水温む 3        115句

水温むとも動くものなかるべし    加藤楸邨

水温む  温む水

作品
作者
掲載誌
掲載年月
吃水を下げ大川の水温む 稲畑廣太郎 ホトトギス 200703
水温むここは音なき流れかな 稲畑汀子 ホトトギス 200703
職退きて調子良き胃や水温む 坂上香菜 時流 200703
鳥集ひ皇居の濠の水温む 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
水温む晝の休みの人と鳩 宮津昭彦 200704
手造りの二段弁当水温む 風間史子 200705
やはらかく雲の影おき水温む 菊地光子 200705
折り紙にやま線たに線水温む 小嶋洋子 200705
海光の耀ふ生簀水温む 近藤幸三郎 風土 200705
繋がるる舟に水路の水温む 三輪温子 雨月 200705
鴎鳴く安房の渚や水温む 宮崎見昭 遠嶺 200705
教頭の大きなかばん水温む 城孝子 火星 200705
水温むべく杭に鳥杭に鳥 岡本眸 200705
水温む一本足で鷺の佇つ 小松敏郎 万象 200706
水温むやさしき言葉に涙ぐむ 呂秀文 春燈 200706
水温む法然院へ入山す 代田青鳥 風土 200706
馬の鼻かるくたたきて水温む 杉浦典子 火星 200706
水温む蕪村の生地淀近く 大橋晄 雨月 200706
浮かびては消ゆるうたかた水温む 川崎良平 雨月 200706
ややありて崩る紙舟水温む 藤岡紫水 京鹿子 200706
柔らかき山の景色や水温む 佐原正子 六花 200706
病また命なりけり水温む 小林幹彦 200706
水温むとげぬき地蔵蒸まんとう 安部里子 あを 200706
学校に垂れ幕かかり水温む 城孝子 火星 200707
水温むころや屋台の丸木椅子 前田陶代子 200707
カヤックの櫂の掴みし水温む 阿久津勝利 万象 200708
旧跡を巡り野川の水温む 藤原りくを 八千草 200710
水温む波音といふコンチェルト 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
水温むとは船音に水音に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200803
水温むこれよりは恋のみに生き 稲畑廣太郎 ホトトギス 200803
水温む判読できぬメモの出づ 伊藤白潮 200803
川うその棲むてふ川なり水温む 金田美恵子 ぐろっけ 200804
閼伽の水温めるを汲み数珠鳴らす 伊藤白潮 200804
水温む陶の犬耳欠けてをり 赤座典子 あを 200804
水温む血になるものを多く摂り 伊藤白潮 200805
水温む美髯の息子の皿洗ひ 高久清美 200805
過去ありてこその吉報水温む 数長藤代 200805
八幡村字鳰亭の水温む 千田百里 200805
水温むささくれいつか忘れゐて 長谷川千枝子 200805
出羽海井筒春日野水温む 久本久美子 春燈 200805
水温む龍の蹲ひ目を覚まし 森山八重子 ぐろっけ 200805
復活の赤福餅や水温み 鈴木照子 200806
干し物に湯気ほのと立ち水温む 武藤嘉子 200806
水温む田の神もどる頃となり 林いづみ 風土 200806
水温む人肌色に草の丈 林いづみ 風土 200806
あの枝に今日もあの鳥水温む 北畠明子 ぐろっけ 200806
尼御所の石の井筒や水温む 竹内喜代子 雨月 200806
水温み気軽く渡る丸太橋 田中峰雪 雨月 200806
革命も恋も遥かや水温む 佐々木紗知 京鹿子 200806
水温みはや浮草のおほふ池 関戸文子 酸漿 200806
ほとほとと母の散歩や水温む 柴田佐知子 200806
水門に油差すひと水温む 大崎紀夫 やぶれ傘 200806
水温む木立と空を映しては 大島英昭 やぶれ傘 200806
加齢てふむつかしきもの水温む 北川孝子 京鹿子 200807
洗ひ場をル轍と呼びて水温む 和田一 雨月 200807
鍬洗ふ山家の夕べ水温む 和田一 雨月 200807
水温み泥んこ遊びの子が戻る 田中清子 雨月 200807
水温み目黒の男滝女滝かな 川島澄子 酸漿 200807
故里は母の居るとこ水温む 有本勝 ぐろっけ 200807
水温む沼杉たちの深呼吸 火箱游歩 船団 200809
水温む定時定刻なきくらし 伊藤白潮 200811
水温み水車こっとん蕎麦粉打つ 増田一代 200904
里山に竹伐る音や水温む 吉沢陽子 200904
水温む十指放てばゆるびけり 外川玲子 風土 200904
川底に落葉敷き詰め水温む 阿部悦子 酸漿 200904
図書館の蔵書点検水温む 奥村こちび 炎環 200905
箔を置くごとくに星や水温む 鷹羽狩行 200905
一日の凪一湾の水温む 藤井圀彦 200905
ネクタイに満ちし水玉水温む 野中亮介 馬酔木 200905
こだはりは豆腐の苦汁水温む 石脇みはる 200905
用水路ボール浮びて水温む 山荘慶子 あを 200905
ぼんやりと城を映して水温む 山田天 雨月 200905
缶からを冠る川杭水温む 根橋宏次 やぶれ傘 200905
ゆるやかに棹さす舟や水温む 細江久美子 春燈 200905
水温みセーヌの岸辺恋舞台 楯野正雄 200906
久びさの同窓会や水温む 大西八洲雄 万象 200906
水温む近づいて来し童唄 吉村光子 万象 200906
水温む青雲の日の旅鞄 川口襄 遠嶺 200906
水温む濠に白鳥寄添へり 石井邦子 酸漿 200906
水温み不忍池賑はへり 藤原さちよ 酸漿 200906
黒光る疎水の鯉や水温む 松本文一郎 六花 200907
水温む届かない声がゆらゆら 火箱游歩 船団 200909
九名が全校生徒水温む 野沢しの武 風土 201002
俳句とは縦に書くもの水温む 堀内一郎 あを 201002
水温む対岸までを近付けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
橋突き抜けてつきぬけて水温む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
水温むより大川の流れ急 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
水温む此岸彼岸を近付けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
拾ふ人捨てるひとあり水温む 堀内一郎 あを 201003
点滴のおちる早さに水温む 芝宮須磨子 あを 201003
観音につながる綱や水温む 西村節子 火星 201004
水温む娘が弟子入りの桶屋かな 森田節子 風土 201004
だるま市すみたる寺の水温む 大西八洲雄 万象 201004
尖つて渡りきし世や水温む 前田美恵子 201004
水温む弁天池の鯉大き 阿部文子 酸漿 201004
中の島をつなぐ橋脚水温む 山口キミコ 201005
水温む川底にごす魚の影 塩千恵子 201005
水温むころや入り日の三番瀬 安立公彦 春燈 201005
水温む徒食の日々にかくも慣れ 西川保子 春燈 201005
良き夢を見たる目覚めや水温む 小山ミツ子 末黒野 201005
水温む一羽の鷺の影落し 鈴木加代子 末黒野 201005
多喜二が血沸かせし運河水温む 吉田豊子 雨月 201005
水温む水輪残して川鵜たつ 木村コウ 酸漿 201005
水温むうしろ鳥形埴輪かな 田口紅子 201006
乱杭の乱のほどよく水温む 太田具隆 春燈 201006
水温む小橋渡れば札所寺 綱徳女 春燈 201006
魚糶の素早き符丁水温む 佐方敏明 ぐろっけ 201006
水温む讃岐の城に水手御門 島内美佳 ぐろっけ 201006
泥返す泥鰭つ子一つ水温む 石原光徳 酸漿 201006
川音の静かに聞え水温む 小野良高 酸漿 201006
可といへず不可ともいへず水温む 中野京子 201007
水温む夕べを鳴きて過ぐるもの 山崎靖子 201007
舟べりにわが影のおち水温む 白石正躬 やぶれ傘 201008
水温む音の流れでありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
水温む →4      

 

2021年2月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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