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餅配大和の畝のうつくしく   大峯あきら   吉野

作品
作者
掲載誌
掲載年月
罅黴も生さぬ餅とやもの足らず 能村研三 201102
書斎に餅飾る橙ちょと傾ぎ 大橋敦子 雨月 201102
経机手作り敷物飾餅 福島悠紀 ぐろっけ 201102
ミニ飾餅にも格のありにけり 佐用圭子 201103
葬済みし夜の固き餅切りにけり 落合晃 201103
火の音を囃す餅搗き湯気の中 小澤菜美 201103
何処となく懈き関節餅を焼く 川崎利子 201103
望郷の息吐く餅を焼きにけり 上谷昌憲 201103
切餅の屑もめでたき初雀 中山純子 万象 201103
父の座に父なき月日餅飾る 川端俊雄 火星 201103
餅焼いて母のことなど老姉妹 島貫寿恵子 雨月 201103
餅莚とふなつかしきもの吾に 島貫寿恵子 雨月 201103
餅を搗く修羅のごとくに返し技 高根照子 201104
透析の話聞きつつ餅を切る 佐藤山人 201104
餅を焼く己が身の丈減らしつつ 成田美代 201104
餅を切る父の腰浮く冬日向 塚山田美恵子 火星 201104
餅搗きて先づは周りに配りける 岸本久栄 雨月 201104
餅を搗く音とは凹むときの音 後藤立夫 ホトトギス 201105
餅ひとつ入れて昼餉の小豆粥 廣瀬雅男 やぶれ傘 201105
餅焼いてひとりの家をふくらます 川崎よしみ 201106
昔ふくらむふるさとの丸き餅 成宮紀代子 201202
餅掲きの杵音絶えて器械音 藤見佳楠子 201203
マネキンの肩にしだるる餅手毬 辻知代子 201203
ふつふつと詩の満ちてきて餅焦がす 掛井広通 201203
復興へ月の兎の餅搗けり 池元道雄 馬醉木 201203
餅の音〆切迫る紀行文 林哲夫 ぐろっけ 201203
餅一つなだめ切れずにお正月 芝尚子 あを 201203
涙してどんど残り火餅を焼く 長崎桂子 あを 201203
もてなしのあん餅炙る若女将 粟倉昌子 201204
ムンクの叫び元日の餅ふくらみぬ 大島翠木 201204
餅搗きの声高くなり速くなる 石田きよし 201204
餅焦がす滅相もなきこころざし 平野みち代 201204
餅搗や昔は社宅総出して 田所節子 201204
餅つきや男束ねる母の声 吉田葎 201204
搗き立ての餅をまるめて厄落し 鴨下昭 201204
浸すもの浸し餅搗用意かな 成瀬真紀子 万象 201204
餅売の媼に隣る托鉢僧 久保村淑子 万象 201204
切り餅の豆の半身のみ焦がす 丸井巴水 京鹿子 201204
餅つきはお囃しリズムの子供会 古林田鶴子 ぐろっけ 201204
餅の杵バットのやうにあつかへず 細川知子 ぐろっけ 201204
七草の粥に入りたる小餅かな 永田万年青 六花 201204
餅腹や大手を振って一万歩 勝俣芙美子 ろんど 201204
餅焼ける匂ひただよふ夕茜 青山正生 201205
父祖の地の餅こがさぬやうに焼きぬ 青山正生 201205
氏神の餅をさらひし初鴉 大畑ハマ子 万象選集 201205
かまくらに小さき手小さき餅を焼く 土井ゆう子 風土 201206
陳謝しておれば餅焼く匂いかな 火箱ひろ 船団 201206
干餅のうすもも色の吊るさるる 工藤ミネ子 風土 201207
炭竃へ神酒と丸餅供へけり 山形悦子 万象 201207
息深くして切る餅の白さかな 北崎展江 くりから 201209
飾り餅のみに昔の店探す 品川鈴子 ぐろっけ 201212
餅切るや母の仕草のそのままに 小林はじめ 六花 201212
餅搗や慣れぬ手付の若夫婦 川井素山 かさね 201302
戦後はや餅ひきてゐし嫁が君 池田光子 201303
ぼろ市や代官餅の杵の音 菊地光子 201303
むらさきの山の端近し餅配 広渡敬雄 201303
先鋒・中継ぎ・押へを決めて餅を搗く 田中貞雄 ろんど 201303
都電の音餅へ搗き込み荒川区 石川寿夫 ろんど 201303
搗きし餅赤子抱くかに取り上げる 松木清川 ぐろっけ 201303
餅搗きの湯気を横目に句会へと 三輪慶子 ぐろっけ 201303
金風や餅踏みの子のよく笑ひ ふじの茜 201303
餅つきや母の差配を引き受けて 中井登喜子 201304
臼の中ぐうちよきぱあと餅手水 細川知子 ぐろっけ 201304
ぜんざいの二つの小餅京の昼 松村晋 ぐろっけ 201304
餅食べて一日過ごす妻の留守 大西八洲雄 万象 201304
鬼餅むーちーに指をよごして永らへる 前田貴美子 万象 201304
餅筵茶の間の廊下塞ぎけり 小林のり人 春燈 201305
子の視野に無き人となり餅を焼く 松田都青 京鹿子 201305
佛間にも干して五色の霰餅 石脇みはる 201305
鯉はねる音して稼ぐ名物餅 中山純子 万象 201305
餅を焼く根雪の底の土如何に 古川忠利 ろんど 201305
百八の音をひきずり餅に黴 中島讃良 ろんど 201305
かまくらやひよつとこ顔に餅ふくれ 大橋弘子 末黒野 201305
鯉はねる音して稼ぐ名物餅 中山純子 万象 201305
餅搗きて新しき月上がりけり 今瀬一博 201401
餅つきの筋肉痛ぞ寝正月 山田六甲 六花 201401
餅焼いて愛する人はひとりでよし 丸山佳子 京鹿子 201401
餅搗の裏の焚口いつか昏れ 佐藤喜孝 あを 201401
プラタナス樹下に幼児ら餅搗くも 築城百々平 馬醉木 201402
小丸餅八つ食べしが九つ目 常田創 201402
切餅を買うて那須野の旅終る 山田春生 万象 201402
鮭の町何かと言へば餅を撒く 半田稜 ろんど 201402
配り餅餡の塩梅褒めらるる 松岡和子 201403
網金の餅のふくれっ面愛す 定梶じょう あを 201403
餅つきや穏やかに日は流れける 中井弘一 201403
餅搗くや炎の舐める外竈 林八重子 馬醉木 201403
餅搗の音聞きたしとせがむ児ら 北尾章郎 201403
焼く餅の膨らむごとく蕾梅 山田六甲 六花 201403
勢ひ立つ湯気を先づこね餅の杵 西畑敦子 火星 201403
餅配終へし風呂敷たたまれし 西畑敦子 火星 201403
餅つきの子に替はりたる音らしく 西畑敦子 火星 201403
放たれし鶏にこゑかけ餅配 西畑敦子 火星 201403
ふる里のはなし沸点雑煮餅 佐瀬晶子 末黒野 201404
一臼は紅粉を入れて年の餅 宮井知英 201404
四日にも五日にも食ふ雑煮餅 近藤ともひろ 末黒野 201404
黙々と餅の黴取る独りかな 北岸邸子 春燈 201404
餅つきのあうんの呼吸夫婦かな 伊吹之博 京鹿子 201404
餅食むや切れない長さで伸びてゐる 松田都青 京鹿子 201404
餅搗きや小豆ふつくら煮え上る 谷岡尚美 201404
雀らに畦の光れる餅あはひ 蘭定かず子 火星 201404
餡の餅祖母の真似して丸めをり 石川かおり 福袋 201404
短所のみ似て切餅が膨れだす 丸井巴水 京鹿子 201404
思ひ出も炉火もはるけし餅こがす 小塙眞理 京鹿子 201405
餅膨れる悔のかたちのさまざまに 堀内一郎 堀内一郎集 201412
餅→ 5      

 

2021年1月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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