2021年3月6日 d>
水温む 4        159句

水温む  温む水

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水音もどこか違ひて水温む 稲畑汀子 ホトトギス 201103
水温みゐし旬日のあともどり 稲畑汀子 ホトトギス 201103
水温み岸辺離るる二羽の鴨 野中弓子 酸漿 201104
地震の国の友無事に在り水温む 赤座典子 あを 201104
水温み河川工事の捗れる 山口キミコ 201105
弁財天に美人証明水温む 門伝史会 風土 201105
水温む甲羅干す亀泳ぐ亀 鈴木鳳来 春燈 201105
宝相華文御堂に映えて水温む 齋藤晴夫 春燈 201105
水温む石一枚の平ら橋 松本三千夫 末黒野 201105
水温む夫の買ひきし無洗米 和田政子 201105
雲の影いくつも通し水温む 林昭太郎 201105
水温む新居の住まい方に馴れ 宮村フトミ ぐろっけ 201105
山鳩のこゑすることも水ぬるむ 大島英昭 やぶれ傘 201105
母の墓へ灌頂の水温みけり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
水温むふるさとびとは情厚し 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
水温む思ひ出よきことのみ残る 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
大股の鷺の差し足水温む 川崎良平 雨月 201105
名の街の紙灯籠や水温む 村高卯 201106
土くれを砕けば日の香水温む 秋葉雅治 201106
水温む昨日と違ふ鳥の声 吉村光子 万象 201106
戦史あまた重ねし御苑水温む 大橋晄 雨月 201106
金閣の影を宿して水温む 森脇貞子 雨月 201106
幼にも芽生の闘志水温み 田中清子 雨月 201106
水温む釣りのたよりもほつほつと 川村欽子 雨月 201106
谷川の一掬の水ぬるみをり 武生喜玖乃 雨月 201106
合性の善し悪し言うて水温む 鈴木藤子 ろんど 201106
四股踏んで野見宿禰や水温む 小瀧洋子 ろんど 201106
水温むけんけん跳びの子等の声 佐藤玲華 ろんど 201106
水温むわが身とろりと重きかな 長山あや ホトトギス 201107
水温む小石にもある器量よし 川上久美 ろんど 201107
潮どまり安治川口の水温む 廣瀬義一 雨月 201107
国宝の落慶供養水温む 奥村真人 雨月 201107
水温む底泥あふる鯉の鰭 加藤正子 酸漿 201107
激震のなごり身内に水温む 大場ひろみ 馬醉木 201110
水温むもったいないと母の癖 紀川和子 うらら 201202
水温む前の呻きでありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201203
水音をへだてし玻璃戸水温む 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
ジャズベース低く這ひ来て水温む 鳥居おさむ ろんど 201203
大根抜く畑にポンプの水温し 古井公代 ぐろっけ 201203
流れ藻は稚魚の遊び場水温む 小山直子 末黒野句集 201203
水温む闘牛の角研きをり 早川芳子 末黒野句集 201203
子育ての牡の海馬に水温む 田中芳夫 201204
水温むいつも近くに妻が居て 穐好樹菟男 馬醉木 201204
陸橋はゆるい登りよ水温む 高橋泰子 201204
先を行く人のつまづき水温む 山尾玉藻 火星 201204
白壁に搖るる木洩れ日水温む 田中藤穂 あを 201204
ブルーギル釣りて嘆くや水温み 竹内悦子 201205
水温む餌付の鯉の序列かな 国包澄子 201205
水温む鯉の泳ぎも早くなり 青木英林 かさね 201205
水温む服装も軽き通勤路 菊地崇之 かさね 201205
かたまつてをみな等のこゑ水温む 石田阿畏子 馬醉木 201205
船宿の嬰の泣き声水温む 市川玲子 馬醉木 201205
水温むうすむらさきの遠筑波 岡野ひろ子 201205
水温む舳先そろへし舫ひ舟 安田とし子 ぐろっけ 201205
水鳥の一岸の水温めおり 鎌田悟朗 ろんど 201205
貝殻に雀のもやう水温む 田中文治 火星 201205
水温む小惑星のごとき河馬 竹生田勝次 風土 201205
シーソーに支点力点水温む 田村園子 201205
岩礁は潮の遊び場水温む 小林正史 201205
水温む土ふつくらと盛上る 安武晨子 201206
水温む種痘の碑読む佃島 小張昭一 春燈 201206
泡ひとつ魚息づきて水温む 藤原冬人 火星 201206
水温むブラスバンドの音合せ 藤田素子 火星 201206
水温む板一枚を橋として 松本三千夫 末黒野 201206
苗箱を洗ふやうやく水温み 田中臥石 末黒野 201206
小魚を狙ふ鷺の目水温む 久世孝雄 やぶれ傘 201206
水温む鯉の尾鰭のよく動く 長島操 万象 201207
白煙の威し鉄砲水温む 山田美恵子 火星 201207
淡海より京へとのぼり水温む 古賀しぐれ ホトトギス 201208
芝しかと育ちて邸の水温む 宮崎正 ホトトギス 201208
水温む声かけて稚魚放流す 太田チエ子 末黒野 201208
水温む橋下に眠る人柱 藤田かもめ ぐろっけ 201208
水温み細流に足入れ網を入れ 池田倶子 雨月 201208
見上ぐれば月と金星水温む 上林富子 やぶれ傘 201209
水温む屋号の謂れ忘れられ 石井美智子 風土 201211
励ますも叱るも介護水温む 酒井秀郎 返り花 201211
川幾つ越えて故郷水温む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
水温むあの日を思ひ出せはなほ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
水温む鶴塚橋の懐に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
濠の水温む城址の歴史秘め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
せせらぎの音の高さに水温む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
午後からの水温みゆく庭の音 稲畑汀子 ホトトギス 201303
水温む光と影の音の中 稲畑汀子 ホトトギス 201303
八百段のぼつておりて水温む 坂口夫佐子 火星 201303
水温みいつしか齢ふえにけり 武藤嘉子 201303
水温む眠気を誘ふ飛行機音 村上倫子 201304
水温み白き帆船動き出す 増田一代 201305
水温む親子のオールゆるやかに 安藤虎酔 かさね 201305
川はみな海をめざすや水温む 長久保郁子 かさね 201305
足元に土の香や水温む 青木英林 かさね 201305
水温む浜辺にじやれる子犬かな 吉田博行 かさね 201305
川遊びオールも軽く水温む 吉田博行 かさね 201305
水温む二つに分れ鯉の群 後藤克彦 かさね 201305
頬触れる風さはやかに水温む 菊地崇之 かさね 201305
蛇行してとどこほりなく水温む 風間史子 201305
日の濃ゆくなりたるところ水温む 山田暢子 風土 201305
九十の素眼の読書水温む 生田恵美子 風土 201305
良薬はたしかに苦し水温む 柳川晋 201305
巌を落ち巌を叩いて水温む 林昭太郎 201305
たつぷりと眠りしからだ水温む 細川洋子 201305
何の息ならむぽつりと水温む 菊川俊朗 201305
よろこびは自づと声に水温む 安田とし子 ぐろっけ 201305
ふくよかなほとけの素足水温む 川崎良平 雨月 201305
水温む面子のやうな石拾ひ 根橋宏次 やぶれ傘 201305
水温む語尾の伸びたる里言葉 小西和子 201306
米どころ佐賀クリークの水温み 山口キミコ 201306
山葵田の水車始動や水温み 三川美代子 201306
株の欄は老のロマンや水温む 北尾章郎 201306
日を映し星を映して水温む 田村園子 201306
水温む子を抱くやうに寄贈本 加藤峰子 201306
払うてもはろうても羽虫水温む 西村節子 火星 201306
水温む京の五条に人待てば 戸田春月 火星 201306
水底に影置く鯉や水温む 嵐弥生 末黒野 201306
指OK目玉OK水温む 中原幸子 船団 201306
フラミンゴの脚の百本水温む 森脇貞子 雨月 201306
三川を集めて淀の水温む 森脇貞子 雨月 201306
麩をやれば鯉の争ひ水温む 蒲田豊彦 雨月 201306
藁塚のいつも影せり水温む 瀧春一 花石榴 201312
水温むことに油断の一日かな 稲畑汀子 ホトトギス 201403
水温む頃の旅路となりぬべし 稲畑汀子 ホトトギス 201403
どことなく日当つて来し水温む 稲畑汀子 ホトトギス 201403
水温む頃の旅路でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201403
水温み子の忌も遠くなりゆけり 荒井書子 馬醉木 201404
水ぬるむ石段に腰おろさうか 山田六甲 六花 201404
ときおりは小魚の影水温む 貝森光洋 六花 201404
味めぐりの琵琶湖八珍水温み 小澤菜美 201404
宇治橋にダム放流の水温む 難波篤直 201404
繰言は心に秘めて水温む 石田阿畏子 馬醉木 201405
水温む木樽にもろみ息づけり 福島せいぎ 万象 201405
緩やかな列車の音や水温む 横山さくら 春燈 201405
一の橋二の橋高野水温む 永田圭子 ろんど 201405
研ぎ上げし米のきららか水温む 細川洋子 201406
生きてきた証だなんて水温む 陽山道子 船団 201406
橋脚の渦ひろがりぬ水ぬるむ 宮川みね子 風土 201406
水温む風やはらかく匂ひけり 青野安佐子 201406
水温む膝痛癒える兆しあり 青野安佐子 201406
水温む池の飛石不揃ひに 松本三千夫 末黒野 201406
厨より妻の返事や水温む 有本南陵 ろんど 201406
図書館に居眠り仲間水温む 安居正浩 201406
針金に掛ける雑巾水温む 丑久保勲 やぶれ傘 201406
象に乗る約束の日の水温む 坪内稔典 船団 201406
梵鐘の余韻こもるや水温む 井島郷雲 万象 201406
梁杭にまた同じ禽水温む 生田作 風土 201406
手水舎の竹筒青し水温み 田中淺子 201406
鳴きさうな亀の子束子水温む 上谷昌憲 201406
白鷺の抜き足差し足水温む 谷村祐治 雨月 201406
妻留守の自由不自由水温む 岡本一路 京鹿子 201406
今日のこと今日答出し水温む 北川孝子 京鹿子 201406
ものぐさな海豹も居て水温む 奥田茶々 風土 201406
水盤の龍のはく水温みけり 白石正躬 やぶれ傘 201407
水温む縄の結び目ゆるみをり 村田岳洋 ろんど 201407
水温み遠くなりけり富士の峰 布施由岐子 末黒野 201407
雑魚すくふ子も見当らず水温む 奥山テル子 万象 201407
水温む母に許されたる思ひ 天谷翔子 201408
水温み身軽な気分散歩道 山口利夫 璦別冊 201408
砂丘にもありしオアシス水温む 河野美奇 ホトトギス 201408
水温む川底光り魚の影 塩千恵子 201405
水ぬるむ淡海に漏刻復元図 岡本尚子 風土 201501
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2021年3月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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