夏の草     50句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
やたらめったら蝶触れてゆく夏の草 田中空音 海程 199812
窓のなきホテルに活けて夏の草 稲畑汀子 ホトトギス 200006
街道駈く嘶ゆの夢や夏の草 宇都宮滴水 京鹿子 200008
石畳遺る渡船場夏の草 鵜飼紫生 雨月 200011
道灌の石積み円し夏の草 篠田純子 あを 200107
緞帳の裾をはみ出す夏の草 山県總子 銀化 200109
捨て小屋にたつきの跡と夏の草 芝宮須磨子 あを 200208
ひたすらに光を返す夏の草 森理和 あを 200208
礎石のみ立ちたる宮址夏の草 塩川雄三 築港 200209
代表にはづれし選手夏の草 平田倫子 百鳥 200210
計画の明日のばしに夏の草 おおた敏 銀化 200210
じわじわと生命強しや夏の草 小滝奈津江 酸漿 200211
奥入瀬の水音かくす夏の草 阿部正枝 絵具箱 200304
埋もれる屋根にも生ふる夏の草 芝宮須磨子 あを 200309
黒牛のねそべる夏の草千里 山下美絵子 遠嶺 200510
根を張りし僅かなすき間夏の草 長崎桂子 あを 200509
盛者必衰ウィンブルドンの夏の草 陳錫恭 春燈 200609
蝶隠るすべなき淡き夏の草 千葉栄子 200608
奔放の底力かな夏の草 松岡三夫 200610
雨溜めてゐる藁屋根に夏の草 田所節子 200809
仰のけに馬が背を摩る夏の草 落合裕子 万象 200810
放牛の好みし向きや夏の草 鈴木多枝子 あを 200810
城跡の石垣覆ふ夏の草 笠井清佑 200909
川の瀬の飛石隠す夏の草 田尻勝子 六花 200909
ひつそりと道標仔ちて夏の草 高野幸次 200910
長政の自刃跡なり夏の草 能勢栄子 201009
長政の自刃跡なり夏の草 能勢栄子 201009
空港へ海より降下夏の草 数長藤代 201009
風の色作ってをりぬ夏の草 大島みよし 201010
留守がちの窓に届きし夏の草 荻野加壽子 万象 201110
夏の草みんなで引いて七回忌 深川敏子 春燈 201209
かつて足尾いま福島や夏の草 森田尚宏 201209
名の知らぬ初夏の草花散歩みち 古林田鶴子 ぐろっけ 201209
すてられて錆びぬ金属夏の草 佐藤喜孝 あを 201209
滑走路割りて背伸ばす夏の草 三橋早苗 ぐろっけ 201310
蹴り上げる馬の蹄や夏の草 溝渕弘志 六花 201407
金網を出ろでろ夏の草いろいろ 佐藤恭子 あを 201512
夏の草曾ての鉄路ほしいまま 吉田政江 201609
大地這ふ根の力こそ夏の草 芝田幸惠 末黒野 201611
茅屋根や崩れに生ふる夏の草 庵原敏典 末黒野 201704
人住まぬカラフルな夏の草花 長崎桂子 あを 201707
右傾化や抜いても抜いても夏の草 七郎衛門吉保 あを 201708
水漬けどもいまだ旺盛夏の草 松林依子 201710
子を攫ふ丈となりたる夏の草 柴田佐知子 201807
更地はや覆ひつくして夏の草 大石よし子 雨月 201809
捨鶏舎の中まで進む夏の草 中田みなみ 201811
瓦礫の山割ってたくまし夏の草 渡辺節子 201912
一握の土に力や夏の草 江草礼 春燈 202009
明星や消ゆるまに刈る夏の草 竹村淳 202112
自転車の主あらはれず夏の草 竹中砂帰路 春燈 202208

 

2023年8月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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