息子三人に労られ 樺山翠 雨月 200707
葱坊主英才教育全寮制 長崎桂子 あを 200707
しあはせはまあるいかたち葱坊主 雨村敏子 200708
葱坊主偉くなりたくないと言ふ 相良牧人 200708
麺打ちてとことん無口葱坊主 品川鈴子 200708
葱坊主きよく正しく十五列 松井のぶ 200709
葱坊主直立かなしからざるや 岩岡中正 ホトトギス 200710
発着の飛行機の音葱坊主 竹内蒼礁 200710
葱坊主妣のゐさうな畑かな 工藤ミネ子 風土 200711
葱坊主偉くなりたくないといふ 相良牧人 200801
雲一つ無き日の不安葱坊主 峯桜子 遠嶺 200806
葱坊主小さき拳の天を突く 笹田浩朗 200807
葱坊主をちぎりて捨つる自虐かな 近藤紀子 200807
挫折せるものの目立ちて葱坊主 山口速 200807
葱坊主うすき座布団すすめられ 南うみを 風土 200807
泣き虫は父の遺伝子葱坊主 川口襄 遠嶺 200807
ふくざつな人間関係葱坊主 伊藤希眸 京鹿子 200807
そのうちと些事をためこむ葱坊主 寺坂八重子 京鹿子 200807
負ひし子の眠りて重し葱坊主 長坂ヤス子 酸漿 200807
葱坊主うなづき合うて種零す 窪田粧子 馬醉木 200808
葱坊主男もすなる厨ごと 樺山翠 雨月 200808
葱坊主天水溜めて畝三筋 樺山翠 雨月 200808
用なきに電話くるる子葱坊主 樺山翠 雨月 200808
立ち疲れ折れ伏すもあり葱坊主 三輪温子 雨月 200808
葱坊主ひとに第二と言ふ門出 吉田かずや 春燈 200808
絶え間なき車の流れ葱坊主 芝尚子 あを 200808
葱坊主 →3      

 

2022年5月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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