葱の花    41句

一日を白紙で終る葱の花    渡辺延子    碧潭

葱の花  葱坊主

作品
作者
掲載誌
掲載年月
すぐそこと言はれて遠き葱の花 野澤あき 火星 199905
一つにて足るものに墓葱の花 田中藤穂 水瓶座 200002
隠しだて出来ぬ性分葱の花 小澤スミエ 200007
くたびれてさみしくなりぬ葱の花 岡本眸 200008
葱の花秋篠寺へ道細き 小林優子 酸漿 200104
葱の花石工をりをり石濡らす 木曽岳風子 六花 200109
近道はどこにもなかり葱の花 加藤みき 200205
風上に母ゐて眠し葱の花 小林和子 風土 200207
孤を描く畝うつくしき葱の花 中道錦子 200208
母ほどに愛嬌なくて葱の花 今井松子 遠嶺 200210
三日坊主とはわがことよ葱の花 水原春郎 馬醉木 200306
葱の花盲導犬の目の優し 筑紫次郎 雲の峯 200306
一芸とも云へぬ句作り葱の花 岡本眸 200307
葱の花拳は木偶の膝頭 陶山泰子 ぐろっけ 200307
晩学や菜の花葱の花灯し 奥田筆子 京鹿子 200401
村の子の挨拶上手葱の花 東條未英 200407
安穏と生くる不安や葱の花 宮坂恒子 200504
葱の花佛心は臍あたりかな 本多俊子 200505
人肌の厄除だんご葱の花 山崎靖子 200508
子の黙にすべなくをりぬ葱の花 宮倉浅子 遠嶺 200508
報まるる日はいつか来る葱の花 宮澤さくら 遠嶺 200606
不仕合せたりし妻かも葱の花 八木柊一郎 ぐろっけ 200607
南へ一靡きして葱の花 天野きく江 200807
葱の花天使は羽根を休めをり 加藤みき 200906
菜園に背丈並べて葱の花 川出浩之 201006
都庁より西に住ひて葱の花 神蔵器 風土 201104
初見参こんな大きい葱の花 大橋敦子 雨月 201106
鶏放つ庭の畑の葱の花 廣瀬雅男 やぶれ傘 201107
声出さばくじけてしまふ葱の花 柴田佐知子 201107
葱の花闌くるにまかせ廃れ畑 川村欽子 雨月 201208
日と月とゆつくり代る葱の花 林昭太郎 あまねく 201210
頭みな撫でてやりたき葱の花 近藤喜子 ミネルヴァの梟 201303
葱の花過ぎたる日々の在り所 武藤嘉子 201405
オルガンの間延びの唄や葱の花 和田照海 京鹿子 201407
泣き場所は知られたくない葱の花 中島悠美子 京鹿子 201506
不揃ひのそのままが好き葱の花 近藤喜子 201607
鉢巻の若き教師や葱の花 鎌田光恵 201705
朝夕の梵鐘に閑け葱の花 田代民子 201708
生きそびれ死にそびれして葱の花 小宮山遠 201805
葱の花落第坊がいとほしむ 定梶じょう あを 201906
葱の花終生兄とくらべらる 戸栗末廣 202302

 

2023年5月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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