2021年2月25日 しメモや水温む

水温む 2     147句

これよりは恋や事業や水温む    高浜虚子

水温む  温む水

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水温む妻留守の日の厨事
渡部義次
雲の峰
200305
輪郭のなき雲浮かべ水温む
菅谷たけし
200305
指先にの匂ひ水温む
高橋あゆみ
200305
久に会ふ妹の素顔水温む
小池愼女
火星
200305
糊壷は職の歳時記水温む
服部郁史
京鹿子
200305
草心という便箋や水温む
中野哲子
六花
200305
水温む民家は手打ち蕎麦の店
苑実耶
200305
水温む句座若ければよく笑ひ
長沼三津夫
200305
十一面観音の御手水温む
八代嫋
ぐろっけ
200305
赤ひげの先生の井戸水温む
田村すゝむ
風土
200306
立ち並ぶ風車運河の水温む
中里カヨ
酸漿
200306
水温むなんとはなしに隣町
中田千恵子
帆船
200306
水温む緋鯉しづかな雲の風
丸山冬鳳
京鹿子
200306
地下足袋を洗ふ谿間の水温む
旦真砂
京鹿子
200306
十指にも表裏ありけり水温む
山本伊都子
200307
馴らし鵜の手縄たるみて水温む
高崎武義
200402
林中を歩いてをれば水温む
藤田あけ烏
草の花
200403
正直に吐露する一句水温む
小林朱夏
200403
居留地に明治の水路水温む
和田一
雨月
200404
大池の匂ゆたかに水温む
浅川正
雲の峰
200404
水温む小学唱歌文語文
須藤智恵子
帆船
200404
水温むべし禅林を流れゆく
大串章
百鳥
200404
水温む無造作に明日約しゐて
岡本眸
200404
水温むひらひら朱き鴨の足
小堀裕子
草の花
200405
水温むたたみしもののやはらかく
仙入麻紀江
草の花
200405
舟入とふ京の運河や水温む
和田一
雨月
200405
釣具店魚拓新たや水温む
和田一
雨月
200405
大木の目覚めせき立て水温む
東亜未
あを
200405
メールにて妖しき誘ひ水温む
有田蟻太
200405
ともづなの消えたる先の水温む
淵脇護
河鹿
200405
山影を川面に宿し水温む
徳田正樹
河鹿
200405
黒鳥の真紅の嘴水温む
秀島みよ子
栴檀
200405
堰音の高まり来たり水温む
鈴木とおる
風土
200405
方丈に轆轤部屋あり水温む
外川玲子
風土
200405
兼好も聞きし黄鐘水温む
門伝史会
風土
200405
文豪のベンチの会話水ぬるむ
手塚久子
風土
200405
川底の石に日の影水温む
清水澄江
築港
200405
池の鯉鱗輝き水温む
清水澄江
築港
200405
手の上で切る絹ごしや水温む
高野政幸
築港
200405
水温む一村包む日のひかり
前迫寛子
河鹿
200406
水温むまろやかに堰越えにけり
藤井美智子
対岸
200406
水温む十歩で尽きる苑の橋
櫻井幹郎
百鳥
200406
放牧の山羊にオアシス水温む
金丸鐵蕉
200406
堰板を嵌めて用水水温む
鈴木とおる
風土
200406
水温む人待つ心となつてをり
遊橋恵美子
風土
200406
水温む嘴傷の鯉動き出す
福田かよ子
ぐろっけ
200406
水温む錦帯橋の靴の音
後藤桂子
万象
200407
水温む空へらくがきしたくなり
木村倫三
遠嶺
200407
水温むもぐりし亀の現れて
栢森定男
風よ
200407
見えてゐる人みなうごき水温む
八田木枯
夜さり
200409
水温む波が水押し流れゆく
内藤ゑつ
ゑつ
200411
師に師ありわれに弟子ゐて水温む
岡本眸
200412
魚好きの魚の絵皿水温む
杉山喜代子
帆船
200503
うろくづに抜かれ残りの水温む
朝妻力
雲の峰
200503
水温む草木瓜会の未来かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200503
水温む新同人の生れし句座
稲畑廣太郎
ホトトギス
200503
恋破れ佇つ水温む川辺かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200503
水温む後部座席の釣道具
伊藤白潮
200503
死ぬまでのむ藥十つぶや水ぬるむ
竹貫示虹
京鹿子
200503
垣の外に主婦らの会話水温む
渡辺嘉幸
帆船
200504
水温む運河を汽笛わたりくる
藤井和子
雲の峰
200504
少年は東京育ち水温む
石毛恵美子
対岸
200504
水温む鍬の楔に水打つて
神蔵器
風土
200504
水温む雲の中なる日の歩み
岡本眸
200504
水温む気球の影が利根わたる
岡米二
200505
水温む土蔵づくりの家映し
水原春郎
馬醉木
200505
水温むベンチの誰か首を垂れ
辻恵美子
栴檀
200505
桂郎の一跳び川も水温む
神蔵器
風土
200505
蜷にそれぞれの筋あり水温む
浜福恵
風土
200505
水温む十石舟の風あそび
鈴鹿仁
京鹿子
200505
閉村の案内状や水温む
楢崎幸子
帆船
200505
老い見ゆる己が十指に水ぬるむ
柳生千枝子
火星
200505
向う岸へ声をかけたり水ぬるむ
浜口高子
火星
200505
砂利舟に砂利のこんもり水温む
廣畑忠明
火星
200505
三輪車のいつたりきたり水温む
垣岡暎子
火星
200505
水温む用水路にて子等の声
清水幸子
築港
200505
石垣を映し皇居の水温む
澄田玄志郎
築港
200505
町なかの墓地に井戸あり水温む
土屋久美子
築港
200505
流れ藻の影を流して水温む
木内美保子
六花
200505
還暦に一つ加へて水温む
須賀敏子
あを
200505
水温む潮のぶつかる湾の口
長崎桂子
あを
200505
投げし石三段跳ねて水温む
淵脇護
河鹿
200506
ペンギンのよちよち歩き水ぬるむ
沼口蓬風
河鹿
200506
俎板に刃のひかる音水ぬるむ
芝生南天
河鹿
200506
家鴨には家鴨の陣や水ぬるむ
松山正江
河鹿
200506
水温むうつつてをりし旅心
塙告冬
ホトトギス
200506
ひゆうと跳ぶ石の軽さや水ぬるむ
内田稔
遠嶺
200506
心臓ホルダーもとより大事水温む
高橋澄子
200506
ふるさとの薬園の記事水温む
田村園子
200506
神橋の真つ赤映して水温む
伊藤以玖子
対岸
200506
校庭の蛇口逆さま水温む
辻田明
200506
手を叩き鯉呼ぶ子等に水温む
塚田恵美子
築港
200506
水温む遠音とも聞くバグパイプ
鈴木實
百鳥
200506
水温む止栓と施錠指差確認
小島輝和
帆船
200506
水温む鷺長々と頸のばし
谷村祐治
雨月
200506
夕鐘に「七つの子」の楽水温む
横田晶子
風土
200506
血圧のグラフ平らや水温む
奥田弦鬼
風土
200506
水温む畑白菜の鉢巻解け
丸山冬鳳
京鹿子
200506
手漕ぎして送る紙舟水温む
藤岡紫水
京鹿子
200506
鴨歩くよろける泳ぐ水ぬるむ
寺門丈明
あを
200506
諍ひし事もいつしか水温む
南保芙美子
遠嶺
200507
白壁の続く街道水温む
青山悠
200507
癒えし身のよるべは句座や水温む
松木重子
200507
水温む槽の鯰に鎮静剤
岡本久一
200508
雀寄る包丁塚や水ぬるむ
平野無石
200508
枯蓮の丈は揃いて水温む
植木やす子
200508
小奇麗な母の声して水温む
小林朱夏
200508
賞状の裏は真つ白水温む
藤井勢津子
200508
文鎮の魚のかたち水温む
高橋あゆみ
200510
和菓子屋にももいろ黄色水温む
楠原幹子
白卓布
200602
びつしりと川鵜流して水温む
稲畑廣太郎
ホトトギス
200603
へらへらと沈みゆく皿水温む
池田光子
風土
200604
水温むオリンピツクの深夜便
徳田正樹
河鹿
200605
賜はりし命ふたたび水温む
安達加寿子
200605
水温む画布に重ぬる色淡き
堤京子
馬醉木
200605
首洗ひ池も同じく水温む
水上れんげ
200605
辞書の名に苑や林や水温む
川嶋一美
200605
水温むボトル・キープに亡夫の名
岩田都女
風土
200605
水温むスローライフを楽しめり
中村洋子
風土
200605
心経の彫られし出刃や水温む
延広禎一
200605
水温む魚影くるりと向きを変へ
安田とし子
ぐろっけ
200605
天満子守歌の碑あたり水温む
溝内健乃
雨月
200605
水温む一本の樹の物語
石崎宏子
百鳥
200605
大方は黄泉へゆきけり水温む
福岡もも
百鳥
200605
つくばひに鵯が来て水温む
南原正子
酸漿
200605
一軒に二つの厨水温む
渡辺玄子
酸漿
200605

 家に隣りて良き茶房あり

水温む卓艶やかに茶房古り

岡本眸
200605
大川の流れ豊かに水温む
コ田正樹
河鹿
200606
渡舟には客吾一人水温む
泉田秋硯
200606
ラジコンで競ふ舟艇水温む
辰巳比呂史
200606
水温む撒き餌に波を立てて鯉
寒河江桑弓
200606
川原にて石投ぐる母子水温む
奥秋義貫
遠嶺
200606
ふつくらとパン焼きあがり水温む
福西礼子
火星
200606
水温む腰深ぶかと顔洗ふ
木村克子
対岸
200606
何事も起こらず仕舞ひ水温む
合川月林子
ぐろっけ
200606
水温むジーンズの裾綻ばせ
近藤倫子
ぐろっけ
200606
翡翠を見つつ息詰め水温む
小林れい
酸漿
200606
母と子と作る笹舟水温む
松原智津子
万象
200606
ブルーグレイの真鯉をしづめ水温む
竹内弘子
あを
200606
水温む水脈ひく鴨の首伸びて
内堀京子
河鹿
200607
源流は鷹ケ峰とや水温む
宮崎正
ホトトギス
200607
水温む家鴨と鴨と行き交うて
中上照代
火星
200607
錦鯉浮くも沈むも水温む
中上照代
火星
200607
水温むクリークにある蜷の道
高倉恵美子
200607
水温む誕生月の母卒寿
岐部陽子
八千草
200609
工事場に飯噴くにほひ水温む
清水裕子
200702
水温む3      

 

2021年2月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。