夏 草 2     131句

夏草に汽罐車の車輪来て止る    山口誓子

夏草  夏の草  青草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏草やオリンピア丘火を集む 山崎悠二 帆船 200407
人家果て夏草の野の果もなく 谷榮子 雨月 200407
夏草やもう踏み込めぬ屋敷跡 志水千代子 雲の峰 200408
夏草の濃くて稲荷に近づけず 前阪洋子 雲の峰 200408
夏草や河内にありし馬飼部 松崎鉄之介 200408
夏草の休耕田に土盛らる 溝口ゆき 百鳥 200409
沼見えて夏草胸を押しにけり 恒川絢子 対岸 200409
夏草の奥に水音朝日射す 恒川絢子 対岸 200409
夏草や鴨御猟場ののぞき穴 飯田希々 草の花 200409
夏草や語り継がるる古戦場 池部久子 酸漿 200409
朝明の夏草刈の鎌を研ぐ 永田あき 酸漿 200409
夏草や笛吹川に日の弾む 清水和子 酸漿 200409
夏草や鉱山跡の鉄格子 中元英雄 河鹿 200409
UFOだ夏草原の白はパオ 寺門丈明 あを 200409
夏草や一揆処刑の石一つ 宮脇ちづる 200410
夏草や矢印落ちし案内図 寺内佶 遠嶺 200410
夏草を食ぶたくましき白馬かな 山下美絵子 遠嶺 200410
Tシャツに何処の夏草つけて来し 小嶋洋子 200410
夏草や渚の音を封じ込む 芝川百合子 京鹿子 200410
夏草の中にせせらぎ紛れこむ 仲井義明 雲の峰 200410
夏草に風の跡ある広島忌 湯浅康右 草の花 200410
夏草の中に鍬取る媼かな 坪田秀邑 河鹿 200411
夏草に武装を解きて糞りし 泉田秋硯 200411
夏草や平気で生くる術を知る 橋本良子 遠嶺 200411
夏草を成敗したる大き鎌 長田秋男 酸漿 200411
夏草に駆け込みファウルフライ受く 櫻井幹郎 百鳥 200411
夏草の覆う古井戸蓋されて 品川鈴子 ぐろっけ 200412
夏草に句碑の伽石しづみゐし 田中靜龍 ホトトギス 200501
夏草やローマを語る石と石 成瀬櫻桃子 春燈 200504
夏草の思ひの丈や兄の死後 河口仁志 200508
夏草の吹かれ城址の高くあり 堀木基之 百鳥 200508
夏草の風吹き上る千枚田 安井和子 築港 200508
夏草やにはか農夫の鍬さばき 早水秀久 河鹿 200509
旨さうな夏草茂り馬の墓 林翔 200509
夏草とここ十年の疲れかな 八田春木 百鳥 200509
木下闇冬虫夏草ちらちら生ふ 松崎鉄之介 200509
夏草やわが影一筋にも乗らず 豊田都峰 京鹿子 200509
夏草を踏む一本の道となるや 豊田都峰 京鹿子 200509
夏草を剪るたび鳴らす花鋏 柏木昭子 築港 200509
夏草に岩転がしただけの庭 柴原保佳 ホトトギス 200510
野馬つなぐ杭夏草の中に打つ 岡崎桂子 対岸 200510
夏草や通船堀は江戸遺跡 朝倉富次 酸漿 200510
夏草や文字読みにくき松姫碑 福澤乙 酸漿 200510
夏草や道のしだいに煮え詰まる 菊谷潔 六花 200510
夏草の人を拒めり防空壕 石堂絹子 河鹿 200510
夏草の塞いでしまふ獣道 苑実耶 200511
夏草刈る嫋やかなるも屈強も 岸本敬子 築港 200511
夏草のいきれは流しきれぬ雨 市場基巳 200601
夏草や笛吹川の水ゆたか 清水和子 酸漿 200603
人目に曝す一基夏草の蔭だに欲し 瀧春一 瓦礫 200606
夏草や闇の恐怖をひそませて 稲畑汀子 ホトトギス 200607
夏草の哀史を蔽ふ廓跡 橋本昭子 四葩 200609
夏草の水玉ちらし下りけり 下山田美江 風土 200609
夏草や野兎崖を轉げ落つ 関口青稲 万象 200609
母校への道の記憶に夏草も 高倉和子 200609
夏草の宮址守る三世菓舗店主 奥村鷹尾 京鹿子 200609
道の辺の夏草に名のありや有る 千田百里 200610
夏草や働く船と向き違へ 府川房江 遠嶺 200610
夏草やもぬけのからのランドセル 浜田はるみ 遠嶺 200610
梅雨明けぬに冬虫夏草出でにけり 松崎鉄之介 200610
夏草や墓標北向くサンダカン 近藤幸三郎 風土 200610
夏草のわがままな丈触れ通る 濱地恵理子 200610
夏草に埋もれ真実一路の碑 山崎靖子 200611
孟夏草木長くる廬山へ登りけり 松崎鉄之介 200611
夏草や籠に耕の紐つけて 樋口みのぶ 200611
夏草の下を流るる山の水 松下幸恵 六花 200705
夏草の路に吾が子が見送れる 瀧春一 200706
夏草の路を人行けり吾がごとく 瀧春一 200706
夏草の伸び見ぬふりを通しけり 小菅礼子 春燈 200708
父の墓夏草踏めばすでに露 加瀬美代子 200708
夏草の胸の高さのつづきけり 横川泰子 酸漿 200710
夏草の一本づつの細さかな 高木智 京鹿子 200710
夏草の匂ひて池の汚れだす 木内憲子 200710
夏草の高さを出でず蝶白し 木内憲子 200710
夏草生ふ庭に男のシャツ濡れて 樋口みのぶ 200711
夏草や英治の句碑に背伸びする 小野寺節子 風土 200712
計り売る冬虫夏草神の留守 夏秋明子 船団 200803
浅沓の踏みし夏草けぶりけり 山尾玉藻 火星 200807
夏草を食み肉牛として育つ 青山悠 200808
夏草や長き御手に観世音 浅田光代 風土 200808
夏草の先に白亜の村役場 瀬島洒望 やぶれ傘 200808
夏草に切れし小指の血のにじみ 北澤星子 遠嶺 200809
三脚をさす夏草の香を宥め 能村研三 200809
国立病院大夏草の中なりけり 井上信子 200809
夏草の山路もろとも削ぎし地震 安原葉 ホトトギス 200810
夏草や生かされ生きて夜坐をくみ 薗田英治 遠嶺 200810
夏草や我をひつぱる子のちから 太田佳代子 春燈 200810
夏草や二軒長屋のもやひ井戸 吉川隆 春燈 200810
夏草や村に京極マリア伝 浜福惠 風土 200810
夏草ヘレールが錆びてゆきにけり 根岸善行 風土 200810
夏草やレジャーボートの渡跡 浅野惠美子 酸漿 200810
夏草や売地の札のそこここに 家塚洋子 酸漿 200810
夏草を掻き分けてくる山羊の角 若井新一 200811
甘樫の丘の夏草風騒ぐ 稲岡長 ホトトギス 200811
夏草に呑み込まれたる芦屋川 佐土井智津子 ホトトギス 200811
夏草を行けば世阿弥の配所跡 手島伸子 雨月 200811
主なき夏草茂る生家跡 長瀬節子 ぐろっけ 200812
夏草の名草醜草何れとも 稲畑汀子 ホトトギス 200906
夏草を食む水牛のゆがみ角 塩路隆子 200907
夏草の深きに鎌のひとり言 岡野ひろ子 200907
夏草のそよぎに月の痩せてゐし 山尾玉藻 火星 200907
夏草や湖へ傾く木灯台 小澤菜美 200908
夏草に埋もるる女神よるべなし 神原徳茂 遠嶺 200908
夏草や人来て墓へ挙手の礼 白神知恵子 春燈 200908
夏草や先人抗匪の石隆門 廖運藩 春燈 200909
夏草や鉄柵越しの異人墓 佐藤博重 春燈 200909
夏草に城垣攀じる綱一本 高橋敏 200909
夏草のぼうぼうに入る病める足 坂本俊子 200909
夏草の畦陵を遠くせり 大山文子 火星 200909
夏草の伸び放題の放棄田 羽賀恭子 200909
夏草や源義の句碑仄暗し 須賀敏子 あを 200909
凄まじき夏草の中に老婦人 田尻勝子 六花 200909
松籟や夏草匂ふ遊歩道 加藤克 200910
夏草や完走自転車倒れ込む 垣岡暎子 火星 200910
夏草や実験動物供養塔 川崎真樹子 春燈 200910
夏草や人逝き嬰児の夜泣き 荒木甫 200910
夏草に帽子の沈むけもの道 明石文子 ぐろっけ 200910
夏草の波うちそよぐ風のあり 家塚洋子 酸漿 200910
糸に数珠つながる夏草透くごとく 宮本佳世乃 炎環 200910
海捨てて夏草まとふ錆錨 木村公子 花貝母 200911
夏草をたたき雨来る川辺かな 白石正躬 やぶれ傘 200911
夏草の向うに白き捕虫網 松村光典 やぶれ傘 201004
夏草や夢つなぐため雲流す 鈴鹿仁 京鹿子 201007
夏草の中を一直線の風 高倉和子 201007
夏草食む音の他なし岬馬 山本耀子 火星 201008
ハッチ開き土夏草に噎せし人 石川元子 酸奬 201008
夏草や手甲脚絆の紐緩む 加藤利勝 酸奬 201008
夏草の穂絮茫々宙を舞ふ 冨田ヒナ江 201009
夏草やいよよ一途といふ余生 北川孝子 京鹿子 201009
夏草引く空想の部屋抜け出して 井尻妙子 京鹿子 201009
夏草や雲助屯せし昔 今井千鶴子 ホトトギス 201010
夏草や人に齢の堰のあり 小黒加支 酸奬 201010
夏草や豚の声する比企の里 瀬島洒望 やぶれ傘 201011
夏草や崖半聾の狼煙跡 布川孝子 京鹿子 201011
独居の庭夏草の舞台なり 松本和子 酸奬 201011
夏草やレールの多き操車場 渡邉孝彦 やぶれ傘 201012
園丁の鎌を夏草怖れけり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
夏草 →3      

 

2021年8月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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