5   124句

餅配大和の畝のうつくしく   大峯あきら   吉野

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初冬やあふみに餅の祖を祀り 橋添やよひ 風土 201501
よそものともういはれずよ餅を搗く 山田六甲 六花 201501
餅を食む餅屋の軒の地蔵かな 奥井あき 201502
のし餅切る力加減のありにけり 中江月鈴子 201502
出生地あらかた判る餅雑煮 中江月鈴子 201502
路地よりの餅搗の音絶えしまま 山下潤子 201502
のし餅を凌ぐ旨みの供へ餅 森理和 あを 201502
餅を焼く新しき網 さら の箸 きくちきみえ やぶれ傘 201503
餅をつく湯気をちぎつて渡さるる 鈴木征四 201503
ぐうたらの猫のごと餅搗上ぐる 平野みち代 201503
父の手に重ね餅搗く湯気の中 林八重子 馬醉木 201503
餅を搗く悪妻賢母と言ふべかり 今瀬一博 201503
好物は砂糖しょうゆの角の餅 塩路彩奈(中一) 201503
去年より餅少な目に今朝の椀 黒住康晴 201503
神棚に餅を供へて年祝ふ 佐藤健伍 201503
朱の椀に丸餅機嫌よく浸かる 丸井巴水 京鹿子 201504
吾妹子といふ間柄餅焦がす 和田照海 京鹿子 201504
掛餅の水とはもう言へぬ覗きけり 稲畑汀子 ホトトギス 201504
紅餅の御前汁粉や夕霧忌 井口光石 風土 201504
餅焼きて餅に貰ひし火傷かな 仁平則子 201504
水餅のしづかや日日の刻流れ 伊東和子 201504
喜寿祝ふ餅の紅白春立ちぬ 脇康彦 201504
丸餅の品よき小振り京雑煮 大島寛治 雨月 201504
餅搗きて繋がる地縁ビルの街 斉藤マキ子 末黒野 201505
強面のやをら吹き出す寒の餅 中島芳郎 201505
餅のかび青さ愛でつつ削りけり 佐渡谷秀一 対座 201505
火達磨となる煩悩のとんど餅 和田照海 京鹿子 201505
とんど餅めでたく焦げて落人村 和田照海 京鹿子 201505
アリゾナの餅つき大会四百人 伊吹之博 京鹿子 201505
孫と過す午後のひととき餅を焼く 國保八江 やぶれ傘 201506
豆餅の豆をこぼして焼きあがる きくちえみこ 港の鴉 201510
小豆粥餅は二つりと決めてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
餅搗の出番となりし瑕の臼 水原春郎 馬醉木 201601
ぐうたらの猫のごと餅搗上ぐる 平野みち代 201602
園児らのヒーローとなり餅を搗く 松嶋一洋 201602
華やぎが欲しくて紅白ならせ餅 青野安佐子 201603
善哉に餅の焦げ目の甘さかな 渡部節郎 201603
餅配夕べ明るき山を見て 伊藤通明 201603
どの餅も母の声して年来たる 松田都青 京鹿子 201603
餅搗きの時給八百円稼ぐ 田中臥石 末黒野 201603
棟上げの餅の撒かれる年の暮 秋山信行 やぶれ傘 201604
数へ日の餅をしづかに焼いてをり 松田泰子 末黒野 201604
やはらかな餅やはらかな心かな 久保夢女 201604
搗きあがるころの餅つく園児かな 箕輪カオル 201604
干餅の角啄めり寒雀 小松敏郎 万象 201605
かまくらのこぼれ灯餅を焼く匂ひ 栗山恵子 雨月 201605
似た者の集ひ焼餅好みけり 風間史子 201606
胡桃・胡麻・黄粉・餡餅老いどちに 野沢しの武 風土 201607
橡餅のもち肌袋の中なれど 山田六甲 六花 201611
七日盆小餅の予約済ませけり 升田ヤス子 六花 201611
くるみ餅何より好きで泣き虫で 佐々木秀子 201611
普天間より鬼餅来たる吊るさうぞ 大坪景章 椿垣 201612
餅まきの空掴み合ふ農業祭 池元道雄 馬醉木 201701
園児らの間の手父が餅を搗き 林八重子 馬醉木 201703
寺町の路地に餅搗く匂ひかな 江見悦子 万象 201703
餅掲や盛り塩のする臼の縁 小沼ゑみ子 末黒野 201703
焼き網に中心のあり餅を焼く きくちきみえ やぶれ傘 201703
まだ残る湯気たのもしく餅届く 立村霜衣 ホトトギス 201704
呼び捨ての体育会系餅をつく 苑実耶 201703
籠る吾に事始めの餅下されぬ 岩井京子 201703
餅の黴削る一日の無聊かな 佐渡谷秀一 春燈 201704
ふくれ餅さむや小じわの己が貌 物江康平 春燈 201704
餅黴やあの懐かしきひびの割れ 赤松赤彦 六花 201704
輪になつて餅搗衆を囃しけり 佐藤三男 万象 201704
五歳児の餅のお代り頼もしや 大橋晄 雨月 201704
餅ふくる余生のことはさておいて 木戸渥子 京鹿子 201705
堅餅を切れて目出度し七十五 七郎衛門吉保 あを 201703
餅のかびけづりかかはりもうもたぬ 中川句寿夫 ここのもん 201705
豆の餅仏の妻をよろこばす 中川句寿夫 ここのもん 201705
なるやうにしかならぬなり餅にひび 中川句寿夫 ここのもん 201705
まだ若いつもり豆餅焦がしけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
餅のかび芯まで削る一日かな 渡谷和代 万象 201705
三代の総出に餅を搗きにけり 志方章子 六花 201705
天保と読める祠や餅供ふ 菅野日出子 末黒野 201705
賜りし若餅の赤よく伸びて 岩井京子 201706
焼餅に仕上げの印やうららけし 永淵惠子 201706
餅焼いて昨日を遠くしてをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
餅を食ぶ待降節の一と日かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
餅焼いて恋を捨てたる女かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
枯山へ餅搗く音のえくぼなす 神蔵器 風土 201712
明日葉を入れて祝ひぬ雑煮餅 山田六甲 六花 201801
いささかの餅と酒買ふ年用意 懸林喜代次 春燈 201802
煤梁に届かんばかり餅の杵 南うみを 風土 201803
餅搗くと臼に莚を噛ませけり 南うみを 風土 201803
妻も吾も筑前育ち丸き餅 広渡敬雄 201804
丸餅に祝ふ故郷の節雑煮 江木紀子 雨月 201804
盛大に膨れし餅よ少し酔ふ 久保夢女 201804
焦げ色のほのかに匂ふ雑煮餅 磯貝尚孝 清閑 201804
千人の観客集め餅を搗く 伊吹之博 京鹿子 201805
残り福めでたく餅を拾ひけり 住田千代子 六花 201805
七秒で忘るる姉に餅を焼く 永淵惠子 201806
雑煮餅一つで足らふ身となりぬ 青木朋子 201806
在所からうからやからへ年の餅 佐々木あつ子 やぶれ傘 201806
餅搗きの男より湯気立ちのぼる 谷田明日香 風土 201901
団地餅つきゆげゆげ湯気の笑顔かな 篠田純子 201902
餅搗や去る年号を惜しみつつ 飛田典子 末黒野 201903
搗きたて餅盤切にどかと置く 小原芙美子 風土 201811
残り福めでたく餅を拾ひけり 住田千代子 野に遊ぶ 201811
餅搗きの音が蕉翁の碑のあたり 鈴木崇 201903
包丁に体重のせて餅を切る 篠崎志津子 やぶれ傘 201904
勾玉の形リとなりたる雑煮餅 中貞子 201904
町会へころがし貸すや餅の臼 鈴木庸子 風土 201904
年の瀬や湯気噴きあぐる餅搗機 岡田史女 末黒野 201904
ふる里の餅大きくてよく伸びて 石黒興平 末黒野 201904
ぽつくりを履いて花びら餅買ひに 三谷さかゆ 風土 201904
切り餅の三切れとなりぬ水を替ふ 小川玉泉 末黒野 201904
二臼目の腕の疲れやからみ餅 大霜朔朗 末黒野 201904
風に乗り餅つき会のざわめきが 赤松赤彦 六花 201904
餅だけは喰うてごろ寝の漢かな 赤松赤彦 六花 201904
膝の粉はらひてたたむ餅莚 柴田志津子 201904
餅撒いて大団円の里神楽 永淵惠子 201906
餅搗や棟梁来れば酒盛に 曽根富久恵 201907
餅搗きのかつてはありしダムの底 三井所美智子 201907
冬晴へ棟上げの餅放り上ぐ 小原芙美子 風土 202002
茶の花を活けて女将の餅太り 篠田純子 あを 202003
死ぬまでの退屈しのぎ餅を焼く 亀田虎童子 202003
珈琲に餅を二つといふ昼餉 安藤久美子 やぶれ傘 202003
餅丸くまるくと祖母のこゑ耳に 大上充子 馬醉木 202003
餅間の白粥うまし吹き窪め 斉木永久 馬醉木 202003
一口をしっかり噛みし雑煮餅 大日向幸江 あを 202003
餅掲きを手伝ふ妻や豪農家 田中臥石 末黒野 202004
西は○○東は□□□雑煮餅 榎並しんさ 船団 202006
餅買へば釣銭に粉付いてをり 秋千晴 202007
餅搗に手拍子ありぬ介護苑 石井美智子 風土 202011
餅→ 1

 

2021年1月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。