夏の川      109句

夏の川  夏の河  夏川・夏河

作品
作者
掲載誌
掲載年月
休日といふ賑はひに夏の川 稲畑汀子 ホトトギス 199906
雨多きなごりとどめて夏の川 稲畑汀子 ホトトギス 199906
水踏んで渡る子のゐて夏の川 柏井幸子 円虹 199909
夏の川ぬけがらのごと乾きをり 長山あや 円虹 199909
夏の川祭りのあとの足浸す 小枝恵美子 ポケット 199911
筏曳く音はアレグロ夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 200105
空落ちてをり千仞の夏の川 下村志津子 銀化 200108
たぎつ瀬のあと平らかに夏の川 當麻幸子 俳句通信 200109
惰性にも波長のありし夏の川 鈴鹿仁 京鹿子 200110
晩夏の川でとつぜん哲学的になった 斎藤白砂 海程 200112
夏の川フオッサマグナの貫通す 能勢京子 船団 200202

 今井風狂子句集序句

六甲を源流とせし夏の川

稲畑汀子 ホトトギス 200206
濁流となり地獄めく夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 200207
青竹の筏の下る夏の川 長山野菊 雲の峯 200207
競輪の漢の猫背夏の川 山越勝美 遠嶺 200209
双胴船自転車を乗せ夏の川 鈴木てるみ ぐろっけ 200211
夏の川逆らひながら鯉五匹 芝宮須磨子 あを 200306
ここからは侵入禁止夏の川 田原佐知子 帆船 200307
岩を縫ひ岩を打ちたる夏の川 吉成美代子 あを 200307
暮れなづむ靄のなかなり夏の川 中川二毫子 遠嶺 200308
メンソーレ牛車にゆられ夏の川 長谷川としゑ ぐろっけ 200308
樹の姿水にくづるる初夏の川 岩上とし子 200309
銀にまた鐵に夏の川 佐藤喜孝 あを 200402
弔電の中よりひゞく夏の川 神蔵器 風土 200408
さんざめく声する方へ夏の川 瀬下るか 200409
破調の日夏の川なら身を委す 瀬下るか 200410
夏の川父の姿をさがしけり 大槻球子 遠嶺 200411
大らかに町を隔てし夏の川 寺門丈明 あを 200508
手をつなぎ子と飛びこめり夏の川 藤井智恵子 百鳥 200511
行く夏の川鵜漁る刻ながし 関戸国子 酸漿 200511
水尾長く長く船行く夏の川 稲畑汀子 ホトトギス 200606
草伸びし川底さらす夏の川 松原智津子 万象 200611
モジリアニあるいは蕪村夏の川 中原幸子 以上、西陣から 200705
始まりはこの一滴に夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
その中の命増えゆく夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
里山の使者を運びて夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
初夏の川つと石投ぐる少女をり 戸谷たみ子 酸漿 200707
夏の川風散らばつて行きにけり 倉持梨恵 200710
音立てて象の小川も夏の川 稲畑汀子 ホトトギス 200806
夏の川この橋渡れば母の家 阿部悦子 酸漿 200809
一日の空を映せり夏の川 新宅待春 炎環 200810
夏の川砂白じらとながれ橋 近藤紀子 200810
夏の川いくつ渡れば夢醒めん 松田都青 京鹿子 200810
夏の川歩く速さの舟載せて 市村健夫 馬醉木 200812
子供らの素足まぶしき夏の川 小澤昭之 200908
裾たくしあげて脛まで夏の川 丑久保勲 やぶれ傘 200909
太古よりかかる一瀑夏の川 伊藤敬子 200912
鳥型の小舟流れる初夏の川 林日圓 京鹿子 201005
夏の川やがて近江の大湖へと 竹内悦子 201009
忽ちに海へ届きぬ夏の川 稲畑汀子 ホトトギス 201106
急流のしぶき巻上げ夏の川 榎本ふじえ 風土 201108
岩を食み岩に砕ける夏の川 大地真理 201109
子等遊ぶ小石ぐらぐら夏の川 高橋泰子 201109
櫂の音つぎづぎ乗せて夏の川 橋本くに彦 ホトトギス 201110
夏の川越ゆれば街の蠢ける 吉田葎 201204
夏の川越ゆれば街の蠢ける 吉田葎 201205
夏の川ポンポン船に人と犬 大日向幸江 あを 201207
立夏の川の日本海へと迸る 渡邉美保 火星 201208
初夏の川の光を掬ひけり 岩下芳子 201208
遠くほど光る漣夏の川 木村茂登子 あを 201208
夏の川風と織りなすフアンタジー 本多俊子 201209
バーベキュー煙と笑ひ夏の川 岡野安雅 かさね 201209
栗駒の渓たばしるや夏の川 森屋慶基 風土 201210
古色残る蔵の喫茶や夏の川 川井素山 かさね 201211
初夏の川いつの遅れる子鴨一羽 斉藤祐子 あを 201308
夏の川生命のみこみ大海へ 江島照美 201310
黒々と水明りして夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 201406
鳩鳴いて夏の川辺の夜明けかな 白石正躬 やぶれ傘 201407
オカリナは土民のつぶやき夏の川 鈴木一広 201410
飛び石を伝ひ帰れぬ夏の川 高橋泰子 201509
瀬を抜けて子らと遊べり夏の川 工藤ミネ子 風土 201510
一川は信濃へ木曽の夏の川 池田友之 夏雲 201603
夏の川釣果気にせぬ竿二本 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
夏の川渡り返して帰路となる 稲畑汀子 ホトトギス 201605
木陰ではゆつくり流れ夏の川 高橋将夫 201608
夏の川紙飛行機が着水す 高橋将夫 201609
夏の川一両電車軋み行く 藤田美耶子 201609
両側の草を倒して夏の川 出口誠 六花 201609
夏の川釣り人の浮子静かにて 白石正躬 やぶれ傘 201609
太陽の渦まいてゐる夏の川 きくちきみえ やぶれ傘 201611
濁流の渦巻き走る夏の川 本間せつ子 末黒野 201611
コックスの声こだませり夏の川 高橋泰子 末黒野 201708
夏の川ヒョイと跳び越す長き足 たかはしすなお 201709
岩を噛む逆白波や夏の川 中村千久 万象 201710
杉の修羅落し間近に夏の川 竹内喜代子 雨月 201710
鯉の顎はづれるほどや夏の川 小倉純 末黒野 201710
曇天のとろみ加へし夏の川 橋本くに彦 ホトトギス 201712
さざ波が遡上してゆく夏の川 高橋将夫 201809
背水の陣の後ろは夏の川 高橋将夫 201809
少年は探険が好き夏の川 涌羅由美 ホトトギス 201810
夏の川六甲の瀬音を取り戻し 涌羅由美 ホトトギス 201810
悠然と茜に染まる夏の川 涌羅由美 ホトトギス 201810
子ら並び競ふ水切り夏の川 中野大樹 末黒野 201810
たつぷりと雲を映して夏の川 田代貞香 201812
明け暮れに笹の葉探し夏の川 吉宇田麻衣 201902
ローマヘの道開かれて夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
夏の川渡れば大気入れ替る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
「志子淵」の神を難所に夏の川 橋添やよひ 風土 201906
喜びの流れて来たる夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
夏の川星野仙一邸見上げ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
海そこに山近づけて夏の川 稲畑汀子 ホトトギス 201906
板根のうねりて夏の川濁る 佐久間敏高 201908
夏の川富士湧水の吹きあぐる 岡村彩里 雨月 201909
流木の白さを残し夏の川 山田佳乃 ホトトギス 201911
夏の川芥は過去へ流れゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202006
夏の川映像でもふと旅気分 吉宇田麻衣 202009
ぶつかりて白くなりゆく夏の川 出口誠 六花 202010
倒木をこちらに向けて夏の川 出口誠 六花 202010
水嵩に戸惑つてゐる夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
橋桁を洗ひ上げたる夏の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
降りさうな雲より暗き夏の川 きくちきみえ やぶれ傘 202109
嵩を増し大小泳ぐ初夏の川 長崎桂子 あを 202207
初夏の川の流れを呑む烏 天野美登里 やぶれ傘 202208
句を一つ考案中や夏の川 山田六甲 六花 202206
夏の川足を投げ出す沈下橋 荒井桂子 ホトトギス 202212

 

2023年5月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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